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編集後記/令和5年11月号(通巻第696号)

「ファイナンス」11月号をお読み頂き、ありがとうございます。今夏は記録的な猛暑もあってか、朝からぬるま湯のようだった蛇口の水もずいぶん冷たくなり、身近な「秋され」を感じます。
日本全国、様々な街がありますが、巻頭言でご寄稿を頂いた(株)グランドレベル・田中元子さんのお話を伺って、街の「一階」が住民や歩行者、観光客などに知らず知らず与えている力の大きさを再認識しました。初めて訪れた場所でも、一見さんがつい覗いてみたくなる門構え、興味本位で足を踏み入れててみたくなる店づくりなど、「私」でありながら「公」も意識した、開かれたスペースがどれほどあるかによって、その街全体の雰囲気もガラッと変わるのかもしれません。かつて過ごした東北被災地で復旧・再建された公共施設など、休館日であっても人通りを生み出す仕掛けや(開館日に)入ってみたくなる外観、「一階」目線でもわかる楽しそうな雰囲気づくりなど、工夫を凝らした公共建築物が街の魅力の引き立て役となっていたことも思い出されます。
早いもので、もうすぐ今年も終わりですね。去り行く秋を楽しみつつ、プライベートの街歩きの際には、改めて「一階」に着目してみたいと思います。
(財務省広報室長 阪井 聡至)