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鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣記者会見の概要(令和6年2月19日(月曜日))

【冒頭発言】

本日、ウクライナのシュミハリ首相及びマルチェンコ財務大臣とそれぞれ面会を行いました。
 私からは、新たな日ウクライナ租税条約が署名されたことを歓迎するとともに、世界銀行を通じた財政支援を実施することのほか、欧州復興開発銀行や国際協力銀行を通じた民間セクター支援等を表明しました。また、ウクライナにおける反汚職や国内資金動員等の改革の継続を求めました。
 シュミハリ首相やマルチェンコ大臣からは、こうした日本の支援に加え、ウクライナ支援に関して、国際場裡において日本が果たしてきた主導的な役割について感謝の意が表されました。また、今後の改革に関する強いコミットメントが示されました。
 今後もウクライナのニーズ等を踏まえ、適切な支援を行ってまいりたいと思っております。

【質疑応答】

問)もう戦闘開始から2年がたつということで、大分、欧米やアメリカの支援疲れというものが指摘されていますが、日本の財政支援に対して、何か要望や期待など、特にどんな意見が大臣からあったんでしょうか。

答)まず私からは、昨年日本はG7の議長国を務め、そのときにも財務トラックにおいて、ウクライナ支援それからロシアの制裁、そういうものをアジェンダの一番最初の部分に位置付けて、しっかり議論をリードしてきました。日本の立場というものは今も変わらないという、そういうことを明確に伝えたところです。
 マルチェンコ大臣からも、そうした日本の姿勢に対する評価というものがありました。今後予定されている日本の財政支援についてこちらからお話をしましたが、それに加えて、向こうから更にというような話は特にありませんでした。

問)今日の会談を通じて、ウクライナの現在の戦況、ウクライナの置かれた状況に関しては大臣どのような感想、認識を持たれましたでしょうか。

答)具体的な戦況などは、新聞・報道を見る限りしか私は分かりません。情勢は刻一刻と変化するんだと思いますけれども、しかしやはり2年といえば、かなり長期にわたっているわけだと思いますし、これから先のことの見通しもまだはっきり立たないのかなと、そんな印象を報道で知る限りから考えます。
 そういう中で、ウクライナを支援するという日本の立場は揺るぎのないものであると、こういうことですので、日本もなかなか厳しい財政事情で制約はありますけれども、今までも財政支援をしてまいりましたし、これからもしてまいりたいと思います。
 更にこれからステージが変わって復興ということになれば、日本は復興については震災もあったりしてノウハウがありますし、そういう部分での協力もできると思います。
 今般新しい租税協定が署名をされたということでありますので、こうしたことを通じて、今度は民間セクターもそういう中で活躍ができるのではないかと、いろいろな復興について今後頑張っていただける余地が生まれてくるのではないかと、そのように思っています。

問)今お話がありました租税条約について、先方のマルチェンコ財務大臣から期待であったりそういったお話はありましたでしょうか。

答)冒頭署名されました新しい租税条約の署名本書を前にして記念写真を撮りましたが、やっぱり先方も期待感は大きいんだと思います。現在結ばれておりますウクライナとの租税条約でありますが、これは1986年に締結された日ソ租税条約が適用されているところですけれども、今般ウクライナ復興会議のタイミングで新たな租税条約の署名に至ったこと、これは大変歓迎をいたします。
 この条約によりまして、両国間の健全な投資、経済交流、これを一層促進することができるのではないかと思います。またこの条約は、ウクライナが他の先進国と締結している租税条約と同等の内容でありますので、日本企業にとりましては、ウクライナにおいて他の先進国企業と公平な競争条件を確保するものとなっておりますので、今後の日本の民間企業の活動、あるいは日本からの投資ということが期待されるのではないかと思っています。

問)冒頭のご説明のところで、先方のマルチェンコ大臣の方から今後の改革に強いコミットメントが示されたとご発言ありましたけれども、この今後の改革というのがどういったものを意味しているのか、どのように大臣としては理解されたか、その辺りを教えていただけますか。

答)よく言われるのは、ウクライナが汚職などそういうのがあるということは、よく言われていることであります。やはり我が国としても厳しい財政事情の中で財政支援を行っているわけですから、国民の皆さんの理解がなければならないわけで、納税者たる国民の皆さんが納得してもらうためにも、何かそういうような汚職体質などそういうところに支援するのかという声がないことはないわけですから、そういうところはしっかりやっていただくということで申し上げました。
 シュミハリ首相からもこうした諸改革については、もちろんしっかりとやっていくという強いコミットメントがありました。

(以上)