【冒頭発言】
中身でありますが、まず財務省でありますが、奥国税庁長官は勇退され、後任には江島内閣官房内閣審議官を就任、また窪田理財局長も勇退され、後任には井口沖縄振興開発金融公庫副理事長を就任、土谷国際局長も勇退され、後任には緖方国際局次長を就任、さらに小宮財務総合政策研究所長も勇退され、後任には木村秀美大阪国税局長を就任、最後に高村関税局長は内閣官房に出向され、後任には寺岡総括審議官を、総括審議官の後任には前田主計局次長をそれぞれ就任されることとしており、新川事務次官、三村財務官、坂本官房長、宇波主計局長、青木主税局長は留任となっております。
次に金融庁幹部でありますけれども、井藤長官はこのたび勇退され、後任には伊藤監督局長を、監督局長の後任には石田総括審議官を、総括審議官の後任には柳瀬総合政策局担当審議官を就任、また有泉金融国際審議官は勇退され、後任には三好国際総括官を、その後任には尾﨑監督局担当審議官を就任、屋敷総合政策局長も勇退され、後任には堀本政策立案総括審議官を、その後任の総合政策課担当には岡田監督局担当参事官を政策立案総括官として就任、油布企画市場局長はこのたび勇退され、後任には井上証券取引等監視委員会事務局長を、その後任には齋藤預金保険機構金融再生部長を就任となっているところであります。
今回の人事異動における女性の登用でありますけれども、財務省では大蔵省時代から通じて初めて、局長級ポストである財務総合政策研究所長に女性職員を登用するほか、総務課長級の人事においても大関由美子関税局関税課長を初めて本省の局の総務課長に登用、また金融庁では証券取引等監視委員会事務局次長に造幣局監事であった木股英子を登用、また金融庁採用1期生の八木瑞枝を女性として初めて秘書課長に登用、このように能力に応じた女性職員の登用も着実に進めることとしております。
【質疑応答】
問)まずは中東情勢に関連してなのですけれども、新たにアメリカのトランプ大統領がイスラエルとイランが完全に停戦することで合意したというような発信をしていますけれども、こういった状況をどのように見ていらっしゃいますでしょうか。
また、引き続き中東情勢による影響、マーケットを含めての影響ですとか、エネルギーの安定供給への影響というところも懸念されていますけれども、ガソリン補助金の上乗せという話も出ていますが、どのような対応を考えていらっしゃいますでしょうか。
答)まず日本時間の本日午前7時過ぎ、米国のトランプ大統領がSNSでイスラエルとイランが完全かつ全面的に停戦することで同意した旨を投稿されたということは承知しています。こうした情報、情勢も含めて、金融市場の動向についてコメントするということは不測の影響を及ぼしかねないので従来から差し控えさせていただいておりますが、今後の事態の推移、また国内外の経済、金融市場、原油市場等への影響について、引き続き高い緊張感を持って注視をしていきたいと考えています。
その上で、政府としては先週19日に公表したとおり、中東情勢の混乱が長引き、石油製品価格の急激な上昇が継続する場合に備えて、ガソリン等については現在の定額引下げ措置に加え、小売価格が現在の水準、つまり全国平均で175円程度から上昇しないことを目指し、今週6月26日から追加措置を開始することとしています。
我が国としては、事態が早期に沈静化することが極めて重要と考えており、国際社会とも連携し、我が国として必要なあらゆる外交的努力を引き続き行っていく、このような方針で臨んでまいります。
問)国債の発行計画に関連して伺います。財務省は7月以降の国債発行計画を変更して、超長期を減額する一方で2年以下を増額するということに変更されました。
年度が始まって3か月での変更ということで異例かと思いますけれども、この計画変更が必要と判断した理由について教えてください。
答)まず本年4月以降、中長期の国債については概ね堅調な需要が確認できる一方、超長期の国債について、他の年限に比して大きく金利上昇する動きが見られました。背景については、現下の金融環境における投資家の動向、また我が国の財政を取り巻く状況の反映などが、市場関係者から指摘をされているところでございます。
こうした状況の下で市場のニーズを踏まえ、昨日6月23日、令和7年度国債発行計画について、7月より直ちに40年債・30年債・20年債を減額するとともに、減額分については2年債・短期国債の増額及び個人向け販売分の上振れ実績の反映などにより対応する等の変更を加えたところであります。
引き続き、国債市場の状況、投資家の動向などを注視しながら、市場とも丁寧な対話を行って適切な国債管理政策を行ってまいります。
問)冒頭発表してくださいました人事についてお伺いしたいのですが、発表内容によりますと、事務次官、官房長、主税局長、主計局長はご留任とのことで、このような言い方が適切かは分かりませんが、骨格は変えない人事かというように受け止めました。
今回の人事の狙いにつきまして、大臣のお考えをお聞かせください。
答)まず財務省、また金融庁に求められているものが何かということであります。
財務省においては、まさにこれまで申し上げておりますように、市場や国際社会における中長期的な財政の持続可能性の信認を確保する中で、経済の再生と財政の健全化を図っていく、また、国際協調の枠組みの中で主要国の議論をしっかりとリードしていく、こういったことが求められており、そうしたことも踏まえて、これまでの実績、また能力を照らして、適材適所の観点からそれぞれのポストにふさわしい人材を配置したところであります。
また、金融庁に関して申し上げますと、米国における関税措置の影響等、国内外の金融セクター・市場の動向を注視し、まずは金融システムの安定を図ること、また資産運用立国の実現に向けた取組を着実に実施すること、AIや暗号資産など新しい技術を活用した金融サービスの変革への対応を図っていくこと、さらには先般から申し上げておりますけれども、地域が持続的に発展するため、地域金融力強化プランを策定し強力に推進すること、こういったことを進めていくに当たって、財務省と同様でありますけれども、これまでの実績・能力を照らして、それぞれふさわしい方にポストに就いていただいたということであります。
問)同じく財務省の幹部人事で、三村財務官についてお尋ねします。三村財務官、日米の関税交渉の中でも、事務方の中で中心的な役割を果たしてきた部分もあるかと思います。改めて三村財務官の留任、もしくは今後三村財務官に期待するところなどがあれば教えてください。
答)まさに今回、三村財務官をはじめ幹部の留任ということもございます。それも先程申し上げた、財務省の役割としてこれから期待されていくこと、そういったところを踏まえて、それぞれの留任ないし新たな形でそれぞれ就任をしていただいたということでございます。
三村財務官におかれても、この間、私とベッセント長官との為替、また赤澤大臣が行かれている日米の貿易協議等にも参加をさせていただいているところでございまして、そういったこれまでの取組、そして現下の状況等も踏まえて、今回引き続き財務官の職をお願いしたということであります。
問)人事の話が続いて恐縮ですけれども、金融庁に新しく就任される伊藤長官に期待すること、どのような経歴が現在の、先程も幹部人事全体では米関税措置等のことをおっしゃいましたけれども、この長官人事に関して期待するもの、目指すものについてお願いします。
答)基本は先程申し上げたことに尽きるわけでありますけれども、まさにそうした金融庁がこれから、あるいは現行において求められる役割を、まさにリーダーシップを持って遂行していただく、その任をしっかり果たしていただけるものということで、今回伊藤新長官にご就任いただいたということであります。
問)金融庁の人事に関してなのですけれども、現任の井藤長官についてお伺いしたいのですけれども、今年、2024年からの任期1年間となりましたが、現任されている井藤英樹長官について評価をお伺いしたいです。
答)今回退任される井藤長官におかれては、まさにこの間、大変いろいろと難しい状況の中で、先程申し上げた金融システムの安定をはじめとして、そうしたものにまさに金融庁をしっかりとリードして、長官としての役割をしっかり果たしてきていただいたというように思っております。
問)人事に関してなのですけれども、女性の積極登用というお話がありました。加藤大臣はかねてから女性の登用ということについては問題意識をお持ちだったと思うのですけれども、民間企業ですとかほかの省庁に比べますと初の局長級で、女性登用というのは少し遅れているようにも思いますけれども、この辺の課題感、それから今後に向けて加藤大臣はどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
答)やはり日本の組織の中で、財務省もまさに、あるいは金融庁もそうでありますけれども、すごく出入りがあってというわけではなくて、今だんだんそのような交流も進めておりますけれども、入省された方がそれぞれ経験を踏まえながら一つ一つのポストを経験されていく、そうした流れの中で、女性登用を積極的に図っていくためには、まずは入り口であります女性の採用数を広げていくということで、現下でもそういった形で積極的な採用がなされているものと承知をしております。
そして、その後の登用していく中においても、育児等々のいろいろなこともあって、その辺もしっかり踏まえながら、どのようにキャリアパスを積んでいただけるのか、そういった意味で今回もまず課長クラスを広げていく。そして、それを経験した方が次にステップしていただくという意味においては、まずは課長クラスを増やしていくという意味で、今回の人事の中でも課長級ポストに登用された女性職員の割合は財務省本省、金融庁と含めて、初めて10%を超えるということを今目指して今進めているところであります。
まだそれでも世の中的には遅いということになろうかと思いますけれども、やはりそういったことを、一つ一つの経験も踏まえながら進めていき、そしてその方が就いたときに、十二分に力を発揮していただくという意味からも、そうした地道な努力を進めていく必要があるというように思っています。
問)防衛費についてお聞かせください。アメリカの国防総省報道官がGDP比5%の増額の考えを示しております。日本は27年度までに2%の引上げを目指して今計画をしているところだと思いますが、財政の負担の点を考えれば重いのかなと思っております。大臣のお考えを教えてください。
答)防衛力強化については、先般も石破総理が発言されていたことに尽きるのだろうと思いますけれども、まずは必要とされる防衛力の中身を一つ一つ積み上げて、そしてそれを具体的に実行していくということが重要だと考えています。
現在、国家安全保障戦略等に基づき、2027年度において防衛力の抜本的強化とそれを補完する取組を進めておりまして、そのための予算水準がGDPの2%に達するよう所要の措置を講じることとされていますので、この方針に沿って主体的に防衛力の抜本的な強化を進める必要があると考えております。
財政当局としても、政府の方針に則って適切な対応を図っていきたいと考えています。
(以上)