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税関の年末特別警戒における副大臣、政務官の税関視察及び激励について

関税局監視課調査官 坂本 裕紀

1.はじめに
令和3年12月、大家財務副大臣、岡本財務副大臣、藤原財務大臣政務官、高村財務大臣政務官が、全国9つある税関において実施した年末特別警戒において、それぞれ横浜税関、東京税関、長崎税関、門司税関を視察しました。

2.年末特別警戒とは
税関職員は、国民生活の安全・安心を脅かす麻薬・覚醒剤等の不正薬物、爆発物等のテロ関連物資、金地金等の密輸を防止するため、全国の港や空港などの水際で24時間・365日、取締りを行っています。毎年12月には税関の役割について広く国民の方々に知っていただくことや、各種団体の方々に不審情報の提供について協力を求めること等を目的として、年末特別警戒を実施し、水際における取締りの強化や税関業務のPRを行っています。
この年末特別警戒は、昭和40年から実施しているものですが、前年に引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中での実施となりました。
税関を取り巻く情勢としては、コロナ禍においても、国際物流は堅調に推移しており、不正薬物やテロ関連物資、金地金等の密輸リスクは依然として深刻です。特にコロナ禍における電子商取引の急速な拡大により、航空貨物の輸入許可件数が急増しており、こうした貨物への取締りの強化が必要となっています。また、不正薬物の密輸に関しては、令和2年における税関での押収量は5年連続で1トンを超え、2トンに迫る状況でした。令和3年上半期も大麻リキッドを含む大麻樹脂やMDMA等の麻薬の押収量は増加しています。
昨年7月から9月にかけて開催された東京オリンピック・パラリンピック競技大会については、無事大会の終了を迎えましたが、今後も我が国において令和5年のG7サミット、令和7年の大阪・関西万博といった国際的な大規模イベントの開催が予定されています。このようなイベントは世界的に大きな注目を集めることとなり、テロの格好の攻撃対象となり得るため、テロの未然防止の観点からも、我が国の水際の第一線にある税関の役割は引き続き重要となっています。こうした状況の中で実施された年末特別警戒において、両副大臣、両政務官が税関の現場を視察し、訓示を行い、税関職員を激励しました。

3.副大臣、政務官の税関視察
大家財務副大臣、岡本財務副大臣、藤原財務大臣政務官、高村財務大臣政務官は、視察において職員に対し、
(1)職員が、厳正な規律を保ち、旺盛な意欲を持って、水際の最前線で職務に精励していることに、敬意の念を表する。
(2)今後、G7サミットや大阪・関西万博が控えていることから、東京オリンピック・パラリンピック競技大会への対応で培った経験も活かしながら、引き続きテロ対策に万全を期すこと。
(3)国民の安全・安心の確保という税関の重要な使命を果たすため、職員一人ひとりが問題意識を持って取り組むこと。
(4)税関行政は日々国民と直接接する仕事である。国民からの信頼にこたえていくため、日夜懸命に職務に取り組んでいる職員各位に改めて敬意を表するとともに、健康と益々の活躍を祈念する。
旨の訓示を行いました。

◆大家副大臣の横浜税関視察(令和3年12月14日(火))
横浜税関コンテナ検査センターにおいて大型X線検査装置によるコンテナ検査状況について、大黒埠頭出張所において取締・検査機器について説明を受けました。その後、川崎外郵出張所において国際郵便物検査状況について視察しました。大家副大臣による検査状況についての質問をはじめ、それぞれの視察先にて職員とも活発な意見交換が行われました。

写真:儀仗隊による出迎え
写真:職員に対する訓示
写真:横浜税関コンテナ検査センターにてコンテナ検査状況の説明を受ける大家副大臣
写真:川崎外郵出張所にて国際郵便物検査状況の説明を受ける大家副大臣

◆岡本副大臣の東京税関視察(令和3年12月16日(木))
青海コンテナ検査センターにて大型X線検査装置によるコンテナ検査状況について説明を受けました。その後、東京税関本関にて、取締状況や通関審査状況、貨物検査状況について視察しました。摘発物件説明の際には、実際に物件を手に持って確認するなど、活発な質疑応答が行われました。

写真:儀仗隊による出迎え
写真:職員に対する訓示
写真:青海コンテナ検査センターにおいて麻薬探知犬の説明を受ける岡本副大臣
写真:本関にて摘発物件の説明を受ける岡本副大臣

◆藤原政務官の長崎税関視察(令和3年12月3日(金))
長崎税関本関にて、通関審査状況等の説明を受けた後、長崎港内において、監視艇「さいかい」に乗船し、港内を視察しました。また、松が枝埠頭において取締・検査機器等の説明を受けるとともに、政務官自身も機器による検査を体験しました。

写真:儀仗隊による出迎え
写真:職員に対する訓示
写真:監視艇に乗船し説明を受ける藤原政務官
写真:松が枝埠頭にて取締・検査機器の説明を受ける藤原政務官

◆高村政務官の門司税関視察(令和3年12月13日(月))
門司税関本関において、取締・検査機器の説明を受けたほか、関門港内において監視艇「げんかい」に乗船し、港内を視察しました。また、北九州地区国際貨物検査センターにて大型X線検査装置によるコンテナ検査状況について説明を受けた後、北九州空港において税関検査場を視察し、職員からの説明に熱心に耳を傾けるとともに各視察先にて職員に激励の言葉をかけました。

写真:儀仗隊による出迎え
写真:職員に対する訓示
写真:監視艇に乗船し説明を受ける高村政務官
写真:北九州空港内税関検査場にて説明を受ける高村政務官

4.おわりに
税関においては、今後も引き続き、関係機関と協力して不正薬物の密輸阻止、テロの未然防止のため水際対策を強化していきます。税関業務に対する皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。
また、密輸・テロなど不審な情報に接した場合は、些細な情報でも結構ですので以下の税関密輸ダイヤルに通報をお願いいたします。