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自転車通勤で「なろう」になろう!?あぷらいど! 番外2

―完結したはずなのに編集のご厚意でまだまだ続くよ!本編の「楽」の先に、「楽しさ」を探してみよう!

証券取引等監視委員会事務局総務課長 若原 幸雄

番外2.カスタマイズでグッドバディをベストバディに!量産型をプライスレスな専用機に変えるのはアナタ自身です!

1.一般に

自転車って、どこまでが「本体」かご存じですか?ライトやスタンドなんかは違うだろう、と直感的にわかるでしょうけれど、実際のところ、動く部分は全部交換可能で、「本体」(業界用語で「フレーム」)は、骨組みの部分だけなのです。

交換できる箇所は数十、それぞれに多ければ100を超える選択肢があるのですから、組み合わせは無限大。以下のわたくしの例を参考に、あれこれお試しあれ。

図.自転車のフレーム 出所:https://illust8.com/contents/4273に掲載の図を筆者加工

2.わたくしの場合

(1)ハンドル周り

(1-1)これまでにしたこと

サドルを上げた次にしたのが、ブレーキレバー取付位置の調整。ブレーキが引きやすいよう、運転時に手首が曲がらない位置にレバーを取り付けるのが基本(特に甲側に曲がると、ブレーキを握る力に悪影響が出かねません)なので、サドルを上げて腕部がより上方からハンドルに接するようになれば、レバーをより下向きにすると、手首をまっすぐに戻せます。

併せて、幅も調整しました。マウンテンバイクは悪路を走るのでバランスをとるため広めに取りますが、街乗りであれば肩幅まで狭め空気抵抗を減らす方がお得です。アルミハンドルなので切ればよく、金ノコでもできましたが、バリの処理などを考えパイプカッターを買いました。

そこに取り付けたのがバーエンドバー。ハンドルバーの端っこ=バーエンドにつける延長ハンドルバー、ぐらいの意味で、前に伸びてコの字型にするものです。本編で触れた引く動作がしやすくなりますが、わたくしはこれをTOPEAK(トピーク)のBar’n Mirrorという製品にすることで、バックミラーを兼ねています。左右両側ともミラー付きで、割れたときに左右交換すれば引き続き使えるので、お財布にも優しい一品。

その他、よく交換されるのがグリップで、業界的にエルゴと呼ばれるパームレスト付きのものが人気です。わたくしが付けているのはT-ONE(ティーワン)のBricko II(ディスコン。現行類似品Diamond Plus(国内販売はないようです))。長さ調整ができるので、短くなったハンドルにもぴったりです。

ここまではよくあるカスタマイズですが、あまりないのがインナーバーの取付け。ハンドル幅の調整は普通に握ったときに合わせるので、その外につけるバーエンドバーを握ると広すぎるので、グリップの内側にバーエンドバーをもう一組付けてあります(TIOGA(タイオガ)のPower Studs 5)。漕ぎ出しのように車体を振るときは安定重視でエンドバー、巡航速度を上げるときは空気抵抗軽減重視でインナーバー、と使い分けています。なお、あまりにマイナーで定まった呼び方がなく、ネット界隈では「センターバー」などと呼ばれていますが、センター(中央)に付けるわけではないので、ネイティブに倣ってこう呼ぶべきかと。

加えて、ハンドルの取付位置もカスタマイズしています。サドルを上げて前傾を深くし上体が前に出た分、ハンドルも前に出して適正な距離を保ちたいからです。ハンドルはステムというパーツで固定されていて、買ったときのステムは、一般にハンドルが高く・近くなるようにセッティングされていて、これをひっくり返すと低く・遠くできます。それでもまだ近すぎたので、より低く・遠くできるDixna(ディズナ)のリードステムに買い換えました。

(1-2)これからしたいこと

バーエンドバーの難点は、既述の幅のほか、ブレーキレバーが握れないことがあります。対策として、最初からコの字になっているハンドル=ブルホーンに交換したいのですが、ブルホーンとフラットバーとでは付けられるブレーキの規格が違うため、ブレーキ系の全交換を伴うので、そこまで金をかけるなら、クロスバイクを乗りつぶしてロードバイクかな、と思案中。

(2)サドル周り

(2-1)これまでにしたこと

サドルの高低はこれまでに触れましたが、前後にも多少動かせます。後ろにすると引く力を使いやすいのでペダルを強く押しやすくなり、前にすると自重がのせやすいので、その範囲でペダルを軽く速く押しやすくなります。これは好みの問題で、わたくしはめいっぱい前に付けています。

また、自転車を買ったときには大きく柔らかい初心者向けサドルが付いています。そういうSELLE ITALIA(セラ・イタリア)のQ-Bikを、慣れてからVELO(ヴェロ)の小さめ・硬めのもの(製品名失念)に買い換えました。

(2-2)これからしたいこと

もっと前のポジションに興味があるものの、シートポスト(フレームとサドルをつなぐパーツ)の限界なので、前乗りが主流のトライアスロン用に買い換えないとできません。買ってみたら前過ぎた、ではお金の無駄なので、試乗できたらいいのですが……。

(3)車輪周り

(3-1)これまでにしたこと

わたくしが買った自転車にはSchwalbe(シュヴァルベ)のMarathonというタイヤ(32mm幅)がつけてあり、これはパンクしづらく耐久性があることで有名です。一般にタイヤの寿命は数千kmで、競技用だと2~3,000kmも持たないものもありますが、15,000kmほど使いました。その分重いのが短所(前回、ロードバイク関連で書いたとおり、自転車業界では軽さが正義です)で、交換時にはより軽いその上位品Marathon Racerにしました。タイヤ幅は、ロード/クロスバイクはmm規格で、23、25、28、32mmが一般(前2つが主にロード、後2つが主にクロス用。傾向として、幅が広くなると入る空気が増えるので荒れた路面でも安定しますが、接地面の変形量が大きくなるので力のロスが増えます)ですが、前回書いたように29erにあこがれていて、それに近づけるために少しでも太くしたかったので、35mmに広げてみました(29er並みにするには50mm(マウンテンバイクはインチ規格なので2インチ)以上が必要なのですが)。

タイヤの内側に収めるチューブは、競技用の軽量チューブも試してみましたが、わたくしにはあまり違いが感じられなかったので、Schwalbeの28~45mm対応のものに落ち着きました。重めですが、丈夫でタイヤ幅の対応レンジが広く、重宝しています。

(3-2)これからしたいこと

35mmでもフレームには多少余裕があるので、もう少し太いタイヤで29erにより近づけたいのですが、一般に5mmは変えないと乗り味の違いはない(実際、32mmと35mmでは体感は変わりませんでした)と言われます。Marathon Racerを履きつぶしたら一回28mmを試して(Continental(コンチネンタル)のUltra Sport3が現時点での候補です)、その次にまた広いタイヤに戻ってくる予定です。

(4)その他これからしたいこと

3万km近く乗っているのでそろそろチェーンリング(フロントギア)交換のタイミングですが、前の変速はほとんど使っていないので、この際フロントシングルにしようかと考えています。せっかく変えるなら楕円チェーンリングにする(本編で触れたとおり前後のギア比を大きくするとクランク1回転当たりに進む距離が伸び、かつ、ペダルを最大筋力で押せる箇所はわずかなので、その箇所の直径が大きく、それ以外が小さくなる楕円にすると、力が入るところではギア比が大きく、力が入らないところではギア比が小さくなります)のも一案か、と悩んでおります。