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鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(令和5年12月19日(火曜日))

【冒頭発言】

本日の夜、日本の議長の下での最後となりますG7財務大臣・中央銀行総裁会議をオンラインで開催いたします。
 会議では、ウクライナ支援や、日本議長下での議論の総括、来年の議長国であるイタリアへの引き継ぎを行う予定です。ウクライナ支援を議論する際には、ウクライナのマルチェンコ大臣にも参加していただく予定です。
 1年間、G7議長国として、世界経済の諸課題について議論をリードし、各国の協力を得て多くの成果を上げることができたと思っております。日本議長年の締めくくりといたしまして、本日もしっかりとした議論を深めていきたいと考えております。

【質疑応答】

問)2024年度の診療報酬などのいわゆるトリプル改定について、先週末に政府内で最終調整が行われたとの報道がされています。現時点での進捗状況について教えてください。併せて来年度の予算編成に向けて大詰めの時期となりまして、例年ですと各省の大臣とかの折衝を経て決定という運びがと思いますけれども、今後の予定についても教えてください。

答)診療報酬改定を含む社会保障関係費につきましては、令和6年度予算の政府案の閣議決定に向けまして、今、最終的な調整を行っているところでありまして、調整過程でありますので、現時点でその内容についてお話しすることができないことはご理解をいただきたいと思います。
 しかしその上で申し上げますと、政府全体として賃上げを最重要課題とする中で、医療分野における現場従事者の処遇改善の課題に対応すること、これが重要であるという一方で、社会保険料が増加いたしますと、現役世代の可処分所得を減少させるおそれがあること、このことも考慮いたしまして、国民負担を最大限抑制することも必要であると考えております。こうした観点から最終的な調整、しっかりやっていきたいと思います。
 それから大臣折衝でありますが、本日から明日にかけて大臣折衝を予定しております。今後、併せまして与党においても議論が進められることになると承知をしております。
 こうした中で、予算全体の在り方といたしましては、引き続き、歳出構造の平時化に向けた取組を進めることに加えまして、潜在成長率の引上げや社会課題の解決に重点を置いたメリハリの効いた予算編成を行うとともに、重要政策課題については安定財源を確保することが重要だと考えております。引き続きこうした観点から、関係閣僚と最終的な調整を行い、経済成長と財政健全化、これが可能となるような予算に最終的に仕上げていきたいと思っております。

問)冒頭ご説明いただいたG7財務大臣・中央銀行総裁会議に関連してお伺いします。世界経済の諸課題について多くの成果を得ることができたというお話だったかと思いますが、1年間議長を務めてこられて具体的にどのような分野で大きな成果があったと思われるかお聞かせください。

答)1年間議長を務めてまいりました。まず全体といたしましては、1つはいろいろな国際経済の困難なこと、地政学的なこともございましたが、そういう中で、まずG7の協力関係を強化することができたと、このように思っております。
 その上で個別的なことを申し上げますと、ウクライナに対する必要な支援を実現する、また途上国の債務問題も先送りのできない問題でありまして、共通枠組の下での議論、これはG20のほうで決まった共通枠組ですけれども、その議論を進展させつつ、共通枠組の枠外にあります中所得国の1つでありますスリランカの債務再編に向けた基本合意に至ることができたと。それから、IMFの13年ぶりのクォータ増資について合意をするなど、世界を取り巻く重要課題について、多くの成果を得ることができたと考えております。
 来年はイタリアが議長国になります。こうした今年の成果を踏まえまして、更に議論が深まることを期待しておりまして、日本といたしましても、引き続き、積極的に議論に貢献をしていきたいと考えています。

問)損保大手4社に公取委が共同保険の関係で立入検査に入ったという報道があります。金融担当大臣として、まず事実関係としてどういうふうな情報が大臣のもとに入られているのかと、所管する損保業界が大きく信頼を損なう状況になっているかと思いますが、そのことについての所感をお願いします。

答)まず公正取引委員会が大手損保4社などに立入調査に入ったということでありますが、報道については承知しております。公正取引委員会の調査につきましては、公正取引委員会のほうにお聞きをいただきたいと思います。金融庁としてコメントすることは控えたいと思います。公正取引委員会は、独立性のある組織であると思いますので、そのように思っております。
 そして、金融庁としてのいわゆる事前調整行為の問題に対するものでありますけれども、要はこうしたことが二度と起こってはならない、再発防止ということが一番大切なことであると、そのように思っております。このことにつきましては、本年9月末の各社からの報告等に基づく実態把握や真因分析、これを進めておりまして、現在は最終的な事実確認等を行っているところでございます。
 今後につきましては、その確認等の結果を踏まえまして、問題が認められた場合には、法令に基づいて厳正に対応してまいりたい、重要なことはこうしたことの再発防止、二度と起こらないということだと思っております。

問)復興所得税について伺いたいんですけれども、税制改正大綱が決まって、所得税と住民税の定額減税も決まったと思うんですけれども、これによって単純計算で800億円ぐらい復興所得税が減収、つまり復興財源に穴が開く可能性があるかと思うんですけれども、この減収についてどのように対応するのか、大臣の見解をお伺いできればと思います。

答)復興特別所得税、これは所得税の2.1%の付加税でありまして、定額減税によります所得税収の減の反射的な影響として、令和6年度の復興特別所得税が減少するということは事実であります。その影響額は今精査中でありまして、まだ具体的な金額が出ている段階ではないわけでございます。
 その上で、復興事業に遅れが出てはいけないということが一番大切なことの1つであると思いますが、復興事業を行います復興特別会計におきましては、復興債の発行を通じた柔軟な資金調達が可能でありますので、足元の税収の増減が復興事業の執行に影響をすることはないわけであります。
 政府としては、定額減税によります復興特別所得税への影響も十分配慮しながら、今後、復興財源に支障が生じることがないよう責任を持って対応していきたい、そういうふうに考えています。

問)自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、今日、東京地検特捜部が政治資金規正法違反の疑いで自民党安倍派と二階派の強制捜査に乗り出したことが分かっています。政界に与える影響は大きいと考えますが、大臣の受け止めをお聞かせください。

答)派閥のパーティーに関する問題については私も強い関心を寄せておりますが、捜査について何か情報を持っているわけではありません。これこそまさに独立性が強いところでありますから、政府の中にある閣僚として、このことについてコメントはいたしません。
 しかし、派閥の一連の問題については、国民の疑念というものがこれによって高まって、政治不信につながると、政治が信頼されなければいくら政策を遂行しようと思ってもこれは難しくなるわけですから、そういう意味において、信頼回復に努めていかなければならないものだと思って、深刻に受け止めております。

問)今の大臣のご発言に関連してなんですけれども、今回の問題を受けて政治資金規正法の改正について指摘する声もありますけれども、大臣ご自身の考えとして、こうした法律面での対応、どのような対応が必要だとお考えでしょうか。

答)まず、今この一連の指摘されているものが、その事実関係を含めていろいろと解明をされようとしていると思います。これは検察の捜査などを通じて明らかになると思いますが、それを踏まえた上でどういうことをするのかというのを考えるのが順番だと思います。
 私としては、まずは、この真相がどうであったのかということを把握することが大切であると、そのように思います。

(以上)