【質疑応答】
問)自民党総裁選に関して政府・閣僚の立場からご回答いただければと存じます。各候補者が消費税減税やガソリン税の暫定税率の廃止などに言及しており、物価高対策の一環として党員を含む国民の関心が高まっていると思います。改めて政府として消費税減税やガソリン税の暫定税率廃止に対する立場とご見解をご説明お願いします。またその上で政府として総裁選を通じてこれらに関してどのような議論が行われることを期待するか、大臣のご所感をお願いします。
答)総裁選でこれからも候補者の方々等がいろいろなご発言をされると思いますが、1つ1つについて政府としてコメントするのは控えているところでありますけれども、まず物価高対応については物価上昇を上回る賃上げに向けて、賃上げこそ成長戦略の要との考えのもと、日本全体で賃上げが可能となる環境をつくっていくことが基本と考えております。これまでもそうした対応を図ってきたところであります。また、消費税については急速な高齢化に伴い社会保障給付費が大きく増加する中において全世代型社会保障制度、これを支える重要な財源と位置づけております。これはこれまでも申し上げておりますが、消費税減税に関しては、それを変更しようとした場合にはシステムの改修等相当な準備期間が必要であるということ、また、高所得者や高額消費も含めた負担軽減がなされることをどう考えるのかといった課題があるということは申し上げているところであります。そうした点を踏まえ、政府として軽減税率を含め、その税率を引き下げることは適当でないと申し上げてまいりました。またガソリンの暫定税率については与野党合意を踏まえて与野党間で協議がなされているものと承知をしています。廃止に当たってはインフラ整備や維持管理費の負担の在り方、また安定的な財源の確保、円滑な施行を実現するための具体的な方法などの諸課題を解決する必要があると考えております。こうした課題については総裁選での議論もあると思いますが、一方で引き続き与野党協議の中でも議論されていくものだと承知をしておりますので、政府としては政党間のご議論の結果を踏まえ、適切に対応していきたいと考えております。
問)財務省に関係のない質問で恐縮ですが、先ほど小泉大臣が閣議後会見で加藤大臣に選対本部長をお受けいただいて力強く心強く思っているというご発言がありました。改めて事実関係と、ご自身も出馬される選択肢があった中でなぜ受けられたのか、意気込みなどあればお考えをお聞かせください。
答)先週のぶら下がりの会見で総裁選挙に関してお聞きいただいたと思います。そのときにも、参議院選挙を踏まえて自民党、あるいは公明党が衆参ともに少数という状況の中で、党として何をやっていけばいいのか、またその中で私自身どういう役割を果たすべきかについて熟慮したいということを申し上げたところでございます。そうした熟慮の中で、やはり今党として一体となって取り組んでいくという必要性ということも考えて、私自身は今回は応援団という立場でこの総裁選に当たっていきたいと決めたということであります。その上で小泉大臣というか、候補予定者ですかね、まだ正式に出馬表明されているわけではないと思いますけれども、いろいろお話をいただいたところでございます。私としては前回の総裁選挙で私自身が主張してきたこと、所得を倍増すべきだとか、あるいは選択的夫婦別姓制度に対する考え方を申し上げてまいりました。またこの間、財務大臣としても仕事に取り組んでまいりました。そうしたことを踏まえて誰を応援するかということを最終的には判断していきたいと考えたところであります。そして最終的に先ほど小泉大臣の記者会見でお話があったように、具体的な申し出が小泉大臣からお話がございましたので、私の方からも小泉大臣がお出になるのであれば応援させていただくということを申し上げたということであります。
問)日経平均株価が今日午前中に初めて4万5,000円台をつけまして、押上げ要因はいろいろあると思うんですけれども、株価は景気の先行指標とも言われています。経済官庁の大臣としてのご所感をお願いします。
答)先ほど見たら、4万5,000円を切っていたという水準だったと認識をしています。株価自体は今お話がありました内外の経済状況、また企業の活動等々、様々な要因で結果的には当然市場において決まるものでありますので、それについてその背景や要因等を政府としてコメントするというのは従前から差し控えさせていただいているところでありますが、私共としては経済・金融市場、この動向はしっかりと注視しているところであります。引き続き株価も含めて経済・金融市場の動向についてはよく注視し、また、日本銀行や関係省庁との連携をしっかり図っていきたいと考えています。
問)改めての質問ですが、先週12日の金曜日のG7の財務相会合について、大臣はぶら下がり会見の時点では、各国の発言の詳細についてはコメントを控えるとおっしゃっていましたが、その後、米国側がベッセント財務長官とグリアUSTR代表のジョイントステートメントという形でG7各国にロシア産の原油を購入する国に関税を課すように要請したと、そういったことを明らかにしました。いわゆる二次関税を中国やインドに課すことに対して日本としてどう対応するのか、実際に関税を課すとなると法的な整備も必要となります。また、日本にとって最大の輸入相手国である中国に対して高関税を課すということが現実的なのかどうか、こういったことも含めて今後の検討の方向性について伺えないでしょうか。
答) まず、12日に行いましたG7の財務大臣電話会談では、まさに全体のトーンはカナダが公表されているとおりでありますし、アメリカはアメリカ側からお話になったことをお出しになっているものと承知をしていますが、ロシアへの圧力を高めるため幅広い経済措置について議論がなされたところでございますし、そのとき申し上げたように今後については事務局の中で事務レベルで協議を深めながら必要に応じて、また大臣間でも議論を行っていこうという流れになったものと承知をしています。その上で、ぶら下がり会見でも申し上げましたが、今日のウクライナは明日の東アジアかもしれないとの危機感のもと、ウクライナの平和の実現に向けてロシアに対する圧力の強化についてどのような措置が最も効果的かについて日本としても当然十分に検討し、G7で協力していくことが重要という認識であります。その上で、重関税というか、50%というような関税を課するという話でありますけれども、我が国は他の加盟国がWTO協定上の義務を遵守している限りにおいてWTO協定において譲許した水準を超える関税を課さず平等に扱うということをこれまでも約束をしているわけであります。このため特定の国がロシア産原油を輸入しているということのみを根拠として関税率を例えば50%とか、そういった水準に課すということは困難だと考えておりますが、冒頭申し上げたように、一方で日本としてロシアのウクライナに対する対応、これをどういう形で止めていくことができるのか、そのための圧力の強化に向けてどういう方策が効果的か、これについては日本としても検討してG7諸国とも連携を図っていきたいと考えています。
問)総裁選について改めてお伺いしますが、現在立候補を表明されている方が複数いる中で小泉氏を支持した理由についてもう少し詳しくご説明いただけますでしょうか。
答)これは大臣の記者会見なので、あまり詳しく説明する場なのかどうかというのはありますが、ご質問なので、現時点で明確に出馬表明されたのは茂木さんのみと認識をしておりますが、小泉さんを含めて4人の方が意向を示されておられるという状況だと認識をしています。それぞれ私もよく存じております。これまでも政治的経験を有し、またその間でそれぞれそうした成果を出してこられた方ばかりだと認識をしています。その中で、この人じゃなくてこの人だというのはなかなか難しいところでありますが、基本的な考え方は先ほど申し上げたように私自身がこれまでの総裁選などについて申し上げてきたこと、またこの間財務大臣として取り組んできたこと、こうしたことも踏まえながら判断をさせていただいたということであります。
問)2点伺います。前段で今回は出馬を見送って応援する側に回ろうと思われた経緯の部分をもう少し詳しく教えていただきたいということと、小泉さん側から選対本部長の打診というのはいつどういう形だったか、言える範囲で教えていただけますでしょうか。
答)前半でありますけれども、冒頭に今回のことを申し上げました。1年前と今回とは自民党を取り巻く環境が変わってきており、前回は自民党自体が衆参ともに過半数を超えていました。そういう中でこれから担ういろいろな思いをそこでそれぞれが発信していくということが自民党の党勢拡大にもつながっていくという認識もあり、私自身もそういった中で立候補させていただきました。ただ、今回は今置かれている状況の中で自民党がまとまりながら、そして他党との協力も得て、そして政策を前に進めていかなければならないという状況が変化する中で、自分がどういう役割を果たすべきかということも熟慮し、そして結論として先ほど申し上げたように今回は私自身は応援団ということで自分の役割を果たしていきたいと、こうした結論に至ったということであります。あと、小泉候補予定者からどこでどうあったかというのは、詳細については控えさせていただきたいと思いますが、事前にお話があって、というよりもむしろ私の立場としては今申し上げたような判断の中で小泉候補を応援させていただきますということを申し上げたということであります。
問)応援することに決めた小泉候補への期待感、この方のどういう部分に期待できるから応援しようと思った、その部分を教えていただけますか。
答)私自身がこれまで総裁選等を通じて申し上げてきたことと、そして財務大臣として今までやらせてきていただいたこと、そうしたことを踏まえていろいろお話をさせていただいて、それでは、という中で応援をさせていただこうと私自身が決意をしたということであります。
(以上)