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片山財務大臣兼内閣府特命担当大臣記者会見の概要(令和7年12月2日(火曜日))

【冒頭発言】

本当に久しぶりに羽田空港を視察させていただきました。私自身1998年から99年まで横浜税関の総務部長をしておりましたので、そのときに多分見たと思いますが、当時は外国人旅行客が数百万人で、今年は4,000万人を超えますから、とにかく羽田の混み方も全然違うし、税関職員だけでここに500名近くいらっしゃるし、それから税関、入管いわゆる検疫のCIQの連携もものすごく強くなってきたなという感じを今日受けました。あらゆる意味で、今税関の仕事は非常に大変になっているので、今回も設備関係の要求もしたし、それから人員増要求もしているんですけれども、10倍になった旅客に全部対応できるかというとそうではないけれども、本当に一生懸命やっていただいている職員の皆さんに感動いたしました。麻薬犬も横浜税関にも大黒埠頭というところに研修所があって、女性のハンドラーが出始めた辺りだったので、とても懐かしく拝見しました。犬のほうも大変ですけれども、訓練する人のほうも、とてもプロフェッショナルで簡単に言うことを聞くようになる業務ではないので、皆さんにも見ていただいてよかったと思います。
 先日、金の密輸対策を公表させていただきましたが、こういう国際金融情勢ですから金の価格が上がっておりまして、当然密輸が増えているということはありえ、これは恐らくマネーロンダリングなんかにも絡んでいるんだろうし、それだけのことをやるからにはその理由があるんでしょうから、これは検査強化とか、それから没収をしたらその価値が高いですから、これはやる意義があるので、密輸に関しては一層厳正に対処をしてまいりたいという思いを強くいたしました。これから年末にかけて、この羽田を含めまして全国の空港や港湾で特別警戒を実施いたしまして、先程申し上げた金の密輸も含めて税関の取締りを強化いたします。
 ただ皆さんにとって便利のいい空港というのは、あんまりしょっちゅう止めているだけではなくて、先程ご覧いただいたように、通関と入管の一緒になったキオスクみたいな、簡単に1回で顔認証でできるようなものをどんどんどんどん増やさなくちゃいけないので、便利でかつ悪い人はつかまるというのが一番いいわけですよね。そのためにはテクノロジーの進歩が必要なので、そこを追求して日本の安全安心を守るというのが高市政権の大きなミッションですから、頑張ってまいりたいので、ぜひメディアの皆様にもご理解いただきたいと思います。

【質疑応答】

問)今、大臣のご発言で金の密輸対策を強化していくということでしたけれども、金の密輸が増えることでどういう問題があるかというのを、改めて国民の皆さんにお教えいただけますでしょうか。

答)金が国内で取引量が増加している一方で、国内での供給が急に増えるわけじゃないから密輸が増えていると考えられるんですけれども、密輸でまたロンダリングをして収入を得ようとする人たちというのは、結局何らかの犯罪に関わっているというか、そのこと自体が犯罪ですから、私今日も金融のほうのお話を朝いたしましたけれども、ああいったことも含めて、どこかで現金化しなきゃいけない、そういうものの端緒にもなり得る話ですし、そのこと自身が課税逃れでもあるわけですから、これをきちんと捕らえることによって、将来的な犯罪抑止には確実になりますので、全て理由のない増加というのはこの世界にはないと思っています。

問)還付の問題もあると思うんですけれども、その辺りはいかがでしょうか。

答)結局隠匿をなぜするかということですよね、消費税がかかっているわけですけれども、今の金の値段だと消費税は非常に高いですから、それをごまかして入れて、還付金もとろうということになると濡れ手で粟というか、非常にいい形で現金が得られる方法そのものですよね。還付されたお金というのはきれいになっているわけですから、それを恐らく組織的にやっているのではないかと、こういうことを警察ともしっかり連携してつかんでいくということなんじゃないでしょうか。

問)金の没収等、金を大幅に引上げているところを今回は触れられたと思うんですけれども、その効果について、抑止力としての効果についてどうお考えか。

答)まだそれでどのぐらい潜在的にそういうことをやろうとする人が減っているかが分からないし、捕まえられていた確率がどのぐらいかというのも分からないんですが、これがきちんと宣伝されれば、リスクを侵してもやることじゃないなと思ってもらえれば、さっきも皆さんも持ち上げてご覧になって分かるようにかなり大変ですよね。このぐらいのインゴットであれだけ重いわけですから、その上に没収されて何も残らないし罰金もということになれば、相当な抑止力にはなると我々は期待をしております。

問)視察と別件で恐縮ですが、午前中の財政審の提言を受けてのコメントを一言いただきたいのですが、提言の中で財政規律についてプライマリーバランスの改善を進めながら、債務残高の対GDP比を安定的に引下げていくのが重要と、そういった提言があったんですが、高市総理の単年度のPB目標取下げとの関連でどういうふうに受け止めていらっしゃるか、一言いただけますでしょうか。

答)プライマリーバランスを全く指標として見ないとか気にしないということではないと、総理も再三おっしゃっているので、ただ毎年毎年これが黒か赤か、どのぐらいどうかということについては、そこに拘泥されるものではないという言い方ですから、その2つが完全に矛盾することではないと思うんですけれども、いつも申し上げましておりますように、財政についていろんな見方があって、今回は責任ある積極財政ということで、違う観点に力を置いてスタートを切っている政権ですから、ただし財政規律を重視する方々のお話というのは、それは一つの論理としてあるわけだから、それもきちんと理解した上で、我々が進んでいる道が一番実は財政をなだらかに再建させていくのに近いんじゃないかというのが、そちらの考え方ですからね。それは決して完全な二律背反ということではないと思っております。

問)関連して提言では、今注目されている社会保険料改革についても介護医療保険の負担割合の見直しですとか組み込まれていましたが、大臣としてのお考えがもしあればお聞かせ願えますか。

答)社会保険料のことは、本当に国民の関心事だし、今改革の案が厚生労働省のほうからも出ていますし、今朝も我々副大臣も含めて、維新の総理補佐官も含めて会合を開いた後に、その話も維新さんともしたんですけれども、働き盛りの負担の軽減ということがあるし、まさに今、一番必要とされている視点のところですから、これはこれできちんとした結果を出しながら、かつ積極財政も貫いていくと、こういうことではないかと思っております。

(以上)