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片山財務大臣兼内閣府特命担当大臣記者会見の概要(令和8年4月15日(水曜日))

【冒頭発言】

それでは私の方から本日のG7、それから二国間会合につきまして、概要を申し上げます。まずG7は午後5時過ぎから約2時間強行いまして、私と植田日銀総裁が出席しました。会議にはG7の財務大臣・中銀総裁に加えて、IMF、世銀、OECD、AZEC、IEAですか、が出席いたしまして、世界経済と重要鉱物、ウクライナについて意見交換をしました。ただし、今日二国間会談を行ったベッセント長官ご本人は恐らく、今日財政上の発表とかもあって来られなくて、明日のG20のチェアからが彼は本番かなと思います。本人が来ると思います。
 世界経済につきまして、私からは中東情勢を受けて原油・金融市場では引き続き大きな変動が見られる、特に原油先物市場の変動が為替市場にも波及して、国民生活や経済に影響を与え得ることから、極めて高い緊張感を持って市場動向を注視していること等を発言いたしました。
 また石油・天然ガスの中東依存度が高いアジア各国の経済については、特に注視が必要であることを強調した上で、本日高市総理より発表された「アジア・エネルギー・資源供給力強靱化パートナーシップ」、通称パワー・アジアについて説明を行いました。具体的にはJBICの融資、JICAの円借款、NEXIの融資保証など、総額で約100億ドルの金融支援などにより、アジア各国に対して、緊急対応として、石油等の物資調達やサプライチェーンの強靱化の取組を資金面で支援するとともに、構造的対応として、エネルギー供給力強靱化に向けた資金面や技術面での支援を行うことを紹介いたしました。さらに、こうした支援を通じて、各国の安定と成長を支えることが、巡り巡って日本、日本のみならず世界経済全体の強化にもつながる旨を申し上げたところです。
 重要鉱物、クリティカルミネラルにつきまして、私から、中国産の重要鉱物への過度な依存については、G7各国は速やかに対応する必要がある、その際民間部門と協働しつつ、税・金融インセンティブ、最低価格、プライスフロアですね、様々な政策措置を具体的に検討する必要がある。我々は代替品のより高いコストを「保険料」的なものとして受容する覚悟も必要であると。
 それから世銀のRISE、これは日本が中心になってつくったものですが、それに加えてADB、IDBといったほかの多国間金融機関、MDBs、この取組も始まっているので、その連携強化も重要であることなどを申し上げました。ウクライナにつきましては、各国際機関より現状の報告があった後、このセッションのみに参加したマルチェンコ財務大臣から改革の実施状況を含む同国の状況について説明がありました。二国間につきましては、本日は米国のベッセント財務長官、タイのエクニティ副首相兼財務大臣、カタールのアル・クワーリー財務大臣とのバイ面会を行いました。ベッセント長官とのバイ面会は、本日11時40分から約20分間ぐらいで、足元の市場動向に関して、私から、中東情勢を受けて、原油市場や株式・債券・為替等の金融市場が大きく変動している旨をお伝えし、為替につきましてはちょっと申し上げられませんが、いろんなお話をさせていただきましたが、代理レベルで緊密にアップデートさせることをベッセント長官に申し上げて、それが合意事項となりました。
 また重要鉱物サプライチェーン等につきましても意見交換をして、これはG7、代理が出ていましたから、彼も引き継がれて、フランスなんかも提言を出していますけれども、だんだん取りまとまっていく方向になっていると思います。それからタイの副首相兼財務大臣は、当然今回の中東情勢で影響が出ておりますので、この日本のアジア支援としてのパワー・アジアを説明いたしまして、謝意というか感謝の言葉がありました。
 特にカタールは、日本もLNGの約5%、5.3%を輸入しておりますし、この大型のLNGプロジェクトのすぐ隣にある火力発電等は日本のJBICの融資で造っておりますので、大変関係が近しいものですから、何かあったらいつでもおっしゃってくださいというふうに申し上げて、非常に感謝がありましたが、とにかくホルムズの早い復旧がないと、中東経済全体が浮かばれないという話、この影響が非常に大きいという話、つまりカタール自体にほとんど人的被害はなく、あれだけのことがあっても、日常生活と行政が保たれていると。それがレジリエンスであったんだけれども、影響を受けているのは、海峡がこのまんまの状況だと、2割ぐらい石油関連、天然ガス関連が通るほど世界においても依存度が高いので、これに影響を受けてしまったということを言っていました。
 また、イランに対する制裁等の強化は当然で、ぜひそれを世界、国際社会としてもやってほしいという、これはほかのアラブの首脳は何人かお話ししましたけれども、同じような反応でしたね。アメリカの方もやはりイラン制裁について、もう国を問わず全部お願いしていると。湾岸諸国も今まではそれほどではなかったのがやっていただいているし、欧州や中国などにも頼んでいると。日本はもう完全にやっておりますので、そのことは理解されているということでした。
 まずは以上ですけれども、ご質問があればお願いします。

【質疑応答】

問)ベッセント長官とのバイ会談では、日銀の金融政策についてお話があったのかどうかお願いします。

答)マーケット全体についてはいろいろございましたが、そういう指摘があったとは認識しておりません。ただ、いろいろな今回のG7等のミーティングの中で、中銀総裁各国来られて、今の状況というのはなかなか見通しが立てにくいということを、ほぼ皆さんがおっしゃっていましたね。つまり、実はベッセント長官もそうおっしゃったので、記者会見でも言っているとおっしゃっていましたけれども、アメリカ側の認識としては、これはもうそう長く続かないと、公式にはいつもおっしゃっていることで、それが3日なのか3週間なのかという言い方ですから、3日と3週間しか挙げていないわけですから、それは最大3週間という意味なのかと。そうであれば確かに、そういった構造的な政策に影響はないんですよね。
 だけれども、G7の場で最悪のリスクを考えるべきであるということであるのであれば、悪いことが幾つも重なると、この上に例えばクレジット問題ですとか、あるいはサイバーアタック問題ですとか、いろんなものが全部重なったらどうするんだみたいな話もあって、これは全部ベッセント長官が言ったんじゃなくて、そういう発言の論調がほかの大臣や、ほかの中銀総裁からも多かったんですけれども、それを見極めるのに、最低2~3週間と言った人もいるし、次の我々が会う5月のパリのG7というのは非常にクリティカルで、それは5月の中下旬ですけれども、そこまではある程度見なきゃいけないのかと。
 IMFも世銀も、特にIMFの場合は経済見通しをリニューしたものを14日に出していますけれども、それをまた7月まで待つのではなくて、もっと早く、数週間、あるいは2~3週間で、少なくとも次に我々がまたG7をやる5月中下旬までには、そのときの最新の掘り下げた分析をしなきゃいけないと。だから、そこを見るまでは、ある意味で、パウエル議長なんかも含めて、今は様子見のフロアがあると、はっきりおっしゃっているので、その認識が欧米ではほとんど認識として一致していた印象を受けました。これはベッセント長官が何と言ったかということとは切り離しての一般論でございます。

問)ベッセント長官の日本、アジアへの訪問について話し合ったのでしょうか。

答)それはもう外にも言っていると言っていましたけど、どこか書いていらっしゃったんだけど、すごく楽しみにしていて、この間、レスキュール大臣が来たときにちょっと素敵な、高価なところではないんですけどね、精進料理を楽しんだものですから、何かそれが耳に入ったのかどうか知らないですけど、すごく楽しみにしていて、もともと日本大好きな長官なので、日本に先に行ってから中国訪問をしたいと。それはあちらの外交日程だから私は分かりませんけれども、トランプ大統領とご一緒ですからね。そういう計画で、そのときにいろいろ話もあるということでした。

問)日米のバイ会談の方で、片山大臣がXでイランについて興味深い説明がベッセントさんからあったということだったんですけど、これは具体的にどんな内容だったのか、語れる範囲で。

答)今、平たくご説明しますと、今回の事象がどのぐらいで収まるということを、外にも言っていらっしゃるようなことで、3日とか3週間ということをおっしゃったんですけれども、そこから先の具体的なことは、ちょっとここで申し上げない方がいいのかなと思いますし、制裁のことももう外には言っていらっしゃいますから、そういったことも含めて、非常にオンタイムにある意味生々しいというか、アメリカ側の受け止め方みたいなことが、ああ、こういうことなんだなというふうに思いました。

問)2点目はG7の方で、お話しありましたけれども、ロシア制裁で中東の原油の供給が細る中で、アジア各国でロシア産への需要が高まっているという指摘がありますけれども、この点について欧州各国から、その現象について意見というのはあったでしょうか。

答)私がこのパワー・アジアの話をしましたので、アジアがある意味この問題においては、ヴァルネラブルであると。つまり依存度が高く、大きな産油国がこの場にないということを皆さん分かっていらっしゃるので、それ以上名指しでアジア国が需要をということはおっしゃっていなかったです。ただ唯一モロッコだけは隣国なので、自分はほとんどロシアから買っていますけどねというのを、委員会の場でおっしゃっていましたけど、彼らはG7やアウトリーチには出てきていないので、ほかの委員会の場ですけれども、そこについては日本がこういうことを発表したということは、アジアからの要望もあったんだろうねみたいなことは、ベッセント長官も非常に理解できるし、いいことだということをおっしゃっていたし、イギリスがまとめた11か国の共同声明に近いような紙がもう公表されていますけれども、それにおいても各国が安定とか経済を、少しでも痛みを和らげるために取るメジャーについては歓迎するとか、そういう文言を入れていただいているのもこのことなので、あとはアジアはアジア、多分アフリカもそうですけど、アフリカはアフリカのつらい部分は分かっているということで、一般論として、今回のことで一番得をしているのはロシアで、どのぐらい外貨獲得が増えるとか、収入が増えるとかいうことを、EUというメンバーを中心に、ほぼ全メンバーがおっしゃっていましたね。だから、そこの先に買い手がアジアだからというメンションはさすがになかったですよ。

問)先ほどの質問にありましたけれども、金融政策に関して欧米各国は2~3週間は見極めだというのが、何となくコンセンサスとしてあったというお話だったんですけど、それは植田総裁もそう感じ取れるようなこと。

答)それは明日の会見がございますが、もうじきブラックアウトだからおっしゃらないと思いますけど、つまり純粋に何を見て、どういうチェックをしてということをやっていく上で、今回のような事象があまり例のない事象なので、終わりの時期がはっきり見えないので、それは確かにアメリカの生活を見ていると、物価は上がっているけれども、ないものはないし、経済指標は割といいし、S&Pは最高値だし、どこがと思うのも分からないではないけれども、やはり脆弱性を持っている国は、もっと深刻になってくるわけですよね。その差が非常にあるということと、それがいつまで続くのか、どういうところに波及してくるのかが読めないというか、全部把握できていないというこの状態の中では、つまり利上げをすれば、経済にバッドインパクトも当然あるわけで、それがどのぐらいかが分からないから、今はやはり様子見のフロアだということをおっしゃる方が、中銀総裁は大体エコノミストが多かったので、それに関して、植田総裁がどのようにおっしゃったかは、明日ご本人に聞いていただければと思います。

問)パワー・アジアについてご説明された際に、参加国からはどのような反応というか、受け止めがあったのかというのと、もう1点は、戦闘前に比べるとエネルギー市場、原油価格が高止まりしている状況の中で、今後G7としてどういう方向に持っていけばいいのかというふうにお考えかというのと、それに当たっての課題感みたいなものが大臣としてお持ちであればお伺いしたいです。

答)まさに、先ほどのご質問への私が申し上げたこととかぶるんですが、単にいわゆる中央銀行の監視している物価だけの問題であれば、比較的シンプルなんですが、そうではなくて今回は供給の制約がどのぐらい物価に効いて、どのぐらいそれが残るか、悪化するかという話ですから、そこはあまり今までにもなくて、ある意味では、COVIDは一部そうではあったんですけど、それはモノがないとかいうものではないので、ある意味ではそれより酷いし、ある意味ではそうでもないのかもしれないので、そこだと思いますね。

問)パワー・アジアについて。

答)パワー・アジアについては、後で、会合が終わった後にお話をした方からは、日本は頑張っているね的な話がありましたけれども、お互いが全部ワンフロアで話していたりするときには、それはその場で言わないですから、そういう反応というのは、またこの2~3日内に取れると思います。二国間では非常にみんないい反応でした。

問)トランプ大統領やベッセント長官の発言を聞いていると、割とエネルギー関連について楽観的な発言が多いように感じるんですが、G7の場で、そこで各国と温度差を感じるような部分というのはありましたでしょうか。

答)ですから、今日G7にはベッセント長官ご自身は来られなくて、トランプ政権の政策で有名な、お子さんとかのアカウントにお金を入れる、日本のこどもNISAとはちょっと違うんですけれども、その発表ですか、その実施に向けた、たしか申告期限が今日切れた日で、その日がどのぐらいそれが税制上有利だか分かってもらえみたいな、そういうお話があったみたいで、割にばたばたしていたんですけれども、当事国ですから、その立場になるのは当然なので、そういうご発言に終始するでしょうし、バイの会談ではそれしかなかったですし、それ以外のことはDeputy以下は一切その問題に触れなかったので、そのDeputyの方が座っていらっしゃるときに、例えば実際にはどれぐらい続くか分からない、もしかしたら短いのかもしれない、短いという受け取りがあるかもしれないので、S&Pは最高値だしみたいなことを他国が言っても、別にアメリカは特に何もそれに反応しないし、動じもしないし、そういうことでしたね。そういう会話が日常的に国際間でも行われているんじゃないですかね。欧米は我々より頻繁に会っているから。

問)話題変わりまして、プライベートクレジットの問題で、アメリカを中心に問題が表面化している中で、先日大臣、会見の中で、日本はそれほどエクスポージャーが大きくないというようなお話もされていました。今日G7は、このプライベートクレジットの問題を話し合われたのか、もし話し合われたのであれば、日本とアメリカ、G7各国で問題に対する温度感というか、この辺に違いがあったのが、この辺りを聞かせてください。

答)率直に言って何回も国際金融リスクを乗り越えていますが、皆さんの共通見解としては、かつての頃よりもリスクに対して強靱性が、世界の金融機関は強くなっていると。それは何度も、その度に補強策を取ったからだという言い方はしています。それはオンラインミーティングなんかもそうですが、プライベートクレジットのことを、あり得るリスクとしてメンションされる方って複数いらっしゃるんですが、それが共通課題になって、この場で取り組むべきだというようなことはないです。だから、そこまでではないという認識だと思います。

問)今日のG7は、何か各国で協調して何かをしていこうとか、そういう形で何かまとまったりという、何か感覚としてあったんですか。それともやはり5月に向けての地ならしというか、そういう側面が強いのかどうかお願いします。

答)この事態をできるだけ鎮静化に持っていかなければいけないと。ホルムズの自由通行を含めてですね、そういう形に持っていかなければいけないという共通の認識はあったと思います。ただ、その過程において、先ほど申し上げたように、状況認識が読めないものですから、今は一応停戦の状態にあるわけではあるんですが、今後の話合いがあるわけですよね。という状態なので、そういうことになったんだと思いますね。何らか停戦の話合いにおいて、どっちかの方向が出ていたら、また違うと思います。ただ、大体はイギリスがまとめた紙の中にあることは、おおむねは皆さんが思っていることで、それがだから今、正式コミュニケにするタイミングなのか、それはもうちょっと後なのかということが違うんじゃないのかなというふうに見ておりました。

問)大臣から見て、アメリカが当事国なので、何か周りの国が停戦とか、あるいは石油の価格について物申しにくいみたいな雰囲気というのはありましたか。

答)価格問題にしても、需給問題にしても、供給ギャップにしても、非常に冷静にはっきり言っているので。アメリカも今日はベッセント長官はそこに座っていなかったけれども、Deputyが座っていて、別にそれをちゃんとしっかり聞いていますから、そこは大人の対応だと思いますけれども、何回もこの件について3月9日、3月30日とオンラインでもやっており、今回もそうであって、とにかくこの状態が非常に長引くことは、大変耐え難い世界経済へのダメージをあちこちで起こすと。その全容はとても計り知れないとみんな思っているわけですから、そうするなと。そうしないようにしようと、みんなで言っている。多分当事国のアメリカも一番そう思っているのかなということですかね。

(以上)