元財務省九州財務局長 野島 透
元財務官の岡村健司氏(私の財務省同期)が、2020年4月号のファイナンスの書評で拙著「夢を駆けぬけた飛龍 山田方谷」を紹介してくれ、「爽快な読後感」と感想を述べてもらった。さすが財務省の広報誌「ファイナンス」の影響力のおかげで、じわじわと拙著は世の中の方に知られるようになった。
例えば、2023年に大谷翔平などが参加したWBC(野球)で日本を世界一に導いた栗山英樹監督は、方谷が佐藤一斎先生からいただいた「盡己」(自分のできることをやりきる)の精神でWBCの監督を引き受け、世界一の瞬間は「盡己」の境地だったと回想している。また、2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智北里大学特別栄誉教授は「ノーベル賞を受賞した2015年には方谷の『至誠惻怛』(誠を尽くして相手をいたわり思いやる気持ち)をその年の言葉とした。自分の座右の銘としている。」と述べている。さらには、方谷が成功した財政再建などの改革手法で、一代で売上高7000億円の東証上場企業を創業した方や、東証に上場していたが経営不振に苦しんでいた会社を蘇らせた方なども出てきている。うれしい限りである。
山田方谷は両親などの愛情を受け幼少期から学問に励み、江戸の佐藤一斎塾でも学ぶ。その後財政赤字に苦しむ備中松山藩(岡山県高梁市全域、新見市、真庭市、総社市、倉敷市、吉備中央町の一部)の財政を立て直す。その成功で藩主板倉勝静は江戸幕府の最後の老中首座(現在の総理大臣)になり方谷も幕府の顧問になる。明治維新後は岡山藩の「閑谷学校(国宝)」の再興も行うなど将来世代の教育に尽力し、弟子は三島中洲(二松学舎大学創立者)、河井継之助(長岡藩家老)など多数いる。詳細については拙著「山田方谷に学ぶ改革成功の鍵」を参照していただければありがたい。
ただ、依然として山田方谷はほとんどの方には知られていない「知る人ぞ知る」存在である。そういう状況の下で、地元岡山では10年以上前から「方谷をNHK大河ドラマにしようと100万人署名活動」をし、103万人以上の署名を集めたが、知名度の低さなどのためまだ実現していない。
一方で、人情の機微を描く山本周五郎などの作品を公演する劇団「周」が2024年3月に、演劇のメッカ東京下北沢で拙著を原作として「山田方谷物語」を公演した。主演の丹羽貞仁氏の父が「銭形平次」で有名な二代目大川橋蔵ということもあり、全六回の公演全て立ち見が出るほどの満員御礼になった。この成功で、2024年12月に新見市(6日)、高梁市(8日)、岡山市(10日)再度の東京(17,18日)の公演が決まった。
また、拙著を読んで興味を持ったマンガ家などが「天才軍師のススメ」というマンガを執筆している。この漫画は「Kindle」(アプリ)から無料で読める。
内容は方谷が時空を超えて生まれ変わり世の中の悪や不正に立ち向かい解決していくというものである。
山田方谷の考え方や政策が財政再建、地方活性化そして日本の閉塞感の打破に少しでもお役に立てればと考えている。
写真 (c)HOUKOKU THEATER PROJECT
写真 (c)YAMADA HOUKOKU PROJECT
元財務官の岡村健司氏(私の財務省同期)が、2020年4月号のファイナンスの書評で拙著「夢を駆けぬけた飛龍 山田方谷」を紹介してくれ、「爽快な読後感」と感想を述べてもらった。さすが財務省の広報誌「ファイナンス」の影響力のおかげで、じわじわと拙著は世の中の方に知られるようになった。
例えば、2023年に大谷翔平などが参加したWBC(野球)で日本を世界一に導いた栗山英樹監督は、方谷が佐藤一斎先生からいただいた「盡己」(自分のできることをやりきる)の精神でWBCの監督を引き受け、世界一の瞬間は「盡己」の境地だったと回想している。また、2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智北里大学特別栄誉教授は「ノーベル賞を受賞した2015年には方谷の『至誠惻怛』(誠を尽くして相手をいたわり思いやる気持ち)をその年の言葉とした。自分の座右の銘としている。」と述べている。さらには、方谷が成功した財政再建などの改革手法で、一代で売上高7000億円の東証上場企業を創業した方や、東証に上場していたが経営不振に苦しんでいた会社を蘇らせた方なども出てきている。うれしい限りである。
山田方谷は両親などの愛情を受け幼少期から学問に励み、江戸の佐藤一斎塾でも学ぶ。その後財政赤字に苦しむ備中松山藩(岡山県高梁市全域、新見市、真庭市、総社市、倉敷市、吉備中央町の一部)の財政を立て直す。その成功で藩主板倉勝静は江戸幕府の最後の老中首座(現在の総理大臣)になり方谷も幕府の顧問になる。明治維新後は岡山藩の「閑谷学校(国宝)」の再興も行うなど将来世代の教育に尽力し、弟子は三島中洲(二松学舎大学創立者)、河井継之助(長岡藩家老)など多数いる。詳細については拙著「山田方谷に学ぶ改革成功の鍵」を参照していただければありがたい。
ただ、依然として山田方谷はほとんどの方には知られていない「知る人ぞ知る」存在である。そういう状況の下で、地元岡山では10年以上前から「方谷をNHK大河ドラマにしようと100万人署名活動」をし、103万人以上の署名を集めたが、知名度の低さなどのためまだ実現していない。
一方で、人情の機微を描く山本周五郎などの作品を公演する劇団「周」が2024年3月に、演劇のメッカ東京下北沢で拙著を原作として「山田方谷物語」を公演した。主演の丹羽貞仁氏の父が「銭形平次」で有名な二代目大川橋蔵ということもあり、全六回の公演全て立ち見が出るほどの満員御礼になった。この成功で、2024年12月に新見市(6日)、高梁市(8日)、岡山市(10日)再度の東京(17,18日)の公演が決まった。
また、拙著を読んで興味を持ったマンガ家などが「天才軍師のススメ」というマンガを執筆している。この漫画は「Kindle」(アプリ)から無料で読める。
内容は方谷が時空を超えて生まれ変わり世の中の悪や不正に立ち向かい解決していくというものである。
山田方谷の考え方や政策が財政再建、地方活性化そして日本の閉塞感の打破に少しでもお役に立てればと考えている。
写真 (c)HOUKOKU THEATER PROJECT
写真 (c)YAMADA HOUKOKU PROJECT