【冒頭発言】
まずG7ですが、朝9時から本当につい先ほどまでG7が行われ、植田日銀総裁と共に出席いたしまして、世界経済、ウクライナ、グローバル・インバランス、金融安定、金融犯罪、そして重要鉱物について議論をいたしました。まず各議題について、これは自分の発言しか基本的に引けないので、チャタムハウスルールですから、ご説明しますと、世界経済については、中東情勢を受けて世界的なインフレ懸念、債券安が生じており、金融市場では投機的な動きが見られること、原油価格の変動が為替や国債金利にも波及する状態に変わりはなく、引き続き警戒を続ける必要があること、また円滑で安定的かつ透明性のあるエネルギー市場の確保のため、不当な輸出制限は控えるべきであることを発言いたしました。また今月初めのADB総会で聞かれた原油・天然ガスの中東依存度の高いアジア諸国の声も紹介して、日本はパワー・アジアを通じショックに脆弱な国々への支援を続けていること、それから肥料や食糧のサプライチェーンの動向にも引き続き注視が必要であり、G7としてMDBsとも連携して早急に対応する必要があることを申し上げました。
次にウクライナについてはマルチェンコ財務大臣と中銀総裁の参加を得て議論が行われ、私からは同国の国内改革や対露圧力の継続の必要性を指摘いたしました。
グローバル・インバランスについては、その是正に不可欠な中国との関与を中心に大変白熱した議論が行われたんですが、私からは中国に対して、いろいろ議論をしてきたわけですが、そろそろ行動の時であって、IMFやOECD等の国際機関によってデータに基づく客観的分析を反論として示さないと、彼らは認めないので、そういうタイミングであることを申し上げて、非常に賛意を得たところでございます。
それから金融の安定については、フロンティアAIモデル、主にこれはMythosですけど、Mythosだけではなくて次に来るOpenAIバージョン6というのも非常にすごいんだそうです。またGeminiの方はこれに2~3か月遅れてやっぱり出てくるらしいんですが、そういったフロンティアAIですね、これについて迅速にパッチ適用をするということを含めた目の前のリスクへの対応、それから同志国に対してフロンティアAIモデルのアクセス確保を通じて、みんなでこの脆弱性に対処するということですね、それからG7に対する攻撃に対してG7で団結して協調して対応ができるようにすること、こういうことが重要というか、こういうことを首脳のサミットまでには決めなきゃいけないんじゃないかと、エビアンまでにはですね、こういうことを発言いたしました。
金融犯罪については、テロ資金対策に関して暗号資産への対応が喫緊の課題であって、G7がFATFの議論を牽引していくべきこと、それから北朝鮮による暗号資産窃取を含め、深刻化する金融犯罪の脅威に対して、これもG7として対策を強化すべきことを主張いたしました。
重要鉱物の議論につきましても、民間のファンドですとか、それからずっとこの問題を担当しているコーディネーターのほかもいろいろな方が参加されまして、中国の輸出管理措置に対してはG7として一致して懸念を表明し、協調して行動する時であると、これも次のエビアンサミットまでに具体的にまとめるべきであるということ、それから大規模な補助金等による非常に安い価格で提供されている中国産の重要鉱物への対応として、公的金融支援やMDBsを通じた支援強化が重要であって、日本は世銀の日本信託基金にRISE+(プラス)を創設して案件形成をさらに後押しをするという方針のほか、ADBやIDBを通じた取組も推進することを申し上げました。
以上なんですけれども、まとめますと今日のG7の議論の結果は、世界経済については、ホルムズ海峡の自由で安全な航行の一日も早い確保が重要ということと、金融市場の状況を緊密に注視して対応する必要と、それから食糧と肥料のサプライチェーンの対応の必要性、一部にはコリドーを作るみたいな議論も出ましたけれども、まだそこまではいっていないですけれども、少なくとも食糧・肥料のサプライチェーンの対応の必要性は一致をいたしました。また重要鉱物については世界のサプライチェーンを混乱させるような恣意的な輸出制限への懸念、対応策ですね、それからMDBを含む官民双方の資金と、G7各国が有する資源や技術等の強みを持ち寄って、民間企業の参画も得つつ、個別プロジェクトを一緒に育てていくという必要性、それから具体的な行動に繋げていくべく、エビアンサミットに向けて議論を加速させようということが一致をいたしました。金融の安定については、フロンティアAIですね、AnthropicのMythosやOpenAIのバージョン6ですか、あるいはGeminiといったようなものですが、G7として専門家の間でサイバーリスクへの状況把握と各国間で早急にサイバーリスクへの対応策を共有し、これもエビアンに向けてさらに具体策をまとめていくことで一致をいたしました。
今日はカナダのシャンパーニュ大臣とバイの面会を行いまして、これも主に資源調達の部分です。これは総理からいずこの国ともそのお話をするようにというご指示が出ておりますので、カナダは資源国ですから。以上でございます。
【質疑応答】
問)2つ質問がございまして、重要鉱物に関してはG7として具体的なアクションで一致する、合意に近づいているという理解でいいのかということと、あと長期金利に関して今朝も大臣、コメントいただきましたけれども、改めてG7で何か具体策が話し合われたのか、あと日本に関しては補正予算の財源についても材料視されていると思うんですけれども、赤字国債の新規発行についてコメントいただけますでしょうか。
答)まず重要鉱物については、より具体的なアクションも含めた措置ですね、何もしなければ中国の方は多分態度を改めないので、既に日本に対しては輸出規制をして、EUに対しても規制をしていますから、それを考えるとやっぱり協調アクションをとって示さないと駄目だろうということで、その方向に近づいていることは一致していると思います。それからボラティリティについては、各国が自らのことも含めながら懸念を表明して、ほとんどの国は日本並みか日本以上にボンドの金利が上がっていたり、そういうボラティリティがあるものですから、また他の市場も結構ボラティリティのある状況になっているので、これが主にやはり中東の状況から来ているという認識のもと、まだ中東の状況が収まるまでのデュレーションの問題があって、アメリカはそんなに長引かないだろうという意見なんですけれども、いずれもそこは分からないから注視しなければいけないと。いずれにしても投機的だという見方が強かったです。日本の場合は私もXにポストいたしましたが、総理が日本時間の12時から13時の政府・与党連絡会議で公におっしゃっておりますので、まず政府としては中東情勢とかあるからリスクの最小化という観点から万全の備えをとるべく補正予算の編成を含め、資金面の手当てを検討するように私に指示したということをおっしゃっているということで、私も確かにその指示を先週受けておりますと申しまして、このリスクの最小化ということは当然マーケットも関係するわけです。金融市場全般もこれは1つのリスクですから。ということで、ある意味では我々がきちんとその辺を全体的に見て資金面の手当てを検討するということが総理のご指示であり、私たちがやっていくべきことだと考えております。
問)2点お伺いしたいと思います。1点目が先端AIについてですけれども、早急に対応策を共有し、具体策をまとめていくことで一致したということですけれども、G7としてどんな取組が可能なのかお伺いできればと思います。また他の各国の財務大臣からは先端AIについてどのようなご意見があったのか、警戒感が示されたかどうか伺えればと思います。
答)これは昼のG7の蔵相と中銀総裁だけの場で大変深い議論がされましたが、これはチャタムハウスルールなので申し上げられないんですが、多分エビアンまでにはかなり具体的になっていくと思います。これは発端となっている国ははっきり言ってアメリカの企業ですから、アメリカの超最先端企業により極めて段階が違う能力のものが発見され、それが70%以上の確率ですか、穴を発見してしまうということで、ただ、そういうものができたということだけでは何の解決にもならないので、アメリカの方においては解決策まで含めてどうしようかということを考えているところについて、詳細は申し上げませんけれども、ベッセント長官は非常に慎重にワシントンからずっと同じようなことを我々に伝えようとしていますから、それに対してほぼ全ての国が反応し、アメリカの努力を多としながら、じゃ我々はどうすべきかということに対して、一致しているのは協調対応すること、我々は共通の価値観をシェアしている西側諸国ですから、当然日本ですとか、それからいわゆるライクマインディッドカントリー、G7、場合によってはファイブ・アイズとか、そういう名前が出るわけですよね。我々は前にも国内で申し上げているように、既にベッセント長官が来日していますので、日本政府とか金融機関とかということについては極めて好意的な対応がもう出てきておりますから、そういったことを含めて首脳の宣言までにどこまで踏み込んで書けるかというのは非常に楽しみでもありますし、その辺は全てサイバーセキュリティについてのサイバーエキスパートが金融・財務大臣会合にはおりますので、その方々とそれから我々のデピュティ(代理)も含めて専門家で練っていくというプロセスがこれから1か月あるんですが、明らかに先に進んでいると思います。
問)債券売りについてお伺いしたいと思います。フランスのレスキュール財務大臣は開幕の前に記者団の取材に応じて、債券市場の崩壊ではなくて調整局面だと。だけども、調整だからといっていいわけではないというような言い回しでお話しされたんですけれども、会議では債券売りについて高い危機感というのは各国共有されたような状況なんでしょうか。またG7としてはどういった対応が可能なんでしょうか。
答)これはまさにずっと、イラン情勢が2月に起きて以来、定点観測をしながら集まっているということですから、別に特別なことを決めるとかというよりは、その原因が当然どこにあるかというと、やはり原油及びホルムズの状況であるということは共通認識ですからね。各国が自らの状況に応じて、それは各国の責任でコントロールしていくということをお互いに言ったんじゃないかなと、私は聞きましたけれども、それについて何か協調行動とかそういうことは普通ないですよね。今までもそういうことはしていないし。私どもが申し上げた状況把握については概ね理解を得ておりました。
問)重要鉱物についてお伺いしたいんですけれども、先週大臣、ベッセント財務長官と会談された際にプライスフロアとかバイヤーズクラブについても議論をしたというふうにおっしゃっていたと思うんですけれども、今日のG7ではその具体的な措置というか、プライスフロア、バイヤーズクラブについても議論されたかというのをお伺いしてもいいでしょうか。
答)一般的に価格の問題がございますよね。やはり価格差があるわけですから、中国はダンピングをしているわけであって。ということも含めた理解は共通しているので、コミュニケの中にもそういう例示のようなものは当然今回も入ってくるし、それは来月の首脳間になればもう少し具体的になる可能性はあると思います。
問)食糧・肥料問題のところでお伺いしたいんですけれども、早急に対応する必要があるということで一致したというふうにおっしゃったと思うんですが、閣議後会見でもおっしゃったと思いますが、アジアとかアフリカだとか、そういうところが特に影響が大きいという中でいわゆる肥料回廊というところをいつ頃までにつくるべきだというふうな、そういう議論は今日されたんでしょうか。
答)そういうことをできるだけ早くすることが望ましいということを反対する方は誰もいないんですけれども、それを決めるというからにはそれができなければならないので、そこまでの話では現在ないですけれども、これは恐らく首脳レベルの話ですが、肥料問題にはほぼ全員が同意をしておりますし、国際機関も同意をしております。特に我々の国のような温帯ではなくて、インドであったり、一部のもう少し暖かい国で種まきが今からというところが出てきて、これが非常にダメージが大きいのではないかと。何とかそこに代替的に届けられるのか、あるいはそれはもともと中東のホルムズを通れば一番楽ですけどね、というところで話がある程度まとめられるということではないかと思います。
問)為替市場について伺います。本日1ドル159円と4月末の為替介入された後言われている水準以来の水準になりましたけれども、足元の動き、どうお考えなのかということと、今回の会合で為替水準もしくは為替介入について、もし議論があったとしたらどういう議論があったか教えてください。
答)もちろん我々はそもそも介入の有無についてコメントしておりませんし、その議論が他国から出ることもないので我々が言うこともないですから、そういうことはありませんが、ボラティリティについては当然議論しているわけで、その原因としてやはり中東の問題と投機筋ということがありますので、このことについては以前から申し上げているとおり、その動きが続いているわけですから、我々としては必要に応じていつでも適切に対応をいたします。
問)世界の経済の不均衡、グローバル・インバランスの問題について、議長国のフランスは今回の会合で何らかの成果を取りまとめたいというふうな動きも伺っておりますけれども、今回の会議での認識のすり合わせというのが具体的にどういう成果になりそうかというのは、大臣の手応えがもしあれば教えてください。
答)各国の認識がほぼ揃ったという感じがいたしますね。米中の会談もああやって終わりましたし、各国とも様々な形で首脳会談か、あるいはハイレベルの会談を中国と行っておりますので、今までのようなやりとりでは、例えばG20であったり、IMF・世銀であったりすると中国の代表の方が来られますが、インバランスが政策的な問題ではないというご認識なんですよね。自然体であって、別にご自分たちは責任がないみたいな、それについて我々が指摘していることをきちっとOECDやIMFがその他のデータを示してきちっと反論してつぶしていかなければいけないと、つまり構造改革が絶対的に必要だということを言っていかなければいけないということについてはコンセンサスがあると思いますが、1か月後の首脳の場においては、より具体的にもっと皆様に分かりやすいような言葉でアクションについて言及できるかどうかということではないかと思います。
問)これまでもご説明があった先端AIについて、これから具体策を決めていくということだと思うんですけれども、例えばMythosで見てもアクセスができるのかどうか、今アクセスをしようとしているのか、かなり各国によって対応状況が違うと思うんですけれども、その中で実効性のある具体策、協調していくためには今後どういう議論がポイントになってくると考えているのかお伺いします。
答)本日のアメリカからの大変詳細な説明を踏まえて、各国ともアクセスに非常にネガティブというところはなかったですね。我々は日本でもある程度、二国間の蔵相会談等の場の話を公表していますので、ある程度のアクセスというか、グラスウィングをつくってやっていく方向は言っていますし、それと同じような方向に行くんだろうなという感じで話していらっしゃる方も多かったんですが、これは非常に大きな話になりそうなので、具体化というのは来月に向けて、さっき申し上げたサイバー専門家、それからその上の三村さんたちのようなデピュティ(代理)のところで早急に詰めていかなきゃならないということに、そういう形でまとまると思います。
問)春会合から1か月たって、中東情勢について当時も国際機関の見通しなどが出て議論されたと思うんですけれども、改めてそのときと比べて今の中東情勢が世界経済や金融市場に与えるリスクの認識について、今回全体として懸念が高まっているのか、この辺りどのように受け止めているのかお願いします。
答)インフレの予想についても、あるいは成長の減速についても少しずつは、やはり残念な方向に行っているということを前提にしながらも、時間的に抜本的な分析のやり直しまではいかないですね。あまり時間がなさ過ぎるので。だからこれもまた1か月経つと、ちょうど首脳会合になるので、そこでどうなるかですが、相変わらずアメリカからの見込みというのはそんなに長くかからないということなもんですから、その辺がこれからの見通しに影響していると思います。
(以上)

