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片山財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(令和7年12月19日(金曜日))

【冒頭発言】

冒頭は地域金融力強化プランの公表についてご紹介したいと思います。地域の金融機関が地域の経済の発展により一層強力に貢献できますように一連の関連施策を取りまとめた地域金融力強化プランを本日午後公表の予定でございます。これは強い経済のサナエノミクスというか、これからのプランの1つの中核だと私は思っております。1つ目に地域金融機関が地域企業の価値向上や地域課題の解決に貢献するため地域金融機関と知見を有する内外のプレーヤーとの連携を促進するための施策や地域金融機関によってM&Aとか事業承継とか事業再生支援とか経営人材確保とかデジタル支援、デジタル人材確保とか、そういうことが全部より強力にできるようになる施策を盛り込んでおります。2つ目は地域の金融機関が地域経済を支えていくための環境整備の一環として既に報道もしていただいていますが金融機能強化法における資本参加制度や資金交付制度の期限延長と拡充を盛り込んでおりまして、これらを含む改正法案については来年の通常国会への提出を目指していきます。ということで金融機関に頑張っていただくと、地域のですね。金融庁としてはこのプランに記載した施策を強力に推進することで地域の経済の活性化を牽引してまいりたいと、かように思っていますのでよろしくお願いします。詳細は事務方が今日の午後にレクをいたしますのでよろしくお願いします。

【質疑応答】

問)来年度予算案について高市首相、17日の記者会見で予算全体のメリハリづけを行う中で重要施策に予算を重点化しつつ、市場の信認を確保できるものとしていくと述べました。一方、足元では長期金利が2%に迫るなど財政運営は難しいかじ取りを迫られています。編成作業が大詰めを迎える中で市場の信認を確保するためにどのような予算の姿を示すことが重要とお考えか、改めてお考えをお伺いできますでしょうか。

答)責任ある積極財政ということで、まさに債務残高対GDP比を見て、それからさらに国債発行ということに着目しても、補正予算においては補正後前回より増えないということもあったんですが、一定の財政の持続可能性への配慮をするという形で全体の予算がフレーム的に仕上がるようにしようと思って今最終調整をしております。総理からもメリハリづけの中で強い経済の重要施策にはつけて予算案を重点化するけれども、改革も推進をしてまいりたいということをおっしゃっていただいていますので、それに沿ったような全体説明ができるように今調整をしているところでございます。いずれにしてもこれは市場の動向が大事でございまして、これを注視しつつ、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑えて、最初申し上げたように政府の債務残高対GDP比の着実な低下を図るということが見えていくような形で財政の持続可能性を確保して、国内外の市場からの信認をむしろ高めてまいりたいと思っております。

問)昨日、自民党と国民民主党の間で所得税の控除額の引上げについて合意がありました。本日決定される与党税制改正大綱では税収減につながる内容も多く含まれていますけれども、財政健全化との関係について大臣の所感を伺います。

答)まず年収の壁につきましては、もう2年越しで3党幹事長合意、要するに手形があったわけですよね。それが決断できなかったけれども、高市総理が決断したということは、私は高市政権をつくった側だからこれは非常によかったと思っていますし、今皆様が求めていることの1つとしては安定ですから、これで政治が安定し、税制改革につきましても国民・維新との間でしっかりあれだけの合意で書き込んであります、税法ですね。それから予算案、つまり8年度予算案についての早期成立まで書き込んでありますから、非常に政治が安定するという意味ではよかったと思っておりますし、確かに税収減が6,500億円というのは痛いところですが、事務方としてもいろいろと検討して、全体の中で逆転が起きないとか、いろいろなことをして減収4,000億円台までは財務省としても覚悟していたので、その差があると言えば差があるんですが、実はこのお話についての総理のお考えは私自身が11月20日の税調が始まって程ない頃に国民民主党のトップと話をして、向こうの側にも非常に覚悟があることを総理にお伝えして、小野寺さんがやはり主力に立っていただきますので、小野寺さんにも総理の方からまとめるよう指示がありましたから、そのときはもっとうんと広い、もっとうんと低い減税額で構えていた財政当局側と、あちらは1.2兆円ですから、差があったんですよね。考えてみれば、その真ん中に近いとこかなと。こういう厳しい財政事情ですから痛いは痛いけど、真ん中に近いとこかなと思ってはおりました。これは、でも総理の決断でないとできないことでございますから、これも1つのメリハリであって、中所得者に厚くというメッセージを初めて出したということは、これは1つの選択ですから、それが国民から見てどう評価されるかというのは皆さんはすぐに世論調査とられると思いますけれども、それはそれなりの意味のあるインパクトなので、そういうことがあるから物価高で住民税も所得税も払っているんだけれども、それから社会保険料も払っているんだけれども苦しいと。子どもさんも小さいというようなところがこの辺の所得層だというご主張は一理あるので、だから今まではそこにそこまで重点化できなかったのをある程度重点を当てようということになったんですね。つまり減税額がこうなっているわけですから。これは1つの大きな変化でありますし、今までずっと普通のやり方でやってきてインパクトがなかったんだったら、そこに踏み込むというのは私は大変な英断だと思っています。正直、全部を預かる財務大臣としてはきついけれども、政策論者としてはそれは1つの大きな決断だと思っておりますので、私の見解としてはそういうことです。11月の最終週ぐらいからどこかで決着をするようにという総理の意向を見て私は小野寺さんと連絡を取り合っておりましたので、最後大変なことになったという向きもありますが、その視野の範囲ではあったと思っております。

問)同じく税制改正の関係で伺います。税制改正の財源の確保についてなんですけれども、暫定税率の廃止であったり高校授業料の無償化などで必要となる安定財源に関連して、今回の税制改正の議論で極めて高い所得税の負担の見直しであったりとか賃上げ税制の見直しなどで1兆円余りを確保できる見通しとされていますが、必要とされる2兆円余りには届かない状況となっています。自動車税の環境性能割の廃止に伴う財源も決まっていないということもあると思いますが、一連の税制改正を通した財源の確保について大臣としてはどのように評価されていますでしょうか。

答)まず今回、国民民主党との合意で壁の問題でこういうかなり大胆なカーブをつくる形で合意したのは、これは2年の特例ですから、その後については総理からすぐメールがあって、全体として国民会議的な発想も含めて給付付き税額控除も含めてならしていくということをすぐに検討を、今でも始めてはいますけれども、やっていかなければいけないと。つまりそこにちゃんとつながなければいけないと。そのときには当然財源をきちっと確保していないと、そっちは恒久措置になるから。今はこの2年間、非常に苦しい状況にもあるわけですから、中間所得層というのはね。こういうことであるから、その場合の財源の問題と給付付き税額控除のときに何をどうするか、社会保険料もありますよね。ほかの社会的扶助とのつなぎもありますから、そうすると全体の財源はすごく大きくなるわけですよね。その辺についての本格的な再設計をやらなければいけないというふうにハッパをかけられておりますので、これは正論なんですけれども、そこまでの2年間に年度年度で全部バランスできるかというと、それは過去もはっきり言ってしてきたわけではないので、私もここに23年いるから分かりますが、様々な景気減税、政策減税のときには、あの小泉政権でも単年度では減収と財源確保は合っていないというか、先行した減税というのは何回もやっていますから、その整理をどうするかということを今、昨日の今日なので全部決まっていないんですけれども考えて、その整理が財政当局としてきちっと持続可能性を考えた説明になるかどうかということは腐心したいと思いますが、あとは天から財源が降ってくることはないので、一応それは全部その分を充てられるということではなく、我々はこの後も維新さんの議連が1つ来るんですけれども、維新さんは非常に特に教育のことについては無償化で我々と合意して政権に入られて、その部分についてはできるだけ先ほどご指摘されたような控除の見直しであったり、無駄カットだったりとか、そういう部分を充ててほしいというお気持ちも多いから、ガソリンの関係も含めて、そちらの減収もあるし、これから今も不十分ではありますが私自身が担当大臣である租特の見直し一般と、それから補助金・基金等も、始めたばかりだから多くはないけれども、そういうものも若干は効率化の中には8年度予算でも少しはあるし、そういうものを今度は国民にもアンケートをとってやっていくときに、スプリングレビューの4月以降どのぐらい出せるかとか、その辺も全部含めて設計をしてまいりたいんですが、当面8年度予算案を説明するときには少なくとも説明があるという形にはちゃんとしていきたいと思っています。これは環境性能割も1,900億円で、それは6,500億円に比べれば小さいですけれども、地方から見れば大事なことですからね。これについても今日、林さんと閣議でありましたけれども、地方が財源をきちっと減らされない形で確保した形にならなければいけないので、これを合意文書にもあるようにきちっと考えていかなければいけないということだと思っております。

問)物価高局面で財政政策について先週の国会答弁で、経済政策に関してかじ取りを誤ると再びデフレに戻ってしまう可能性に言及されました。こういう局面での物価高に対する政府と日銀の役割分担について、ポリシーミックスとかと言うかもしれないんですけれども、今回の補正予算を含めて十分に対応できているのか、また繰り返しになりますけれども、日銀との意思疎通は十分に図れていると思われているのか伺いたいと思います。

答)植田総裁がたまたま個人的に旧大蔵省にいらっしゃったことがある方で、私がいた時期にという意味ですけど、単に財務大臣と総裁との面会ということを越えて非常に意思疎通は今まで以上にいいと思っておりますし、今日も会議が行われているわけでございますが、恐らくお電話というか、ご連絡があると思いますが、意思の乖離はないと思っております。

(以上)