伝わると、みんなの物語になれる。
株式会社PR TIMES 代表取締役社長 山口 拓己
2021年4月8日、統計開始から初めて日本全土で交通死亡事故がゼロになったこの日、全国に伝えられるはずの喜ばしい成果は、ひっそりと記録されただけでした。ある新聞社がその快挙に気づいて『「全国で交通死亡事故ゼロの日」4月8日に初達成 統計から53年』と報じたのは、1週間後のこと。この交通死亡事故ゼロという成果は、一つの到達点に過ぎないかもしれません。しかし、痛ましい事故を無くそうと積み重ねてきた数え切れないほど多くの人の意志と行動と努力を想像すると、社会にもっと広く知られて、称えられて欲しかったと思わずにはいられません。
人々の暮らしは安全で、便利に、そして豊かになっています。この先も、今まで想像もできなかった驚きや楽しさに出会える期待感があります。またインターネットの浸透とスマートフォン、SNSの普及によって、空間や時間の制約を超えて情報が行き交うようになりました。
しかし私たちが日々目にするニュースの多くは、事件や事故、そしてスキャンダルなど後味の悪い話題が駆け巡り、世の中がより良くなっている実感とはかけ離れています。それは今に始まったことではありません。300年以上前、瓦版の時代から災害やゴシップが庶民の人気を集めていたと言われています。もしも人間の性として、他人の不幸は蜜の味と感じるのだとしても、そういったニュースが溢れる社会を私たちは本当に求めているのでしょうか。
事故を公表することで、再発の防止につながる効果はあると考えられます。厚生労働省が2017年に改定した医薬品等適正広告基準では、不快、迷惑、不安又は恐怖を与えるおそれのある広告を制限しています。不安や恐怖というのは、人を動かす力があります。しかし同時に人は不安や恐怖に苛まれると、動けなくなってしまうこともあります。
交通事故死者数は、この50年余りで6分の1以下になりました。時間の経過とともに自然と良くなったのではなく、安全を取り締まる警察、万が一の事態に駆けつけてくれる消防や助けてくれる医療、車やバイクをより安全にするメーカー、通学路で横断旗を振るボランティア、そして道路を整備する行政と事業者などなど、さまざまな分野の人たちが長きにわたって尽力してくださった成果です。世の中に流通するあらゆる商品、サービス、当たり前にあるインフラは、誰かの働きによってつくられたものです。私たちの生活は誰かによって支えられ、私たちの働きは誰かの役に立っています。普段何気なく生活している間は、そういった営みにはほとんどスポットライトが当たることがありません。それでも真面目に頑張り、努力を続ける人たちがいます。努力して必ずしも報われるわけではなく、理不尽なことさえあります。だからこそ、世の中を動かしているのは、一人ひとりの行動力だと、すべての人たちが体感できる社会を実現したいと私は思っています。
これまでPR TIMESを通じて公表されたプレスリリースは200万件を超えます。プレスリリースはひとつ一つに物語があります。熱を帯び、夢を抱き、不安や葛藤を抱えながらも行動し、表明する。そのようなプレスリリースに心を揺さぶられます。2021年4月8日、その偉業はひとりのカリスマが成し遂げたものではありませんでした。それでも、いやそういう時ほど、堂々と公表し、みんなで称えあえる社会にしたい。そう強く願っています。
株式会社PR TIMES 代表取締役社長 山口 拓己
2021年4月8日、統計開始から初めて日本全土で交通死亡事故がゼロになったこの日、全国に伝えられるはずの喜ばしい成果は、ひっそりと記録されただけでした。ある新聞社がその快挙に気づいて『「全国で交通死亡事故ゼロの日」4月8日に初達成 統計から53年』と報じたのは、1週間後のこと。この交通死亡事故ゼロという成果は、一つの到達点に過ぎないかもしれません。しかし、痛ましい事故を無くそうと積み重ねてきた数え切れないほど多くの人の意志と行動と努力を想像すると、社会にもっと広く知られて、称えられて欲しかったと思わずにはいられません。
人々の暮らしは安全で、便利に、そして豊かになっています。この先も、今まで想像もできなかった驚きや楽しさに出会える期待感があります。またインターネットの浸透とスマートフォン、SNSの普及によって、空間や時間の制約を超えて情報が行き交うようになりました。
しかし私たちが日々目にするニュースの多くは、事件や事故、そしてスキャンダルなど後味の悪い話題が駆け巡り、世の中がより良くなっている実感とはかけ離れています。それは今に始まったことではありません。300年以上前、瓦版の時代から災害やゴシップが庶民の人気を集めていたと言われています。もしも人間の性として、他人の不幸は蜜の味と感じるのだとしても、そういったニュースが溢れる社会を私たちは本当に求めているのでしょうか。
事故を公表することで、再発の防止につながる効果はあると考えられます。厚生労働省が2017年に改定した医薬品等適正広告基準では、不快、迷惑、不安又は恐怖を与えるおそれのある広告を制限しています。不安や恐怖というのは、人を動かす力があります。しかし同時に人は不安や恐怖に苛まれると、動けなくなってしまうこともあります。
交通事故死者数は、この50年余りで6分の1以下になりました。時間の経過とともに自然と良くなったのではなく、安全を取り締まる警察、万が一の事態に駆けつけてくれる消防や助けてくれる医療、車やバイクをより安全にするメーカー、通学路で横断旗を振るボランティア、そして道路を整備する行政と事業者などなど、さまざまな分野の人たちが長きにわたって尽力してくださった成果です。世の中に流通するあらゆる商品、サービス、当たり前にあるインフラは、誰かの働きによってつくられたものです。私たちの生活は誰かによって支えられ、私たちの働きは誰かの役に立っています。普段何気なく生活している間は、そういった営みにはほとんどスポットライトが当たることがありません。それでも真面目に頑張り、努力を続ける人たちがいます。努力して必ずしも報われるわけではなく、理不尽なことさえあります。だからこそ、世の中を動かしているのは、一人ひとりの行動力だと、すべての人たちが体感できる社会を実現したいと私は思っています。
これまでPR TIMESを通じて公表されたプレスリリースは200万件を超えます。プレスリリースはひとつ一つに物語があります。熱を帯び、夢を抱き、不安や葛藤を抱えながらも行動し、表明する。そのようなプレスリリースに心を揺さぶられます。2021年4月8日、その偉業はひとりのカリスマが成し遂げたものではありませんでした。それでも、いやそういう時ほど、堂々と公表し、みんなで称えあえる社会にしたい。そう強く願っています。