【冒頭発言】
会談では、中東情勢を受けまして為替等を含めた金融市場の動向について議論を行いました。足元の為替動向につきましては、日米間で非常によく連携してきているということを確認し、今後とも昨年9月に発出した日米財務大臣共同声明に沿って引き続きしっかりと連携していくということを確認し、全面的にご理解を得たところであります。
またAIの進展に伴うサイバー、この脅威への対応につきまして、まず同盟国同志間対応ということが重要であるということを申し上げて、同意を得て、また重要鉱物のサプライチェーンの強靱化のことを含めて、今週G7もありますので幅広く国際的に連携をしてまとめていこうということで議論をいたしました。
その上で、今後とも我々日米のような二国間ですとか、次の週の日曜日からまた彼とは一緒にG7をやりますので、パリで、直近がG7なんですね、財務大臣はこの場でこれらの課題の解決に向けて、日米で協力できるところを緊密に協力して連携して進めていきましょうということを再確認いたしました。ベッセント長官とは対面では5回目の会談になりますので本当に様々な場面でお話をしてまいりましたが、今回来日で非常に長い時間をとってじっくり議論ができたことは彼らがこれから訪中するということを考えると極めて有意義だったし、極めて特別なことだったと思っております。
また、今日は、この後、OECDのコーマン事務総長ともお会いします。これは世界経済、日本経済の見通しや財務省とOECDの連携等についての意見交換でございまして、OECDとの連携として2028年秋に第8回ウェルビーイング世界フォーラムを東京で開催いたします。各国の政府や企業の代表者や専門家などが参加して、GDPなどの既存の経済指標では計り知れない人々のウェルビーイング、幸福感・充足感を加味した政策や企業経営等の在り方を議論する国際会議で、日本開催は初めてとなります。今後テーマの選定を始めて、詳細を内閣府と財務省が共同してOECDと協議することになっておりますので、順次公表してまいります。
それからAIの脅威に対する金融分野のサイバーセキュリティ対策強化に関する官民連絡会議、連携会議の作業部会を立ち上げます。既に4月24日にAI脅威に対する金融分野のサイバーセキュリティ対策強化に関する官民連携会議で私から提案し、参加者から賛同いただいた作業部会を14日に立ち上げる予定です。
この作業部会は金融業界とIT企業、政府、日本銀行等がAI技術の進展による脅威について共通の理解を持ち、対応を検討するため実務者レベルでの議論を深めることを期待しております。この点についても米国からは非常に協力的でありまして、彼らが何をしてきたかと、主にAnthropicですけれども、ほかにOpenAIもあるしGoogleもあるんでしょうけれども、そういうスーパーアドバンストなAIを持っている方々とのある程度の理解と提携がアメリカ政府はできてきたようなので、それを我々の方でもシェアしてもらって、一緒に動いていこうという方向になっております。
【質疑応答】
問)ベッセント長官との会談について2点お尋ねさせていただきます。まず大臣、先ほどベッセント長官から理解を得られたというご発言がありましたけれども、日本政府の為替介入についてベッセント長官からどのような言及があったのでしょうか。また日銀による利上げを支持するような日本政府、日本銀行の金融政策についての発言はありましたでしょうか。
答)ベッセント長官ご自身の発言について言及することは控えさせていただきますけれども、この中東情勢を受けた為替等の金融市場の動向について議論を行いまして、足元の為替動向については日米間で非常によく連携できていることと、昨年9月に発出した、もちろん介入についてもはっきりと書いてある日米財務大臣共同声明に沿ってやっているということを確認して、引き続きしっかりと連携していくことも再度、特にこういう状況ですから強く確認をいたしました。私が皆様にそのことを申し上げることも会談の中でしっかりと同意をいただいております。金融政策の具体的な手法につきましては、これも日本銀行のお話ですので、これ以上は控えさせていただきます。
問)次に、Anthropic社のAI、Mythosが金融システムに及ぼす影響や対応についての議論はありましたでしょうか。また中国によるレアアースの輸出規制に対して日米で具体的にどのように対応していくのかについても議論が交わされておりましたらよろしくお願いします。
答)AnthropicのMythosですとか、あるいは近日開発されると言われているOpenAIのGPT-6ですか、あるいはGoogle、おおむね3社ぐらいの大きな塊が超ハイテク、しかもプログラムの穴を一瞬にして見つける能力があるものとして、ある意味危険性を持ち得るという認識をもうされております。これらとUSトレジャリーとの間のプロトコルが大分できてきたというのがこの2週間ぐらいの進捗であるということを聞かせていただいて、それは我々もそういうふうに母国において把握ができているということは非常にいいと思います。率直に言ってこういうものができますと半年か1年で中国がキャッチアップしてしまうんですが、今はまだそれができていないので、しっかりと西側で連携して、こういったものが我々同志国でない側によって武器化されることがないような対応をしていかなければならないということでは我々の認識は一致したと思います。それから重要鉱物につきましては3月19日にも日米間でアクションプランのようなものができておりますが、またパリでG7をやるわけですので、どのぐらいのことが合意していけるかと。具体的にプライスフロアとか、あるいはバイヤーズクラブをつくろうとか、そういう話もありましたし、アグリーメントをというのもあったんですけれども、その具体化をどうしようかという議論をちょっとさせていただきましたけれども、現時点で合意文ができたわけではないですけれども、目指している方向はほぼ一緒だと思うし、特に日本にとって彼らがとってきた対応というのは客観的に非常にひどいというか、アンフェアなものなので、それはアメリカとしても引き続き中国に対して主張していくとおっしゃっていただきました。
問)為替に関連してなんですけれども、大臣、日米の緊密な連携をというところ、何度か強調されていると思うんですけれども、今後ドル高円安が進む局面では日本が主体となるだけではなくて、例えば必要であればアメリカ側も主体となって介入とかレートチェックとか、こういうものを行っていくという意味で連携が深まったということなんでしょうか。
答)いろいろな意味を含めて議論が行われて連携が深まったという理解をいただければと思います。
問)先ほどの質問の中で金融政策について話題になったかどうかは控えますというところ、これは話題になったけれども詳細を控えるということなのか、話題になっていないのかということを確認したいというところと、あと長期金利の動向、今日本でも上がっているところがありますけれども、先ほど為替などの金融市場、話題になったということですけれども、金利の動向についても議題になったのかどうか、その際に日本の財政政策に対するスタンスへの何か考え方とかの意見交換にもなったのかというのを伺えたらと思います。
答)財政政策云々については全くありません。冒頭、両方で経済動向、経済政策を含めて短時間にお互い何とかうまくやって頑張っているよねとお互いを褒め合っていましたので、そこにいろいろな経済対策が入っていますが、もちろん歳出を含めてということですね、それは完全に全く問題の指摘はないと。うちも指摘していないし、向こうも指摘しておりません。金融政策につきましては、これは日本銀行さんとの関係があるので申し上げられません。
問)昨日、諮問会議で民間議員から金融政策について資金需給動向に応じて判断するようにという提言が新たになされたと思います。大臣ご自身、今日銀が利上げできる環境にあるとお考えなのか、例えば6月とか7月とか、環境にあるのかというふうに、どう見ておられるのかというのが1つ。それと話題が変わりますけれども、今朝の外貨準備を見ますと原油先物相場への介入というのは見送られているんだと、4月末までにかけての介入は見送られているんだと思います。今後また原油先物相場が荒れる展開になった際に原油先物相場への介入というのも選択肢として、オプションとして残しておくのか、この2点お願いします。
答)昨日の諮問会議の文書につきましては我々も事前に見ているものですから特に違和感はございませんし、また今年、今月、5月がないですからね、6月の状況というと、6月までにどういう状況になっているか非常に見通しは立てにくいのでということもあって余計に今私がコメントできることはないです。原油先物につきましては、我々にとって選択肢でないと申し上げたことはないんですけれども、おっしゃったように今はまだやっていないということも事実であります。
(以上)

