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片山財務大臣兼内閣府特命担当大臣記者会見の概要(令和8年8月31日(月曜日))

【冒頭発言】

本日、植田日銀総裁とG20・G7に参加をいたしました。またベッセント財務長官ほかの方々とバイの面会も行いましたので、まずその概要から冒頭ご報告いたします。
 まずG20ですけれども、世界経済、成長、民間セクターとの関与、これをテーマに議論しました。世界経済につきましては私からは、サプライチェーンの多様化・強靱化の取組が重要であること、それから重要鉱物、つまりレアアース、レアメタル等のクリティカルミネラルですね、これに関する恣意的な輸出規制は世界経済に悪影響を及ぼしており、撤回されるべきこと等を発言いたしました。また、日本経済について私からは、日本の取組として潜在成長率の引上げに向けて複数年度にわたり官民一体で戦略分野に大胆に投資していくこと、補正予算に依存した財政運営から脱却すること、所得に連動したきめ細かな給付を2029年度から本格導入すること、それまでの2年間に限って飲食料品の消費税率の引下げ等を特例公債に頼らず実施すること、国・地方の総債務残高の対GDP比を安定的に引き下げていくこと、これを説明いたしました。また、民間主導の成長イノベーション促進策について、米企業の代表者を招いて議論を行いました。私からは成長投資を促進するための大胆な金融戦略に基づく規制改革と適切な金融規制の両立が重要であることなどを申し上げました。
 次に同日午後G7も行われましたが、G7では世界経済、AI、そしてウクライナについて議論いたしました。世界経済については、ホルムズ海峡での自由で安全な航行の確保の重要性などについて議論いたしました。また、フロンティアAIがもたらす金融面のリスクへの取組、対応についても議論いたしまして、私からはAIが検出した脆弱性への対応に当たっては優先順位の特定が重要であること、また多層防御などの基本的なサイバーセキュリティの対策を着実に進めることが重要であること、開発・検証時における安全装置について、セーフガードあるいはガードレールと言われておるものですが、これについて早急に議論を深めるべきことなどを申し上げました。ウクライナについては、リモートですけれどもマルチェンコ財務大臣が参加されて、ウクライナ支援や対露制裁について議論をいたしました。
 次にバイの面会について申し上げますが、アメリカのベッセント財務長官、イギリスのヒーリー財務大臣、IMFのゲオルギエバ専務理事と面会を行いました。このうちベッセント長官とは秩序立った円相場は米国を含む世界の金融市場の安定のために不可欠であり、日米の継続的な協調した取組がこの共通の目的に資するものであるということを確認いたしました。
 最後に金融市場について様々な場で話題になりました。私からは先般の協調介入はG7などの国際合意に基づくものである旨を必要に応じて説明いたしました。
 G20・G7及びバイの面会については以上です。
 続きましてADBの総裁選挙について申し上げます。アジア開発銀行の総裁選挙の結果、神田現総裁が全会一致で再選された、この旨、先ほどADBよりご発表がありました。財務省の方でも発表しております。お手元にこれに関する財務大臣談話をお配りいたしております。神田総裁が再選されたことは大変喜ばしくて、加盟国からの支持に本当に感謝を申し上げております。アジア太平洋地域の包括的かつ持続的な成長の実現に向けて引き続き神田総裁が活躍されることを心から期待しております。

【質疑応答】

問)ベッセント財務長官とのバイ会談についてお伺いさせてください。日本の財政運営に関して先方から何か発言があったのか、あるいはこちらからどういったご説明をされたのか、お伺いできる範囲でお伺いさせてください。

答)財政については私の方から債務残高の対GDP比を安定的に確実に低下させていくことで、強い経済の実現と財政の持続可能性を両立させていくということを総理が先般インタビューに応じて、その見出しにこの2つが立っているものですから、日本も長い方なので、こうやって出ていますよということで指し示させていただいて、協調していただいて、大変それはよかったとご理解をいただきました。私はそのように思っております。

問)同じくベッセントさんとのバイ会談について、報道でベッセントさんの方から片山大臣に対して日銀の利上げが必要だという認識を示されたという報道があります。他国の政府関係者が日本の金融政策に直接的に言及するというのは非常に異例なことだと思いますし、国際金融の世界の儀礼としても適切ではないように思います。この点について大臣はどう考え、会談の際には大臣はどのような言葉で対応されたのか教えてください。

答)いつも申し上げておりますように、金融政策の具体的な手法は日銀に委ねられているというのが日銀法に明記されておりますので、全くその方針に変わりはないので、そういった議論にはなっておりませんし、私の方から具体的にコメントすることはありません。

問)確認ですけれども、そうすると報道は少し違うということなんでしょうか。

答)すみません、その報道自体の記事を正確に見ておりません。

問)先ほど大臣、G20での中で日本の経済政策についてのご説明をされたというふうに発言をされました。特に消費税の引下げや今後の財政政策について各国からどのような反応があったのか、可能な範囲でお聞かせください。

答)G20の場合、G7でもそうですけれども、参加国が多いので各国の発言についてクロスにコメントすることはほとんどないんですが、廊下なんかでいろいろな方と会いますし、今日もお食事で少なくとも主要7か国の財務大臣とはご一緒していましたので、そういった場も含めて、この点について私にさらに聞いてきた方は誰もいないですね。むしろうなずいて聞いておられた方が多かったと思います。

問)ベッセントさんとのバイ会談についてお尋ねします。足元の円相場は一時160円に迫る水準をつけておりますが、足元の為替動向や追加介入に関する日米双方のお考えはどのような形で出ましたでしょうか。

答)先ほど申し上げましたように、まさにベッセント財務長官との間では先般の協調介入について、その場で申し上げたことを繰り返したというか、確認したということになっておりますので、その点については全く変わりがないので、ベッセント財務長官もエリザベス・ウォーレン上院議員との手紙において、しっかり介入の意義というのが国際的な金融市場の安定にも資しているということをはっきりおっしゃっておりますので、私もそのように申し上げまして、そこは共通理解になっていると思います。

問)財政懸念もありまして長期金利が3%近くに上昇しておりまして、市場の信認確保の必要性もバイの中でご説明されたかとは思うんですけれども、どのような形でご説明されたのかというのがまず1つと、それから足元の長期金利の上昇についてどのようにお考えになられているか、お願いいたします。

答)説明したことは債務残高の対GDP比を安定的に確実に低下させていくということ、あるいは予算編成の大改革を行っているということと、消費税につきましても赤字国債に頼らずにきちっと対応できるといういつも申し上げていることを申し上げまして、特にそのことについては何の反論も異論もなかったです。

問)先ほどベッセント財務長官とのバイ会談の中で為替について、秩序立った円相場は世界の金融市場の安定のために不可欠であり、日米の協調した取組は共通の目的に資するものと確認したということだったんですが、足元の為替相場の状況、円相場の状況、現在秩序立っているというふうに大臣はお考えでしょうか。ベッセント財務長官はどのようなお考えだったんでしょうか。

答)まさに為替相場については、特定の事項が為替相場に与える影響とかについて申し上げるということは困難で、いつもそのようにはお答えしていないんですけれども、今日の面会でも今おっしゃった秩序立った円相場が米国を含む世界の金融市場の安定のために不可欠であり、我々の継続的な協調した取組はこの共通の目的に資するものであるということを確認しておりまして、取組はつまり継続的な協調したものであるということでございます。

問)さらに継続的な取組が今後も必要であるというふうにご認識ということですか。

答)継続的なのでございますから、今この瞬間も取組はあるということでございますね。

問)今回G20にロシアのシルアノフ財務相が参加していたというのがありましたが、かなりヨーロッパの方々が大分反発したというのもニュースに流れていますけれども、大臣の所見をお伺いしたいのと、南アフリカの方は今回また招かれなかったとの報道もありましたけれども、その辺についてのご所見も併せてお伺いします。

答)参加国に関する問題は、これはひとえに主催国が責任を持っておりますので、私がこの場でコメントするのはちょっと差し出がましいので控えさせていただきます。

問)ロシアの財務大臣が出ていたことに関して違和感はなかったんですか。

答)G20の加盟国でございますよね。ただ、その上でいろいろな議論の場でヨーロッパの方々は、ほとんどロシアのウクライナへの一方的な法的根拠のない攻撃が続いているというふうなことを異口同音に皆さんおっしゃいます。ということまでは私は分かりますが。

問)先ほども質問に出たんですけれども、長期金利が足元で3%に迫っているということへの受け止めを改めてお伺いしてもいいでしょうかというのと、バイ会談については日銀の植田総裁も行われたというふうな話がありましたが、そのことについて何かご説明があればお願いします。

答)植田総裁の会談につきましては私がお答えするようなお話ではないと思います。金融市場につきましては、特定の水準というものをもともと私どもお答えすることはありませんので、それも控えさせていただきたいと思います。

問)まずは先ほどのベッセント財務長官との個別会談について再びお伺いしたいんですけれども、7月から8月にかけて行われた28年ぶりの日米での協調介入について、その後も再び160円近辺での値動きとなっていますけれども、前回の介入の効果について何か議論はあったんでしょうか。

答)今回は先ほど申し上げましたように日米の協調介入の意義について、まさに8月3日に双方が別途会見したような意義を確認したということで、日米の継続的に協調した取組は秩序立った円相場という米国を含む世界の金融市場全体の安定のために不可欠であるものに関して資するものだということを確認したと、それ以上のことはございません。

問)今回のG20はブルームバーグを含め複数のメディアが取材機会を与えられないような状態になっています。国際会議で一部メディアを閉め出すという行為について大臣はどのようにお考えでしょうか。

答)すみません、私その件については全く分かりません。今初めてそういったたぐいのことを伺いましたので。

問)今日のバイ会談での為替をめぐる合意事項の表現ぶりはこれまでの説明とはちょっと異なるような気もするんですが、過度で無秩序な動きに対しては断固たる措置をとるというこれまでの日本政府の姿勢やこれまでのベッセント財務長官との介入をめぐる合意事項には変わりがないという理解でよろしいんでしょうか。

答)変わりはないということだと思います。時が流れておりますので、このように表現しているだけであります。

問)少し抽象的というか、定性的な質問なんですが、今の為替水準というのは日本にとって何を表しているかというところをお伺いさせてください。今回のG20でも非常にメディアの為替に関する関心も高まっておりまして、昔は円というと安全通貨として買われていたり、貿易収支というのも日本は非常にいい国だったわけですが、このところ為替の水準というのは非常に円安に進んでいると、これは国力の低下を表しているものなのか、あるいはまた別の変化なのか、もしそうだとすれば、どうすれば為替水準、今の円安というのが、円というのが改めて強い通貨になれるのか、少し定性的なんですが大臣のお考え、ご所見をお伺いできれば幸いです。

答)今日はIMFのゲオルギエバ総裁も一般論としていろいろな議論をされていて、その中でファンダメンタルズを反映しない投機的な動きが、全般的にあらゆる通貨について強くなっているというのは事実で、それは経済規模に対する為替相場の規模が飛躍的に伸びているということは否めないわけでございまして、当然そういうことがあれば調整を行うということについてIMFは認めているわけですから、そういうお話からも分かるように、本当に為替相場に影響を与える要因は、本来はファンダメンタルズなんでしょうが、そのようには全くなっていないことの方が多いので、極めて多様でございますから、何かおっしゃったような特定の指標とか、特定の事項が与えている影響というのがどの程度あるのか、あんまりないんじゃないかと思いますけれども、そういうふうな認識をみんな各大臣はお持ちなんじゃないかなと今日も議論して思いました。

問)大臣ご自身は昔と変化というのは感じられたりしますか。この為替の動きであったりとか、水準感だったりとか。ちょっと背景的なところもお伺いできれば。

答)昔といっても私は1985年のプラザ合意のときに既に役所におりましたので、今の財務大臣は結構ベテランが多くて、ベッセント財務長官もそういった時期を知っている方ですし、フランスの財務大臣もカナダも、あるいはヒーリーイギリス財務大臣もそうですが、その頃はまだユーロがなかったわけですからね、一概にと言われてもあまりにも変化が多いので、安易な比較をすることは非常に誤解が生まれると思います。

(以上)