国税庁では、納税者利便の向上や申告手続の簡便化を図るため、確定申告に必要なデータをマイナポータル経由で一括取得し、申告書の該当項目へ自動入力する「マイナポータル連携」を活用し、スマホ等誰でも使い慣れたツールから、簡単・便利に手続を行うことができる環境の構築を進めている。令和7年分の確定申告では、「iPhoneのマイナンバーカード」への対応等、さらに利便性が向上する。本特集ではマイナポータル連携を利用した確定申告の利用方法と新たに追加されるサービスについて紹介する。
取材・文 向山勇
令和6年分確定申告では7割以上の納税者がe-Taxを利用!
令和8年1月以降はマイナポータル連携の対象拡大
令和6年分の確定申告では、7割以上の納税者がe-Taxを利用した確定申告を行った。実に約4人に3人がe-Taxを利用して申告するまでになっている。その背景には、確定申告手続きを行う方にとって、e-Tax利用のメリットが非常に大きいことが挙げられる。
まず、自宅から申告が可能であるため、税務署に出向く必要がない。また、「スマホ」でも申告書の作成が可能で、完成した申告書はそのまま送信ができる。さらにe-Taxは休日を含め24時間いつでも手続きができる(メンテナンス時間を除く)。平日の日中になかなか時間が取れないサラリーマン層にはメリットが大きい。そして、申告書の内容をいつでもデータで確認できることや、確定申告に添付が必要な多くの書類が提出不要となること(一部の書類は除く)、還付申告の場合はe-Taxを利用すれば書面で申告した場合に比べて早期還付される(書面の場合は1か月~1か月半程度の時間がかかる)等のメリットもある。
加えて、令和2年分の所得税確定申告からは「マイナポータル連携」機能が導入された。マイナポータル連携とは、所得税の確定申告書を作成する際に、マイナポータル経由で、控除証明書等の情報を一括で取得し、確定申告書の該当項目へ自動入力する機能。令和6年分の確定申告では、310万人がマイナポータル連携を利用して確定申告しており、そのメリットから、利用者数は年々増加している。
令和8年1月以降は、さらにマイナポータル連携の対象が拡大する。収入関係については、「生命保険契約等の一時金・年金」及び「損害保険契約等の満期返戻金等・年金」(それぞれ対応する保険会社に限る)が対象となる予定。控除関係については、ふるさと納税以外の一部の寄附金(対応する寄附団体に限る)が、新たにマイナポータル連携の対象となる予定となっている。
マイナポータル連携を利用したe-Tax 申告の事前準備と申告方法
マイナポータル連携を利用したe-Tax申告に必要なもの
ここでは、マイナポータル連携を利用したe-Tax申告を行う方法を紹介しよう。まずは手続きに必要なものを確認したい。マイナポ―タル連携を利用したe-Tax申告を行うには、(1)マイナンバーカード、(2)マイナンバーカード読取対応のスマホ(又はICカードリーダライタ)、(3)マイナンバーカードに格納された電子証明書の2つのパスワードが必要になる。2つのパスワードとは「署名用電子証明書」のパスワード(英数字6~16文字)と「利用者証明用電子証明書」のパスワード(数字4桁)だ。いずれも、マイナンバーカードを市区町村の窓口で受け取った際に、利用者自身で設定したパスワードである。「署名用電子証明書」のパスワードは5回、「利用者証明用電子証明書」のパスワードは3回連続で間違えるとロックされるので注意が必要。パスワードを忘れた場合やロックされた場合の対処方法については、公的個人認証サービスのポータルサイト(https://www.jpki.go.jp/jpkiidreset/howto/index.html)を参照されたい。
次に、マイナポータル連携を利用するためにはマイナポータル等で事前準備が必要(図<1> マイナポータル連携のための事前準備)となる。事前準備を行ってから実際に証明書等のデータが連携可能となるまでには、数日を要する場合があるので、事前準備は早めに済ませておきたい。マイナポータル連携可能な証明書等の発行主体(発行元)の情報や、連携可能となる時期については、国税庁の特設サイトに掲載されている。また、事前準備は最初の1回のみの手続であり、翌年以降の申告では、新たに取得するデータが増えない限り、原則、あらためて事前準備を行う必要はない。
ここでは、年末調整された給与所得を有するサラリーマンが、確定申告手続きで医療費控除とふるさと納税の適用を受ける還付申告を行う例を、「<1> マイナポータル連携のための事前準備」と「<2> マイナポータル連携を利用した申告の流れ」にわけて紹介している。
令和7年分の確定申告では、自宅からマイナンバーカードを使って、マイナポータル連携を利用したe-Taxを試していただき、その利便性の高さを実感してもらいたい。
iPhoneのマイナンバーカードにも対応
令和7年分の確定申告からは「iPhoneのマイナンバーカード」への対応も予定されており、利便性がより向上する。「iPhoneのマイナンバーカード」とは、マイナンバーカードをiPhoneで利用できるサービス。2025年6月24日からサービスが開始されており、最新のマイナポータルアプリと手元のマイナンバーカードを利用して、iPhone(Appleウォレット)に追加できる。
これまでe-Taxを利用して確定申告書を送信するには、マイナンバーカードをiPhoneにかざして読み取る必要があった。「iPhoneのマイナンバーカード」を利用すると、マイナンバーカードをスマホで読み取らなくても確定申告書の送信が可能になる。
なお、Androidスマホ向けには、電子証明書搭載サービスが令和5年5月から開始されており、令和7年1月からe-Taxでも利用可能となっている。
マイナンバーカードをiPhoneに追加する方法
■用意するもの
・iPhone(iOS 18.5以降を搭載したiPhone XS以降)
・マイナポータルアプリ
・実物のマイナンバーカード
・券面入力用暗証番号(数字4桁)
・署名用パスワード(英数字6~16文字)
1.マイナポータルアプリを起動し、追加をはじめる
2.顔の動きを撮影する
3.券面入力用暗証番号、署名用パスワードを入力する
4.マイナンバーカードを読み取る
実物のマイナンバーカードの上にスマートフォン背面上部をぴったりと合わせて、「読み取り開始」ボタンをタップする。
読み取りかたや位置は、端末ごとに異なる場合がある。
完了と表示されたら、カードを外す。ここまでで本人確認が完了。
5.iPhoneのマイナンバーカードの利用者証明用暗証番号を設定する
6.iPhoneのマイナンバーカードの署名用パスワードを設定する
7.Appleウォレットに追加する
8.利用可能になるまで待つ
iPhoneのマイナンバーカードの利用が可能になるまで、しばらく待つ。朝8時から19時30分に追加した場合はおおむね数分後、19時30分以降の場合は朝8時以降に、利用可能となる(平日・土日祝日とも)。
利用可能になると、Appleのウォレットアプリから通知が届きます。またマイナポータルアプリのメニューに「利用可能」と表示される。
※通知が届いてから、実際にカードを利用できるまで5分ほどかかるので、しばらく時間をあけてから利用する。
マイナンバーカード及び電子証明書の有効期限にご注意を
マイナンバーカードと電子証明書には、それぞれに有効期限があり、有効期限が過ぎると、マイナンバーカードを本人確認書類として使えなくなるほか、マイナンバーカードを利用したe-Taxによる申告、申請・届出等やコンビニでの住民票等交付サービスの利用、マイナ保険証としての利用等ができなくなる。とくに令和7年度においては、2,790万件と多数の更新が見込まれているため、確定申告期は市区町村窓口の混雑が予想される。更新を迎える方は余裕をもって早めに更新手続をしておきたい。有効期限は次の通りだ。
■ マイナンバーカードの有効期限
(1)カード発行時に18歳以上の場合:
カード発行から10回目の誕生日まで
※2022年(令和4年)3月31日までに、交付申請された20歳未満の方のマイナンバーカードの有効期限はカード発行から5回目の誕生日まで。
(2)カード発行時に18歳未満の場合:
カード発行から5回目の誕生日まで
■ 電子証明書の有効期限
年齢に関わらず、電子証明書の発行から
5回目の誕生日まで
マイナンバーカード、電子証明書の更新対象となる方には、有効期限の2~3ヶ月前を目途に、J-LIS(地方公共団体情報システム機構)から有効期限をお知らせする「有効期限通知書」が送付される。更新手続の際には、有効期限通知書とマイナンバーカードが必要。有効期限や更新手続等の詳細は、デジタル庁ホームページでも案内しているため、チェックしておきたい。なお、更新にかかる手数料は無料。
有効期限や更新手続等の詳細は、こちら(デジタル庁HP)
金融機関や税務署等に出向かず納税できるキャッシュレス納付5つの方法
確定申告によって納付の必要がある場合には、確定申告の期限までに自ら納付する必要がある。その際に「キャッシュレス納付」を利用すれば、⾦融機関や税務署等に出向く必要がなく、⾃宅等から手軽に納付手続ができる。キャッシュレス納付には主に5つの方法があるので、それぞれの特徴を理解し、自身にとって最適な手段を選択したい。
1. 振替納税
事前に届出をした預貯金口座から、国税庁が指定する振替日に自動で口座引落しにより納付する方法。毎年確定申告をしている個人の方にメリットが大きい。初回のみオンライン(e-Tax)又は書面で「預貯金口座振替依頼書」を所轄税務署又は金融機関に提出すれば、翌年分以降も毎年、指定した預貯金口座から自動で口座引落しが行われる。
2. ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)
e-Taxを利用して、事前に届出をした預貯金口座から、口座引落しにより納付する方法。e-Taxで電子申告を行う方や、源泉所得税の納付等で頻繁に手続が必要な方に適している。初回のみ事前に「ダイレクト納付利用届出書」を提出する必要がある。なお、個人であれば、届出書はオンライン(e-Tax)での提出も可能となっている。
※「ダイレクト納付利用届出書」を提出しただけでは、納付は完了していない。後日、ダイレクト納付が使用できるようになったら、e-Taxのメッセージボックスに「ダイレクト納付登録完了通知」が格納されるので、納付を行う場合は、メッセージが格納された後に、改めて納付手続を行う必要がある。
3. インターネットバンキング等(ペイジー)
インターネットバンキングや、ATMから納付する方法。インターネットバンキングの利用に当たっては、事前に金融機関とのインターネットバンキングの契約と、e-Taxの利用開始手続が必要となる。ATMの場合は契約は不要。
4. クレジットカード納付
専用サイト「国税クレジットカードお支払サイト」を経由し、クレジットカードを使用して納付する方法。納付税額に応じて別途決済手数料が発生する点、納付可能な金額は1,000万円未満かつ利用するクレジットカードの決済可能額以下である点に注意が必要。
5. スマホアプリ納付
e-Taxで申告等データを送信した後などに、専用サイト「国税スマートフォン決済専用サイト」を経由し、「○○Pay」といったスマホ決済アプリを使用して納付する方法。納付税額が30万円以下の方が納付するための手続である。
※各納付手段における利用できない税目の詳細は国税庁ホームページをご確認ください。
納税者利便の向上と税務行政の効率化を目指しe-Tax及びキャッシュレス納付の利用拡大を推進
国税庁では、政府全体のデジタル社会の実現に向けて、納税者利便の向上と税務行政の効率化を図る観点から、中期目標を設定した上でe-Tax及びキャッシュレス納付の利用拡大を推進している。その結果、令和6年度においても、e-Tax及びキャッシュレス納付の利用は順調に拡大している。これまでの実績を踏まえ、一部の手続については令和8年度末までの目標値を上方修正し、オンライン利用率の更なる向上を目指していく。
令和7年度の新たな取組としては、添付書類等のイメージデータ(PDF形式)による提出について、スキャナ読取り要件の見直しにより、これまではカラー階調(いわゆる、フルカラー)により読取り等を行う必要があったところ、白黒階調(いわゆる、グレースケール)でも提出可能とした(令和7年4月~)。また、税理士が委任関係を結んだ納税者の「マイページ」の内容を確認可能とした(令和7年5月~)。加えて、すでに紹介した通り、「iPhoneのマイナンバーカード」の利用を開始※し、令和8年1月からは、マイナポータル連携の自動入力対象を更に拡大する。
令和8年度以降もさらに機能拡大を図っていく。例えば、令和10年1月からは、添付書類等をイメージデータにより提出する場合のファイル形式について、PDF形式に加えてJPEG(JPG)形式での提出を可能とするほか、送信可能なデータ容量を1送信当たり最大100メガバイト程度に拡大する予定だ。
※「確定申告書等作成コーナー」は令和7年分の確定申告に向けて対応予定
コンビニのコピー機で申告書等が印刷可能に
令和7年10月から、税務署の窓口に行かなくても、コンビニエンスストアに設置されているマルチコピー機において、申告書・申請書・届出書等を印刷できるサービスが開始された。事前登録等は必要ない。
利用できるのはファミリーマート、ポプラグループ、ミニストップ、ローソンの各店舗のうち、シャープ製のマルチコピー機が設置されている店舗。印刷費用として、1ページ当たり白黒20円、カラー60円が必要。利用できる店舗や印刷できる申告書等、操作方法等は国税庁のサイトを参照されたい。
図表 マイナポータル連携の対象
図表 <2> マイナポータル連携を利用した申告の流れ
図表 キャッシュレス納付の特徴
図表 オンライン利用率の推移と中期目標値
取材・文 向山勇
令和6年分確定申告では7割以上の納税者がe-Taxを利用!
令和8年1月以降はマイナポータル連携の対象拡大
令和6年分の確定申告では、7割以上の納税者がe-Taxを利用した確定申告を行った。実に約4人に3人がe-Taxを利用して申告するまでになっている。その背景には、確定申告手続きを行う方にとって、e-Tax利用のメリットが非常に大きいことが挙げられる。
まず、自宅から申告が可能であるため、税務署に出向く必要がない。また、「スマホ」でも申告書の作成が可能で、完成した申告書はそのまま送信ができる。さらにe-Taxは休日を含め24時間いつでも手続きができる(メンテナンス時間を除く)。平日の日中になかなか時間が取れないサラリーマン層にはメリットが大きい。そして、申告書の内容をいつでもデータで確認できることや、確定申告に添付が必要な多くの書類が提出不要となること(一部の書類は除く)、還付申告の場合はe-Taxを利用すれば書面で申告した場合に比べて早期還付される(書面の場合は1か月~1か月半程度の時間がかかる)等のメリットもある。
加えて、令和2年分の所得税確定申告からは「マイナポータル連携」機能が導入された。マイナポータル連携とは、所得税の確定申告書を作成する際に、マイナポータル経由で、控除証明書等の情報を一括で取得し、確定申告書の該当項目へ自動入力する機能。令和6年分の確定申告では、310万人がマイナポータル連携を利用して確定申告しており、そのメリットから、利用者数は年々増加している。
令和8年1月以降は、さらにマイナポータル連携の対象が拡大する。収入関係については、「生命保険契約等の一時金・年金」及び「損害保険契約等の満期返戻金等・年金」(それぞれ対応する保険会社に限る)が対象となる予定。控除関係については、ふるさと納税以外の一部の寄附金(対応する寄附団体に限る)が、新たにマイナポータル連携の対象となる予定となっている。
マイナポータル連携を利用したe-Tax 申告の事前準備と申告方法
マイナポータル連携を利用したe-Tax申告に必要なもの
ここでは、マイナポータル連携を利用したe-Tax申告を行う方法を紹介しよう。まずは手続きに必要なものを確認したい。マイナポ―タル連携を利用したe-Tax申告を行うには、(1)マイナンバーカード、(2)マイナンバーカード読取対応のスマホ(又はICカードリーダライタ)、(3)マイナンバーカードに格納された電子証明書の2つのパスワードが必要になる。2つのパスワードとは「署名用電子証明書」のパスワード(英数字6~16文字)と「利用者証明用電子証明書」のパスワード(数字4桁)だ。いずれも、マイナンバーカードを市区町村の窓口で受け取った際に、利用者自身で設定したパスワードである。「署名用電子証明書」のパスワードは5回、「利用者証明用電子証明書」のパスワードは3回連続で間違えるとロックされるので注意が必要。パスワードを忘れた場合やロックされた場合の対処方法については、公的個人認証サービスのポータルサイト(https://www.jpki.go.jp/jpkiidreset/howto/index.html)を参照されたい。
次に、マイナポータル連携を利用するためにはマイナポータル等で事前準備が必要(図<1> マイナポータル連携のための事前準備)となる。事前準備を行ってから実際に証明書等のデータが連携可能となるまでには、数日を要する場合があるので、事前準備は早めに済ませておきたい。マイナポータル連携可能な証明書等の発行主体(発行元)の情報や、連携可能となる時期については、国税庁の特設サイトに掲載されている。また、事前準備は最初の1回のみの手続であり、翌年以降の申告では、新たに取得するデータが増えない限り、原則、あらためて事前準備を行う必要はない。
ここでは、年末調整された給与所得を有するサラリーマンが、確定申告手続きで医療費控除とふるさと納税の適用を受ける還付申告を行う例を、「<1> マイナポータル連携のための事前準備」と「<2> マイナポータル連携を利用した申告の流れ」にわけて紹介している。
令和7年分の確定申告では、自宅からマイナンバーカードを使って、マイナポータル連携を利用したe-Taxを試していただき、その利便性の高さを実感してもらいたい。
iPhoneのマイナンバーカードにも対応
令和7年分の確定申告からは「iPhoneのマイナンバーカード」への対応も予定されており、利便性がより向上する。「iPhoneのマイナンバーカード」とは、マイナンバーカードをiPhoneで利用できるサービス。2025年6月24日からサービスが開始されており、最新のマイナポータルアプリと手元のマイナンバーカードを利用して、iPhone(Appleウォレット)に追加できる。
これまでe-Taxを利用して確定申告書を送信するには、マイナンバーカードをiPhoneにかざして読み取る必要があった。「iPhoneのマイナンバーカード」を利用すると、マイナンバーカードをスマホで読み取らなくても確定申告書の送信が可能になる。
なお、Androidスマホ向けには、電子証明書搭載サービスが令和5年5月から開始されており、令和7年1月からe-Taxでも利用可能となっている。
マイナンバーカードをiPhoneに追加する方法
■用意するもの
・iPhone(iOS 18.5以降を搭載したiPhone XS以降)
・マイナポータルアプリ
・実物のマイナンバーカード
・券面入力用暗証番号(数字4桁)
・署名用パスワード(英数字6~16文字)
1.マイナポータルアプリを起動し、追加をはじめる
2.顔の動きを撮影する
3.券面入力用暗証番号、署名用パスワードを入力する
4.マイナンバーカードを読み取る
実物のマイナンバーカードの上にスマートフォン背面上部をぴったりと合わせて、「読み取り開始」ボタンをタップする。
読み取りかたや位置は、端末ごとに異なる場合がある。
完了と表示されたら、カードを外す。ここまでで本人確認が完了。
5.iPhoneのマイナンバーカードの利用者証明用暗証番号を設定する
6.iPhoneのマイナンバーカードの署名用パスワードを設定する
7.Appleウォレットに追加する
8.利用可能になるまで待つ
iPhoneのマイナンバーカードの利用が可能になるまで、しばらく待つ。朝8時から19時30分に追加した場合はおおむね数分後、19時30分以降の場合は朝8時以降に、利用可能となる(平日・土日祝日とも)。
利用可能になると、Appleのウォレットアプリから通知が届きます。またマイナポータルアプリのメニューに「利用可能」と表示される。
※通知が届いてから、実際にカードを利用できるまで5分ほどかかるので、しばらく時間をあけてから利用する。
マイナンバーカード及び電子証明書の有効期限にご注意を
マイナンバーカードと電子証明書には、それぞれに有効期限があり、有効期限が過ぎると、マイナンバーカードを本人確認書類として使えなくなるほか、マイナンバーカードを利用したe-Taxによる申告、申請・届出等やコンビニでの住民票等交付サービスの利用、マイナ保険証としての利用等ができなくなる。とくに令和7年度においては、2,790万件と多数の更新が見込まれているため、確定申告期は市区町村窓口の混雑が予想される。更新を迎える方は余裕をもって早めに更新手続をしておきたい。有効期限は次の通りだ。
■ マイナンバーカードの有効期限
(1)カード発行時に18歳以上の場合:
カード発行から10回目の誕生日まで
※2022年(令和4年)3月31日までに、交付申請された20歳未満の方のマイナンバーカードの有効期限はカード発行から5回目の誕生日まで。
(2)カード発行時に18歳未満の場合:
カード発行から5回目の誕生日まで
■ 電子証明書の有効期限
年齢に関わらず、電子証明書の発行から
5回目の誕生日まで
マイナンバーカード、電子証明書の更新対象となる方には、有効期限の2~3ヶ月前を目途に、J-LIS(地方公共団体情報システム機構)から有効期限をお知らせする「有効期限通知書」が送付される。更新手続の際には、有効期限通知書とマイナンバーカードが必要。有効期限や更新手続等の詳細は、デジタル庁ホームページでも案内しているため、チェックしておきたい。なお、更新にかかる手数料は無料。
有効期限や更新手続等の詳細は、こちら(デジタル庁HP)
金融機関や税務署等に出向かず納税できるキャッシュレス納付5つの方法
確定申告によって納付の必要がある場合には、確定申告の期限までに自ら納付する必要がある。その際に「キャッシュレス納付」を利用すれば、⾦融機関や税務署等に出向く必要がなく、⾃宅等から手軽に納付手続ができる。キャッシュレス納付には主に5つの方法があるので、それぞれの特徴を理解し、自身にとって最適な手段を選択したい。
1. 振替納税
事前に届出をした預貯金口座から、国税庁が指定する振替日に自動で口座引落しにより納付する方法。毎年確定申告をしている個人の方にメリットが大きい。初回のみオンライン(e-Tax)又は書面で「預貯金口座振替依頼書」を所轄税務署又は金融機関に提出すれば、翌年分以降も毎年、指定した預貯金口座から自動で口座引落しが行われる。
2. ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)
e-Taxを利用して、事前に届出をした預貯金口座から、口座引落しにより納付する方法。e-Taxで電子申告を行う方や、源泉所得税の納付等で頻繁に手続が必要な方に適している。初回のみ事前に「ダイレクト納付利用届出書」を提出する必要がある。なお、個人であれば、届出書はオンライン(e-Tax)での提出も可能となっている。
※「ダイレクト納付利用届出書」を提出しただけでは、納付は完了していない。後日、ダイレクト納付が使用できるようになったら、e-Taxのメッセージボックスに「ダイレクト納付登録完了通知」が格納されるので、納付を行う場合は、メッセージが格納された後に、改めて納付手続を行う必要がある。
3. インターネットバンキング等(ペイジー)
インターネットバンキングや、ATMから納付する方法。インターネットバンキングの利用に当たっては、事前に金融機関とのインターネットバンキングの契約と、e-Taxの利用開始手続が必要となる。ATMの場合は契約は不要。
4. クレジットカード納付
専用サイト「国税クレジットカードお支払サイト」を経由し、クレジットカードを使用して納付する方法。納付税額に応じて別途決済手数料が発生する点、納付可能な金額は1,000万円未満かつ利用するクレジットカードの決済可能額以下である点に注意が必要。
5. スマホアプリ納付
e-Taxで申告等データを送信した後などに、専用サイト「国税スマートフォン決済専用サイト」を経由し、「○○Pay」といったスマホ決済アプリを使用して納付する方法。納付税額が30万円以下の方が納付するための手続である。
※各納付手段における利用できない税目の詳細は国税庁ホームページをご確認ください。
納税者利便の向上と税務行政の効率化を目指しe-Tax及びキャッシュレス納付の利用拡大を推進
国税庁では、政府全体のデジタル社会の実現に向けて、納税者利便の向上と税務行政の効率化を図る観点から、中期目標を設定した上でe-Tax及びキャッシュレス納付の利用拡大を推進している。その結果、令和6年度においても、e-Tax及びキャッシュレス納付の利用は順調に拡大している。これまでの実績を踏まえ、一部の手続については令和8年度末までの目標値を上方修正し、オンライン利用率の更なる向上を目指していく。
令和7年度の新たな取組としては、添付書類等のイメージデータ(PDF形式)による提出について、スキャナ読取り要件の見直しにより、これまではカラー階調(いわゆる、フルカラー)により読取り等を行う必要があったところ、白黒階調(いわゆる、グレースケール)でも提出可能とした(令和7年4月~)。また、税理士が委任関係を結んだ納税者の「マイページ」の内容を確認可能とした(令和7年5月~)。加えて、すでに紹介した通り、「iPhoneのマイナンバーカード」の利用を開始※し、令和8年1月からは、マイナポータル連携の自動入力対象を更に拡大する。
令和8年度以降もさらに機能拡大を図っていく。例えば、令和10年1月からは、添付書類等をイメージデータにより提出する場合のファイル形式について、PDF形式に加えてJPEG(JPG)形式での提出を可能とするほか、送信可能なデータ容量を1送信当たり最大100メガバイト程度に拡大する予定だ。
※「確定申告書等作成コーナー」は令和7年分の確定申告に向けて対応予定
コンビニのコピー機で申告書等が印刷可能に
令和7年10月から、税務署の窓口に行かなくても、コンビニエンスストアに設置されているマルチコピー機において、申告書・申請書・届出書等を印刷できるサービスが開始された。事前登録等は必要ない。
利用できるのはファミリーマート、ポプラグループ、ミニストップ、ローソンの各店舗のうち、シャープ製のマルチコピー機が設置されている店舗。印刷費用として、1ページ当たり白黒20円、カラー60円が必要。利用できる店舗や印刷できる申告書等、操作方法等は国税庁のサイトを参照されたい。
図表 マイナポータル連携の対象
図表 <2> マイナポータル連携を利用した申告の流れ
図表 キャッシュレス納付の特徴
図表 オンライン利用率の推移と中期目標値

