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編集後記/令和6年3月号(通巻第700号)

「ファイナンス」は今号で通巻700号を迎えました。100号前の600号は2015(平成27)年11月に発行されていますので、およそ9年に一度の節目を編集担当として迎えることができましたことを、この場をお借りして読者の皆さまはもとより、関係各位に感謝申し上げます。
2011年3月11日に発生した東日本大震災と東京電力福島第1原子力発電所事故から13年が経ちました。2016年から2年間、私は、今号の巻頭言をご寄稿頂いた高橋窓太郎氏の活動拠点である雄勝町がある宮城県石巻市に出向し、多くの復旧・復興事業の推進に携わりました。当時は、高橋氏の作品もまだ企画すら存在してはいませんでしたが、氏がその壁面に素晴らしい作品を生み出している防潮堤をはじめ、地域の人々の暮らしや生業を守るために必要なインフラ建設事業の多くは、全国の皆さまから納めていただいた税によって進めることが出来ました。
髙橋氏が生み出した巨大アートの一つは、私のSNSのプロフィール写真にもなっていますが、海岸線の美術館の開館に至るまでには、様々な課題やそれこそ「壁」もあったと伺いました。「地域の未来を変えるのは、若者・よそ者・馬鹿者だよ」とある石巻市の方に言われたことがあります。「50年後?の世界遺産」が生み出されるのを楽しみに、これからも東北に関わっていきたいと思います。
(財務省広報室長 阪井  聡至)