このページの本文へ移動
とりあえず、アフリカに行こう(2)*1

アフリカ開発銀行 日本等代表理事 野元 隆章


このエッセーは、2021年7月にアフリカ開発銀行に日本等を代表する理事として赴任して以来、見聞きしたり考えたりしたことを2回に分けて共有させていただくものであり、今回は、その第2回目(後半)である。伝えたいことは、第1回目(前半)*2と同様に「アフリカには多くのチャンスがあるので、是非、アフリカに来て欲しい」ということだ。というのも、この1年半あまりの経験から「アフリカに来たことがある人はアフリカにビジネス・チャンスを見出し、アフリカに来たことがない人は過去のアフリカにリスクを見る」傾向にあることを強く感じており、日本が世界の成長センターとなるであろうアフリカと共に成長していくためにも、まずはアフリカに行ったことがある日本人を増やすことが重要だと思っているからだ。前回は、変わりゆくアフリカの現状を中心に記載したが、今回は、その変わりゆくアフリカで日本人や日本企業がどのような活動をしているのかを紹介したい。なお、私自身、アフリカについて学んでいる最中であり、アフリカの状況を偏りなく記載したり、アフリカの将来について断定的な意見を述べることは自分の能力を超えていることは改めて述べておきたい。いずれにせよ、このエッセーが、少しでも読者のアフリカに対するイメージを変えたり、アフリカへ行きたいという気持ちを引き出したりすることにつながれば幸いである。


1 前回の復習:変わりゆくアフリカ
まずは、前回の内容を簡単に復習したい。アフリカについては、「ガバナンスが弱く、ビジネスできない」との意見を聞くことがあるが、その程度については、国によって様々であり、日本企業が多く活動するアジアの国と同程度もしくはより良いガバナンスやビジネス環境の国が多々あることに触れた。ちなみに、つい先日、出席した会議*3において、コロンビア大学のジェフリー・サックス教授は、司会者より「2005年に教授が著したThe End of Povertyでは『アフリカは貧しく、ガバナンスが弱い』と書いておられたが、18年経った今、アフリカの現状をどう思うか」と問われ、「それは過去のことである」との主旨の回答をしていた。過去の悪いイメージを払拭していくことは、アフリカがアフリカ外から民間投資を得ていくための課題の一つとなっている。もちろん、そうはいっても、他地域の途上国と同じく、ガバナンスやインフラの弱さには課題があるが、着目すべきなのは、アフリカの人々が、政府の能力が必ずしも高くない中、国の発展に必要な事業を諦めてしまうのでなく、むしろ「政府を待っていても、何も起こらないから、自分たちでやってしまおう」との発想で、民間主導の開発が進んでいることである。その力強さは、例えば、関西空港と同じ程度の大きさの埋め立てを民間が企画・資金手当てすることもあるほどだ。また、人々の電気アクセスが足りないなど分かりやすい社会課題があり、社会課題解決型の起業に向いており、アフリカ内外から起業家と資金が集まり、スタートアップ企業が興隆していることも述べた。スタートアップに限らず、アフリカへの投資は増加しているが、これは、2050年には25億人に達し、世界の4人に1人がアフリカの人となると言われるアフリカのマーケットしての成長性への期待の表れだと考えられる。こうしたアフリカの成長に向けた動きは非常に力強く、世界経済の動きなどの外部要因やアフリカ内部の政治状況なども含め多くのアップダウンがあるにせよ、遅かれ早かれアフリカは成長するだろうというのが、私の現時点の見方であることを述べた。


2 日本のアフリカでの経済的な活動、今後のアフリカ
さて、このようなアフリカで日本企業や日本人の活動はどのようになっているのだろうか。次章で触れるように投資規模がまだまだ足りないなどの課題はあるものの、実は、日本企業においては、アフリカとともに成長していくための基礎作りが進みつつあるほか、アフリカにおけるスタートアップの興隆と軌を一にして、アフリカで活躍する日本人の起業家や投資家も増えつつあるなど、ポジティブな進展が見られる。
(1)日本企業の動き
まず、日本企業について述べたい。日本企業にとって、最も伝統的な分野は資源関係の取引であり、欧米諸国と同じように、多くの日本の商社がアフリカの資源について権益を確保しており、資源ビジネスは彼らのコアビジネスの一つとなっている。しかしながら、資源ビジネスは、基本的には、アフリカの資源で日本を含めたグローバルな需要を満たすビジネスであり、アフリカの人口増・マーケット拡大との連動性は高くない。このため、アフリカ市場から着実に裨益していくためには、人口増とともに伸びそうな分野、アフリカの人々の生活に根差した分野に、今の段階から先行投資的に関わっていくことが重要であるが、この10年でそうした動きが起こりつつある。より具体的には、日本の代表的な企業が、農業・食糧・通信・インフラといった分野で、アフリカで活動する地場の大企業やスタートアップに資本参画しつつあるほか、アフリカの需要を満たすようにアフリカに生産・加工拠点等を設立するなどがある。
具体のイメージを少しでももってもらうため、日本企業による出資等の事例を列挙してみる。紙面の関係でかなり無機的な書き方になるほか、一部の企業の事例しか紹介できないが、この10年で多くの動きがあることが伝われば幸いである。商社については、豊田通商は、2012年に自動車・薬品・食品等の小売りなどにアフリカで強みを持つフランス商社であるCFAO*4、三菱商事は、第1回目で触れたBboxx社の他*5、2015年にカカオ・綿・コメなど幅広い農業生産・肥料製造・食品加工などを行うナイジェリア発のOLAM社*6、三井物産は、2017年にウガンダで光ファイバー事業を行うCsquared社*7、2018年に肥料・種子の販売や商品作物の生産・加工・販売のほかインフォーマルセクターでのeコマース*8等を手掛けるケニア発でアフリカ29か国に拠点を持つETG社*9や鶏肉の生産・加工を手掛けるモロッコ発のZalar社に*10出資している。伊藤忠商事については、子会社のAsia Dole社が、シエラレオネでのパイナップル生産を2019年から開始しているほか*11、再生エネルギーを手掛けるWinch Energy社に2020年に出資している*12。技術系・インフラ系の会社についても、NECが2015年にICT solution会社のXON社*13、日立が2020年にスイスのABB社からパワーグリッド事業を買収している*14。また、食品系では、カゴメが、西アフリカ市場を狙って、JICAとも連携しながら、2017年にセネガルにトマト製品の生産・加工の拠点を設けている*15ほか、味の素が、ナイジェリア(1991年)、エジプト(2011年)*16、コートジボワール(2012年)に販売会社を設置した上で*17、2016年により多くのアフリカに強みを持つプロマシドール社*18に資本参加している*19。なお、東芝(1967年に南アフリカに現地事務所を設置*20)のように、古くからアフリカに営業拠点を設け、ある意味自力で幅広い販路を築いている会社もある。また、資源関係のビジネスでも、アフリカで採掘した資源をアフリカ外に輸出するのでなく、そうした資源をアフリカ市場向けのアンモニア(肥料の原料)や水素にするための製造プラントを建設する動きがあるなど、アフリカの需要を満たそうとする動きが出つつある*21。今後、こうして深まりつつある繋がりを活かし、アフリカの人々の生活により深く関わる活動を増やしたり、前回紹介したようなアフリカの民間企業主導の開発などにより多く関わったりしていくことが期待される。
私自身は、こうした動きについて、主にアフリカで活躍する日系企業の方々から学ばせていただいている*22が、こうした方々の多くは、「自分たちの会社が成長を持続していくためにはアフリカを頑張って攻略しないといけない」「今、アフリカを攻めないと手遅れになる」などの強い危機感・使命感をもって、アフリカ各地を回り、アフリカの人々の生活をよく観察しながら、新しいオペレーションを積極的に模索しており、非常に頼もしい。さらに、そうした人々の努力の結果としての実際の企業の活動として、例えば、投資先の企業のアフリカ他国への進出や関連する新分野への進出について株主として後押ししたり、日本企業ならではのネットワークを活かして支援したりなど、資本参画後もしっかりと付加価値を出しつつある。実は、私が理事を務めるアフリカ開発銀行と日本企業の連携を深めるべく、弊行の民間担当副総裁とともに、日本企業の南アフリカの拠点を訪問させていただいたことがあるが、同副総裁は、日本企業が資本参画等によりアフリカで活動しつつあることとともに、この点(株主として付加価値を出していること)に非常に感銘を受けていた。

(2)日本人によるアフリカでの起業や投資の動き
次に、日本人によるアフリカでの起業や投資について触れたい。日本人によるアフリカでの起業については、1960年代からアフリカで活動し、1974年に「ケニア・ナッツ・カンパニー」を設立し、世界的でも有数のマカデミアナッツ会社として育て上げた佐藤芳之氏*23がよく知られており、決して新しい動きではない。しかしながら、寡聞にして、アフリカにおける日本人の起業家を過去から網羅した資料を知らず、感覚的なことを書いて申し訳ないが、アフリカで活動する日本人は着実に増えているのではないかと思う。新たに「アフリカで活躍するこんなすごい日本人がいる」との話を教えてもらったり、実際に会ったりすることがしばしばあるのだ。なお、前述のように、日本人のアフリカでの起業を過去から網羅したものは存じ上げないが、近年のアフリカで活躍している日本人の動きをまとめた資料は存在する。その一つが、2012年に設立されたアフリカビジネスパートナーズ合同会社*24が公開する「アフリカスタートアップ白書*25」であり、その2022年8月号によれば、「2012年以降に百万ドル以上の調達を行った」日系スタートアップとして、WASSHA(2013年設立)、Degas(2018年設立)、SENRI(2015年設立)、HAKKI Africa(2019年設立)、Allm(2001年設立)の5社があり、そのいずれも評価額を10億円を上回っているとのことである。同白書は、こうした動きに限らず、日系のアフリカ向け投資ファンド、さらには日系に限らないアフリカのスタートアップの状況を的確に日本語でまとめており、大変資料価値が高い。同社は、企業のアフリカビジネスをサポートすることに特化したアドバイザリーファームであり、こうした会社が出てきたこと自体にも、日本のアフリカビジネスに厚みが出つつあることを感じる。同白書のほか、経済同友会アフリカ委員会の同志らが立ち上げた「日本AFRICA起業家イニシアチブ」のホームページ*26には、2016年から2019年の間に同取組が支援を決定した13人の日本人の情報が記載されている。
さて、こうした中、このエッセーでは、私が実際に会い、非常に感銘を受けた事例の中から、二つ紹介したい*27。一つ目は、牧浦土雅氏が2018年に立ち上げ、ガーナで農業関係事業を行うDegas社*28である。同社は、世界的なバイヤーであるネスレへの販路を開拓・確保した上で、農家を「Degas Farmer Network(DFN)」というグループにまとめ、その所属農家に対し、肥料・種子・農薬等をパッケージ化したものを現物融資したり、デジタル技術の活用等を促進することで、実際の生産を助け、農家の収入増に貢献している。結果として、一万五千人の農家に融資を行い、その所得を倍増しているとのことである。同社について、私が感銘を受けたポイントは多数あるが、最大の点は、アフリカ農業が抱える生産性の低さという課題について、その要因になっている川上(生産)から川下(流通)までの問題に、一社で的確に対応し、しかも、それをビジネスとして成り立たせている点である。アフリカ農業の生産性が低いのは、農家が肥料や高収量の種子などの農業資材を使わないことが大きいが、その大きな理由の一つは、農家にとっては大きな出費である肥料等を購入して生産しても、それを適切な価格で買い取ってもらえるか分からないことがある。これは、極めて構造的な問題であり、それを解決するには同社のように川上から川下まで一気通貫で対応しないと難しい(何か一つ欠けても解決できない)が、私の感覚では、国を挙げて解決に取り組むような難しい課題である。それを一社でというよりも、日本人の若者が一人で、農家の生活を改善したいという真っ当な目的意識の下、実際の農家の声をしっかりと聞き、農業資材で融資したり、農家情報をデータベースとして蓄積したりするなどのアフリカでビジネスとして成り立たせるための工夫をしながら、投資家から資金を調達し、取り組んで実績も出しているのである。すごいというしかない。その動機にしても、デザインにしても、アフリカのスタートアップの王道をいくものだと思う。
二つ目の事例としては、投資家側の取組である神先孝裕、品田諭志、山脇遼介の三氏が立ち上げたKepple Africa Ventures*29を挙げたい。同社は、アフリカの成長性を見込み、「アフリカに新しい産業を創る」ことをミッションとして掲げ、ナイジェリアとケニアに活動の拠点を設け、2018年からアフリカのスタートアップに投資している。既に11か国100件以上に投資を行い、しっかりとリターンを出しているとのことであり、さらに今年2月からはナイジェリアのプライベート・エクイティ会社のVerod Capital Managementと組んで、より成長ステージの進んだ企業への投資を開始している。同社は、投資を通じて、アフリカの関係者と信頼関係を築き、日本企業とアフリカのスタートアップをつなぐこと、さらには、アフリカ投資の難しさの一つであるExit(投資の出口)についても、スタートアップ同士の買収合併(M&A)などに力を入れているということである。私が感銘を受けたのは、「アフリカの成長性を見込んで、資金を調達し、実際に投資してリターンを得ている」との行動力や投資家としての実力とともに、そのコンセプトの的確さである。同社から初めて話を伺ったのは、昨年夏であるが、その際は、「現地スタートアップの成長をサポートし、日本企業と協業する仕組みを作り出す」との同社の取組が、まさに日本とアフリカがともに育つために必要なことであると思い感銘を受けた。その後、私自身が、アフリカのスタートアップについて、「スタートアップといっても、活動そのものは安定し、規模を追求する段階になっている企業も多いこと」「そのためにアフリカ他国に進出したり、同業者同士や関連事業者同士で買収・合併(M&A)をする動きも始まっていること」などを学び、「アフリカ経済は独自の発展経路を辿っており展望が難しいが*30、アフリカのスタートアップの中には将来的に産業と言い得るものにまで育っていくものがあるはずである。したがって、スタートアップの動きを『アフリカ市場がアフリカの成長について出しつつある答え』として丁寧に見ていけば、アフリカ経済の先が見えてくるのではないか」「スタートアップが活動の規模や幅を拡大するよう投資等により支援していくこと自体が、アフリカの産業の発展への貢献そのものである」と思うようになった。そうした上で、同社が「アフリカに新しい産業を創る」ことをミッションに掲げている点に改めて気づき、その的確さ、さらにはそれに表れている同社の慧眼に改めて感銘を受けたのである。
さて、やや脱線するが、アフリカのスタートアップの中には、評価額が10億ドルを超えるいわゆるユニコーン企業が出てきつつある。このため、完全に成功が見通せる企業を買うのはアフリカでも高いのであり、「成長しそうなスタートアップが複数ある分野でのM&A等によりまとめ上げて、場合によっては、その会社を自分で買う」「自分の会社の技術を必要とする会社を見つけて投資して育てる」など、「早めに関与し育てていく」というスタンスが重要ではないかと感じつつある。そうした観点から、個人的には、豊田通商が2019年に設立したMobility 54*31(アフリカでモビリティ関連のスタートアップに投資)などのように、自社の関連分野に投資するというのも面白いと思う。アフリカは、車を売るために関連産業を自分で育てることが必要もしくは効果的であり、かつ、それが新たな収益源となる市場なのかもしれないのである。なお、前述の「アフリカスタートアップ白書」の2022年8月号によれば、アフリカに特化した日系のベンチャーキャピタルには、紹介したKepple Africa Venturesなどのほかに、AAIC*32、Samurai Incubate Africa*33、Uncovered Fund*34、Double Feather Partners*35、Sunny Side Venture Partners*36があるが、筆者がそれらのホームページや報道などを見たところ、いずれもこの10年の間にアフリカ向けの投資を開始したようであり、やはり、日本のアフリカ向けの動きが近年高まっているように感じる。「投資先のどれかが大きなリターンを産めばよい」といったスタンスが許されうるベンチャーキャピタルは、アフリカの市場にあったアプローチである。

(3)(1)と(2)の動きを組み合わせる動き、アフリカ開発銀行の紹介
このように、この10年間で、アフリカの開発の潮流に合った形で日本がアフリカとともに成長するための動きが進みつつある。今後、ご紹介したような伝統的な日本企業のアフリカの成長を取り込んでいく取組と、進取の気性に富む日本人の動きがともに強化され、その二つの動きが有機的に組み合わさっていけば、日本のアフリカでの存在感は大きくなり、アフリカと日本がともに裨益する関係を作っていけるのではないかと期待している。この観点からの動きとして、本年1月に渋澤健氏と佐藤哲氏よって設立された「& Capital」*37というアフリカ向けのインパクトファンドを紹介したい。同ファンドが設立された背景の詳細については、同ファンドのホームページをご覧いただきたいが、同ファンドは、「アフリカの成長性が高いにも関わらず、日本からの投資が減っていること」に危機意識を持ち、「アフリカに特化したインパクトファンドである『アフリカ投資機構(仮称)』を設立すべき」という2021年8月の経済同友会の提言*38と軌を一にする形で設立されたものである。同社のホームページに明記してあるように「投資運用の主体は&Capital(商号 株式会社 and Capital)であり、経済同友会は投資、運用会社の経営に組織として関与いたしません」とのことであるが、その出自や渋澤氏や佐藤氏の持つ日本企業との深い関わりを考えると、前述したような日本企業と日系を含むアフリカのスタートアップを力強く組み合わせることなどを通じてアフリカの発展に寄与するととともに、日本も裨益していくことを実現する潜在力があると思われ、活躍が期待される。
同ファンドについては、アフリカ開発銀行が、一緒に作り上げていく(co-creation of an impact fund)ことにコミットしている*39ことも紹介したい。アフリカ開発銀行は、2021年末の段階で、100を超える投資ファンドや機関に対して、約10億SDR(現在の為替で13億ドル強)の投資残高を保有しており、アフリカ最大のfund of fundsと言われる場合もあるなど、アフリカの投資ファンドや企業と幅広い関係を持っており、日本経済界に深いつながりを持つ同ファンドとのシナジーは高いのではないかと思う。なお、こうしたコミットは、昨年8月のTICAD8にて、アフリカ開発銀行のアデシナ総裁と経済同友会の派遣団と面会をしたことを皮切りに、同11月にアフリカ開発銀行が主催するアフリカ投資フォーラム(African Investment Forum。コートジボワールのアビジャンで開催)に経済同友会を代表して渋澤健氏に参加していただき、日本とアフリカのビジネス関係の強化に向けて、緊密に連携していくとの協力趣意書を締結するに至ったことが背景にある。
最後に、アフリカ開発銀行について紹介したい。アフリカ開発銀行は、世界銀行やアジア開発銀行などとともに、主要な国際開発銀行(Multilateral Development Banks)の一つであり、1964年に設立され、西アフリカにあるコートジボワールの首都のアビジャンに本部を構えている。現在は、ナイジェリアで農業大臣を務めていたアキンウミ・アデシナ氏が総裁を務め、「アフリカの電化」、「食料増産」、「工業化」、「地域統合」、「人々の生活の質の向上」を「High 5s」として最優先分野に掲げ、政府や民間事業者への投融資を通じて、アフリカの持続可能な経済成長と社会的発展に貢献している。他の主要なMDBsと比較して特徴的なのは、設立当初はアフリカ諸国のみが加盟国だった(アフリカ以外の国は加盟できなかった)ことであり*40、アフリカの人々が「自分の銀行」として強いownershipを持ち、アフリカの政府関係者や民間事業者に深く根差していることである。例えば、私が面会したとあるアフリカの国の首相は、面会中に、アフリカ開発銀行のことを“our bank”と数回発言していた。また、日本は、ナイジェリア、エジプト、米国につぐ第4位の同行の大株主であり、2006年にはEnhanced Private Sector Assistance(EPSA)という枠組みを*41アフリカ開発銀行に立ち上げるなど、アフリカ開発銀行の民間セクター支援に力を入れている。さらには、アフリカ開発銀行は、アフリカ域外では唯一東京に事務所を設置しており、日本企業の方の相談等を受ける体制を整えている。このため、アフリカ開発銀行は、日本がアフリカでの経済活動を深めていく上では良いパートナー候補であると思う。

写真:経済同友会とアフリカ開発銀行の協力趣旨書の締結式における渋澤健氏(左)とアフリカ開発銀行の民間担当副総裁であるSolomon Quaynor氏(右)。


3 日本が来ても来なくても成長するアフリカ。今、動き始めることが重要
前章で紹介したように、日本のアフリカでの活動は着実に深まっている。ただし、しばしば指摘されるように、現時点での日本のアフリカでの活動規模は、他国と比べてまだまだ小さい。例えば、日本の2021年末の海外直接投資の残高は2兆ドルである中、アフリカへの残高(58億ドル)はわずか0.3%未満*42である。一方、世界からアフリカへの2021年末の直接投資残高は1兆ドルであり、世界全体の残高(454兆ドル)に占める割合は2%強*43である。もちろん、世界平均と同じ程度の投資をすることが各国にとって良いとは限らないが、仮に日本が少しでもアフリカが成長すると想定するのであれば、現在の水準は少なすぎると言えるだろう。
アフリカでの日本の活動が伸びない要因としてしばしば挙げられるのが、日本企業の保守性や「アフリカに進出するにしても、もっと後で良いのでは」との待ちの姿勢やリスク回避型の思考である。例えば、前述した日本AFRICA起業家イニシアチブのホームページでは、「日本人にアフリカに来てほしいと思っているアフリカ人は少なくない一方で、アフリカ社会における日本人の存在感は薄い。アフリカとの地理的・意識的な距離感だけではなく、日本企業の保守的な体制が主な原因と思われる」と指摘されている。また、私自身も、アフリカで活躍する日本企業の方々から「本社の理解を得られない」といった悩みをしばしば聞く。短期的な利益の安定や確保を考えれば、アフリカでの活動は不要かもしれないが、将来的に巨大市場に育つことが見込まれるアフリカを成長戦略から除く合理的な理由はないように思える。アフリカでの活動拡大のタイミングが遅れれば遅れるほど、その進出コストは上がり、成功率が下がるであろうことにも留意が必要である。
こうしたことを踏まえ、一部の人からは反感を買う表現になるかもしれないが、「アフリカは、日本が来ても来なくても成長する」のであり、日本が永続的にアフリカの成長から裨益していくには、例えば、日本の技術を活用したインフラ整備やスタートアップの成功などの日本の貢献による成功事例を先行投資的に積み上げるなどし、日本の側から頑張ってその縁(stake)をできるだけ早く作っていく必要があると考えていることを述べたい。日本人にとってアフリカが遠く、アフリカを無意識に意識の外に置きがちなのと同様に、実は、アフリカの人々にとっても、日本は遠く、日本のことをよく知っているわけではないのだ。
まず、「アフリカは、日本が来ても来なくても成長する」という点だが、これについては、アフリカの中長期的な成長は、アフリカの伸びゆく需要を満たそうとする内生的なものであるとが大きい。もちろん、アフリカ諸国のみによる取組では、技術面・資金面、さらには人的資本の面で足りない点が多々あり、日本を含む先進国や新興国などが関与・貢献することは、アフリカの成長のスピードにや質を大きく向上させる重要な要素である。しかしながら、この点については、仮に日本や日本企業がアフリカに来なくても、欧米や新興国の企業等が手助けするものと思われる。また、日本のアフリカでの活動規模の小ささを反映しているのかもしれないが、多くのアフリカの人にとって、日本は車などの商品を通じて想像するものであり、高い技術力があるなどの一般的なイメージはあっても、的確に日本の強み弱みを知っているわけではない。例えば、第1回目でも触れたナイジェリアのラゴスでの埋立事業について、当該事業の担当者は「『世界の色々な技術を探索してみた』上で、技術面ではデンマークに頼ることにした」と言っていたが、当該担当者は、日本が多くの埋立てをしていることすら知らなかった。また、前述のように、弊行の副総裁は、アフリカでの日本企業の動きに感銘を受けたわけであるが、彼は、日本の資本参加先の企業(多くは、アフリカでは名だたる企業である)は認知していたものの、日本企業が資本参画していることなどについては明確には認識していなかった。同僚のアフリカ人によれば、知っている人に頼むのがアフリカのビジネスの基本だということであり、自然体でいけば、日本の関与の程度が低いまま、アフリカは成長していく(アフリカの需要を満たしていく)可能性が高い。よく言われるように、経済発展というのは、経路依存的であって、必ずしも技術的に最も良いものが採用されるわけではなく、アフリカの発展に日本が関与していこうと思えば、それなりに労力をかけて縁(stake)を早期に作っていく必要がある。
私としては、今の段階で、頑張って日本の貢献による成功事例を積み上げ、アフリカと日本の人のつながりを構築していけば、アフリカの人々の生活に根差した活動において一定の役割を得ることができ、今後のアフリカ市場から永続的に裨益するようにできるのではないかとの感触を持っているし、何よりも日本企業を含む日本には、アフリカの成長を加速させる力が十分にあると思っている。成長し始めているといっても、アフリカの発展はまだまだこれからであるし、日本の技術力や資金力はまだまだ高く、アフリカのリーダーたちの日本に対する期待もまだまだ大きい。これに加え、アフリカと歴史的なつながりを持つ欧米や、投資が一巡しつつある中国などの活動との対比で考えた場合に、例えば、「アフリカに寄り添う日本」というポジションは潜在的に十分大きいと感じる。
さて、実際、どうやっていくのかという点であるが、最近は、シンプルに「アフリカの人々の野心を聞いて、相談に乗り、やれることをやってみる」「それによって成功事例を積み重ねていく」「アフリカの人々と日本の人々のつながりをつくっていく」ということが重要ではと思っている。というのも、知れば知るほど、アフリカの現在置かれている環境は過去のアジアなどと異なっており、「先を見通してから、政策や投資の方針を決める」とのアプローチは難しいと感じる。このため、前述のように「既に起こりつつスタートアップの動きを産業につなげる」というようなボトムアップのアプローチの方が良いのではと思っている。より具体的には、アフリカの発展のために必要な事業を提案できるか否かがアフリカでの成否を分ける重要な要素であるが、それを日本人が自ら行うハードルは高く、「アフリカの人々の野心に頑張って乗ってみる」といった日本人の寄り添う力に賭けるほうが良いのではと思った次第だ。
実は、私自身も、アフリカ開発銀行の幹部をはじめとして、様々な方から「アフリカは再生可能エネルギーの大消費地になるが、太陽光パネルにしても、蓄電池にしてもアフリカで作れないのか」「アフリカの農業の温暖化ガス排出は世界的に見ても少ないが、カーボン・マーケットを通じてアフリカの農家の所得を増やすことはできないか」など、多くの相談を受ける。アフリカの人々の日本に対する技術面や資金面での期待は大きく、多くの日本企業の方も色々な話をアフリカの人々から持ち掛けられるのではないかと思う。アフリカの地場企業や起業家からの「〇〇事業を立ち上げたい」といった話の場合もあれば、投資先の企業から「〇〇との社会課題を解決しないとビジネスが成り立たない」といった相談の場合もあるのではと思う。そうした際、私自身は、例えば、前述の太陽光パネルの話について「シリコン型のパネルの生産であれば、中国との競争にさらされるから日本企業には難しい」として話を終わらせるのでなく、「次世代型の太陽光電池であればどうだろうか」「再生可能エネルギーにつき、アフリカでより大きな付加価値を生み出したいということであれば、蓄電池ならパネルよりはまだ可能性があるかもしれない」などと提案してみたりしながら、一緒に考えてみることを心掛けるようにしている。それにより何かしらの解に辿り着けばラッキーであるし、辿り着かなくても、その人とのつながりができるかもしれず、将来思いがけないリターンがあるかもしれないのだ*44。特に社会課題に関わる相談の場合には、裨益する人が多い可能性があり、新たなビジネスになっていくかもしれない。


4 結語
いかがだっただろうか。アフリカについて「ガバナンスが弱くビジネスに向かない」という意見は、既に過去のものであり、日本企業も多く活動するアジアの国と同程度やさらによい国も存在する。人々の発展しようとの意思は非常に強く、そうした意思の実現として、民間主導のインフラ開発やスタートアップが興隆しているほか、その成長性を見越し、世界から資金流入が増加しつつある。そうしたアフリカにおいて、日本も、従来からの資源関係のビジネスだけでなく、農業・流通・通信などのアフリカの人々の生活に根差した分野へ投資等により関与しつつあるほか、アフリカで起業する日本人も増えつつあるなど、アフリカと日本がともに成長する基盤作りが始まりつつある。しかしながら、投資や活動の規模という観点からみれば、日本のアフリカでの活動はまだまだ小さい。日本のアフリカにおける実績や認知度が必ずしも高くないことを踏まえれば、仮にアフリカの成長から裨益したいと考えるならば、今すぐにでも、日本がアフリカの人々に寄り添い、自らも知恵を含めたリソースをもって課題解決に貢献するべくアクションを開始することが重要である。そうできれば、アフリカの人々の生活に必須のものごとに自ずと関与していくことになり、今後のアフリカ市場から永続的に裨益することができるのではないかと思う。具体のアクションは、将来的に買収することも意識しつつスタートアップをより大きな企業にまとめ上げていくべく投資する、買収したアフリカ企業の事業拡大を幅広く積極的に助けていく、自らアフリカで起業するなど、立場によって様々だろう。この段階で、将来的にどう永続的に裨益できるのかを見通すかは困難であるが、より添った貢献やそれによる成功事例の積み上げを通じてアフリカと日本の人のつながりを強くしていくことができれば、自然とその方法も見えてくると思う。このエッセーをお読みいただき、なるほどと思った人も、懐疑的に受け止めた人も、懐疑的に受け止めた人はなおさら、一度、アフリカに来てみて欲しい。
(以上)

*1) 本文中の意見、感想等についてはすべて筆者の個人的意見であり、誤りがある場合も執筆者個人に責任がある。また、本稿の執筆にあたっては、アフリカ開発銀行アジア事務所の花尻所長を含む多くの同僚や日本企業の方々から助言をいただいた。この場を借りて御礼申し上げたい。
*2) ファイナンス令和4年11月号「海外ウォッチャー とりあえず、アフリカに行こう(1)」
https://www.mof.go.jp/public_relations/finance/202211/202211l.pdf
*3) Launch of first Africa’s Macro-Economic Performance and Outlook report(2023). 2023年1月19日に開催。
https://www.youtube.com/watch?v=dStBI4RKWcE
*4) 豊田通商HP:「プロジェクトストーリー アフリカでのプレゼンスNo1へ」
https://www.toyota-tsusho.com/about/project/11.html
*5) 三菱商事HP:「オフグリッド分散電源事業者 英国BBOXXへの資本参画」(2019年8月28日)
https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/pr/archive/2019/html/0000038207.html
*6) 三菱商事のHP:「Olam社との資本業務提携に関するお知らせ」(2015年8月28日)
https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/pr/archive/2015/html/0000028410.html
*7) Csquared 社のHP https://www.csquared.com/index.php/about-us/
*8) Eコマースを手掛けるのはKyoskというプラットホーム https://kyosk.app/about-us/
*9) 三井物産HP:「ETC Group Limitedへの出資参画」(2017年11月20日)
https://www.mitsui.com/jp/ja/release/2017/1225042_10838.html
*10) 三井物産HP:「モロッコの穀物・飼料・ブロイラーインテグレーション事業者であるZalar Holding社に出資参画」(2018年6月21日)
https://www.mitsui.com/jp/ja/topics/2018/1226505_11233.html
*11) 伊藤忠商事HP:「シエラレオネ共和国におけるDoleパイナップル生産事業への取組について」(2019年8月26日)
https://www.itochu.co.jp/ja/news/press/2019/190826.html
*12) 伊藤忠商事HP:「アフリカ無電化地域への対策を推進する英国Winch Energy Limitedへの出資参画」(2020年2月10日)
https://www.itochu.co.jp/ja/news/press/2020/200210.html
*13) NEC HP:「NEC、南アフリカのICTソリューション企業XON社に資本参加」(2015年7月22日)
https://jpn.nec.com/press/201507/20150722_01.html
NEC HP:「NEC、南アフリカのICTソリューション企業XON社を子会社化」(2018年2月9日)
https://jpn.nec.com/press/201802/20180209_01.html
*14) 日立HP:「日立がABB社のパワーグリッド事業の買収を完了し、日立ABBパワーグリッド社として営業開始」(2020年7月1日)
https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2020/07/f_0701.pdf
*15) カゴメHP:「需要が拡大する西アフリカ市場の戦略拠点としてセネガルに加工用トマトの営農会社を設立 農業技術資源を活用した新たなトマト産地の形成とトマト加工品市場への参入」(2017年10月27日)
https://www.kagome.co.jp/company/news/2017/2017102501.html
*16) 味の素HP:「味の素(株)、エジプトとトルコに販売法人設立を決定」(2011年6月9日)
https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/presscenter/press/detail/2011_06_09.html
*17) 味の素HP:「味の素(株)、コートジボワールに販売法人設立」(2011年10月21日)
https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/presscenter/press/detail/2011_10_21.html
*18) 味の素HP:「味の素(株)、プロマシドール・ホールディングス社の株式」(2016年11月8日)
https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/presscenter/press/detail/2016_11_08_3.html
*19) 味の素においては、このほか、農業資材事業の子会社を傘下に持つスペインのアグロ2アグリ社の株式の過半数を2017年に取得している。A2A社は主にアミノ酸をベースとしたバイオスティミュラント(BS)製品の製造・販売を行い、アフリカ地域を含めた世界50カ国以上で事業展開していることから、アフリカにおける農業生産性の向上等に貢献しうる存在である。なお、BSとは、アミノ酸等の発酵微生物由来成分や天然抽出物等の自然素材を配合した植物が本来持つ免疫力や植物の成長を促すものであり、農薬とは異なる新しい農業資材である。
https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/presscenter/press/detail/2017_10_17.html
*20) 東芝HP:https://www.global.toshiba/jp/news/energy/2019/08/news-20190821-01.html
*21) こうした新しい動きについては、下記リンクの「TICAD 8 MOU記念式典(2022年8月27日)参加企業・団体及びMOU一覧」というTICAD8のビジネスフォーラム向けに取りまとめられた資料が参考になる。
https://www.mofa.go.jp/files/100420292.pdf
*22) 紹介させていただいた日系企業の動き自体については、各社のホームページをもとに当方が自分でまとめたものであり、仮に誤りがあれば、それは全て筆者の責任である。ただし、仮に(ある意味幸いなことに、)このエッセーをもとに何かしらのアクションを取る方があれば、正しい情報については自ら原資料に当たったり、関係者に直接面会したりして確認して欲しい。
*23) 佐藤義之「歩き続ければ大丈夫。アフリカで25万人の生活を変えた日本人起業家からの手紙」(2014年11月、ダイヤモンド社)
*24) https://abp.co.jp/about/index.html
*25) https://abp.co.jp/perspectives/business/startupreport2022.html
*26) 同取組の下記のホームページによれば、同取組について、「国際協力機構の青年海外協力隊で現地活動に経験がある若者たち、あるいは、アフリカの未来性に魅了されている若者が、現地での起業に挑んでいる実態もある。また、アフリカに関心がある現地入り予備軍も日本全国に散らばっていると推測できる。このような若者たちの志と行動を応援し、アフリカ有志のコミュニティづくりを日本企業が助力することに大事な意義があるのではないかと経済同友会のアフリカ委員会のメンバーを含む有志が意気投合。ワーキング・グループである「チーム・アフリカ」を発足し、アフリカ起業支援コンソーシアムを2016年3月に設立した」との説明がある。
http://entre-africa.jp/
*27) この2つの事例以外にも、多くのアフリカで活躍する日本人に感銘を受けた。2つの事例に絞ったのは、ひとえに紙面の制約からである。
*28) https://degasafrica.com/
*29) https://kepple-africa-ventures.com/
*30) 前回触れたように、アフリカ経済については、サービス産業主導の成長という欧米やアジアと異なる独自の発展経路を辿っており、「軽工業の次に重工業を発展させる」など前例に基づいて予測したり、そうした前提で政策を考えたりすることが難しい状況にある。
*31) 豊田通商HP:「スタートアップ企業に特化した投資会社を設立」(2019年8月22日)
https://www.toyota-tsusho.com/press/detail/190822_004465.html
*32) https://aaicinvestment.com/ja/home-jp/what-we-do/
*33) https://samurai-incubate-africa.asia/
*34) https://uncoveredfund.com/EN/about
*35) https://doublefeather.com/ja/
*36) https://sunnyside-vp.com/jp
*37) https://andcapital.jp/
*38) 提言「アフリカ投資機構(仮称)の設立を~開発投資の加速ん向けた更なる官民連携強化の道筋」(2021年10月、経済同友会)
https://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2021/211006a.html
*39) アフリカ開発銀行プレスリリース(2022年11月4日)
https://www.afdb.org/en/news-and-events/press-releases/keizai-doyukai-african-development-bank-group-sign-letter-intent-strengthen-cooperation-and-business-ties-between-japan-and-africa-56067
*40) アフリカ開発銀行に、アフリカ域外国が加盟できるようになったのは、1982年であり、日本の加盟は1983年である。なお、アフリカ開発銀行グループとして譲許的な融資を担うアフリカ開発基金については、設立当初の1974年より域外国の加盟が認められており、日本も原加盟国である。
*41) 詳細は、下記のホームページをご覧いただきたいが、JICAとの協調融資やアフリカ民間セクターの能力構築等を通じて、アフリカの民間セクター開発を促進している。
https://www.afdb.org/en/topics-and-sectors/initiatives-partnerships/enhanced-private-sector-assistance-for-africa-epsa-initiative
*42) JETRO「日本の直接投資(残高)」
https://www.jetro.go.jp/world/japan/stats/fdi.html
*43) UNCTAD “World Investment Report 2022”.
https://unctad.org/webflyer/world-investment-report-2022
*44) 1980年代からの日本のアジア進出が成功した理由について、それを支えた日本企業の方から、「当時のアジア各地には、第2次大戦の関係などから現地に深く入り込んだ日本人がおり、彼らの力が大きかった」と聞いたことがある。その意味では、ここで記載したアプローチは、このような人としてのつながり(アジア深く入り込んだ日本人及びそれら日本人と日本企業との関係)を意識的に作り出していこうとするものとも言える。