【質疑応答】
問)外国為替相場についてですが、円が対ドルで157円台に下落し、約10か月ぶりの円安水準となっていますが、通貨当局としてどのように受け止めており、どのように対応されるのか、お聞かせください。
答)いつものように為替市場に具体的にコメントすることは、市場に不測の影響を及ぼすものですから差し控えますが、足元の動きは、非常に一方的で、また、急激であると憂慮しております。加えまして、為替相場はファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要でありまして、政府としては、投機的な動向も含め、為替市場における過度な変動や無秩序な動きについては、この9月に発出した「日米財務大臣共同声明」の考え方を踏まえ、必要に応じて適切な対応をとってまいります。
問)本日閣議決定を目指す総合経済対策についてですが、財源の裏づけとなる2025年度補正予算案の一般会計歳出規模が24年度補正の規模を大きく上回る見通しとなっています。債券市場では財政悪化への懸念から新発10年物国債の流通利回りが1.8%台まで上昇しましたが、今回の経済対策の策定では財政への信認を維持するためにどのような工夫や配慮をしたのか教えてください。
答)ご承知のように昼に閣議で決定して、その後に高市総理より具体的な発表を分かりやすく行いますが、巷間いろいろともう数字が飛び交っておりますし、ご想像からいっても責任ある積極財政の考え方のもと、つくった最初の補正予算になりますから、戦略的な財政出動に一定の規模が当然集まるわけですが、これはあくまでもプロアクティブなものであって、規模の拡大を狙った拡大的な目的ではなく、1つ1つ積み上げた結果、これだけの規模になっていくというものでございます。もちろん当然合理化ですとか、あるいは財源の普通の税外収入ですとか、こういったものの積み上げはやりますが、やって足りない部分はいつも申し上げているとおり国債発行になりますが、これにつきましてもきちっと一定の配慮をして、ただ規模を狙った拡張的なものと思われずに、一定の範囲の財政規律が守られた形になるように財務大臣としては調整をして総理にご理解をいただいたということで、具体的にはその内容については昼に総理からご発表があると思います。
問)為替についての対応ですが、先程適切な対応とおっしゃいましたが、考え方としては適切な対応の中には為替介入も含まれるという理解でよろしいでしょうか。
答)はい、9月の日米財務相のペーパーにはしっかりと介入が入っておりますので、当然考えられます。
問)別件で恐縮ですけれども、日本版CFIUSについてお伺いさせてください。片山大臣は先週に高市総理と面会されて、日本版CFIUS創設に向けて議論されましたけれども、具体的にどのような枠組みになって、いつ頃スタートできそうなのかという点と、また、どのような役割を果たすと期待されているのか、現在の検討状況を教えてください。
答)これは財務省と事業所管官庁がNSSをはじめとする安全保障関連部局としっかり協力して審査を行う強力な体制というか、体制強化を構築すると、この方針にはおおむねご了解をいただいたので、これは法律改正なんかも見据えながら今後のスケジュールを詳細に詰めてまいりますが、いつ何日というようなことはまだ決まってはおりません。ただ、これは連立合意に入っている文言では令和8年通常国会で創設となっておりますから、当然そんなに時間はないわけで、頑張って今検討をしております。
(以上)

