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片山財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(令和7年11月25日(火曜日))

【冒頭発言】

私からは例の租税特別措置や補助金などの適正化を進めるための租税特別措置・補助金見直し担当室、いろいろな名前で呼ばれております、政府効率化局(仮称)とか、日本版DOGEとか呼ばれておりますが、正式には租税特別措置・補助金見直し担当室を内閣官房に本日設置いたしましたのでご報告いたします。お手元に紙を配らせていただいています。ここにパネルもあるんですけれども、本部長は総理で、副本部長は行革担当相、官房長官、総務大臣とともに、主管が財務大臣の私になりますが、本部員としては他の全ての国務大臣が入るという行革本部があるんですが、その中で右側の方を見ていただくと租特・補助金見直し担当大臣、こちらが私ですが、これを新設して関係省庁からの併任、約30名程度と精鋭ぞろいでございますが、こちらでこれからやっていくということでございます。ご承知のようにこれは自民党と日本維新の会の連立政権合意書において租税特別措置及び高額補助金について総点検を行い、政策効果の低いものを廃止する等の内容を決めましたので、何とか1か月ちょっとで立ち上げまで来れたということで、私も安心しております。先週はこの件も含めて遠藤総理補佐官、維新国対委員長が来られて、その後こちらでぶら下がりをされたのではないかと思っております。これにつきましては着任のときからずっと申し上げておりますが、財務省の本来業務で今までもずっと点検・見直しはやってきているわけで、今回基金のことについても加えた方がよいと思いましたのは、私どもの方の今回の補正予算をつくっていく上でも当然基金がありますし、今までもありましたし、それから河野行革担当元大臣のときにルールもつくられていて、それをこれからどのように判断していくか、つまり投資に重きを置いた予算をつくっていく上で、やはり投資ということになると単年度では終わらないですから、予算の単年度主義の弊害ということも前から言っているけれども、それにやりやすいような形の1つとして基金はあるけれども、そういうものについてはどういう条件を考えるとか、あるいは過去補助金の形を変えただけで甘くなっていないかとか、そもそもほとんど残っていないかとか、いろいろなことが言われておりますし、野党さんにおいては見直しチームもあるので、これは補助金と同じようなものですから、そのガバナンスをきちっとさせるために検討に入れさせていただきました。今日担当室ができましたので、こちらについて対応を強化して、与党の方ともよく連携しながら、党の小林政調会長とはもう話もしていますし、維新の方は大変熱心で補佐官である遠藤氏が参加をしてくださいますので、メンバーとして。足元の令和8年度の予算の編成や税制改正作業から必要な見直しを実施し、見直し可能なものをすぐに反映できるんでしたら反映はしてまいります。さらに次の令和9年度の予算編成や税制改正に向けては春のうちからいろいろなことができるわけですから、要求各官庁にも汗をかいていただいて、まず自分たちの中で会計検査院であったり、それから様々な政策評価、行政評価、いろいろな見直しで過去指摘されたり引っかかったりしているものが何であるか全部挙げていただいて、その中でどういうものが改善の必要があるとか、ご自分で持ってきていただいたらすごいと思いますが、これは廃止して、やめた方がいいんじゃないかとか、そういうことも含めてまず自己査定があると思います。加えまして昨日、木原官房長官とも話したんですが、国民の皆様が無駄撲滅とか、かつての事業見直しとかに大変なご関心があって、記事が3連休中に出たときも非常に大きなコメントが私のXにも寄せられたんですね。ですからこの新しい仕組みが内閣にできるわけですが、内閣のハッシュタグがつけばそちらで、あるいは私自身のXでもいいんですけれども、何が無駄に見えますかと。どういう補助金であり何であり、予算っておかしいと思いますかとか、どういう税制優遇措置って要らないと思いますかとか、そういうことをできるだけ多く広く一般の国民の方からも意見募集をするのも非常にいいんじゃないかと。そうしないと霞が関の中だけの意見になっちゃうかなと、そういうことが出ております。
 それから予算をよくしていくというのは査定官庁だけじゃ駄目で、ここに書いてある中で主に財務省、そして地方税もあるので総務省が査定側の官庁ですが、予算って共同作業ですから、1府12省庁全部ありますので、その方々からは副大臣を出してくれということをお願いしてご了解を得ておりますので、できましたら来週をメドに第1回目の連絡会議を開いて、つまり事務レベルもちゃんと作業するけど、政務レベルが政治的にリーダーシップをとって進めていく形にしようと、このように考えております。

【質疑応答】

問)冒頭発言に関連して伺います。改めて担当大臣としてどのような姿勢で租税特別措置・補助金・基金見直しの議論を牽引していきたいか、大臣の思いをお聞かせください。またこの週末には本家アメリカでのDOGEが解散したとの報道も出ました。こちらの受け止めについても併せてお聞かせください。

答)最初にイーロン・マスクさんが華々しく登場して、膨大な金額を目標というか、目標だったんですね、一応。ちょっと我々が見ている数字と違うような数字を挙げて作業に入って、それからその中には行政改革というか、組織つぶしのようなものも入っていたんですけれども、こちらを見てお分かりになるように行革本部本体とは別ですから、これは組織をどうこうするということを目的にしていないので、あくまでもDOGEの中でも実質的なことをやったのは議会の予算局のOMBだということを私1月にワシントンに行って聞いております。実際にイーロン・マスクさんは完全なベンチャーのチャンピオンであって、政府の細かいことをやってきた人じゃないですから、どういうものがあって、どういうふうにお金が流れているのかも、そこに入るまではご存じなくて、非常に大きな知識を与えてくれたのはOMBで、OMBの長官ってたしか留任しているんですよね、トランプ政権で。だからどこでも予算や税には専門家がいて、それをやっていて、専門家の協力なくしてはよい形の改善ってできないという極めて現実的な形で私たちは始めて、また今度米側と話すことがあったらそういうことは私たちも、私たちのやり方はこういうのだよと言いたいと思いますが、こういう時代ですから財政のサステナビリティですね、総理がよくおっしゃるように、それを維持していくためには不断にこういうことをやっているということが国民から見える、そして霞が関・永田町にもいつもそれがあるという状況は非常に大事だと思うので、そこがどちらかというとアメリカのDOGEを立ち上げたときとは違うのかなと思っております。

問)新しくできる推進室、日本版DOGEなんですけれども、租税特別措置や補助金が政策的に有効ではない、見直した方がいいという判断はどこでどういうプロセスされるのかと、それを予算であったりとか税法であったりとか、そういったものに反映させるプロセス、こちらというのはどういうふうなことを想定されていますでしょうか。

答)何しろ今、補正予算の方は概算閣議も直前であり、だから今からはあまり動かないですわね。8年度予算編成についても相当山を越えつつあるというか、かなりの作業が済んでいるところで立ち上げるわけですから、その中でもみんなのコンセンサスとして、これは何か改善した方がいいというのがあれば、それは要求官庁の方もこの中にメンバーとして入っているわけですから改定していくとかはあり得るので、ただ、1対1で対応しているということはタイミング的には無理で、一番有効になっていくのは来年から9年度の予算にかけて、まずまだ骨太の方針もできていないところで、これがよい結果を出していけばそこに盛り込めるわけですよね。各省が予算を考えるのというのは春から梅雨時にかけてですから、それでシーリングが決まって8月末に出すわけですから、それに十分間に合うということがあるとすると9年度なんです。私も予算を4年、5年か、やってみて、スプリングレビューの時期が唯一余裕を持って改革に取り組めるんですよ。あとは編成、編成で、いろいろなことに対応するので、腰を据えてB/Cじゃどうだとか、過去のものを全部、会計検査院のも見たりとか、そういうこととか、あるいは有識者を呼んでとかできないんですよね。だから3月末に予算がうまくいけば通って、その後の4、5、6月というのは知的な部分では書き入れ時なんですよ。そこにちゃんとやらないと翌年の予算も要求段階からよくならないので、そういう流れが一番主だと思いますが、例えば連立を組んでいらっしゃる維新の方は大変熱心に藤田代表も、それから遠藤総理補佐官に至っては総理補佐官としてメンバーですから、当然維新の中でこういういろいろな意見がこちらに寄ってくるわけですよね。それを年末に向けて緊急にこれだけはやってくれということがあれば、それはあり得るんですけど、今この時点では私たち全くニュートラルだから、その提言を見ていないのでという意味はありますが、1対1対応ではないです。

問)この見直し担当室での議論であるとか、その結果というのはある程度オープンにされるというふうなことでお考えでしょうか。

答)オープンの仕方はいろいろあると思うんですよね。例えば公開して非常に国民の皆様からこれはおかしいんじゃないとか、これは誤解じゃないとか、例えばよく言われる誤解で男女共同参画の予算って9兆円あると言われていたんですけれども、これは大変高名な学者さんとか政府に入っていらっしゃるような財界人でも、あるんでしょうと私言われたことがあるんですよ。でも、それは例えばある種の年金や手当の巨額の予算が、これは男女共同参画に、共稼ぎに役に立つからというので入っちゃっていて、これは男女共同参画という担当を私もその大臣になったことがあるんですが、つくったときから大きく取り組むためにしていて、それじゃなくて純粋な男女共同参画の予算ってたしか当時は3,000億ないんですよ。ただ、3,000億ないからといって、その中に無駄なものがないかどうかは全く別ですけれども、まずその誤解や都市伝説もかなりあるし、そういった国民の皆様が誤解している部分とか、それがなぜ起きるのかとか、これからはどうやってリアリティを持って説明できるのかも大事で、その上で先ほど申し上げましたようにこれはおかしいよねという話がよく上がるものって、でも各省庁にとっては、でもやっぱりしがみついてもというのってあるんですよ。そういうのは私は、まだ相手の大臣は説得していませんが公開討論はありだと思いますよ。だって国民が知りたいわけですから。というふうなことで様々考えております。

問)私も同じテーマについてお伺いしたいんですが、冒頭大臣、国民の方から意見募集するというお話がありましたけれども、こちらその方法について何かお考えがあるのかと、アメリカ版のときは私の記憶では金額のメドというか、最初にこれぐらいというのがいろいろ報道等含めて伝わっていたと思うんですけれども、今回のこの見直しで例えばこれぐらいの予算はというところの金額的な規模感というのがもしあれば教えてください。

答)向こうのDOGEが全くそれに達しなかったであろうと言われているだけに、そのことだけでも躊躇しちゃいますが、実際に今予算編成についてかなり8年度で話が進んでいる状態で、つまり各省が要求を出しちゃって、それを削られることはあってもなくなることはないよなということで進んでいるときに、それでもなくなるものがゼロではないかもしれないけれども、それは今それを示しちゃったら霞が関、事務的プロセス大混乱になるので、でもこのプロセスは早く立ち上げたいので、だからあえて今回は出さない方がいいと思います。3月にやる、4月の初めからやるんだったら、今からつくるんだったらできるかもしれませんが、できるだけ早く立ち上げてほしいと官邸もおっしゃるし、私もそう思いますし、何といっても早く決断して、早く前進する内閣でしょう、うちは。もう1か月過ぎていますからね。ちょっと今週でも遅いぐらいですけど、やっと間に合ったぐらいなので、それで常識的に考えたらそういう形かなと思っております。

問)意見募集についてはどのようにお考えしょうか。

答)意見募集はやっぱりネットが、一番SNSの中で大きいものとしてはXかなと思うんですけれども、私は最初大臣として、担当大臣ですから自分のXに載せてもいいと思うんですが、組織のアカウントを立ち上げて、それを私の下に貼れば、うちは41万人あるので、官邸さんのもありますから、それで広げれば、あと皆さんにもお知らせして、ここにどんどん、きっと山ほど文句があるでしょうから入れてくださいと言ってくだされば、かなりのものが来ると思いますし、実際もうかなり話題になっていますよね、それがどうかということは別として。だから今のところ考えているのはXを使った、SNSを使った募集を最初に導入の部分は私自身も手伝いますが、この部屋の名前をきちっと決めて、そのアカウントをつくって、そこに集めていくのがよろしいんじゃないかと思いますけど、これも来週連絡会議を開くときに詰めてやっていきたいと思っています。

問)念のため確認ですが、今回のプロセスで恣意的なものとかを排除するために何かしらデータをベースにしていくというところがあると思いますけれども、その辺り改めてご説明いただけますでしょうか。

答)客観的なデータという意味では会計検査院、それから総務省のプロセスとか財務省のプロセスとかで過去問題視された補助金とか租特とかってあるわけですよ。それを訂正したら改善しているわけですが、それが100%いいのかどうかは分からないけど、そういう客観的に1回クエスチョンがついたというものは当然ありますし、それに加えてやはり世の中の方から見て全くゼロにするという意味ではなくても、これ相当改善しないと使えないんじゃないとか、どうせやるならば貴重な国民の血税の使い方だからこういうのがいいんじゃないというのも質をよくするには意味があると思うので、まず最初に冷静に過去のこと、それから各省が自覚しているもの、それから査定側から見て疑問を発したことがあるものというのは、これは一定の客観性はあるので、それに加えて新しく取り上げられてはいけないけれど国民の中では何それみたいなのが、逆に何でこれはないのというのもあってもいいかもしれませんけどね。大体見ているとあまりそれはないですよね。

(以上)