【質疑応答】
問)赤澤経済再生大臣が訪米し、トランプ大統領と面会して日米関税交渉が始まりました。
1回目の交渉を終えた大臣の所感を伺うとともに、来週には為替分野に関して財務長官と会談する方向で調整が進んでいるかと思いますが、開催日程や交渉のポイントをどのように考えているか、併せてお伺いします。
答)現地時間の16日、赤澤大臣が米国を訪問し、ベッセント財務長官、ラトニック商務長官、グリア通商代表との米国の関税に関する日米協議を実施し、トランプ大統領に対しての表敬を行ったと承知をしています。
その上で、協議の場では大臣から関税措置は極めて遺憾と述べ、我が国の産業や日米両国における投資・雇用の拡大に与える影響等について、我が国の考え方を説明した上で、米国による一連の関税措置の見直しを強く申し入れたと承知をしております。協議の結果、日米間で双方が率直かつ建設的な姿勢で協議に臨み、可能な限り早期に合意し、首脳間で発表できるよう目指すこと、次回の協議を今月中に実施すべく日程調整をすること、閣僚レベルに加え、事務レベルでの協議も継続する、この3点について一致したということでありますから、今回の協議を踏まえて、引き続き政府一丸となって最優先かつ全力でこの問題に対応していきたいと思っております。
なお、私自身、来週米国ワシントンD.C.にて開催される世銀・IMF春会合に出席する方向で最終調整を進めております。現地では米国を含め二国間会議を引き続き調整中という状況でありますが、そうした前提の上で、日米間での為替の課題については、私とベッセント財務長官の間で緊密に協議していくことを確認しているところでありますので、訪米時においてもそうした機会があれば、むしろ機会を模索しているわけでありますが、その機会を活用して同長官と議論する可能性を念頭に置いているところであります。
問)ベッセント財務長官との会談が実現した場合、為替について議論になると思います。その際、これまで日米間で共有している、為替はファンダメンタルズを反映して安定的に推移するのが望ましい、それから、為替の過度な変動、無秩序な動きが経済に悪影響を与え得ると、このような認識は既にあると思うのですけれども、今回これを超えて何か大臣の方からベッセント長官と共有したいことなど、そういったものがあれば教えていただけますか。
答)為替に関していろいろなことを申し上げるのは、従前から申し上げておりますように、市場に憶測を招き、為替市場に不測の影響を及ぼすおそれがあるということで、それに対して申し上げるのは差し控えさせていただいているところでございますが、今お話しされていた原則を踏まえた上で、日米間で緊密な連携を図るという思いで協議を進めていきたいと考えています。
問)超長期債についてお伺いしたいのですけれども、足元少し落ち着き見えてきたのですが、新発の20年債、30年債の利回りが上昇基調に今もありまして、今後も少しボラティリティが高い状態が続くのかなと思われます。安定的な国債発行、そして消化の観点、そして財政への圧力の観点から何か懸念はないかお聞かせください。
答)広い意味での市場の動向について一つひとつ分析するというのはなかなか難しいですし、またこれまでもコメントは避けてきたところでございますけれども、ご指摘の財政面ということについて、市場関係者の見方という言い方をさせていただくと、現下の我が国の財政状況、あるいはそれを取り巻く環境、そういったものを映じているのではないかという見方があることは承知していますが、いずれにしても、引き続き我が国の国債発行の安定的な消化、その前提としての市場の信認をしっかり得るべく、引き続き経済の再生を図りながら、同時に財政の健全化を目指すという、この方向で取り組んでいきたいと考えています。
問)赤澤大臣の交渉で、トランプ大統領が米軍の駐留経費についても言及した模様ですけれども、それについて財務大臣としてどのようにお考えなのか、教えていただけますか。
答)どのような話がそこで行われたか承知をしておりませんから、それについてコメントすることは差し控えたいと思いますが、米軍の駐留経費に関しては、これまでも我が国の考え方は説明させていただいていると承知をしておりますので、引き続き我が国がどのような形でこれに取り組んできたのか、取り組んでいるのか、こうしたことをしっかり説明していくことがまず大事ではないかというように思います。
問)来週21日から靖国神社の春の例大祭が始まりますけれども、大臣は参拝される予定なのか、また供物などを奉納する予定があるのか、教えていただけますでしょうか。
答)これまでも私自身も参拝させていただいたことがありますが、あくまでも私的という立場で行かせていただいていますので、この場でコメントするのは差し控えさせていただいています。
(以上)