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片山財務大臣兼内閣府特命担当大臣記者会見の概要(令和7年12月8日(月曜日))

【冒頭発言】

先ほど、G7の財務大臣会合がオンラインで開催され2時間ぐらいですか、私も参加してしっかりと発言をさせていただきましたが、非常に実りのある会議だったと思います。今回の会合でレアアースを含む重要鉱物ですね、クリティカルミネラル、このサプライチェーンの強靱化及びウクライナ支援について議論を行って、この重要鉱物についてはカナダのエネルギー・天然資源大臣が財務大臣とは別に参加して、先般行われたG7のエネルギー・環境大臣会合の成果物として公表されました「重要鉱物における基準に基づく市場の促進に向けたロードマップ」を説明していただいた上で、G7だけではなくて産出国であるオーストラリア、チリ、それからこれは使う側の意味もあるんでしょうけどインド、韓国、メキシコも参加していただいて議論を行いまして、各国の発言については詳細は差し控えるんですが、G7の財務大臣として私が申し上げたのは、レアアースのサプライチェーン強化に向けて、我々の所管である税財政・公的金融ツールを活用し、供給と需要の両面からパートナー国と連携した取組みを進めるべきであるということと、今、率直に言って中国が行っているような、非市場的な政策・慣行や、人権や環境やガバナンスなどの基準を軽視して価格競争力を得た重要鉱物が市場で独占的な地位を占めることは決してあってはいけないので、そのようなことがないように基準を遵守するマーケットの拡充をすることを進めていくということです。そのために今回のようなG7と同志国で継続的に議論を行う場をある程度恒久的に設けるべきであるということを申し上げました。
 ウクライナ支援に関しては、私からは、高市政権に変わりましたけれども、引き続きウクライナ支援に日本をコミットしていくと。日本としてはウクライナの流動性が特に逼迫する来年の前半ですね、2026年前半の資金ニーズにタイムリーに応えるべくIMFがプログラムをつくりましたので、非常に私はいい内容だと思いますが、これについても具体的な支援策を日本として準備中であるということを申し上げました。会合の結果は、非常にしっかりとした共同声明として、追って議長国から公表される予定ですが、今申し上げたように、レアアース、重要鉱物について、国際的な同盟国や産業界のパートナーとして協力を続けることとか、サプライチェーン確保のために高い基準を備えた市場を創出する方法についてさらなる議論を行うとか、非市場的政策・慣行の利用が世界のマクロ経済に重大な悪影響を及ぼすということで、G7として合意をいたしまして、重要鉱物のサプライチェーンへの輸出管理の適用に関して深い懸念を表明し、サプライチェーンを多様化し、リスクを低減するべきであるので、それに向けて協力するということを正式に約束をいたしましたというようなことが書いてあります。以上でございます。

【質疑応答】

問)レアアースのサプライチェーンの基準についてですが、中国を念頭にされた宣言と思うんですけど、市場参加の基準というものについて具体的にどのようなものが要件として認められるのか、そういったことについてどういった意見が出たか、合意されたものがありましたらお願いいたします。

答)合意というか、基準について私も申し上げましたが、やはりマーケットエコノミーですよね、それから環境面ですとか、労働条件ですとか、基本的なルール・オブ・ローとか、人権ですね、こういったものを非常に軽視して、あり得ないような低価格で出していると。それが非市場的と言われているわけですから、今申し上げたような環境・人権・労働条件・その他を重視するということで、私もほかの大臣の何人かもそれを申し上げたんですけれども、それについて幾つかの国からは賛同していましたから、こういったものが入ることは間違いがないと思います。

問)そういったものをある程度拒否するような市場で、そういったルールを逸脱したものは拒んでいこうというような1つの合意ができ上がったという理解でよろしいでしょうか。

答)そうですね、コンセンサスがG7プラスアルファでできたということでございます。

問)プラスアルファの国名を具体的に教えていただけますか。

答)今申し上げたのが、まず国際機関のほとんどがそこに参加していたというのが大きくて、IMF、世銀グループ、OECD、FSB。今言ったところで結構だと思います。国としてはG7以外にオーストラリア、チリ、インド、メキシコ、韓国が参加をしていました。

問)先ほど言われたG7プラスアルファの枠組みなんですけれども、今言われた国以外で今後拡充していく可能性があるのかどうかということをお聞きしたいのと、もう1点がレアアースの調達懸念というのは足元鬼気迫っている話だと思うんですけれども、今回の合意が具体化していく時期のメドなどありましたら教えてください。

答)とにかくアメリカのベッセント長官もずっと出ていましけれども、幾つかの国々はみんなとにかくこれは急ぐと。つまり米中首脳会談によって10月から1年間の猶予で延びたけれども、それをみんなが奇貨として安心しているということは全くないですね。1つもそういう国はなかったので、できるだけ早くこういう体制をつくって、独占的でない状況をつくらなければ、我々の科学の進歩とか様々な新技術へのアクセスというものが大きく制限されるということを懸念として強く表明をしていらっしゃいました。我々にしても同じですけども。

問)取りあえずはできるだけ早くというところでしょうか。

答)そうですね。年内にまたもう1回やるんですよ。そこではさらにファイナライズされるし、また年明けにも今度はG7もG20も議長国が変わりますけれども、また早々に会議を持とうという話が出ていますので、スピード感は極めて早いと思います。

問)ウクライナ支援について、今日本としても具体的な支援の準備中という話がありましたけれども、これはIMFのプログラムを通じてということなのか、あとは年内にもう1回されるというところまでには、具体的にもう少し発表したいと考えているのか、この辺りの方向性について。

答)日本のスタンスは全く前政権と変わっていないので、サミットで前総理が話されたことと同じですから、ERAローンとかいろんなことを考えていただいているので、そういったことに対して検討をちゃんとしているということで、枠組みが決まったら考えていくということです。

問)もう1点、ロシア制裁を巡っては、これまでアメリカがロシアから多く石油を輸入している国に対して各国が関税を引き上げるべきだという議論がこのG7上でもされたと承知しておるんですけど、今回それが1つこのウクライナ支援の議論の中で話として出たのかというところと、あと日本としてその部分について触れることがあったのか。

答)制裁については、既に強化された制裁が行われているので、そのことには言及がありましたけれども、新たに何をしろとか、特に日本に何をしろというのはありませんでした。

問)年内年明けにも会合が開かれるということなんですけれども、このタイミングで共同声明をまとめられた意義について大臣はどのようにお考えでしょうか。

答)2つのフォーラムが一緒になって、エネルギー貿易大臣と財務大臣、つまり実際にその場に行って鉱山と話をするところとファイナンスやマーケットを見るところが一緒になるという新しい枠組みが極めて上手に機能して、私が聞いている限りでは国際機関も最大限協力して、最短の時間で非常にいいものができていますね。私は10月からそこにジャンプインしたわけですが、ベッセントさんも中心的に動いてよく教えてくれるので、一昨日はバンガ総裁が来て、これもまた詳しいので世銀の総裁も。能力ある人たちが結集して早かったと思っています。今回まとめてしまえば、最後は本当に引き継ぎミーティングになるので、中銀総裁も出てきますから、G7としては大きくまとまるということで、よりテクニカルなレベルが入ったのは今日までということだったので急いだんじゃないでしょうか。

(以上)