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加藤財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(令和7年6月6日(金曜日))

【質疑応答】

問)株主総会のシーズンが迫っているということで、有価証券報告書の開示動向についてお伺いします。
 大臣は3月に、全上場会社に対して総会前の有価証券報告書の開示を要請されました。これを受けて、今年は多くの会社が総会前の開示を予定しています。ただ、望ましいとされる3週間前を予定する会社は1社のみで、これは実際昨日開示されたわけですけれども、開示の前倒しは負担が大きいということで大半は1日前や2日前を目がけて準備しているところです。
 総会の前日に開示されても議決権行使に影響があるとは考えにくいところではあるのですけれども、企業のこうした動きを大臣はどのように評価されていますでしょうか。

答)先般の3月に要請した際にも申し上げましたけれども、株主総会前の適切な情報提供の在り方については、投資家が意思決定に有用な情報を理解した上で株主総会に臨めるよう、有価証券報告書は本来、株主総会の3週間以上前に開示されることが望ましいと考えておりますが、他方で、多くの上場会社が直ちにこうした対応を行うことには、実務上の課題もあるということを承知しております。
 その上で、足元では9割以上の企業が株主総会の同日、または終わった後の数日以内に有価証券報告書を提示していることを踏まえて、有価証券報告書を総会前の望ましい時期に開示する取組を進める第一歩として、今年は、まずは有価証券報告書の株主総会の前日ないし数日前の開示を検討していただきたいということを要請したところであります。今般、その要請を踏まえて、多くの企業で実際に有価証券報告書を株主総会の前に開示する動きが広がりつつあることは歓迎したいと考えております。
 金融庁としては、今後とも、株主総会前における投資家に対する適切な情報提供を進める観点から、上場企業の取組が一層進展するよう、企業が抱える課題、3週間以上前に開示を行うに当たって指摘をされている課題も踏まえつつ、引き続き関係省庁とも連携して必要な環境整備を図り、最終的には3週間以上前に開示される、こうした状況をつくり出していきたいというように考えています。

問)昨日発表の米財務省の外為政策報告書で、日銀の金融引締めは継続すべきで、それが円安の正常化と貿易収支のリバランスにつながるというような記述がありましたが、この点についてご見解いただけますでしょうか。

答)まず、米国を含めて他国政府の見解について立ち入ったコメントは差し控えたいと思いますし、また金融政策の具体的な手法は、我が国においては日銀に委ねております。それを踏まえて、そうしたことに対する言及は控えたいと思います。
 他方で、年金等についての言及があったと思います。これはある意味ではそれぞれが目的を持って運用されているということであって、その目的を遂行するための運用を図っていくということは当然のことだと思います。

問)超長期債への入札についてお伺いしたいのですけれども、昨日30年債の入札があって、先週40年債の入札もありましたけれども、いずれも応札の倍率が弱い結果で終わり、マーケットの間では財務省が発行計画を見直すのではないかとの思惑も広がっておりますが、現在の超長期金利の上昇についてどのようにお考えか、大臣のご見解をお願いします。

答)前から申し上げていますように、国債の金利、市場の金利もそうでありますが、様々な要因によって決定されるところでありますので、国債の今回の入札結果も、各市場参加者がそれぞれの相場観というのでしょうか、そういったものに基づいて応札した結果と考えており、金利の動向や入札結果へのコメントは差し控えております。
 他方で4月以降、超長期金利が他の年限に比して大きく上昇する動きは見られております。これについてはこれまでも申し上げておりますが、現下の金融環境における投資家の動向や、我が国の財政を取り巻く状況などを反映しているのではないかといった市場関係者からの見方があるものと承知をしています。
 これまで国債の安定消化そのものに支障が生じているわけではありませんが、そうした状況もよく踏まえながら、引き続き市場参加者との丁寧な対話を行いながら適切な国債管理政策、これに努めていきたいと考えています。

(以上)