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北海道開拓の礎~北海道文化の発祥の地~
江差税務署 総務課長 伊藤 和美

はじめに
 江差(えさし)税務署は北海道檜山郡江差町に所在、北海道南西部の日本海側に位置し、北海道では函館市、松前町と並び最も早く開けた地域の一つとして知られています。江戸時代にはニシンの漁場や北前船による交易の中心港で「江差の五月は江戸にもない」と謳われるほど栄えていたといわれています。
 江差税務署は北海道檜山地方のうち江差町、上ノ国(かみのくに)町、厚沢部(あっさぶ)町、乙部(おとべ)町及び奥尻(おくしり)町の5町を管轄しており、管内面積は約1,400km2で東京都の23区と26市(町村と離島を除く)を合わせた面積と同程度ですが、管内人口は2万人を下回り札幌国税局管内で最も管内人口が少ない税務署です。
写真 現庁舎

経済・産業
 江差税務署管内の産業は農業・漁業を中心とする一次産業が主体であり、農業関連では、厚沢部町が馬鈴薯「メークイン」の日本の発祥地とされています。厚沢部町では、毎年夏まつりにおいてメークインを使用したジャンボコロッケを揚げており、令和4年7月には総重量279kgのコロッケが作られ、ギネス世界記録に認定されています。
 漁業においては、現在も道内屈指の漁場といわれ、イカ、ウニ、アワビをはじめスケソウ、鮭漁などが盛んです。また近年は漁業者の収入安定を図ろうと各種養殖にも注力し、令和4年からはトラウトサーモン(ニジマス)の養殖に取り組み「江さしっこ繁虎(しげとら)」としてブランド化を図っており、ふるさと納税の返礼品にもなっています。
 なお、繁虎の由来は、江差に伝わる民話の登場人物でとんちの名人「繁次郎」の繁とトラウトサーモンのトラに虎の漢字を当てたものだそうです。
 その他の事業として、現在国が再生可能エネルギーの普及に向け導入を目指している「洋上風力発電」において、檜山沖が「有望区域」に指定されました。檜山地方は1年を通して風が強く、特に冬期間は季節風(江差では「たば風」と呼ばれています)の影響で全国でも有数の強風地帯となっています。現在は洋上風力発電機が設置されるためにもう一段階上の「促進区域」の指定に向けて各種調査が進められています。
 また、離島である奥尻町では環境省から第2回脱炭素先行地域(全国20件)に選定され、地熱発電やバイオマス燃料の利用など温室効果ガス削減について積極的に取り組まれています。
写真 ジャンボコロッケ作成の様子

姥神(うばがみ)大神宮渡御祭
 北海道三大祭りの一つである姥神大神宮渡御祭。毎年8月に人口約7千人の江差町に2~3万人がお祭りを目的に集まっているといわれています。
 その起源はおよそ380年前に遡り、神輿の渡御に町内の山車(ヤマ)が供奉し、豊作・豊漁・無病息災を祈念して巡行する、北海道最古のお祭りです。渡御祭当日は13台もの武者人形や歌舞伎人形を配した豪華な山車が、吹き流しや錦の御旗をひるがえし、流暢な北前船がもたらした祇園情緒と江差の風土が合わさった独特の祭囃子の調べにのって町内を練り歩く様子は圧巻です。
 姥神大神宮の創立は不詳ながら、古来より伝わる伝説に始まります。姥(うば=おばあさん)が神の教示によりニシン漁をもたらし、北海道開拓の礎を築いたことから、人々は「姥が神」として祠を建てて祀ったという伝説です。ニシンが群来するようになり、年々本州より人々が渡って江差が経済の中心となり、姥神大神宮は北海開祖神とも云われるようになったそうです。
 8月に江差に来られる機会があればぜひ、姥神大神宮渡御祭の迫力をご自身の目でご覧ください。
写真 姥神大神宮渡御祭の様子

開陽丸
 幕末の争乱時に旧幕府軍により導入された、当時最新鋭のオランダ製の軍艦である「開陽丸」。幕末の歴史が好きな方であれば一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
 開陽丸は戊辰戦争の際に旧幕府軍の榎本武揚などを収容し、蝦夷地に到着しました。松前を落として次の戦地である江差に向かう土方歳三らの陸軍支援のため開陽丸も江差に向かいましたが、江差沖で暴風雪に遭い座礁し、土方歳三や榎本武揚が見守る中、明治元年11月に沈没してしまいました。この開陽丸の沈没は、旧幕府軍の新政府軍に対する海上戦力の優位が一挙に崩れ去り、後の戦局に大きな影響を及ぼしたとされています。
 現在も開陽丸は江差沖の海底に眠っており、その船体や遺物は昭和50年に日本初の海底遺跡に登録されました。また、オランダに保管されていた開陽丸の設計図を基に開陽丸を復元した開陽丸記念館があり、その船内では大砲や海底から発見された遺物が展示されており、江差町の観光スポットとなっています。
写真 開陽丸記念館

おわりに
 江差税務署管内には、他にも紹介しきれない、文化や観光名所がたくさんあります。
 情緒溢れる歴史的な街並みなど、是非実際にお越しいただき、北海道の雄大な自然と歴史を体感してみてはいかがでしょうか。


都市と自然が調和した街札幌南
札幌南税務署 総務課長 一色 久史

はじめに
 札幌南税務署は、札幌市豊平区、南区、清田区と千歳市、恵庭市、北広島市の3区3市を管轄しています。
 管内面積は、香川県(1,877km2)に匹敵する広さがあり、札幌市内5税務署の中では札幌市の68.1%の面積を占めて最も広大です。
 管内人口は、道内30税務署の中で一番多く、道内人口の約13.7%(69万人)を占めています。
 管内経済は、北海道の空の玄関口である新千歳空港と札幌市を結ぶ交通アクセスに恵まれ、管内の広大な土地を有効活用した工業団地の整備が進み、大規模工場等が誘致されています。
 管内には、北海道日本ハムファイターズの本拠地「エスコンフィールド北海道」や半導体メーカーである「ラピダス」の次世代半導体の製造工場(建設中)などがあり、周辺地域はそれに伴う自然と調和した都市開発が進められています。

エスコンフィールド北海道
 札幌市の隣町である北広島市に令和5年オープンした日本で唯一の完全屋内天然芝野球場(屋根は開閉式)であり、北海道日本ハムファイターズの本拠地です。
 球場内には、世界初のプロ野球観戦ができる天然温泉の大浴場や本格サウナ、客室のあるホテルを備え、球場内で醸造した限定クラフトビール、北海道グルメを観戦しながら味わうことができます。
 また、敷地内には、グランピングやアスレチック施設など、多彩な「遊びと食」を提供する場として、日々進化しています。
 オープン後は、道内外から野球ファンだけではなく、多くの人々が訪れ、プロ野球の試合開催がない日も「エスコンフィールド北海道」にあるアミューズメント施設などを楽しんでいます。
 この球場のある区域の町名は、球場に合わせて「Fビレッジ」という町名に改称し、地区内に新たなJR駅の建設を予定しており、大規模マンションや商業施設の建設も続いているほか、医療系大学のキャンパス移転先として計画されるなど、まだまだ話題の絶えない地区です。
写真 エスコンフィールド北海道

ラピダス(Rapidus)
 次世代半導体の国産化を目指して令和5年9月から新千歳空港の滑走路近くに、大規模な半導体の製造工場を建設している半導体企業「ラピダス」は、令和4年に官民共同で設立され、先進的なプロセス技術を駆使して、より高速で省エネルギーな世界最先端のロジック半導体の開発と国内量産を目指しています。
 半導体は、回路線幅が細かいほど処理能力は高まり、消費電力も少なく済むことから、次世代半導体は、人口知能(AI)や量子コンピュータ、自動運転向けなど、世界的に需要が見込まれます。
 ラピダスの工場完成の予定は、令和7年11月になります。
 工場進出は、北海道では過去最大の企業進出とされ、工場建設に伴い、新たな雇用による住宅需要を期待して、千歳市内の地価は急上昇しており、令和6年基準地価の住宅地・商業地の上昇率が道内1位、全国トップ10入りしています。
 また、工場建設は、千歳市だけではなく、北海道にもたらす影響は多岐にわたり、経済、技術、環境の各面でその動向が注目されています。

定山渓
 札幌市中心部から車で1時間程の支笏湖洞爺国立公園内にある北海道を代表する温泉地であり、北海道の温泉地の中では歴史は古く、慶応2年、修行僧がアイヌの人々の案内で泉源に出会ったのが始まりといわれています。
 「定山渓温泉」は、四季折々の自然を堪能できる渓谷の湯どころで、周辺には登山やハイキングコース、サップなどの川遊び、観光施設も充実していて自然の中でアクティビティが楽しめます。
 定山渓の景勝地の中で、「豊平峡」は豊平川の治水である「豊平峡ダム」を中心に緑が織りなす自然の景観美あふれる場所です。
 秋には、札幌市有数の紅葉名所で、観光放流も行っているダムとしても人気があります。
写真 定山渓

支笏湖(しこつこ)
 新千歳空港から車で40分程に位置するアイヌ語の「シ・コッ」(大きな窪地)に語源を持つ支笏湖洞爺国立公園「支笏湖」は、湖の最大水深363mと全国2位の深さで、水面が凍結することはなく、日本最北の不凍湖で知られています。
 また、日本屈指の水質を誇る支笏湖には、明治43年完成の現存する日本最古の水力発電所があり、不純物のない水質のため故障も少なく、100年以上経った現在も稼働して電力を供給しています。
 湖畔にある温泉宿は、自然と調和した落ち着いた雰囲気のため、高級リゾートスパとして人気です。このほか、支笏湖に生息しているヒメマス(通称チップ)料理・釣り、キャンプ、ボート遊びなども楽しむことができます。
写真 支笏湖

サケのふるさと 千歳水族館
 「サケのふるさと千歳水族館」は、日本最大級の淡水の水槽があり、サケや北方圏の様々な淡水魚の生態を観察することができます。サケの一生を紹介するサーモンムービーが上映されるほか、千歳川の水中を直接見ることのできる日本初の施設「水中観察室」があり、四季折々の千歳川の生き物たちを観察することができます。
 サケは、白身の魚に分類されますが、身が赤いのは、エビやカニの甲殻類にも含まれる色素「アスタキサンチン」のためです。この色素は、抗酸化作用が強く、筋肉の負担を軽減させるため、サケは全身の筋肉に蓄えることによって長い回遊の旅に耐え、激流を遡上することができます。
 秋になると、サケの人工ふ化放流事業に用いるサケの親魚を捕獲するため、千歳川に「インディアン水車」が設置されます。産卵に向かうサケの群れは圧巻です。
写真 インディアン水車

羊ヶ丘展望台(クラーク像)
 「羊ヶ丘展望台」は、札幌市豊平区に位置し、この場所は、札幌市のシンボルともいえる「クラーク像」が立っていることで知られています。この像は、明治9年にアメリカから北海道大学の前身である札幌農学校の初代教頭として招かれた教育者ウィリアム・スミス・クラーク博士を模したもので、クラーク博士の教育理念や精神が今なお多くの人々に影響を与えています。像の足元には、「Boys be ambitious(少年よ、大志を抱け)」という名言が刻まれています。この言葉は、クラーク博士が北広島市島松まで見送りに来た職員、教え子たちとの別れの際に贈った言葉で、北海道の開拓精神を代表する言葉として、後世に伝えられています。
 像の前には広場があり、記念撮影に最適で、展望台からは、広大な札幌の自然や市街地の美しい景色を一望できます。
写真 クラーク像

新千歳空港
 「新千歳空港」は、昭和63年に開港し、航空自衛隊と滑走路を共有していた「千歳空港」から改称されました。かつての千歳空港は、新千歳空港のすぐ隣、現在の航空自衛隊千歳基地に所在し、「軍民共用」の空港として、航空自衛隊機と民間機が同じ滑走路を利用している状態でしたが、冷戦下、航空自衛隊機のスクランブル出動が増加し、民間機が周辺空域で待機を余儀なくされたため、航空機の安全確保と航空需要の拡大に対応するため、新千歳空港が建設されました。
 新千歳空港は、北海道最大の国際空港で、国内空港路線の基幹空港として利用されています。札幌市への交通アクセスも良く、空港内には、映画館や温泉、キャラクター系ミュージアムなどのアミューズメント施設のほか、北海道の生鮮食品やスイーツなどが購入でき、空港限定品も充実しています。また、ラーメンやスープカレー、ジンギスカン、豚丼など、北海道グルメを堪能することができます。
写真 新千歳空港

藻岩山
 札幌市のほぼ中心に位置する標高531mの「藻岩山」山頂の展望台からは、雄大な石狩平野を一望する景色が広がり、高層ビルが立ち並ぶ都市部と緑豊かな自然が織りなす絶景を360度見渡すことができ、なかでも夜景は「日本新三大夜景」に選出されるほどの美しさを誇ります。明治時代に札幌のまちづくりが進み、貴重な原始林が失われる中で、藻岩山の原生林は、大正10年に北海道で第1号の天然記念物として指定されました。以来、この自然の宝庫から高名な植物学や昆虫学の学者が育つと共に、市民の遠足・郊外学習や国内外観光客の観光名所の一つにもなっています。
 藻岩山では5つの登山道のほか、ロープウェイとミニケーブルカーでも山頂の自然を感じることができます。
写真 藻岩山からの夜景

おわりに
 札幌市には、今回、ご紹介しきれなかった季節ごとのイベント、グルメなどがまだまだあります。北海道は、何度訪れても新しい発見がある魅力的な場所ですので、是非一度、お越しください。


運河の街 小樽 ~港湾都市から観光都市へ~
小樽税務署 総務課長 遠藤 佳奈美

はじめに
 小樽税務署が所在する小樽市は、古くから北海道有数の港湾都市として発展してきました。
 北海道の中心都市である札幌市に隣接し、鉄道では札幌市から約30分でアクセスできる好立地です。
 明治期からの歴史的建造物や小樽運河などの風情ある街並み、小樽寿司屋通りに建ち並ぶ寿司店などは市内に100店舗を超え、現在は国内外からの観光客が訪れる観光都市となっています。
 北海道内の地名の8割がアイヌ語に由来していますが、小樽もまた「オタ・タル・ナイ(砂の中の川)」とアイヌ語に由来した地名です。
 小樽税務署は、平成22年の小樽地方合同庁舎の新設により現在の所在地に移転しました。
 現庁舎は、第一管区海上保安本部などが入居する重要な防災拠点施設であるとともに、観光スポットである小樽運河や倉庫群に近接する臨港地区にあることから、まちづくりや小樽港の景観形成に配慮された庁舎です。
 管轄地域は小樽市のみであり、管内面積は約243km2、管内人口は約10万人です。
写真 小樽地方合同庁舎

小樽運河
 小樽運河は庁舎から徒歩3分圏内に所在し、多くの観光客が日々訪れています。
 大正12年に完成した、全長約1キロの緩やかにカーブした運河沿いには、当時の趣を残した石造りの倉庫群が建ち並び、現在はレストランや美術館として活用されています。
 日暮れには63基のガス灯が灯り、ライトアップされた倉庫群を見ながら、昼間とは違った雰囲気を味わいながら散策することができます。
 小樽運河は、当時、北海道の開拓の玄関口として発展してきた小樽港沖に停泊する貨物船から、艀(台船)を使用し貨物を倉庫まで運び往来するために造られました。
 しかし、後に埠頭が数多く整備されると、運河はその役目を終え昭和41年には、道道臨港線を建設する都市計画により埋め立てが決定します。
 工事が進むに連れ一部の市民からは、運河保存の声が上がり昭和48年には「小樽運河を守る会」が結成されました。
 十数年に及ぶ論争の末、運河は一部埋め立てなどにより形と役目を変えながら多くの人が訪れる場所へとなりました。
 小樽運河は小樽の歴史とともに、観光都市小樽の一躍を担う存在となっています。
写真 小樽運河

小樽潮まつり
 毎年7月に3日間開催され、多くの観光客が訪れる小樽市内の夏の一大イベントです。
 初日は祭りの開催を知らせる「潮ふれこみ」、2日目に「潮ねりこみ」、最終日は花火大会が行われるなど期間中は街全体がお祭りの熱気に溢れています。
 小樽潮まつりは、商港として発展した海への感謝と小樽の更なる発展を願って始まったお祭りです。
 「潮ふれこみ」や「潮ねりこみ」では「潮音頭」や「潮踊り歌」に合わせて約1時間踊り歩きます。
 今年も70を超える団体が参加し、小樽税務署職員も関係民間団体の皆さまとご一緒に「潮ねりこみ」に参加させていただき、沿道にいる多くの祭りの参加者から熱い応援を受け、その熱気を堪能しました。
写真 潮まつり

天狗山
 天狗山は小樽市内中心部から自動車で約15分の標高532mの山です。山頂までは設置されたロープウェイに乗り5分で到着します。
 天狗山展望台からは、眼下に広がる小樽市内や積丹半島からの海岸線、天気が良ければ暑寒別岳や夕張岳まで眺めることができます。
 天狗山は、北海道の3大夜景の1つとして有名ですが、冬はこの夜景を見ながらスキーを楽しむこともできます。天狗山の由来は山中に天狗火(火や煙など)が見え天狗が棲んでいる、山や岩の形が天狗に似ていたなど多数の説があるようです。
 天狗山の山頂には「鼻なで天狗さん」がおり、その鼻をなでると「願いが叶う」とされています。
 そのため、パワースポットとして、訪れたたくさんの人々に鼻をなでられています。
写真 天狗山展望台から小樽港方面
写真 鼻なで天狗

北のウォール街小樽
 明治から大正、昭和初期にかけ小樽はニシン漁による繁栄、道内初の官営幌内鉄道の開通による海外への石炭輸送、北海道の物流拠点として小樽の経済は急激に発展していきます。
 国内のみならず、ロシアなど海外交易も盛んになり、為替や保険などの必要性が増し、明治11年には旧第四十四銀行小樽支店が小樽初の銀行として開設されました。
 明治26年には日本銀行小樽派出所が開設され、色内大通りや堺町通りには多数の金融機関が支店を開設し、北のウォール街とも呼ばれる銀行街として、小樽は北日本の金融都市となっていきます。
 旧日本銀行小樽支店は明治45年に完成し、東京駅を設計した辰野金吾の設計した建築物として有名です。当時建設された金融機関の建物は重厚で趣深く、小樽市の歴史的建造物に数多く指定されています。
 当時の建造物は用途を変え、現在は様々な施設として活用され、例えば旧日本銀行小樽支店は金融資料館として日本銀行の歴史や金融の仕組みなどを展示し一般公開しています。
 また、隣接している旧三菱銀行小樽支店は「小樽運河バスターミナル」、旧北海道銀行本店は「小樽バイン」といったレストランになっており、歴史的建造物が建ち並ぶ小樽観光の一つとなっています。
写真 旧日本銀行小樽支店

メルヘン交差点
 小樽市内にある放射状に延びる5差路である堺町交差点には、明治から大正時代の洋風建造物が建っており煉瓦作りの小樽オルゴール堂や異国情緒あふれる常夜灯、15分間隔で汽笛を鳴らすレトロな汽笛時計などがあり、メルヘンチックな情緒を感じられることから「メルヘン交差点」と呼ばれています。
 メルヘン交差点から日銀通りへ向かう約900mの堺町通りには、たくさんのお土産店やグルメスポットがあるため、いつも観光客で賑わっています。
 また、小樽市堺町の本線通りからメルヘン交差点までは小樽市内の最高路線価地域となっています。
写真 メルヘン交差点

旧国鉄手宮線
 旧国鉄手宮線は、北海道初の鉄道「官営幌内鉄道」の一部です。廃線後は鉄道跡地が整備され、当時の線路や踏切などを残し、約1.6キロの散策路として小樽市民に慕われています。
 小樽市総合博物館には当時の蒸気機関車をはじめ、50両もの鉄道車両が展示されています。
 鉄道跡地は、お祭りのイベント会場としても使用され、過去から現代へ鉄道の歴史が受け継がれています。
写真 旧国鉄手宮線

おわりに
 小樽は季節により様々な顔を見せてくれる街です。雪景色の運河はキャンドルの灯りに照らされ、幻想的な景観へと変わります。「小樽の歴史と自然を生かしたまちづくり景観条例」により、現存する79件もの歴史的建造物や、自然、文化が現代に大切に引き継がれています。
 新千歳空港からのアクセスも良く、将来は北海道新幹線小樽駅の開業も控えている小樽市へ是非お越しください。

《参考文献》
小樽市ホームページ、小樽観光協会ホームページ、小樽天狗山ロープウェイ・スキー場ホームページ