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鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(令和6年7月12日(金曜日))

【質疑応答】

問)定額減税の二重取りの問題についてお伺いします。
 配偶者の扶養に入りながら100万円超から103万円の年収があるといった一定の条件がそろうと、1人で2人分の減税を受けられるケースが出てきています。定額減税を二重取りした人はどうしたらいいのか戸惑う一方で、それ以外の人からはこれが不公平だという声も出ています。
 この問題について大臣のご所見を伺えればと思います。

答)年収が100万円超103万円以下であるなど、一定の条件があてはまる配偶者につきましては、家計の中で主たる稼ぎ手である納税義務者の控除対象配偶者となる一方で、所得税とは異なり個人住民税所得割の納税義務者となることから、定額減税を重複して享受するケースが生じるということはご指摘のとおりでございます。
 この例外的なケースを防ぐためには、例えば、源泉徴収義務者である企業や地方自治体が、全ての控除対象配偶者について、個人住民税所得割が課税されたかどうかの情報を網羅的に把握する必要があり、膨大な事務コストが発生することになります。
 ご質問にありますように、定額減税について、減税が重複することについて不公平であるといったご指摘があることは承知をしておりますが、今回の定額減税については、公平性に配慮することはもちろん重要であるわけでございますが、同時に、一時的な措置であることから、減税の実施にご協力いただく企業や地方自治体の皆様の事務負担にも配慮することも重要であるとの考え方の下で進めていくこととしたことから、特段、重複を認めないといった考え方に立たなかったことにつきまして、国民の皆様にご理解をいただければと考えているところです。
 納税者の皆さんに混乱が生じないよう、引き続き地方税を所管する総務省を中心に、丁寧な周知を図ってまいりたいと考えております。

問)企業版ふるさと納税制度について伺います。
 福島県国見町で制度による寄付を原資とした事業を寄付した当該企業の子会社が実質的に請け負うケースがありました。町議会が設置した百条委員会は報告書で、寄付企業の節税対策に町が利用されたという疑いを禁じ得ないと指摘しています。
 地方創生を目的とした制度が企業の節税に利用されているとの指摘についての大臣の受け止めと、制度について見直しが必要かどうかについてお聞かせください。

答)今お尋ねの事案についてでありますけれども、指摘を受けている福島県国見町において、町議会報告書のほか、町が設置した第三者委員会から今後提出される報告書の内容を踏まえて、必要な対応と再発防止策を取りまとめて実行していくものと、基本的にはそのように承知をしております。
 また、地方創生を所管する内閣府においても、国見町の報告内容を精査した上で、必要な対応を検討していくものと承知をしております。
 その上で申し上げますと、企業版ふるさと納税については、本年度までの措置でありまして、先日閣議決定されました骨太方針2024におきましても、これまでの取組状況等を総合的に検証するとともに、今後の本制度の在り方を検討するとされております。そうしたことから、こうした点も踏まえながら令和7年度税制改正に向けて議論していく必要があると、そのように考えています。

問)昨日、アメリカのCPIが発表された後に円相場は急激に円高に動きました。この円相場の動きについての受け止めと、市場では一部為替介入があったのではという指摘もありますけれども、介入についての考え方についてお伺いします。
 また、日本政府として、足元の急激な円相場の動きというのをどのように見ていて、今後どういった対応をしていくか教えてください。

答)介入の有無についてのお話でありましたけれども、為替介入につきましては、その有無も含めましてコメントは控えるというのが基本的な立場でありまして、コメントは控えさせていただきたいと思います。
 今後の為替の動向にどのように対応するかというご質問だったと思いますが、これも毎度述べているところでありますけれども、為替の水準が決まっていくということは、基本的にはファンダメンタルズを反映して市場において決定をされるものであると、そのように考えているところであります。そういった中で安定的に推移することが望ましい、急激な変化は好ましくないわけであります。特に、一方的な動きというものには懸念を持つわけでございます。
 いずれにしましても、政府のそうした基本的な立場に基づいた対応につきましては、従来からここで申し上げているとおりでありまして、それに変化はないわけであります。

問)足元の為替相場の動きについて神田財務官は、これまでの動きはかなり大きいであるとか、1か月で5%を超える動きはかなりの動きだといった発言をされています。
 大臣としては同様のお考えなのか、あるいは大臣としてのご評価があるのか、相場の動きについてお考えを聞かせてください。

答)最近の動きについて私が急激に動いているとか、一方的であるとか、安定的でないとか、そのような動きそのものを評価することは、まさに市場に対して影響を与えます。これは間違いありません。
 したがいまして、そういった財務大臣としての発言が市場に影響を与えてはいけないと基本的に考えておりますので、コメントは控えさせていただいているところです。

問)今朝一部報道でレートチェック、対ユーロで実施したとの報道がありました。政府として実施の有無についてコメントがあればお願いします。

答)そうした報道があることは、私も見たわけでございますが、コメントは控えます。

(以上)