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片山財務大臣兼内閣府特命担当大臣初閣議後記者会見の概要(令和7年10月22日(水曜日))

【冒頭発言】

冒頭ご挨拶とともに申し上げたいと思います。昨日付で財務大臣、金融担当大臣、そして租税特別措置・補助金見直し担当大臣を拝命いたしました参議院議員の片山さつきです。本当に古巣に出戻ったというご質問もあったようですが、出戻りでもリターンでも何でも良いですけれども、非常に懐かしく、昨日今日でもう既に皆さんと楽しくお仕事をさせていただいておりますので、財研等の皆様もぜひよろしくお願い申し上げます。
 昨日、高市早苗総理からは経済・財政・金融全般にわたって10項目の指示を受けました。昨日、官邸のぶら下がりでもざっくり申し上げたのですが、総理からのご指示について冒頭ご説明をさせていただきますと、「責任ある積極財政」の考え方に基づく経済財政運営を行い、我が国の課題を解決し、先端産業を開花させるための経済成長戦略を通じて日本経済の力強い成長を実現すること、経済・財政新生計画に基づき歳出歳入両面からの改革を推進し、経済再生と財政健全化を両立するほか、財政の単年度主義の弊害是正等に取り組むこと、3といたしまして租税特別措置や補助金の適正化を進めること、4といたしましてデジタルを活用したEBPMを推進し、効果的な予算配分、予算執行につなげること、5といたしまして国や自治体の発注における適切な価格転嫁に向けた取組を推進すること、対日直接投資審査を高度化する枠組みを検討すること、貯蓄から投資への移行をさらに進めるとともに、企業統治の強化や資産運用の高度化等に取り組むこと、地方創生・地域活性化の観点から地域金融機関による金融仲介機能の一層の発揮と健全性の確保を後押しすること、公平・公正・透明な金融市場への適正化を図り、金融商品に対する信頼確保に努めること、税と社会保障の一体改革、特に社会保険料負担で苦しむ中低所得者対策としての給付付き税額控除の制度設計に着手することにつきましてご指示を受けました。この高市総理からのご指示を踏まえつつ、財政運営につきましては「責任ある積極財政」、この考え方に基づく経済財政運営を行って力強く経済再生、日本再生を進めてまいる中で財政健全化との両立を図ってまいりたいと考えております。金融行政につきましては、資産運用立国の取組のさらなる発展、地域の活力を引き出すための金融仲介機能の強化、金融システムの安定や信頼の確保、これらに力を入れていきたいと考えております。

【質疑応答】

問)片山大臣、今おっしゃっていましたが、財務省には出戻りという形になると思います。

答)出戻りました。

問)財務大臣として改めて今後の抱負をお願いしますというのと、あと高市総理が喫緊の課題として掲げている物価高対策に財務大臣として具体的にどのように対応していくお考えか、お聞かせください。

答)大変大事なご質問でございまして、20年前に谷垣大臣のときに辞職辞令をいただいて、それで選挙に出て1か月で当選した私なんですけれども、その後いろいろ苦労もありましたけれども、いつかは戻ってくるなと思っていましたが、ちょうど20年で大分人の模様も変わりましたけれども、今日財務省・金融庁で幹部というか、幹部職の方を前にご挨拶をさせていただいて、加藤前大臣とご一緒に、ある程度主要な人の顔、名前、大まかな年次は私まだ分かるんですよ、20年だと。これがあと5年遅かったら大分景色が違ってしまうだろうなと思って、今このタイミングで戻れたことはよかったと。やはり人が分かっているということは意思疎通がやりやすいですから、そういった意味でありがたかったなと思っております。やはり懐かしいですよ。私は1階、2階、3階、4階、全部勤めたことがあるので、旧大蔵省にあったポストというか、局は全部働いたことがあります。そして旧大蔵省が一番苦しかったときに、大蔵省のミッションというのをつくって財務省につなげたときの仕事をしたので、それがまたその後もいろいろあって、新しく19年にさらにいいものをおつくりになったということも認識をしておりますので、非常に職務励行意識が高くて、しかも政策部門と、それからかなり大規模な現場実力組織を持っておりますから、そういう大きな組織であることを実感して23年間おりました者としては、活動・活躍が国民に目に見えて、国民に理解・感謝されるような方向にマインドセットを変えて、うまくいっていただきたいと強く望みながら戻ってきました。
 喫緊の課題の物価対策につきましては、昨日指示がございまして、方針が閣議でももう決まったわけですが、まず重点支援地方交付金等により地域のニーズに極めて細かく対応していくこと、それから冬時期の電気・ガス代の支援、これもそうです。それから国・自治体と民間の請負契約単価が物価上昇を対応していないという指摘を、これは自民党の方からも他党からもしておりますので、これを見直す。それから当分の間税率の廃止に向けた政党間協議の進み具合を見て、これは進むでしょうから、制度実施までは燃料油の激変緩和補助金の基金残高を活用して、年内にはしっかり25円下げると、このスピード感と確実感が非常に重要でございますので、こういった内容があったということでございますので、これを着実に実施するために、それができるように、このご指示に沿って与党ともよく相談し、他党とも相談することになるのでしょうけれど、具体的に検討を進めてまいりたいと思っております。

問)物価高対策についてですけれども、高市政権としては責任ある積極財政を掲げて危機管理投資と成長投資を進めるということですけれども、現在の経済情勢を踏まえると補正予算の規模というのはどの程度必要とお考えでしょうか。昨年の補正は一般会計総出で13.9兆円と大規模なものになりましたけれども、今年も大規模な補正が必要とお考えでしょうかというのと、もう1つ伺いたいのが日銀の金融政策についてですけれども、現在の物価高は輸入物価の上昇に起因する部分が大きいと思います。円安の進行に歯止めをかけるためにも、日銀の利上げのタイミングも含めて金融政策の在り方については大臣どうお考えでしょうか。

答)まず今この時期の予算規模というのは非常に難しい問題でありまして、何をやろうとしているかははっきりしているんですね。今申し上げたことに加えて、総理が何回も口にされている、私も申し上げていますが、医療機関の多くが赤字で、介護施設の赤字、あるいは施設をやめてしまうところも多く、給与差も大きいという問題について、これもいろいろなツールを用いてやっていかなければいけないとか、それらが今の時点では要求側とこちらの査定側というのは、まだかみ合わせもしていないですから、規模を論じるにはちょっと早過ぎるかなと思いますが、私たちが政治としてお約束したことは十分な規模ということなんですよ。大規模かどうかじゃなくて。今言った目的を達するに十分な規模ということで、例えば年内の補助金の関係でしっかりと25円下がると。石油業界さんがおっしゃっているようなスピードで下げていって下がると。これが今まであまり信用されなかったところです。それをきっちりやっていきたいので、十分な規模が必要だということは申し上げさせていただきたいと思います。
 それから日銀でございます。先ほど、黒田前日銀総裁とお会いしてきましたけれども、まさに高市総理もおっしゃっているように、アベノミクスの当初は、アコードというか、ある程度そういうものを結んで、それが私たち財務省も内閣府も名前を出しているわけですから、もちろん日銀法3条、4条の枠組みがありますから、政府との連携がなければ経済対策、経済政策、金融政策、効果が出ないですから、これは当然なんですが、その具体的な指標については日銀に任せられているものであるということをはっきり総理もおっしゃっているので、そこまで上げ下げについて私どもが、特に今の時期に申し上げることはございません。ご指摘になったコストプッシュ型のインフレが主な要因であるというのは、それも確かにそう思いますし、ほかにもいわゆる景気過熱によるインフレとはまた違う様々な要素もありますが、そういったことを含めてデフレの出口なのかどうかということがこれからいろいろな点で判断されるんですよ。私が、前任者まではデフレ脱却担当大臣を兼ねておりますが、今はそれがそういう名前であるような時期ではないですよね。ただ、じゃ今おっしゃったような点も諸処あり、脱却したのかというと脱却したとは言い切れないわけですから、そういう状況にあると思っております。

問)3点伺いたいんですけれども、1問ずつよろしくお願いします。責任ある積極財政という言葉が先ほどから出ていますけれども、財政健全化の必要性について大臣どうお考えなのか、教えていただけますでしょうか。

答)総理もよくおっしゃっているように積極財政派、これはアベノミクスが始まったときからずっと研究会をやっているわけですが、財政規律が必要がないという議論をしたことは一度もないので、よく言われているのはプライマリーバランス論というのがありましたけれども、プライマリーバランスは補正予算編成前では今年度か来年度にプラマイゼロになるということも一部では言われているわけですが、ですから今やそこというよりは、ドーマーの定理じゃないですけれども、純債務の対GDP比がどのぐらいで推移するかというところを見て、総裁がよくおっしゃっているように、こういうふうに緩やかに引き下げていく形でちゃんと財政上の規律は維持するということをマーケットにも説明し、経済政策としても説明するということで論理的には十分なんじゃないかと。今や名目GDPって4%ぐらいありますよね、4%弱ぐらいあって、国債金利、今日の時点で1.65ですからね、ということを考えれば、それが1つの目安ではないですけれども、そういったことがあるということをずっと総裁の政策の中ではおっしゃっていたわけで、総理になられても同じような答弁をされていますから、そういうことで我々も動くのかなと思っております。

問)ドーマーの定理というのは、今金利上昇局面になっていて金利より成長率を高く保つということのハードルが上がっていくようにも思いますけれども、その辺りはいかがですか。

答)ハードルをどう見るかの問題はありますけれども、今そこに乖離があるわけですから、約4と、それから1.65で。発行されている国債全体の平均だともっと低いですから、そこをどう見るかというのは、それこそいろいろなやり方があるんですけれども、接近しているとか逆転しているという状況には全然ならないので、やはりある意味で国民に対する還元というのは可能な状況ではあるから、ただ、それが規律のなさに受け取られるようなことは私は全く望んでおりませんし、総理もそうでいらっしゃると思います。

問)自民党と維新の会の連立合意書で2年間限定の消費税減税について法制化につき検討を行うというふうにされました。大臣は消費税減税についてどう考えているのか、教えてください。

答)これは今回の自民と維新の本当にぎりぎりの合意の中で維新さんの方から持ってこられたお話ですが、一般論として手取りを増やすということが非常に重要だと総理もおっしゃっていますので、あらゆる可能性を否定するわけではないんですけれども、要するにその分、物価がちゃんと下がれば楽になってくる部分もあるのでしょうから、ただ、財源に充てられているという話は前から自民党はよくしているので、そう安易に扱われることではないとは思っておりますが、これも今回連立を結んだ維新さんとの非常に重要な合意でございますし、またその文章自体も非常にデリケートなものなので、今これ以上申し上げる状態にはないですけれども、その合意があるということは重く受け止めております。

問)最近インターネット上とか、今もデモを定期的にされていると思いますけれども、財務省を敵視するような、日本の停滞の原因が財務省にあるんだというような言説が結構あると思うんですけれども、なぜこの財務省がそこまで嫌われているというか、敵視されているとお考えでしょうか。

答)先ほど訓示というか、職員の皆様へのご挨拶でも申し上げたのですが、私は大蔵省でいろいろな仕事をやっていまして、住専担当室長もやっていました。住専って知っていますか。不良再建の端緒で、初めてあの年度では予算を修正せざるを得なかったほどの大問題で、大臣も辞めました。多くのことが起きましたが、要はこの建物の周りを街宣車が囲んだことがあるんですよね。いろいろな要因で大蔵省というのは極めてそういう矢面に立っているんだけど、外に出て20年になりますが、ザイム真理教だからということでデモが起きるということになるような対応、そのスタンスになってしまっているということは、私は早く辞めてしまいましたけれども、今の事務次官が私より5年下ですからね、今日もいろいろな方とお会いしましたけど、大先輩ですよ、いろいろなことがあり過ぎたので、やはり政と官の関係って難しいんですけれども、そういうスタンスにならない政策の持っていき方はあるのですよね。それは私は以前からそう思っておりましたが、それを数年下から10年下に教えることなく私は政治に出たし、恐らく私たちの同期の人たちもそこまでは余裕がなかったのかなと思うと大変残念です。今日も財務省のミッションの話をしたんですよね。麻生財務大臣のときにつくっていただいた非常にいいもので、それは未来への希望とか、将来につなげるとか、国に対する本当に見識あるスタンスということが財務省の仕事ぶりの中で重要な要素だと書いてあるわけですよ。そういうふうに持っていくことって可能なので、財政の帳尻を合わせることだけが究極目的なんじゃなくて、それは手段として出てくることはありますけれども、究極の目的はやはり成長する日本を将来に残すことで、夢や期待が残る国にならなくてはいけないということですよね。今、不安のほうが多いと言われているわけですから、そういう設計に政策性の方向や打ち出しを持っていくということをできていなかったのかなと、できるだけそういう方向に、同じ予算もつくるにしても、やっぱり物は言い方、持っていき方もありますからという部分は課題だったのかなと感じております。

問)大臣、今回ポストとして租税特別措置・補助金見直し担当大臣という珍しい役目のポストにも任命されました。租特については与野党内からガソリン暫定税率の廃止とか教育無償化の財源に使えるという指摘も多くありますが、大臣の租特に対しての認識というか、やっぱり効果がないものもあったり、役割を終えたものもあったりというふうに考えていらっしゃるのかどうか。またその上で、見直し担当大臣ということで見直していくスピードとかスケジュール感、何か考えていることがあれば教えてください。

答)これは私が担務をいただきましたときにも、あるいはその前に少し総理と電話でお話ししたときにも、非常に重要な私ども自民党と維新の会との連立合意ですね、この中で1つ目玉でございますから、あちらさんも、それは党の命運をかけてこの連立に飛び込んでくださったわけですからね、これを真剣に受け止めてきちっとやるということは非常に信義の点から重要なことであるし、また本来、分かりやすいのは補助金のほうですけれども、租税特別措置も歳出が立つわけですからというか、歳入源が立つわけですから、これが効果があったかなかったかとか、無駄であるのかないのかというのは、不断のチェックをするのはまさにこの役所の本来業務、本来業務でございますが、それは今、2000年以降は経済財政諮問会議がそうであるように内閣官房の方に立てて、その担当大臣を片山さつき財務大臣にしてと、そういうようなコンセプトが高市総理のお考えと今は理解しておりますが、これは相手さんがあることなので、慎重にかつ丁寧に進めなければいけませんので、現時点でそこまでが全部固まっているわけではないですけれども、私どもの真摯な姿勢はぜひご理解をいただきたいと思っております。

問)相手があるというのは、それを使っている企業という意味でしょうか。

答)いえ、入った原因が今般の自民党・維新の会の連立合意にも盛り込まれているということが大きいので、もちろん自民党の政調ともいろいろと打ち合わせは必要ですけれども、担務として下ろしてきているということは政府も動かなきゃいけないんですが、その上で首相補佐官が維新さんから出ておられますから、遠藤氏がね、我々も非常に意思疎通をしておりますが、そういった部分もあり、とにかくきめ細かくやらなきゃいけないしと考えております。

問)それは高校無償化とか授業料の無償化とか、それに暫定税率に活用していくという方向性とかについては、大臣はどのように考えて。

答)恐らく財源につきまして、今までのいろいろな合意に書いてあるわけですから、それも安定した財源って書いてあるわけですから、これを探していく努力の中で当然そういうものは浮かんでくるわけですが、現在においてこれがまだ、ガソリンの方の協議は今日もやっていただいているようですが、固まったわけではないんですが、もうこれは早急にと総理がおっしゃっている以上は、ガソリンの方はそう遠くない将来に何らかの結論を得てやるということだと思うんですけれども、こちらにつきましてはそういうこともありますが、ほかにもやはりつけるべきところには財政云々を言わずにがっちりつけて、実際に経済を大きくしていくと、危機管理投資と成長投資等でね、ということが総理の方針であって、これをやるということのためには別の分野においても当然、歳出歳入両面の改革が必要だから、ここは必ずしもそことだけの1対1対応ではないでしょうが、ただ、当面分かられているものとしては暫定税率のまずガソリンの1兆円と、それから今総務省の方でお考えの0.5兆円と、それからさらに維新の会の今度の本予算で対応ですか、約7,000億、これはよく見えているので、そういうお話をされる方もいますが、これに準備段階で必要だとか、いろいろなものが出てきますので、その総額がまだ固まったわけではないし、そういうことも全部含めてやるんだったら意味のあるものにしなきゃいけないので、今相談をしているというか、相談をし始めているという、こういう話ではないかと思います。

問)マーケット関連でお尋ねしたいんですけれども、足元で円安が進んでいますけれども、改めてこの円安について現状どういう評価をしているかということと、現状では為替介入の必要性はないとお考えなのかを確認させてください。それと金融行政の観点で1つお尋ねしたいんですが、これまで金融調査会長などを務めていらっしゃいましたのでお詳しいと思うんですけれども、今後銀行とか証券といった業界でどういうような課題を解決していきたいか。また大臣として力を入れていきたい業界改革などがあれば、この点も教えてください。

答)新政権発足前後からいろいろ高市トレードみたいなことが言われているのですが、大分落ち着いてきたように思いますが、この立場に座った者として、為替市場等の動向について具体的なコメントはいたしませんので、それは各記者さんよくご存じだと思いますが、市場に不測の影響が及ぼされることがないように慎重に発言をしておりますので、ご理解をいただきたいと思います。一般論として、円安ということになると、食料品など身近なものの価格上昇率が高い等いろいろなことが出てきます。国民や事業主の皆さんたちがその負担を強く実感されているという部分もあろうかと思います。だから、余計物価高対策を急がなければいけないということで、それ以上水準に対してのことは今、私が申し上げる状況ではありません。
 金融行政の問題ですけれども、本当に4年間長きにわたって金融調査会をさせていただいて、政府のほうには提言させていただいたものをほとんど全部受けていただいているわけでございまして、今地域の金融の問題ですとか、あるいは組織改編の問題も、これから機構定員要求に出ているわけですが、金融庁の、これはほとんど全て、金融調査会が責任を負っておりますので、それについては、私もこの地位についても全面的にエンドースするという立場なんですが、金融分野では貯蓄から投資へということを大分進めてきたわけですから、金融を通じて企業の価値が上がって、向上して、日本経済・地方経済が発展するということが目的なわけですよ。その上で今おっしゃったような金融各業態というと、メガ・地銀・第2地銀・信金・信組とありまして、今いろんな動きをしているわけですけれども、資産運用サービスというものも新たに位置づけてきたわけですし、アセットオーナーの機能向上とか、それからコーポレートガバナンス改革とか、市場制度の改革等は一定の効果を生んできたものだと思っております。それでさらに地域金融におきましてはいろんな動きが出ておりますが、人口が減少し少子高齢化が進む中で、地域経済とともに生き残らなきゃいけないと。まさに一心同体でございますから、今回高市政権においては、この地域金融力強化プランというのを非常に重視していきたいと、かように思っているわけでございます。
 金融機関の健全性の確保とか、それから時々不祥事が起きますから、いろんな業態でですね、それから金融犯罪につきましても、かなり今年前半はいろいろ取り組んできて、金融犯罪収益が何かおかしな形で使われているんじゃないかとか、今いろんな報道も出ておりますけれども、そういったこともやはり金融機関を通さないとできないことがあるわけですよね。犯罪に関わっている方々も、こういったことで、まさにもっときちんと不正防止の機能を果たして、強化して、それによって我が国の金融システムへの信認・信頼も、より確保されると、こういうことが非常によろしいんじゃないかと。特に今年前半ぐらいの動きを見ていると、そういう面も業態支援ということだけじゃなくて感じるところはございます。

問)森友事件の文書開示が今年の4月から継続して行われています。これについて加藤前大臣は、政府としてご遺族に約束したことだから政権が変わっても続くと確信しているし、そのように引き継いでいきますというふうに、この会見で述べました。この件について、片山新大臣は加藤前大臣からどのような引き継ぎを受けていますでしょうか。そして、その引き継ぎを受けた上で、これまでどおり開示を行う方針と考えてよろしいでしょうか。この点についてお聞きします。

答)先ほど、加藤前財務大臣はここの、大蔵省の私の3年先輩でございまして、もちろんこの森友学園事案を非常に重く受け止めておりますので、まさに前大臣がおっしゃったようにきちんと引き継がれておりますし、また事務方からもこれまでの時間で可能な限りですよ、まだ昨日と今日しかいないわけですから、私。その範囲ではできるだけの説明を受けているところでございます。その誠意をもって対処するのも当然ですし、開示につきましては本年4月以降2か月程度ごとに実施して、この10月の第4回開示まで5.4万ページ程度の文書があって、電子データのものを開示し始められていて、紙の文書は17万ページ超という話も大体聞きましたが、電子データ含めまだたくさんあるということですが、これは引き続きこれまでの方針を踏まえて、法令の規定にのっとりつつ、まさに説明責任もございますし、本当に痛ましいあってはならない事件だと思っておりますので、ご遺族の方のお気持ちにも寄り添ってきちんと真摯に取り組んでまいりたいと考えております。

問)片山大臣は安倍元首相のときにも大臣をお務めになっています。ちょうど森友事件が発覚して1年後ぐらいのときだったと思いますけれども、森友事件について片山大臣はどのようなご認識をお持ちでしょうか。

答)私は2018年の秋から2019年だったので、直接の所管でもありませんのであまり詳細な説明等を受ける立場にはなかったんですが、いずれにしても財務省の貴重な人材の方が、こういう形で命を断たれたということは本当に耐えがたいことでございまして、そういう感想はこの役所に身を置いたものとしては思っておりますが、それ以上の行政上の深い部分について担当したことがないので、申し上げられるほどのことは認識しておりません。

問)乗り物というか自動車の方面から2点、自賠責保険料の運用益の貸付金について、それと先ほどの暫定税率の財源についてお尋ねしたいと思います。先に暫定税率の財源のほうからなんですけれども、先ほどスピード感と確実性が非常に重要だということをおっしゃっていました。今までは財源が決まらないと暫定税率引下げ、なかなかできないというような状態だったと思います。暫定税率が50年前に始まるときには、取りあえず上げといて下げることを検討しようという形だったと思います。この逆ということがこれから起こり得るというようなことの理解でいいんでしょうか。取りあえず下げておいて検討するということもあるのでしょうか。

答)まず、この暫定税率、ガソリンの問題につきましては6党合意もありますし、ほかにも種々合意ができておりますので、その中でももちろん安定的な財源という話が明記されているか書いてあるわけですから、それなしに全体パッケージができるということではないと思いますが、総理がおっしゃっているのは、できるだけ早く物価が高いということにまつわる、今のみんなが直面している問題に対して和らげたい、できるだけ楽にしたいという、そういうための今回の物価高騰対策でございますから、そうだとすると初めのうちは補助金を使って、今はまだ残高もありますし、それは仮に補正をするということだったら大胆に追加することもできますので、まず暫定税率、ガソリンは約25円ですから、この約25円を石油・ガソリンスタンド協会、全国2万9,000店舗が実務的に下げられるペースで下げていって、年内にはそれが全部できるようにしたいと。それは実質的に先々税が下がるのであれば、そこに対する代替でございますから、それで税が下がったところではもうそれはそこでは要らなくなるという、こういうトランジションを、昨日もたしか総裁がそういうお答えをされていると思います。ですから、とにかくこの問題って我が党だけではなくて、野党さん各党もういろんな思いで、いろんなお話合いをしていて、今日もお話合いがあったように、局長から報告を受けておりますので、そういったところで行われている話合いを複雑化しないためにも今結ばれている、あるいは今出ているものの前提としてできるだけ早くということを昨日総裁が申し上げて、私も同じことを申し上げているという意味です。
 運用益の話は分かります、大変申し訳ございません。ちょっと今資料の持ち合わせが、運用益のことについての具体的な方向についてはないので、別途お答えさせていただければありがたいです。

問)昨日の加藤大臣の会見のときに、今左にあります個人国債の購入を促す個子ちゃんがいなかったんですけれども、これは片山大臣の指示で置くようになったのでしょうか。

答)皆様のご配慮だと思います。かわいいと思います。

問)2点お伺いさせてください。まず、先ほどのお言葉の中に、純債務残高を重視されるというような言葉があったと思うんですけれども。

答)ネット債務の名目GDP比ですね。

問)はい。債務残高対GDP比は今226%と高いと思うんですけれども、純債務残高という言葉を重視される意図について教えていただきたいのが1点と、あと先ほどおっしゃっていた10の方針の中で、金融システムの安定化に向けて、安定化と信頼確保を重視されるというお話があったと思うんですけれども、今金融界ではインサイダー取引であったり、保険業界では保険金の不正請求事案であったり、あと、いわき信組の不祥事などもあって、ここの金融行政の方針についてもう少し詳しく教えてください。

答)財政問題につきましては、自民党のほうでも財政の本部が2つあった時代には、今私も申し上げまして、記者さんからもご指摘のあった点で、すごく長く議論をしておりまして、格付機関も純債務を見ているのが今多いんですよね。だけれども、純債務といっても差し引いていいのかという議論をする人もいるし、資産のところが売れる、売れないの話もあるし、いや、でも今資産で持っているものは、金融の資産のほうが多いんだから結局はそれは引いてもいいんじゃないかという人もいて、ただ実際に純債務の対GDP比で結構見ているところが多いので、それでおけば確かに少ないですし、高市総理がよくお使いになる債務残高の統計、OECD系のものと、それからこの財務省が使っているものは、やっぱりちゃんと定義が違うので、パーセンテージも変わるんですけれども、重要なことはそういう複線的な議論ができること自体が重要だと私は思いますし、一昔前にはそれもなかったので、政治家も多少利口になったというか、役所のほうも柔軟になったというか、両方ですよね。当たり前といえば当たり前なんですけれども、そういう議論の結果で、純債務だけがと言うつもりはありませんが、これを見ているところは多いということは申し上げてもいいかなというふうに思っております。
 それから金融機関の不祥事案につきましては、まさに各々に不祥事案というのは別の理由があるわけですけれども、確かに一定のことが起きておりますし、金融調査会長のときに記憶しておりますところ、ビッグモーターですよね、これはずっと損保さんのほうからのお金では、車を修理する側がとても合わない問題というのが長いことあって、要望が長いこと出ていて、そういったことがあったときに、ゴルフボールをぶつけちゃったとかね、そんな話が。これは金融機関ではないんだけれども、金融機関の方が出向していたのか密接な関係があったのかいろいろありますが、これは国交省がかなり中に入ってやりましたけれども、あらゆる極めて多様な不祥事が起きるんですけれども、これは日本において特段、非常に多いということよりは、金融業が高度化し、あるいは金融業がいろんな声を上げて返還していくときにどこの国でも起きているなというふうに、1982年からここにいる者としては感じます。ですから、問題は組織やチェック体制自身がコンプライアンスに適したようになっているかどうかということで、それはもう絶え間なく見直していかなければならないと思います。要するに、早期発見・早期是正、ワーニングということは非常に重要だと思っておりまして、そうじゃないと、これから特に貯蓄から投資へと言っているわけですし、よりリスクが高まっていくということになると、金融サービスが利用をしていただけるようなものであるために、金融庁より頑張って、そこを維持する立場の行政ができていると思わないといけないので、金融教育のみならず金融庁の金融行政の信任というのも高めていきたいというふうに思っております。

問)総理指示にもあった給付付き税額控除の関係で伺いたいんですが、大臣のお考えとして、議論の方向性と今後のスケジュール感についてどうなっているのかというのを確認させてください。

答)給付付き税額控除は、総理が2021年に初めて総裁選にチャレンジしたときから項目として入っておりますが、これはご承知のように消費税の痛みを和らげるために、そういったものを挙げてきた政党もおありになりますし、各政党各々いろいろ回答しておられて、今回も我が党だけの問題ではなくて、やはり中低所得者のところで非常に負担が重くなっていると、これは税だけではなくて社会保障、社会保険料もですね。こういったことに対して効果のある対応ができるのではないかと一般論としては言われているのですが、これをどのように設計するか、これが大変なわけですよ。どのように認定するかも大変なんですけどね。日本の場合は口座へのマイナンバーの強制付与もないですから、正確に早くするということができるのかできないかも含めて、長年いい制度なんだけれども、できるのということがあったんですが、これをちゃんとできるようにやろうというふうに踏み切ってお約束をするというところに非常に意味があるので、まだ設計についてはこれは相当ありますよ、ご意見の差もありましょうし、それもいろんな合意にも入っておりますから私どものほうで前倒しに、ああだこうだということを言えるわけでもないですし、税と社会保障一体改革となると、担当大臣としては当然私はもちろん入りますが、厚労の上野大臣とか数人入りますから、その辺がまだ一致しているところまでは到底いっていないですから、ただ、でも真剣に議論を始めることになった以上は、きっちりと取り組んでまいりたいと思っております。

(以上)