【質疑応答】
問)アメリカ大統領のトランプ氏就任についてお伺いします。
トランプ氏が本日、米大統領に就任しました。
就任演説では関税などの強化に向けて、外国歳入庁を設立する方針を示し、先程、来月からメキシコやカナダに25%の課税を課す可能性も示唆しました。
日本への対応はまだ見えていませんが、就任演説やトランプ政権の初動に対する大臣の受け止めと、日本経済への影響をどう見られているか、教えてください。
答)まずは先般、トランプ大統領が正式に大統領としてご就任されたことに対して心から祝意を表したいと思います。
米国の新政権とは、経済関係を含めて日米関係の発展、そして深化、これを図っていく、また図っていくことを期待しているところであります。
昨夜の就任演説においては、今ご指摘の点を含め、米国の労働者と家族を守るための貿易システムの改革に着手し、関税等の徴収を行う外国歳入庁の設立をすること、インフレ対策の観点から国家エネルギー緊急事態を宣言し、石油等の採鉱を進めてエネルギー価格を引き下げることなど、様々な政策の方向性は示されたものと承知をしております。
今後、その中身が具体的に明らかになっていくというように思いますし、あるいは、そこでさらに追加されていく政策もあろうかと思います。
そうした中身をしっかりと精査した上で、日本としては適切に対応していきたいというのが現時点での姿勢、我々の言いうるところであります。
いずれにしても、従前から申し上げておりますけれども、米国は、わが国最大の輸出相手国であり、投資先国でもあります。
したがって、米国の今回の新大統領の政策などの影響が、貿易や金融市場といった様々なルートを通じてどのように生じてくるのか、これをしっかり注視するとともに、冒頭申し上げましたように、日米経済関係のさらなる深化・発展を図るための協力を進めるべく、新政権とも様々なレベルで緊密な意思疎通を図っていきたいと考えています。
問)今の質問の補足なのですけれども、具体的にメキシコとカナダについては2月1日からスタートと、大統領自身表明されたように報道されておりますが、これについてのわが国自動車産業への影響の有無、受け止めがもし可能であればお願いいたします。
2つ目は、日本銀行の政策決定会合が今週ありますけれども、この一連のトランプ新大統領の打ち出された政策の方向性と、その後の金融市場の動きを見て、これは日本銀行にとって前向きな、サポーティブな材料になるのか、逆に、大臣としてこれから待ったをかけるような緊急事態という感じになるのか、その受け止めをお願いいたします。
答)まず一連のトランプ政権の政策、今言われた関税の政策が、わが国にどのような、あるいは、我が国の企業に対してどのように影響するのかという話であります。
この点について報道は承知していますけれども、具体の話はこれからだというように思っておりますので、現時点でその影響等を予断を持って申し上げることはできないところであります。しかし、先程も申し上げましたように、引き続きそうした政策というものが世界経済に与える影響、そしてひいては日本経済、日本企業に与える影響、これについては高い関心を持って注視していきたいというように思っております。
それから日銀の関係でありますけれども、従前から申し上げておりますように、具体的な手法については日銀に委ねられておりますので、今言われた様々な大統領の発言等、あるいはアメリカの対応、そうしたことも含めて、日銀には、2%物価安定目標の持続的・安定的な実現に向けて、適切な金融政策の運営がなされること、このことを期待しています。
問)トランプ政権について関連でお伺いさせてください。
トランプ政権は、公表された政策上の優先事項の中で、国際的な税制改革の取組から離脱する方針を明らかにしました。
グローバル企業に対する新ルール、デジタル課税などが念頭にあると見られますが、各国独自のDSTなどが乱発されますと、日本企業の税務コストが増すなどの懸念もありますが、その点について大臣のお考えと、今後の対応方針についてお伺いさせてください。
答)先程から申し上げていますように、具体的な話が見えてこないと、予断を持って申し上げることはできない、難しいというように思っております。いずれにしてもわが国として、例えば、国際課税の話であれば、アメリカを含めたそれぞれの各国との協議をこれまでも進めてきているわけでありますし、引き続きそうした議論を進めていくということであります。
また米国において、どういった措置が具体的にとられていくのか、そこはしっかり注視をして、また必要があれば、日本として対応をとっていくということであります。
問)日経新聞の報道で、金融庁がトヨタ自動車の直営販売会社のトヨタモビリティ東京と、中古車販売大手のグッドスピードに対して、保険業法に基づく業務改善命令を近く出す方針を固めたという報道がありました。これについて事実関係等、コメント等ありましたらお願いします。
答)いずれにしても、報道も近く出す方針ということでありまして、決定云々という話をされているわけではないと承知をしておりますし、そうしたプロセスも含めて、個々の事案について、政府としてこれまでもコメントは控えさせていただいたところであります。
ただ一般論として申し上げますと、まず損害保険業界においては、保険金不正請求などに関連し、一昨年以降複数の問題事案が発生していること、これは甚だ遺憾なことであります。
金融庁では、重大な問題が認められた損害保険会社や保険代理店に対しては、法令に基づき、これまでも厳正に対処してまいりました。引き続き、一連の保険金不正請求事案などについては、保険契約者等の保護を図る観点から、保険代理店や損害保険会社に対し、保険業法に基づく報告徴求、立入検査を含め、しっかりと対応するとともに、判明した事実に応じて厳正な対処を図っていきたいというように考えています。
問)加藤先生は、厚労大臣の長いご経験があるので伺いたいのですが、トランプ新大統領によるWHO脱退表明ですね、これについてのご所見を、可能であればお願いいたします。
答)個々の政策についてコメントするのは控えたいと思いますが、ただ感染対策について申し上げれば、今は地球規模で感染が広まっていくわけでありますから、そういった意味においてはそうしたつながりの空白があってはならないという、これが原則だと私は思っています。
(以上)