【冒頭発言】
もう1点ですが、27日木曜日に金融庁と一橋大学で基本協定を締結しております。国立大学法人一橋大学の創立が150周年ですけれども、それと金融庁の発足25周年をそれぞれ記念した取組の一環として、連携・協力に関する基本協定を締結しました。具体的なプロジェクトとしては、研究面では株式市場の価格変動メカニズムに関する理解を深める分析などを計画しております。人材育成面では大学の研究者による専門的な講義を金融庁職員が受講できる研修の機会を提供することや、行政の視点から金融に関する最近の動向や課題について学生に講義を提供することなどを検討しております。以上です。
【質疑応答】
問)補正予算についてですが、今回の補正予算、経済対策の効果という面と財政規律の両立ということで、非常に難しい編成だったと思われますが、予算のメリハリを付けるという点で、まずはここに力を入れたという点と、逆に一方でここは抑制的にしっかり絞った、こういったところのメリハリについてどのような査定をされたのか。まずは大臣の考えをお聞かせください。
答)まずは今の国民の暮らしを守る物価高対策を早急に講じるための補正でございますから、そこに最優先で取り組むということで、来年1月から3月の電気・ガス代については、最終的に1世帯当たり3か月で7,300円と、維新さんが非常に最後の最後まで粘られたので7,300円になりましたが、今年の同時期を上回る負担軽減をするということで、これが5,296億円の計上になりますが、あと食料品の物価高騰について、従来とは別枠の特別加算約4,000億円を設けて地域の実情に応じた支援が可能な重点支援地方交付金を2兆円まで拡充しました。これが大きいと思います。それから現在も私のところに、医療機関、介護関係の方、連日お見えになっておりますが、とにかく今回出血を止めてくれたことに対しては非常に感謝をしていただいているようで、赤字の施設も含めて報酬改定を待たずに、前倒しで処遇改善・経営改善に取り組めるように、これまでにない規模の補助金をパッケージに措置した1兆3,832億円ということが、高市総理が総裁選のさなかからおっしゃっていたことと、首尾一貫して同じきちんとしたラインで期待にお応えができるようにしていきました。これが第一のプライオリティーで、その次が総理の強い経済をつくる肝である危機管理投資と成長投資について、既に2030年度までに10兆円以上の公的支援というAI半導体のフレームがありますが、これに加えて10年間で3,500億円の規模を目指す造船業再生基金とか、ほかの17分野についても必ずきちんと予算を盛り込んでいるということだと思っております。そのメリハリというか、財政のサステナビリティにつきましては、先ほども申し上げましたように、補正後で比べて今回は40.3兆円と昨年度の42.1兆円を下回っておりまして、きちんと政府債務残高の対GDPを引き下げていくということで、財政の持続可能性を実現してマーケットの信認を維持していきたいということで、その辺がメリハリといえばメリハリでございます。
問)今回、財政的に非常に大きなものになったわけですが、これでマーケットの懸念には応えられたというふうにお考えでしょうか。
答)マーケットは日々生きておりますので、こういう毎日のいろいろな会見もございますが、私も連日のように新しい政策のご説明とか、総理のご裁可を得るために官邸に通っておりますし、ものすごい勢いでこの内閣動いておりますので、その一つ一つでやはり経済成長につながっていく、それを説明しながら財政の持続可能性というのが十分図られていくと、成長牽引経済成長戦略だということでご説明をしているということだと私は思っております。
問)今回の補正予算案で安全保障関連経費の1.1兆円が計上されまして、対GDP比2%目標の前倒しが達成されました。改めて財務大臣としての所感を伺えますでしょうか。
答)これにつきましては、それこそ総理が国会等で何回もお答えになっておりますような経緯で2%になったということですから、そもそも3文書を改定したときからの安全保障を我が国の判断によって国民を守るためにこのようなものが必要だという基礎的な積み上げからの結果でございますから、我々はそれに従って予算を計上したということでございます。
問)先週から金利の上昇あるいは外国為替市場で円安傾向というのが出ていると思いますけれども、この中の財政状況の悪化への懸念というのもあるかと思いますが、今の状況このぐらいにとどまっていると見るべきなのか、改めてこの辺りの考えを伺ってもいいでしょうか。
答)やはり未来への不安を希望に変えるということでスタートした責任ある積極財政の高市政権に、今のところ国民のご期待が非常に大きいわけですから、決断し前進する内閣ということで、次々手を打っていく中でこれも1つのプロセスでございまして、マーケットの水準については私の立場ではもともとコメントしませんし、しますと影響を与えてしまいますので、それ以上申し上げられることはあまりないんですけれども、ただ国債管理政策を司る大臣でもございますのでより丁寧に、今までも丁寧にやっておりますが、市場との対話、国債管理政策ということをきちんとやっていくというだけかなと思っております。
問)関連する質問になるんですけれども、変更された国債発行計画のほうを拝見いたしました。今回の補正予算では、割引短期国債TBと、2年債、5年債を新規に発行することになったと思います。これらの年限、そして種類を修正した背景、マーケットの需要動向を踏まえてお聞かせいただければと思います。
答)今おっしゃったとおりに、市場参加者のニーズを踏まえて2年債と5年債が増額、おのおの0.3兆円、短期国債が増額されたと。それから個人向け国債の販売実績の反映等によって対応するということで、あくまでもニーズを踏まえてということ以上にはありませんけれども、いずれにしても市場参加者との丁寧な対話を行って、今までどおり適切な国債管理政策をやっていくということの一環であります。
問)本日、ガソリン税の旧暫定税率を廃止する法案が参院本会議で可決成立しましたけれども、その受け止めと、今後その財源については具体的にどのようにメドをつけていかれるかという現時点でのお考えを改めてになりますがお願いいたします。
答)このことについては減収額を今回の強い経済をつくるための景気対策にも計上しておりますから、国民の皆様の間でも早くできないかと思っていたけどやっとできたかと言われておりますし、やはり目に見えてガソリンスタンドの価格は下がっておりますので、いい影響がいろいろ出るというふうには私どもは考えているわけで、壇上で税法担当大臣としてお辞儀させていただきました。
財源の問題につきまして、この全体のスキームは今回は6党の政策責任者合意でございますので、6党の枠組みの中で様々な列挙してある財源も含めたことの話合いも行われているものと承知し、その判断を尊重して私どもはしっかりと対応するということでございます。
問)自賠責、自動車安全特会への繰戻し、全額可能になりました。どこでどういうふうに決断をされて、これからどのようなことを期待されておりますでしょうか。
答)決断については、実は内部での検討はずっとあったわけですけれども、今回はやはり暫定税率を廃止したわけですよね。ということは、この繰入れに対する繰戻しの必要性というのは、私が主査だった頃からありますから、これはやはり本来あるべき姿に戻すという意味では、同じような流れでございますので、またこれは自動車業界全体から、これは自動車会議所さんもそうですし、それからいわゆる自動車労連もそうですし、大変ご要望が出ていらっしゃいました。我々の政党だけではなく他党さんも含めて長いことご関心でしたので、これをお返しすることによって自動車事故被害者その他等についての前向きな対応の、明らかに予算は増やせますから、これはいいことなのであって、できるのならばできるときにというそれだけでございます。何回もご質問いただいて本当にありがとうございます。
問)補正予算と当初予算の在り方についてお伺いします。昨日総理が諮問会議の議場でも近年大規模な補正が常態化していて、必要なものは当初別ということが必要だということをおっしゃいました。大臣のお考え、この点について伺ってよろしいでしょうか。
答)補正予算の本来の姿というのがどうなのかというのは、すごく難しいところですけど、緊急に必要性が生じているから必要十分な規模を積むべきだということは、ここでも私何回か申し上げたんですが、当初予算で一時非常に厳しく減額、減額というのを既定経費その他についてはやってきたところで、苦しくなってきた項目があるところがありますよね。そういうことについては本来、あるべき姿に戻したほうが予算執行側の官庁にとっても、あるいはそれが出ていく先は大体3分の2は地方ですから、地方にとっての予見可能性も高まります。それから学校などで工事を行う場合に当初予算でいただいたら夏休みが使えると。そうでないとお休みが短いですから、工事が学校が開いているときに来てしまうとか、そういうお話も前からいただいておりますので、その類いのことはございますので、これは私どもとしてはしっかり踏まえて、どこまでできるか分かりませんが、そういったことも予算の質を高める上では考えていくべきことの一つではあると思います。
問)補正予算の関係で1点聞かせてください。第2の柱の投資については、物価高、今緊要性が高くて対応しなければいけないものと違い、緊急性がないんじゃないかというご意見もあるかと思いますが、あえて盛り込んだ理由というのを大臣のお考えを聞かせていただけますでしょうか。
答)やはりこの内閣が一刻も早く、国際社会の中で勝ち残れる強い日本経済をつくるという意味では、やはりこの瞬間にある程度予見可能性を持っていただけるようなスタートを切りたいという内閣としての強い意思を示す意味では、17分野全部に着手することはサナエノミクスとしては非常に意義があったと、そういう意義を緊急性に感じております。
(以上)

