このページの本文へ移動

上毛かるたとデジタル県
~明るく、楽しくそして希望の持てる未来に向かって~ 県都前橋
前橋市
前橋税務署 総務課長/大畑 勝

はじめに
前橋税務署は、明治29年11月に設置され、その後幾度かの庁舎移転を重ねて、平成27年6月に現在の庁舎である「前橋地方合同庁舎」へ移転しています。
当署がある前橋市は、群馬県の政治・文化・経済の中心都市であり、「水と緑と詩(うた)のまち」をキャッチフレーズとして掲げ、赤城、榛名の山並みを背景に、豊かな水をたたえた利根川(呼称:坂東太郎)や広瀬川などが市街地を流れ、萩原朔太郎をはじめとする多くの詩人を生んだ緑豊かな自然と文化に恵まれた都市となっています。

「かかあ天下」と「空っ風」
上州の名物に「かかあ天下」と「空風(からっかぜ)」、それに「雷」の3Kがあります。
最初のK「かかあ天下」は、強い女性というイメージがありますが、実のところ、江戸時代中期から養蚕が盛んで、女性がその手間のかかる蚕の世話をするほか、家事・育児とよく働き家計を支えており、夫たちは「俺のかかあは天下一!」と叫び、これが上州名物の「かかあ天下」と言われてきました。
二つ目のK「空っ風」は、冬の日本海側で雪を降らせたあとの乾燥した冷たい空気が山を越えて吹き降りてきた風のことで、「赤城おろし」「榛名おろし」などとも呼ばれていますが、その強くて冷たい風を「空っ風」と言っています。
最後のK「雷」は、群馬が全国的にも夏に雷が落ちやすい県であり、夏になると上毛三山に囲まれた地形から、夏の強い日差しに温められた空気が上昇気流を作り出し、雷雲となって雷を発生させるからと言われています。「上州の雷は一番音がする」と言われ、神様が鳴らしていると恐れられている一方、雨を降らせ、水の恵みを与えるものとされてきました。

上毛かるた
ここまで紹介してきた上州名物の空っ風と雷には、「雷(らい)と空風(からっかぜ)、義理人情」と詠まれたかるたがあります。この札は群馬県民の強い思いから2つしかない赤い札の1枚となっています。そんな「上毛かるた」は、昭和22年に発行された群馬を代表する郷土かるたであり、全44枚の群馬県の名所旧跡や輩出した人を札としています。翌昭和23年には、第一回上毛かるた競技県大会が開催され、毎年1月から2月がかるたシーズンで群馬県内の子供たちは、1月の予選大会、2月の県大会に向けて冬休みを利用して練習に励むのが普通です。そのため、群馬県人は、かるたの読み札をほぼ暗記しています。
また、「力あわせる二百万」という札がありますが、この札は、群馬県の人口が入っており、作られた当時の160万から始まり、その後4回改められ、平成5年に現在の200万になっています。このため、それぞれの年代を知る目安に使われることもあるようです。いつの時代も、上毛かるたによって郷土愛や助け合いの精神によって心をひとつにしてほしいと願う札が県民の間で浸透していることにも、群馬の風土を感じます。

豚肉王国へ
前橋市は、上毛かるたで「県都前橋 生糸の市(まち)」と詠まれているように、古くは「マエバシシルク」と呼ばれる生糸で人気が高く外国商人の間で盛んに取引されていました。現在はというと、「TONTON(とんとん)のまち前橋」として美味しくて、いろんな豚肉料理を食べることができます。「とんかつ」、「ソースカツ丼」、「ホルモン」、「豚丼」といった豚肉料理の王道はもちろんのこと、うどんにトンカツがのった「とんかつうどん」や寿司屋の「tonton巻き」、「とんぷら(豚肉の天ぷら)」や「かつむすび」など、とにかく豚、豚、豚づくしで「豚肉王国」へと進化しております。
写真 群馬県の名物グルメ「ソースかつ丼」

日本最先端クラスのデジタル県に向けて
群馬県は、令和2年度に策定した「新・群馬県総合計画」において、令和22年の目指す姿を「年齢や性別、国籍、障害の有無等にかかわらず、すべての県民が、誰一人取り残されることなく、自ら思い描く人生を生き、幸福を実感できる自立分散型の社会」と描き、その実現を目指しています。計画の中では、まず令和5年度末までに日本最先端クラスのデジタル県になることを目標としており、令和3年11月には、様々な分野でデジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進を図るため、『ぐんまDX加速化プログラム』を策定しました。
具体的な取組として、県公式LINEアカウント「群馬県デジタル窓口」から利用できる「ぐんまワクチン手帳」を全国に先駆けて開発、またモバイル端未上で避難訓練を実施できる「ぐんま大雨時デジタル避難訓練」などをリリースしています。
さらに、県民の利便性向上として、優先度の高い行政手続の電子化率向上や県有施設のWi-Fi整備の拡大などに取り組んでいます。
また、前橋市では、タクシー車内のマイナンバーカードをタッチするだけで割引運賃適用や行きたい地域のバス運行を調べるデマンドバスのアプリ開発など、デジタル先進都市として鋭意検討をしています。
そんな前橋から実証実験としてスタートした「MaeMaaS」の成果を踏まえて、群馬県内にMaaSの仕組みを拡大するため、令和5年3月に群馬版MaaS「GunMaaS」の運用も開始しました。これまで、経路検索や予約、決済を交通サービスごとに窓口などで行っていましたが、このGunMaaSでは、スマートフォン1つでどこからでも経路検索や予約、決済などが可能となっています。今後、利用可能エリアを順次拡大させ、群馬県内の移動をさらに便利にし、多くの県民や来県される皆様に使っていただけるサービスを目指して取り組んでいます。
写真 桜並木に映えるデジタル県庁群馬

おわりに
今回は、上毛かるたや豚肉大国、そしてデジタル県の種々施策を紹介して群馬県をアピールしました。群馬県は、都心からも近く、気軽に足が運べるのも魅力の一つですので、是非、一度お越しください。きっと、群馬のもてなしに義理人情を感じる思い出に残る旅行となるはずです。
(写真提供:群馬県(許諾第05‐02051号)、(公財)前橋観光コンベンション協会)


鉄道のまち盆栽の聖地
さいたま市
大宮税務署 総務課長
小田多井 寛

はじめに
大宮税務署は、平成13年5月1日の大宮市、浦和市、与野市の合併により誕生した「さいたま市」のうち、大宮区、西区、北区、見沼区を管轄しており、管内の人口は約53万人となっています。
管内の中心には全国有数のターミナル駅である大宮駅と、県内一の商業地区を擁しています。
写真 大宮駅周辺(上空より)

鉄道のまち
大宮は「鉄道のまち」と言われています。
大宮駅が開業したのは明治18年。高崎線と東北本線(宇都宮線)の分岐点として選ばれた大宮に駅が開設されました。
大宮は、その交通・運送の利便性とともに埼玉県内の豊富な原料繭等が注目され、製糸工場やその関連商工業が集積して発展していくこととなりました。
現在の大宮駅には東北・北海道、上信越、北陸方面や首都圏の各地域を結ぶ新幹線6線、在来線7線が乗り入れており、都心や東日本の多くの都市への鉄道アクセスが充実しています。
また、首都圏広域地方計画(平成28年3月)で大宮は、西日本の玄関口となる「品川」と並び、東日本からの多種多様なヒト、モノが実際に集結する最初の対流拠点となる「東日本の玄関口」と位置づけられています。
写真 東日本をつなぐ鉄道

盆栽の聖地
大宮には「大宮盆栽村」という盆栽園が集まる地域があり、盆栽の聖地として世界中からたくさんのファンが訪れます。
かつて、東京の団子坂(文京区千駄木)周辺には江戸の大名屋敷などの庭づくりをしていた植木職人が多く住んでおり、明治になってから盆栽専門の職人も生まれました。その後、大正12年に起きた関東大震災をきっかけに、東京の盆栽業者が盆栽育成に適した土壌を求めてこの地へ移り住み、自治共同体として大宮盆栽村が生まれました(最盛期には約30の盆栽園がありました。)。
“大宮盆栽”は盆栽の最上級ブランドとして知られ、さいたま市の伝統産業にも指定されています。
英語でも「BONSAI」と表記され、世界共通の文化となりつつあります。
外国人の方々も、小さな鉢に植物を植え、その中に自然美や壮大さを表現する盆栽に魅了される人が増えています。
写真:五葉松「日暮し」
写真:大宮盆栽美術館(盆栽庭園)

観光スポット・グルメ
〔武蔵一宮氷川神社〕
武蔵一宮(むさしいちのみや)氷川神社は、2,000年以上の歴史を持つといわれ、大いなる宮居として大宮の地名の由来にもなった日本でも指折りの古社です。
武蔵一宮として関東一円の信仰を集め、初詣には多くの参拝客で賑わいます。
また、毎年5月には境内で恒例行事の大宮薪能が開催され、観る者を幽玄の世界へ誘います。
写真:武蔵一宮氷川神社
〔大宮公園〕
大宮公園は、樹齢百年を超える赤松がそびえる赤松林や、名物の1,000本もの桜をはじめ、新緑や紅葉が美しい樹木がたくさんあり、四季おりおりの変化が楽しめるほか、硬式野球場、双輪場(兼陸上競技場)、サッカー場、プール(競泳用)、弓道場、小動物園、児童遊園地などもあり、埼玉県で一番利用の多い県営公園として親しまれています。
写真 大宮公園
〔鉄道博物館〕
大宮には日本を代表するミュージアム「鉄道博物館」があり、「鉄道」「歴史」「教育」をコンセプトに、日本における鉄道の役割、鉄道技術の変遷、社会への影響などが学べます。
館内では、実物車両を当時の情景を再現しながら展示しているほか、日本最大の鉄道ジオラマ、日本初の「D51」運転台を使ったシミュレータ、実物の模型を使っての体験学習など、鉄道を身近に感じることができる魅力溢れるコーナーがいっぱいあります。ただ見るだけではなく、鉄道に関する様々な体験ができることから“鉄道の聖地”となっています。
鉄道ファンだけでなく、子供たちも楽しめる場所となっておりますので、一度訪れてみてはいかがでしょうか。
写真 鉄道博物館
〔大宮ナポリタン〕
鉄道の街として栄えた大宮では、駅周辺の洋食店や喫茶店で提供されるナポリタンが昔から鉄道マンなどに親しまれていました。
そんなナポリタンを懐かしむ声をヒントに、武蔵一宮氷川神社の鳥居の色、Jリーグ大宮アルディージャのチームカラーでもある“オレンジ”にちなんだ大宮の新名物・ご当地グルメが「大宮ナポリタン」です。旧大宮市に店舗があり、埼玉県の食材を一種使っていることが条件。
昔ながらのナポリタンだけでなく、中華風・和風等にアレンジするなど、それぞれのお店によって特色や個性のある味を楽しめることがポイントです。
各店のオリジナルの「大宮ナポリタン」を食べ歩いてみてはいかがでしょうか。
写真:大宮ナポリタン

さいたま国際芸術祭2023
さいたま国際芸術祭は、さいたま市を舞台に3年に一度開催される芸術の祭典です。
平成28年に1回目の芸術祭を開催して以来、文化芸術を活かした地域の活性化や都市の魅力向上を目指し、文化芸術都市としてのさいたま市を創造するため、国内外のアーティストと共に開催しています。
市民と市民、市民とアーティスト、アーティストと地域が交流する機会を創出する「共につくる、参加する」市民参加型の芸術祭として、さいたま市内で広く開催しています。
芸術祭は、市民だけでなくどなたでも参加できますので、今年は「さいたま国際芸術祭2023」で芸術の秋を満喫されてはいかがでしょうか。
【開催期間】
令和5年10月7日(土)~12月10日(日)
「さいたま国際芸術祭2023」の詳細はコチラ

おわりに
大宮は、首都圏の中で住みたい街として人気の高い地域です。
また、大宮駅前は関東信越国税局管内6県下における令和5年分最高路線価の所在地でもあり、近年は地価上昇地域となっています。
平成30年7月にはさいたま市が「大宮駅グランドセントラルステーション化構想」を策定(令和2年にはより具体的なプランを示した「大宮GCSプラン2020」を発表。)し、駅周辺のまちづくり、交通基盤整備及び駅機能の高度化を進めることとしています。
今後の大宮のさらなる発展に目が離せません。

「大宮GCSプラン2020」はコチラ
(写真提供)
・公益社団法人さいたま観光国際協会
・大宮盆栽美術館
(参考資料)
・さいたま市ホームページ
・大宮駅西口交通結節点事業計画検討会資料(令和3年4月21日)
・公益社団法人さいたま観光国際協会ホームページ
・大宮盆栽美術館


アルプスの城下町~三ガク都 松本~
松本市
松本税務署 総務課長
生田目 知宜

はじめに
「日本の屋根」北アルプスの麓、松本盆地に所在する松本税務署は、明治29年11月に設置されて以降、明治42年12月に豊科(とよしな)税務署と合併し、昭和3年7月に現在の場所に移転、平成2年9月に新築されて現在に至っています。新築の際は、すぐお隣の国宝松本城の景観を壊さないよう外観にも配慮されたということです。
管内は、平成17年3月時点で2市・4町・13村でしたが、「平成の大合併」などにより、現在は、松本市、塩尻(しおじり)市、安曇野(あづみの)市、東筑摩(ひがしちくま)郡(麻績(おみ)村、生坂(いくさか)村、山形村、朝日村、筑北(ちくほく)村)の3市5村となっています。
また、管轄面積1,868.7km2、人口約42万人、世帯数約18万世帯(令和5年1月現在)となっています。
松本税務署の標高は592メートル、そこから西に穂高岳(ほたかだけ)、槍ヶ岳(やりがたけ)など標高3,000メートル級の峰々が連なる「北アルプス」を、東に日本百名山の一つ「美ヶ原(うつくしがはら)」を望みます。管内には、名所・旧跡・高原・温泉地などの観光資源が豊富であり、国内外から多くの観光客や登山者が訪れています。
写真:松本税務署

国宝松本城
黒漆塗りの下見板と白漆喰の大壁とが絶妙の調和を見せ、背景に連なる北アルプスの美しい松本城。
NHK大河ドラマ「どうする家康」で、徳川家康のもとを去り、豊臣秀吉のもとへ出奔したことで脚光を浴びた石川数正(いしかわかずまさ)が、天正18年(1590)に秀吉の命により築城に着手しました。
城の完成を見ずに亡くなった数正の城造りへの思いは息子康長へと引き継がれ、国宝となっている天守の建造年代は、康長による文禄2~3年(1593~1594)で、現存する五重の天守閣としては日本最古であるといわれています。
松本城は、戦国時代に造られた深志(ふかし)城が始まりで、甲斐の武田信玄が信濃支配の拠点としていたこともあります。
松本城では、春の夜桜会、夏の薪能、秋のそば祭りなど年間を通じて多くの行事が開催されています。
写真:国宝 松本城

三つのガク(岳・楽・学)都 松本
「岳」都
北アルプス登山の玄関口として大正池(たいしょういけ)・河童(かっぱ)橋(ばし)で知られ特別名勝と特別天然記念物のふたつの称号を与えられた上高地(かみこうち)、360度の眺望と高山植物の宝庫である美ヶ原高原、スキー場・温泉の乗鞍(のりくら)高原などが有名です。
写真:上高地
「楽」都
平成4年から毎年夏に松本市で開催されている「セイジ・オザワ松本フェスティバル(旧称サイトウ・キネン・フェスティバル松本)」は、世界的指揮者小澤征爾のもとに、世界中から優れた音楽家たちが結集することでその名を知られる総合的国際音楽祭で、松本地方をやさしく美しい旋律で包みます。
「学」都
明治9年に小学校として建築され日本最古の和洋混交・擬洋風建築として国宝に指定された「旧開智(きゅうかいち)学校(がっこう)校舎」や、大正時代に建築された重要文化財「旧制松本高等学校校舎」など、伝統的に教育を重んずる気風の息づく地域です。
更に、松本市出身の芸術家 草間彌生の巨大彫刻が玄関を飾る松本市美術館や、まつもと市民芸術館、松本市立博物館などの文化施設も多く、芸術文化も息づく地域です。
写真:国宝 旧開智学校校舎

温 泉
時の天武天皇が行幸せんとした旨が「日本書紀」にも記され、古くは「束間(つかま)(筑摩)の温湯(ゆ)」と呼ばれた浅間(あさま)温泉・美ヶ原温泉や、穂高(ほたか)温泉郷などの平野部の温泉地のほか、乳白色の湯として知られる白骨(しらほね)温泉や、中房(なかぶさ)温泉・扉(とびら)温泉などの山間部の温泉地も有名です。
巨大なご神体が練り歩く「道祖神祭り」で有名な美ヶ原温泉の御母家(おぼけ)姫薬師堂の標高は、東京スカイツリーと同じ高さの634メートルです。

まつもと城下町湧水群
松本城周辺地域には、数多くの井戸や湧水が存在し、平成の名水百選に認定されています。
松本平の東部を流れる女鳥羽川(めとばがわ)などがつくりだした扇状地の地下には、美ヶ原などの山々の伏流水が豊富に貯えられ、地上に湧き出しています。
湧き出す豊富な水は、日常生活や酒造り、コーヒー店などで利用されています。

里 山
松本盆地(東西10km・南北50km、標高500~700m)は、「松本平・安曇野」と呼ばれ、昼夜及び夏冬の温度差が著しい典型的な内陸性の高冷地気候であり、全国的にみても日照時間が長く、県下一の米作穀倉地帯となっています。
また、塩尻市、朝日村、山形村、安曇野市間の県道(通称「サラダ街道」)沿いの広大な野菜畑・果樹園や生坂村の「村営やまなみ荘」周辺の乳房(ちぶさ)イチョウやおやきなど、懐かしい里山の味と景観に安らぎを覚えます。
写真:田んぼと常念岳(じょうねんだけ)

歴史が息づく ぶどうの郷 塩尻市
塩尻市には、日本三大遺跡のひとつに数えられる縄文時代から平安時代にかけての大集落跡である史跡「平出(ひらいで)遺跡」、旧中山道木曽路11宿の最高標高地にある重要伝統的建造物群保存地区「奈良井宿(ならいじゅく)」など、時を超えた旅のできる場所がたくさんあります。
また、昼夜の寒暖差が大きく、日照時間が長いという風土に恵まれた塩尻市は、ワイン専用ぶどうの生産量が日本一で、理想的な環境で育てられたぶどうは、世界に愛されるワインとなります。
写真:史跡「平出遺跡」
写真:奈良井宿
写真:塩尻のぶどう畑

自然が織りなす 安曇野市
雄大な北アルプスの麓に広がる安曇野市は、「碌山(ろくざん)美術館」、「国営アルプスあづみの公園」、名水百選に選ばれている「安曇野わさび田湧水群」などの人気スポットがあります。
なお、春になると桜と芝桜が彩り、水と緑が織り成す美しい風景を満喫できる疏水百選にも選ばれている「拾ヶ堰(じっかせぎ)」が心と安曇野を潤します。
また、安曇野市穂高(ほたか)の穂高神社では、船形の山車をぶつけ合う長野県無形民俗文化財に指定されている「御船まつり」が開催されます。
海のない信州にもかかわらず、穂高神社や他の神社でも御船まつりが開かれていますが、その昔、北九州を拠点とした海神である綿津見神(わたつみのかみ)を祖神とする海人族の「安曇族」が移住してきたことを物語るものであり、豊かな土地を求めて来たのか、縄文の神宝(かんだから)ヒスイを求めて来たのか、船の材料の木材を求めて来たのか分かりませんが、興味深いです。
写真:拾ヶ堰じてんしゃひろば

おわりに
松本平のB級グルメ「山賊焼き」を紹介します。「山賊焼き」とは、手のひら大の鶏もも肉をにんにくダレに漬け込み、片栗粉をまぶして揚げたものです。おいしくてお腹いっぱいになり、家庭でも手軽にできることから広まったということですが、店によって味も形もいろいろです。
なぜこの名になったのか諸説あり、この料理を始めた店の名前から採ったという説や「山賊は物を取り上げる(鶏揚げる)」との語呂合わせとする説などがあります。どうぞご賞味ください。
当地域へは、鉄道(JR)や高速道路でお越しいただけるほか、信州まつもと空港へ、札幌(新千歳、丘珠)、神戸、福岡線などの往復便もあります。上空から「日本の屋根を望む」のも良いかもしれません。
是非、おいでなさんし(いらっしゃい)。
写真:秋の槍ヶ岳