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編集後記/令和6年5月号(通巻第702号)

「ファイナンス」5月号を手に取って頂き、ありがとうございます。
春の陽気が心地よく感じられる季節となりました。新緑が目に映え、花々が咲き誇る中、財務省も新たな気持ちでさまざまな取組みを進めていきます。
今号の巻頭言では、「逆・タイムマシン経営論」などで有名な楠木 建様より「本性主義」と題してご寄稿を頂きました。「本性主義は、人と人の世の中の変わらない部分に目を向ける」、「変わっていく世の中で、変わらないものを見抜く」ことに「経営者の本領がある」と。企業経営と行政とで異なる面はあるものの、様々な課題解決に当たって、「それってつまり、こういうことなんじゃないの?」と、目の前の事案や物事の本質をいかに的確に掴み取れるかは、最善の(あるいはより良い)判断を行う上で重要な能力だと感じます。
また、「遠近歪曲」という概念を用いて、「近いものは粗が目立ち、遠いものはよく見えやすい」とのお話も頂きましたが、国際的に見て、日本人は自己肯定感が低い、とする意見もよく耳にします。あくまで卑近な例ですが、コロナ禍を経て、多くの外国人旅行客が来日し、和食やコンビニメニューを絶賛している動画が一時バズったりもしていましたが、見る側としては素直にThank you!と言いたくなります。故郷や日本の良さ、本質あるいはオススメをしっかり掴んで発信できるようになることもまた、今後ますます重要な能力ではないかと思います。
(財務省広報室長 阪井 聡至)