【冒頭発言】
まず各国からの発言などの議論の詳細はいつものように差し控えますが、私からはグローバルインバランスに関して、「非市場的政策・慣行」を背景とした過剰生産が経常黒字等に与える影響について、エビデンスに基づく分析が重要であること、こうした分析を踏まえて過度なインバランスを是正する具体的な政策対応を特定し、行動に移すことが重要であることを述べました。
ウクライナ支援については非常に具体的なことを決めるというか、まとめる会合でした。まずEUの賠償ローン供与に向けた努力を歓迎するとともに、日本としてはウクライナの流動性が特に逼迫する来年前半の資金ニーズに応えるために支援を行うということを発言し、具体的にこれを申し上げました。まずG7の合意に基づいて各メンバーが提供しているERAローンですね、特別収益前倒しローンのうち、約13億ドルについての支払いのタイミングの前倒し、それから世界銀行のウクライナへの融資に対する45億ドルの追加的な信用補完、総額約60億ドルの支援を2026年前半に日本は行うことを表明いたしました。これらの支援はいずれも、実際の財政支出を伴うことなく、しかし効果的にウクライナを支援できるものであります。
会議の最後にカナダが今回で最後になるので、来年のG7議長であるフランスに対して議長国の引継ぎが行われて、来年のフランス議長の下でも引き続きG7で結束し、世界経済の共通の課題に対応していくということでまとまりまして、非常に盛り上がりました。
以上でございます。テクニカルな問題につきましては後ほど事務方から説明させます。
【質疑応答】
問)G7ではないですが、1点、今日、日銀が政策決定会合で利上げを決めました。その後、為替相場が1ドル157円で推移するなど円安が進んでおります。まずこの日銀の政策決定会合の評価について、利上げの評価についてお願いします。
答)政府と日銀はこれまでも共同声明の趣旨に沿って連携して、デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のために必要な政策を実施してきていると私は評価しておりますし、今日の日銀の金融政策に関する決定もこうした認識に沿って植田総裁が説明されているとおり賃金や物価の動向、見通しを踏まえ、2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現のためになされたものだと私は評価しております。日銀には引き続き政府と密接に連携を図っていただきたいんですが、今日記者会見において総裁が言及されましたように私と植田さんとのコミュニケーションは非常にいいと思います。経済、物価、金融情勢を踏まえてコストプッシュではなくて賃金上昇を伴った2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現に向けて適切な金融政策運営を行うことを期待しておりますというのが評価でございます。
問)日銀の決定を踏まえて金利差の観点で言えば円高の方に振れてもいいという状況かと思います。ファンダメンタルズを反映した動きというふうに見ておられますでしょうか。
答)この手のことって年末にはよくあるので、長年見てきてそういうことではあるんですけれども、ちょっと一方向でまた急激な動きがこの半日というか、この数時間は明らかにあるので憂慮しておりますから、これはファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが望ましい為替相場の問題としては、ちょっとなと思っておりますので、我々政府としては9月に発出した日米財務大臣の共同声明の考え方を踏まえて、この投機的な動きも含めて行き過ぎた動きに対しては適切な対応をとってまいりたいと思っております。
問)それはつまり為替介入というのも選択肢から排除しないと、現時点でそう考えておられるという理解でよろしいでしょうか。
答)はい、9月に発出した日米財務大臣共同声明というのはそれを含んでおりますので、これを踏まえて投機的な動きを含めて行き過ぎた動きを封じるというか、行き過ぎた動きに対しては適切に対応をするということであります。
問)G7の中で今日ドル円が植田総裁の会見以降、1円ほど円安に振れたわけですけれども、G7の中で為替についての議論は何らかあったんでしょうか。
答)今日は中銀総裁もみんないましたし、ECBとかもいましたけれども、全く出ませんでした。
(以上)

