【質疑応答】
問)先週19日に2026年度の税制改正大綱が決定しました。自民党税調のメンバーも大幅に代わり、与野党との協議も昨年とまた異なる状況だったかと思いますが、改めて税制大綱決定に対する大臣の見解をお聞かせください。
答)金曜日に小野寺税調会長ともYouTube番組でご一緒だったんですけど、期間も期間でしたからね、事実上内閣も代わって税調会長もお代わりになったし、財務大臣も新しいわけですから、そういうことを考えるといろいろな課題に対応をして結論が出せたということは非常にすばらしいことだなと喜んでおりますし、それを引き継いだ、この役所の中で税法を書いて出すわけですから、その責任は重いし、その趣旨にのっとってきっちりできるようにしたいと思います。具体的には何といっても年収の壁って2年越しか3年越しになりますが、皆さんの間に多分いろいろなご意見はあると思うんですけれども、中所得者も含めて多くの方が恩恵に預かっていただけるような形で合意したことは私は今の経済状況の観点からも政治の安定の観点からも非常によかったと思っておりますし、それからこれはこの政権のまさに肝でもあるんですが大胆な設備投資、即時一括償却プラス税額控除という非常に大胆な設備投資減税ができたと。また研究開発税制については効果を見直しながらも、これも17分野とある程度かぶる分野に集中して伸びる分野が非常に大きくできるようになったりと、メリハリがかなり効いたなというふうに思っております。強い経済をつくるという目的で党の方としっかり連携をできたという、その1つの証左かなと思っております。
問)金融・為替市場について伺います。足元では急速に円安が進んでおり、また22日には長期金利が約27年ぶりの水準まで上昇しました。大臣の受け止めと今後の対応についてお聞かせください。
答)いつも申し上げていますように金利についても為替についても要因は多様でございますので、この地位に座っている者が特定の水準にコミットすることはございません。それはいつものとおりでございます。昨日も省内を視察して、国債管理政策を非常に緻密にやっている現場もまた拝見して、皆さんの士気を鼓舞してまいりましたので、丁寧な対話をやってまいりたいということで、先般から申し上げているのは当座、この間の日銀の総裁の会見ですね、当座の動きにつきましては特に典型的ですが、それだけではなくて、そのところの動き全体がファンダメンタルズを反映しているとは到底思えないことでございますので、9月に出しました「日米財務大臣共同声明」の考え方を踏まえて投機的な動きも含めて行き過ぎた動きに対しては対応をとるというふうに申し上げまして、昨日は私はフリーハンドですよと申し上げたということでございます。
問)今マーケットの話がありましたけれども、長期金利、昨日27年ぶりの2.1%、高市さんが総裁に選ばれたときは1.65%でしたから、そこからするとかなりのペースで長期金利の上昇が続いています。これは日銀の利上げがこの前ありましたけれども、そこからもさらに長期金利が上がっていて、これはマーケットでは高市政権の財政政策に対して非常にネガティブな反応、つまり放漫財政であるという判断だと思います。これについて日本の財政を預かる大臣としてどういうふうに考えているでしょうか。
答)これもいろいろなところで申し上げていますが、金利の1つ1つの動きというのが財政の様々な動きに直接リンクしているということはないと思っておりますので、我々は秩序の中の政策だと思っておりますし、これも何回も申し上げておりますように責任ある積極財政を行っているということで補正予算も編成してご説明もいたしましたし、それについてはIMF総裁から財政の持続可能性にきちっとご配慮をしていますねというお言葉をいただいたように、私も頻繁にG7の面々とお話ししますが、何か疑念を感じられているような方は誰もいらっしゃいませんし、そのような意味できちっと持続可能な財政というところを維持した中で我々は財政政策をやっていると考えておりますので、特にそのようなご批判をいただくことは当たらないと思います。
問)責任ある積極財政と言っていることが全くマーケットに伝わっていない、マーケットは逆の反応をしている、放漫財政と見ているんじゃないですかという質問ですけれども、それはマーケットが間違っているということでしょうか。
答)昨日から今日にかけて少し落ち着いてなかったでしょうか。ただ、それはそういう小さい動きも大きい動きもいろいろあるでしょうけれども、それについて私が特にコメントするということはいたしておりません。
問)もう1点、私、日銀総裁会見で植田総裁にアベノミクスについて聞いたんですけれども、高市政権でアベノミクスを基本的に継承するという立場ですが、植田総裁に聞いたところ、アベノミクスの最後の仕上げであると。つまりもう終わりを迎えているところだと。最後の仕上げという認識を示されました。片山大臣はアベノミクスについてどういうふうに評価して、アベノミクスから決別するタイミングはもう既に過ぎているとも思うんですけれども、それについてどういうふうに考えますか。
答)何回も繰り返してきたことなんですけれども、私たちは3年3か月野党でした。そしてあの選挙で大勝して安倍政権ができて、そこでアベノミクス、3本の矢が始まったんですが、その前に我々が受け継いだ政権の株価が幾らだったか、為替が幾らだったか、思い出していただきたい。こういう状況が続いていたら、よりよい経済になったとは、そういうことはあり得ないと思います。今ご指摘のあったアベノミクスというのは13年前に始まっておりますから、それからいろいろ変遷したかもしれませんし、安倍政権自体が安倍総理が一度引退されたことで岸田さんに代わって、その後それが明確に維持されたのかどうか、私の記憶では基本的には継承するようなことをおっしゃっていた方が多いような気もしますけれども、ここでお話が戻りますと高市総理も、あるいは総裁の時点でもおっしゃっていたように、まさに引き継がれたときの理念というか、そのときの打ち出したものというのは私たちは大きな転換であり、大きな成功であると思っていますから、それを受け継いでいるという意味があるのは当然だと思うんですが、金融情勢が変わっている、あるいはその他諸情勢が変わっているというのは当たり前なので、それに対応すべく、今回は特に3本目の矢に対応すべく危機管理投資、成長投資を中心とした投資で強い経済をつくることに重きを置いてすぐに対応を補正予算からとっているという意味では現代版で対応をしているということで、その部分が継承なのかどうなのかという議論は私はあんまり意味がないなと思いますが、総裁がそうおっしゃった詳しい理由についてはお話はしておりませんが、特にそれほど驚くことはないのではないかと思います。
問)別件で、今予算編成の時期なので、私、兵庫の斎藤知事の会見にも行っているんですけれども、兵庫県は公益通報者保護法をめぐって外部通報を守らなかったということが、外部通報者を守らなかった、外部通報3号通報というものですけれども、告発者を守らなかったということがあって、それが国会の予算委員会、11月10日ですけれども、その中でも高市総理が答弁するような事態にもなっています。基本的には斎藤知事は政府の言っていることに耳を貸さない状況なわけですけれども、先週それでも財源は求めるのかと聞いたところ、それは地方交付税などが機械的に算出されるという言い方をして、法律的には政府の見解に従わないけれども予算はもらいたい、財源はもらいたいという姿勢を示しています。財政当局として今予算編成の最終盤ですけれども、知事が政府の言うことを全く聞かないときに、それでも財務省は、そして総務省はその件に対して、これは兵庫県民のせいでは全くないですが、そういう県に対して普通に予算をつけていくんでしょうか。
答)林総務大臣が国と地方の財政関係の担務を担っておられる大臣であらせられますが、私の方にそういったたぐいの相談というのは一切ございませんので、私からお答えをするのは適切ではないかと思います。
(以上)

