【冒頭発言】
大臣)本日は植田日銀総裁とG20会合2日目の議論に参加いたしました。またFRBのウォーシュ議長、ポーランドのドマンスキ財務・経済大臣、世銀のバンガ総裁、それから立ち話でありましたが、かなり長くインドのシタラマン財務大臣、女性の大臣ですよね、とお話をさせていただきました。ウォーシュ議長は名刺をくださったんですけど、議長としての名刺をあげるのは私が最初だからといって、ニューヨークに行って取ってきてくれたんだというふうに言われました。
G20会合の2日目の本日ですが、途上国債務とグローバル・インバランス、さらに金融リテラシーと詐欺、これをテーマに議論が行われました。まず途上国債務では、債務の再編プロセスの円滑化や債務データの透明性向上について議論いたしました。私からは共通枠組みに基づく債務の再編プロセスの迅速化や予測可能性の向上が重要であること、2023年に日本のG7議長下で始めた世界銀行の債務データ共有取組に全てのG20メンバーが参加をすべきことなどを申し上げました。次に過度で持続的な不均衡、グローバル・インバランスへの対応について議論いたしました。私からは不均衡の是正には黒字国と赤字国双方による取組が重要であること、非市場的政策・慣行による不均衡がもたらす他国の物価・雇用への悪影響を避けるべきことを申し上げました。最後は金融リテラシーの向上や詐欺・金融犯罪の防止策について議論いたしましたが、私はG20のワシントンで4月にやりました会でファイヤーサイドチャットをやったものですからリードスピーカーを頼まれまして、金融リテラシーは個人の資産形成や経済的安定を支える基盤であり、詐欺対策においても重要であること、年齢層やライフステージに応じた金融リテラシーが得られるように金融経済教育の機会を幅広い世代に継続的に提供することが重要であること、詐欺への対応能力が低い国・地域が国際的な詐欺拠点の温床とならないよう全ての国・地域がFATF基準を着実に実施すべきことなどを申し上げました。私からの冒頭は以上となります。
なお、先ほど2日間の議論の結果をまとめた議長声明が米議長から公表されております。財務官の説明のときにはお手元に行っていると思います。
総裁)G20での議論の内容については片山大臣からご説明があったとおりですので、私からは詳しくは申し上げませんが、一言だけ、私どもに関係します金融政策について、詳細は申し上げられないですけれども、世界経済を取り巻く環境が変化するもとで物価安定の確保に向けた適切なコミュニケーションの重要性などについて各国間で議論を交わしたということについてだけご報告しておきます。
【質疑応答】
問)植田総裁にお尋ねをしたいんですけれども、30日に米国のベッセント財務長官と会談をされているかと思うんですが、その場でどのようなお話をされたのかというのと総裁からどのような発言があったのかということ、あと米国側からベッセント財務長官がインフレ期待を安定させて過度な為替レートの変動を避けるには適切な金融政策の策定とコミュニケーションが重要だというような発言があったというふうに発表がされているんですけれども、こういったご発言、どのように受け止められたのかということと、あと今の現時点での日本国内の物価・経済情勢の局面において健全な金融政策の策定とコミュニケーションというのはどういったものというふうにお考えかというのをお伺いできますでしょうか。
総裁)ベッセント財務長官に確かに一昨日ですかね、お会いしました。様々なテーマについて有益な議論を行うことができたんですが、残念ですが詳細についてはノーコメントとさせていただきます。それから先ほど申し上げた、我々中央銀行の金融政策について、世界環境が変化する中で適切なコミュニケーションのあり方、あるいは重要性ということですが、これは非常に一般的・抽象的な話で、現在例えば日本でどういうことだというところについて議論したというわけではないということだけ申し上げておきます。
問)大臣にお尋ねします。G20の議長声明なんですけれども、今回中国を名指しするような形で発表になったかと思います。そちらについての大臣のご所感をお伺いできればと思います。
大臣)ご取材のとおりにというか、もうネットで出ておりますから、G20に参加した国、今回南ア以外メンバー国はみんな来ているわけですけれども、それが全員賛成したんですけれども、中国は賛成しなかったというところで、具体的にどのパラグラフに賛成しなかったということまで明記してありますが、それが重要鉱物の部分だったり、サプライチェーンの部分だったり、あるいは債務の再編の部分だったりという、長年議論になっているところで、何が議論対象になっているか、皆さんがご存じでも紙の上ではそこまでは書かなかったというのが事実上今回コミュニケではなくて議長総括にしたことによって、かなり逆にはっきりしたというのはアメリカ側の非常にタクトフルな運びではなかったかなと思います。それ以上は議長にお任せしたことですから、控えます。
問)大臣にお尋ねさせていただきます。債務問題に関してなんですけれども、世界的な金利上昇が経済に与える影響についてどのような議論があり、各国からはどのような意見が上がったのかというところがまず1つと、日本も国債が約30年ぶりに3%台をつけておりますが、債務問題とか金融市場の動向についてどのように発言、議論をされたのか、お願いいたします。
大臣)デットについては世界的にやはり債務が膨らんでいるということですね。それについてはIMFの方からも懸念があるので、みんなで気をつけて考えていこうみたいな話で、具体的なところではなかったけれども、そういう傾向についてはほぼ皆さんが確かにそうだねということがありました。我々はですから債務残高の対GDP比をしっかりと引き下げていくことを今の日本の財政政策、それから成長戦略と債務の持続可能性の両立という、総理がいつもおっしゃっていることですけれども、これにのっとって説明をいたしまして、昨日もお答えしたように、そのことについては全く違和感がなかったというか、IMFとかは非常によく分かったと。ECBのラガルドさんも別の会議の場でしたけれども、メイクセンスするとおっしゃってくださっていて、特に個別的に日本について何かというのは全くないんですけれども、全体としてベッセント財務長官も、アメリカももちろん債務が今膨らんでいて、単年度の赤字は日本はむしろG7では一番小さいので、ほかの国もそれなりに気にして、債務も今後どうやってアメリカも抑えていくかみたいなことですね、つまりアメリカで財政のディシプリンについて何かつくっていこうということを言っていました。それをもう既に予算局との間で話を始めていて、秋ぐらいには何か言えるようにしたいみたいなことを言っていましたね。でも、それは各国がどうするとか、全体でどうするというのはどこも全く何もコミットはされていないというような状態だと思います。
問)大臣にお伺いいたします。2日間の会合を通じて日本として評価できる点、できない点について大臣のご意見を伺いたいのと、先ほど議長声明で中国が名指しされたという点についてなんですけれども、中国の姿勢だったり、中国や各国とのやりとりの中で過去の会合との違いを感じられた点がもし大臣にあれば教えてください。
大臣)まず全体として、このアシュビルという場所でG20の中で一番中心となるのは首脳会合以外でしたら何と言ってもやはり財務大臣会合ですから、始まった契機が財務大臣なので、この場所は2年前の災害でかなりの打撃を受けて、急激に復旧復興したところでございますし、現地のテレビでは報道を2~3の番組がかなりきちっとやっていたんですね。ABCとかNBCとかそういうチャンネル、ホテルでもつくようなチャンネルという意味ですけれども、そこだとやはり投資に対する経済的な効果に対する期待というのがあって、ジョージア州が隣じゃないですか。私事なんですけど、うちも企業を経営していた会社なので90年代の前半ぐらいにジョージアにいわゆる知事主催の企業誘致のツアーにかなり名の知れた会社で30社ぐらいで行ったことがあって、この周辺の市も含めて日本企業とか、あるいは今だったら韓国や中国もそうなのかもしれないけれども、投資に来てくれるという期待があるようなタイプの場所の1つですよね。そういう意味も含めて、やはり経済の成長とか投資とかというところに非常に焦点が当たっているんですよ。それから昨日、民間の企業でまさにJPモルガンのダイモン頭取というのはザ・アメリカの金融界の代表ですね、それから投資銀行ではゴールドマン・サックスとか、ほかにもいわゆる投資や成長の旗を振りそうな方がずらっと並んでいた、そこで我々も含めてやりとりをいろいろしたということで、ダイモン頭取は「初めはあまり呼ばれても期待していなかったのですが、これはすごくいいですね。」とおっしゃって、私、席が夕食会で真隣だったのでかなり長いこと話したんですが、食事も最後のお皿が出るまで全部いて、それで多分プライベートジェットか何かで帰っていったんですけど、つまり半日ここにいたということですよ。それって今までにないというか、全くなかったことで、つまり本当に民間を巻き込んで投資をして豊かになる世界経済の中で今回議長をやって仕切っているアメリカという形を出すという意味では、そのストラテジーがはっきりしていたし、我々の政権としてはまさに総裁にもおっしゃっていただいたんですけれども、ここに脈々と骨子となって流れている線がやはり成長なくしてという、成長なくして財政の持続可能性もないし、やはり成長が世界を引っ張るみたいな、そういう極めて前向きな姿勢なんですよね。ダイモン頭取も日本を長く見ている方だけども、このところの日本の雰囲気の非常に前向きな成長や投資意欲にあふれた姿勢とか、あるいは日本のビジネスマンの変化というのはすごいねということをおっしゃっていたので、我々は一番それを真正面から受け止める国ですけど、ほかの国の発言も大体そうだったので、これは世界経済、拡大するなというふうに、世界世論を、経済世論を持っていくのに十分な会合の運びではあったという意味では非常に特筆すべきだと思います。私も毎回出ているわけじゃないんですが、大阪なんかもそういったことを狙った会だったんですよ。私は大阪のときに閣僚だったので。ただ、残念ながらその半年後にコロナになってしまったので、そこでやろうとしたことがほとんどできなかったということがありますが、そうでなければ日本もその時点でまた別のブレイクをしていたんだろうなと非常に思います。それから後半の質問につきましては、ずっとデピュティレベルでも、あるいはG7ほか、別の場でも類似の議題をずっと議論しておりまして、常に名前の名指しまではできなかったんですが、皆さんの思いが喫水線を越えたということで、私はほとんどの重要な、完全にインナーだけの場も含めて国として呼んでいただいていますが、日本が何かを言う前にほかの国がそろそろ方向をはっきりさせていかないといけないと。特に重要鉱物をはじめ、サプライチェーンへのディストーションを招いているところとか、いわゆる失業の輸出になっているとか、デフレの輸出になっているみたいなところはちょっと看過できないという意見を次々おっしゃっていたので、これはまずほとんどコンセンサスだと思います。つまりロシアも含めて反対しなかったということですよね。ですから、ちょうど機が熟してきてこうなったのかなと思います。
問)大臣と総裁に質問させていただきます。大臣、まず為替についてなんですが、今日の議長声明でも為替のコミットメント、再確認されています。この点について、昨日もお話がありましたけれども、改めてお願いします。あと今日、円安も進んでいることも含めてコメントをお願いいたします。総裁においては今回、9月の決定会合前のおそらく最後の予定されている公の場での発言となると思いますので、9月会合について市場の注目が非常に高まっていて、7月会合以来いろいろなデータや今回のG20も含めて、いろいろな情報交換をされていると思います。物価の上振れリスクを以前よりも意識しなければいけないとか、9月会合を含めてしっかり議論が必要だという、こういったところについてどういうふうにお考えになっているか。それと、市場で今OISを見ると大体90%以上の確率で9月の利上げというのが見込まれています。その点について何か総裁あればお願いします。
大臣)まず私からお答えいたしますが、様々な場でこれは話題になって、私の方からはこの間協調介入をしておりますので、それをG7との国際合意に基づくものであり、かつ世界の市場、世界の経済の安定にも役に立つような形であるということ、これはアメリカもサポートしてくれて、両方でそういうお話になったということで、それに対しては参加者から、そうだねと言ってくださる方はいても、特に反意をする方が誰もいなかったので、非常に理解を得るいい場になったなと思っております。また具体的な水準につきましては、そういうことはいつもお答えをしていないので、差し控えさせていただきます。
総裁)私からはまず、次回会合における利上げの可能性についての市場の織り込みについてどう考えるか、これは日々の短期の市場の動きについてはノーコメントということで通してきていますので、今日もそういうことにさせていただきます。その上でですけれども、7月の会合の後いろいろご説明させていただいたわけですけれども、まずその後のデータを見てどうかということで申し上げれば、そのときに展望レポートでお示しした経済見通し、また記者会見でお話ししたような見通しの姿に大体沿ったような経済データが出ているというふうに思っています。それから、そのときご説明した今後の金融政策の基本的な考え方、これについてそれからの期間、あるいは今回の会合の議論を踏まえて何か大きく変えたということは特にございません。その上で、もう一度そのときお話ししたような基本的な考え方を繰り返させていただきますと、そのとき申し上げたとおりですが、金融緩和度合いの調整のタイミング、あるいはペースについては、そのとき申し上げた3つのポイント、中東情勢とそれからAI関連の動き、そして為替相場の変動の影響、これらを特に重視しつつ、経済・物価の中心的な見通しが実現する確度、あるいはその周りのリスクを点検しながら検討していくという基本的な考え方です。そうした基本的な考え方に沿って経済・物価・金融情勢を点検し、次回会合を含め毎回の決定会合においてしっかりと議論してまいりたいと考えております。
問)片山大臣と植田総裁、お二人それぞれにお伺いしたいんですが、先ほどベッセント財務長官が議長国会見の中で日本のアベノミクスについてリフレ政策だったというような認識を示した上で、それは成功したと。その上で日本は成功したとすれば、次のconsequence、成功がもたらす結果について考えなければいけないのではないかというご発言をされたんですが、この発言について、要するにアベノミクスの次の段階、タカイチノミクスというのはどういうものかということを日本政府として、あるいは日本銀行としてどのようにお考えかということをお聞かせください。
大臣)まさに私はベッセント財務長官と昨日今日の面談以外にもいろいろな形で話をしていますが、去年10月が最初ですけれども、大体このラインをずっとおっしゃっていますよ。彼はアベノミクス研究家としても有名なので、それは当時デフレから始まって、マイナス金利から始まっていた状況ですけれども、それがそうではない状況になっているわけだから、そうなったらそこに別の処方箋があるだろうというのは当然なことでございまして、安倍元総理もそういう認識をちゃんとお持ちでしたので、そこは全く何ら我々としても違和感はないので、高市総理も全くないと思いますし、そこで今我々は足りないのは国内の投資、それは設備投資、そして人への投資も含めてですね、それが圧倒的に足りなくて、企業部門においては貯蓄超過になっている状態がこれだけの先進国で長く続いているところはほかにないという、その認識も長官は非常によくお分かりで、日本が国内投資をブーストして潜在成長率、生産性を上げていくというのは正しいとおっしゃっていますので、その過程でいろいろ出てくることにどういうふうに対処すべきかということについて、ご自分なりのお考えはあるんじゃないでしょうか。ただ、我々が、今私が申し上げたようなタカイチノミクスの、今回まさに、時々私はこの記事を、日本語なんですけれども、ベッセント財務長官も含めて総理の顔も写っていますということで見せているんですが、こっちが成長なんだよ、こっちがフィスカルディシプリンというか、サステナビリティなんだよということを示した上で、この戦略をずっといっていますということについては非常に共感があったと思います。つまり経済なくして財政なしというのは、そこはアベノミクス、タカイチノミクス、全く変わらないで一貫していて、あとは多分金融政策についてお聞きになりたいんでしょうけど、それは総裁がいらっしゃる場では私が申し上げることではないと思うので、私はここまで申し上げさせていただきます。
総裁)私の立場からさっきのご質問にお答えするとしますと、私どもは一貫して物価の上昇率を持続的・安定的に2%で維持するということを目標にして政策を運営してきています。その上で、私はその当時担当していなかったですけれども、アベノミクスの時代と今を比較すると、当時は現実の物価の上昇率はすごい低いところにあった。したがって2%を目標にするという中では、それを持ち上げていくということが現実的には最大の当面の課題であったということだと思います。これに対して現状では、私どもはよく、基調的な物価上昇率、物価上昇のトレンドのようなものですが、と言ったりしていますが、これがかなり2%に近くなってきているという判断をしております。ですから現在の当面の目標としては、これをスムーズに2%に着地させ、そこで維持するということが非常に重要になってくる、そういうふうに考えております。
問)植田総裁に質問お願いします。先ほどおっしゃったシナリオの蓋然性と確度なんですけれども、それぞれ今日までの議論で確度が高まっているのか、リスクについて特に物価の上振れリスクは高まっているのか、これは今回の会合の1つの争点が世界的なインフレの上昇であったり、AIの強い需要というものが今後物価にどう影響を及ぼすかというところだったので、その観点から物価の上振れリスクについてどう見ていらっしゃるのか、お願いします。また、金融政策運営ではそういう経済・物価だけでなく、だんだん政策金利が中立金利に近づいていく中で、より慎重な状況把握が必要となると思います。物価の上振れリスクに対応するために早めに利上げすべきという点と、中立金利に近づくにつれ、より慎重に状況を見ながら利上げを進めなければいけない、このバランスについてもこれまでのいろいろな議論を経てどうお考えになっているのか、お願いします。
総裁)前半は物価見通しの確度やリスクについて、おそらく7月から変化したかどうかというご質問だと思うんですけれども、そこは先ほど申し上げましたようにデータがどういうものが出たかという次元で申し上げれば、大体見通しどおりのデータがその後の2か月ぐらいですかね、1か月強ですか、出ているという中で、これは見通しの確度が上がったととらえるかどうかについては、取りあえず次回のMPMでボードメンバーの人たちと議論して判断したいというところでございます。物価の上振れリスクの度合いがここのところのデータでどういうふうに動いたかという点についても同じでございます。それから、基調物価が2%に近づく中で1つは金利の調整を今までよりも慎重にやっていくのかどうか、一方で上振れリスクがあるかもしれない中で、それとのバランスをどうするかというご質問ですけれども、金融環境が依然として一応緩和的であるというふうに見ておりますので、政策金利を引き続き引き上げつつ緩和度合いを調整していくということはしていきたいと思いますけれども、その際にもちろん近づいているというよりは、過去もう5回ほど利上げをしていますし、7月の記者会見でも申し上げたように、その利上げの影響は常に少しずつ累積的に出てくるという面がありますので、それは慎重に見ていきたいと思います。ということを申し上げた上で、上振れリスクのことも考慮しながら政策運営を判断していきたいと思います。
問)2問お伺いさせてください。1問目は片山大臣と植田総裁それぞれお伺いさせてください。長期金利の水準についての質問がまず1点目、2点目は片山大臣に今回のG20の評価についてお伺いします。まず1問目なんですが、長期金利の水準が3%に達しました。この3%という水準の率直な受け止め、評価、日本経済に与える影響を、現時点で考えられることがございましたらお伺いさせてください。2点目なんですが、G20を終えて、これは日本に限った話ではないですが、世界的に財政規律というのがテーマの1つになって、長期金利が上昇しているところがあると思います。こうした中で成長と財政規律、財政の持続可能性について両立していくという日本としての考え方を各国要人に説明できたことの意義、評価等があれば大臣にお伺いさせてください。
大臣)昨日もそういうお話が出たんですけれども、私の立場として金利について特定の水準にコメントは当然しておりませんし、金利自体が様々な要因を背景に市場で決まるものでございますので、そのようにご理解をいただければと思います。いずれにしても発行当局ですから、国債については、市場動向の見極めということで非常に高い緊張感を常に持ってやっておりますし、まさに市場の参加者との丁寧な対話を行いながら、国債管理政策に完璧を期すというか、適切を期すということで、それ以上の感想はございません。その次につきましては、ちょうど概算要求について報道もしていただいているんですが、まさにその中でも出ておりますように、我々は成長を重視し、成長と財政の持続可能性を両立すると、さっきこうやってお見せしたように、ということを総理ご自身がかなり詳細に説明して答えておられますので、私もこの内容をほぼなぞったことをG7の場でも、あるいはG7の前に準備的な会合が幾つかあるんですけど、そういうところでも、あるいはバイの会談ですね、ベッセント財務長官、IMF、世銀、その他でも全部申し上げていまして、かなり細かく、そういう理屈ならば分かるというふうに言っていただいたりしたので、それはとてもいい意味でいい機会であったと思います。私も帰りましたらまた会見を別途することになると思いますが、くしくも補正予算と今走っている本予算の合計額前後ぐらいの数字になるものですから、それを考えると抜本的な予算編成制度改革をしておりますので、そういう見方があるということで今までとは違う形でそこは説明ができることだと思っておりますし、そういう説明はいろいろな経済専門分析をする方ですね、私がお会いした中でも、そういう方にはお話をして、それはそうでしょうねと。定例化された大型の補正予算が景気対策と一緒に毎年ある国というのは日本しかないので、それは実は逆の指摘を受けてきたことも結構あるものですから、何で毎年この時期に同じようにあるんですかと。それはメイクセンスするんですかというのは前からありましたので、これを機会に、総理の長年のお考えでもありますが、予算編成制度改革をして、もっと合理的に、あるいは経済学的に運んでいこうという考えなので、それを考えるとまさに割とあり得る規模の要求になっているのかなということと、あとバジェットリクエストの時点で非常にそれが注目されるという国もあんまりないんですよね。それは各国、予算の決め方というのはかなり違いますから、それは日本ではこうなんだと言われればそうなのかもしれないんですけれども、昔は概算要求がシーリングプラス50%増までとか、あるいはシーリングはなかった時代も30年代の半ばまではあったので、それがガチガチのシーリングがあったときには概算要求額とでき上がりの額があまり違わないので、それでメディアの方がそこばかり報道するようになったんじゃないかなと思って、知る限り、そういう国ってあまりないので、また議会が1本1本細かく全部見て、議会修正をする国っていっぱいあるんですよね。そういうことも含めてあんまり海外でこの話をしても分からないのかなというのは感じますね。中身につきましては、総理が会見で細かくおっしゃったように、まず租特や補助金や基金の査定というのが今から始まるので、かなりバッサリやるよということ、特別会計も含めて、まだまだいろいろと、去年までこれだけ出してきているんですからねということも言っていただいているし、それから補正予算を通年にすることによって、その補正予算で何をやってきたのかというと、ここ数年は3兆円とか4兆円の規模の景気対策というよりも、このところウクライナ以降は物価対策をやってきたわけですよね。それを今回、消費税の飲食品への引下げという形で明らかに物価対策になることに似たような規模をかけるわけですから、それはいわゆる重なってしまうというか、二重になっているところは当然財政合理性からいって圧縮することになりますので、そういったことも含めると、あちこちに初めからこの1年間で4兆円から5兆円ぐらいになる歳出規模ということについてはある程度見込めているので、我々も、総理からご相談があったときに飲食品にかかる消費税の2年間に限っての引下げというのは特例公債に頼らずにやりたいという方向性を出すことについてはちゃんと省内で諮って、解散のときの文言というか、我々の選挙公約に書いている文言になったわけですから、そういう範囲内のことをやっているんだなということについてはかなりご理解は得られたので、いい機会だったと思っております。
問)アメリカ含め各国から懸念の声が寄せられることというのはなかったですか。
大臣)それが驚くほどなかったですね。それは1つには我々の財政赤字がG7の中で一番、単年度でいくと小さいんですよね。減税の規模ということにしましても、対GDP比でも対予算規模比でも、アメリカがなさっているワン・ビッグ・ビューティフル・ビルですね、あれの現在規模というのは桁が違うので、つまり毎年の予算規模から見て、それはどんな支出でも無駄であれば課題なんですけどね、マクロ的な計算の規模として通常あり得る範囲だなという受け止めをしていただけるようなところから説明が入っているので、そこは驚くほどなかったです。
総裁)私から前半の部分について手短に補足させていただきますと、まず長期金利の特定のレベルについてコメントするのは差し控えさせていただきます。一般論として、市場で形成される長期金利の動きですけれども、これは一般論としてですが、先行きの経済・物価情勢、あるいは金融・財政政策に対する市場の見方、あるいはさらに海外金利の動向などを反映して動くものだというふうに認識しています。その上で、わりと最近の長期金利の上昇についてですけれども、市場の見方を我々なりにまとめてみますと、中東情勢に起因するインフレ圧力の高まりであったり、AI関連の動きが強い中で大型の資金調達が続いているということであったり、あるいはいろいろな国における財政政策に対する市場の見方、こういうものを反映したグローバルな金利の上昇につれた動きであるかなというふうに見ております。その上で経済への影響ということですが、これは今申し上げたような様々な要因で長期金利が動いている、あるいは動いている可能性があって、そのどの要因で動いたかによって、長期金利が上がったことによってどういう影響が経済に出るかというのは両方足し算してみないと分からないので要因次第である、それを全部出さないといけないので、なかなか難しい作業であるかなとは思います。いずれにせよ、金利動向についてはしっかり見ていきたいと思っております。
問)片山大臣にお聞きしたいんですけれども、先ほどFRBのウォーシュ議長とお話しされるタイミングがあったということですが、具体的にはどのような議論が行われたんでしょうかというのと、植田総裁にもお聞きしたいんですが、植田総裁はFRBのウォーシュ議長と議論されるタイミングがあったのかというところと、今回ベッセント財務長官と総裁の会談内容についてアメリカの財務省側からリリースがされたと思いますが、こういった日本の金融政策に関するある意味要求があったという内容をアメリカの財務省側から発表されるというのはなかなかないことかなと思うんですけれども、発表に関して事前に説明はあったんでしょうか。
大臣)ウォーシュ議長からは、1対1でお会いするのは初めてなので、昨日私がベッセント財務長官の隣にいらっしゃったので名刺をお渡ししたら大変恐縮されまして、まだ名刺をつくっていないと言って。それで今日、朝、結構、20~30分お話ししましたよね。そのときにニューヨークのFEDの方に帰って持ってきてくださったということで、まずそこから盛り上がったんですけれども、日本がG7の中で実は今回のイラン情勢後の比較でインフレが低いんですよね。それは政策対応として、まずガソリン価格を抑えちゃったということで、運送費が影響する物価全般への伝播が抑えられたということの評価、さらにもともと私学の高校の無償化もあり、給食の無償化もありと、いろいろな要因があったんですが、いずれにしても一番影響を受けそうな日本が一番低く収まっていて、潜在成長率等についてもいい方向に向かっているというか、投資マインドも非常に高く、投資自体が非常に増えてきているのと、工業出荷額とか足元の数字もいいので、そういうお話をしました。議長もそれについては非常にしっかり日本の経済を見ていらっしゃるし、過去は日本の経済も含めてそういう専門の担当をされていたこともあるので、そこは見方にしてはほとんど一致をしたということは非常にうれしかったです。ただ、それ以上について突っ込んだようなお話は、中央銀行と財務省の違いもあるので、いたしておりません。
総裁)ウォーシュ議長とは面談とか立ち話でいろいろ有益な議論をさせていただきました。中身については説明は差し控えさせていただきます。それからベッセント財務長官とのやりとり、中身、あるいは米国財務省側から発表された文言について、その中身と経緯についてはやはりコメントを差し控えさせていただきたいと思います。
問)総裁に1問お尋ねします。また同じくベッセント財務長官との会談について、アメリカ側の声明を見ると為替動向と金融政策というものを強く結びつけるような表現があったように思います。総裁もこの為替動向をこれまで以上に注視した金融政策運営が必要だと考えているのかということと、あと今回のように他国の政府関係者が日銀の金融政策について言及することについて、このこと自体について植田総裁はどうお考えでしょうか。
総裁)まず前半ですけれども、為替レートを取り出して、それに対して、昔よりも、前よりも強く反応しなくてはいけないというふうな変化があったというふうには考えておりません。私どもは申し上げてきたように、7月以降、基調的な物価上昇率が2%に近づく中で、リスクマネジメント的な政策の運営の考え方からしますと、これまでよりも上振れリスクと下振れリスクに、両方に気を配って、あるいはこれまで以上に上振れリスクに気を配って政策を運営していかないといけないというふうに考え方をもって進めてきております。その中で7月に申し上げたのは、上振れリスクの1つの要因として為替レートの動きも注視していく必要があるということでございます。それから、海外の政策担当者が私どもの政策についてコメントされるということについてどう考えるかということですが、これはコメントをなさる、あるいはなさらない、それはその人それぞれのご判断だと思いますが、それに対してコメントするということは以前より差し控えさせていただいております。
(以上)

