【冒頭発言】
まずIMFCは朝7時半から大臣限定の制限朝食会、及びIMFCの本会合が実施されまして、私と植田日銀総裁が出席をいたしました。このIMFCの制限朝食会では、米国のベッセント長官がステーブルコインについて非常に詳細な発表をされたので、私から、日本でも円建てステーブルコインの実用段階が見えてきたと。2027年には3メガが恐らく出すだろうということをはじめ、進展を申し上げました。その上で、クロスボーダー送金での活用を視野に入れると、ステークホルダーの健全なお互いの流通に向けた取組の推進が必要だということと、複数の法的な領域で流通するステーブルコインについては、危機になったときの影響の広さを踏まえると、国際的に一貫した規制監督の枠組みに向けた議論が必要だということなどを発言いたしました。IMFCの本会合では、中東情勢を受けて、世界経済の不確実性が一層高まっているということを述べた上で、世界経済のさらなる悪化を防ぐ観点から、各国は、レアアース等への不当な輸出制限を控えるべきであること、また日本は、IMFが直近の世界経済見通しで、レアアースの輸出管理が世界経済に与える深刻な影響を定量的に示したことを評価・歓迎することなどを申し上げました。
続きまして2時から約1時間、重要鉱物に係るG7のアウトリーチ会合を主催いたしました。私と、フランスのレスキュール財務大臣と、世銀のバンガ総裁が共催です。G7やその他のパートナー国の財務大臣、これは産出国ですね、アフリカとか南米とか含めて、それから各MDBsの総裁ご本人が参加をしまして、重要鉱物のサプライチェーンを強靱化することについて具体的に意見交換をいたしました。私は共同議長として冒頭及び締めくくりの発言をしまして、世界銀行が2023年のG7の日本議長下で立ち上げたRISEパートナーシップなどに言及しつつ、重要鉱物のサプライチェーンの多様化に当たってMDBsが果たす役割の重要性や、MDBs間の連携強化の必要などを申し上げました。その他、金融リテラシーのイベントというG20、これはアメリカ主催ですね、ベッセント長官主催のG20のサイドイベントで金融リテラシー強化というのがありまして、ここにオランダのマキシマ王妃がパネラーとして上がって、ベッセント長官、それから世銀のバンガ総裁、そしてマキシマ王妃と私という4人のパネラーになりましたが、非常に興味深い、そして非常にたくさんの大臣クラスも含めた聴衆がいたという珍しい会合でございまして、大変光栄でございました。またG7・G20共同議長のグローバルインバランスの議論というのがありました。そして世銀のバンガ総裁ともバイでお目にかかって、重要鉱物に加えて太平洋の島嶼国の銀行がなくなっちゃうかもしれないという支援ですね、それからユニバーサル・ヘルス・カバレッジなど、いろいろなテーマに議論を行いました。
今回のIMF・世銀総会では、中東情勢を受けて世界経済が高い不確実性に直面する中で、G7・G20をはじめとする各国大臣・国際機関のトップと、様々な率直な意見交換ができたということと、日本のパワー・アジアの取組を直接多くのフォーラムで私からも発表し、説明紙を手交してかなりの反響があったと。国際機関からは大きな評価があったということで非常に意味があったなと感じております。
【質疑応答】
問)足元のマーケットに関連してお伺いしたいんですが、イランの外相が停戦の残りの期間に全ての商船についてホルムズ海峡の通航を完全に開放するということをおっしゃいまして、それを受けて為替が円高方向に進んでいますけれども、この停戦に向けた動きと、あとマーケットの状況について受け止めをお伺いできればと思います。
答)制限朝食会などでアメリカの方からはできるだけ早く正常化に向けて動いていると。トランプ大統領がおっしゃるようにそれはある程度確実性があるというふうなことをおっしゃると。ただ、共同議長の1人がサウジアラビアの大変経験のある大臣で、彼はその可能性もあると言っていました。つまり停戦合意が行われて、それが非常にリライアブルであるという過程があれば、そこからはホルムズ海峡からタンカーが全部出ていって、ただしその出ていったタンカーが日本やアジアなどに着いて全部油を置いて、帰ってきて、こちらの中東でまたそれを全部積み込んで、また帰るという正常化に向かうのは計算上どう考えても6月の末だと。そうじゃないシナリオはあり得て、つまりイラン政府と合意できても、イラン政府がイラン中の全ての軍ではないということですね。ほかにもいろいろな武力勢力がいるから、つまりサウジも含めて我々の国が全部攻撃のリスクがまだなくならないと。そうするとリスクプレミアムが高いと。その中での正常化というのは年単位で、2年とか3年とかそういうシナリオもあるということで、つまり今言われている発表なんかはサウジ側から見れば一番いいシナリオだと。ただ、それにならないと言っているのではないです、彼らは。そういういいシナリオもおっしゃっていました。ただ、リスクが残るシナリオもあり得るだろうということもおっしゃっていましたね。それについてマーケットが反応するのは、やはり投機的な動きがかなりの影響を占めていますから、それは当然そういうことになると思います。
問)重要鉱物会合についてお伺いします。今日の会合で大臣から見て手応えだったりとか、進展があったなと思う部分があれば教えていただきたいのと、あとG7の枠組みを通じて今後さらに議論を深めていくことになると思いますが、それに向けて意気込みといいますか、どういう形にしていきたいか、抱負をお願いします。
答)まずG7の1月の会合で私が、日本が非常に早い時期から中国による重要鉱物の武器化にフロントラインでさらされてきたという経験と、それに対応してきたことを言って、そこから全ての動きが始まっておりますので、ぜひ共同議長をしてくれとフランスから言われまして、そこに世銀が加わったということで、改めて金曜の午後のみんな帰りたいときに結構大臣本人が来て、産出国ではこれは雇用にも成長にもつながるお話なんですよ。それから世銀だけではなくてアジア開銀、それからIDBに我々も調査費みたいなファンドに出資しましたけれども、全てそれも彼らの域内の商売になる、雇用になる話なので、それらのインターリンケージも必要だし、みんなウィンウィンになれるんですね。我々は安定調達先を今ほとんど中国が独占しているわけですから、相当広い範囲の国に持てると。彼らとしては新しい商売の生産の成長の糧になるんですね。だからこれはいいし、お互いの場があることで連携もできるという意味ではかなり将来に向けて意味があると思いました。つまりレアアース自体が、必要性が変わっていくものかもしれないけれども、銅やニッケルのようにずっと使っているものもありますから、またこのパターンは今のレアアースそのものじゃないものがレアになってきても同じことができるので、先進国が最初に被害者として我々も含めて始めたことですが、産出国や途上国にとってもかなりいいテーマであるということがみんなに分かったと思います。だから我々は最初の犠牲者だったわけですから、そういう状態に陥るとどうなるかが、どう困るかがよく分かるので、そのナレッジをちゃんと分けて、しかもリサーチの基金の中にも先導的に資金を出してリードをしてまいりたいと思います。
問)同じくレアアースについてなんですけれども、先進国での枠組みということで言うとアメリカ主導の枠組み貿易圏という模索もあれば、一方でフランスとか、それに代替するような枠組みを模索するような動きもあって、先進国で一致するところというのは、何か課題は。
答)アメリカがかなりハードなアグリーメントをつくりつつあるんですが、ただ今のイランの事象が出てきたので、それは必ずしも一刻を争うというよりは、みんなの検討状況を見ながら走っていて、フランスはそれをもっと一般化した、ふわっとした枠組みで、現実のプロジェクトにつなげていこうということですから、争っては全然いないですね。いずれにしても中国による武器化がみんなにとって脅威なので、それは何とかしようということで、それはグローバルインバランスでも同じで、中国の方は延々と弁明をされたんですけれども、終わった後でみんながそれは何にも弁明になっていないねとおっしゃっていましたので、似たようなことかなと思っています。
(以上)

