【質疑応答】
問)昨日、政府はインボイス制度円滑実施推進に関する関係閣僚会議を持ち回りで開催し、制度の円滑な実施と定着に向けた支援策を公表しました。この支援策で重視しているポイントについて教えてください。併せて、インボイス制度をめぐっては事業者の不安等の問題が指摘されていますが、10月の導入後現在までに実際に混乱等が起きているのか、把握されているものがあれば教えてください。
答)昨日、インボイス関係閣僚会議から公表した支援策では、先週2日に閣議決定いたしました総合経済対策に盛り込まれた施策を中心に、事業者向け相談体制の拡充、免税事業者が不当な扱いを受けないための取組の強化に加えまして、インボイス対応を行う小規模事業者向けのIT導入補助金を拡充するなどのデジタル化推進策や、各業界の特性を踏まえた事業基盤の強化策など、幅広い事業者の不安等に対応する内容としたところであります。
そして10月にインボイス制度、開始をされたわけでありますが、それ以降、大きな混乱というものは把握されていないという承知をしておりますけれども、制度開始後、取引相手との関係や思っていた以上の事務負担の発生があるなどで悩みを抱えている事業者がいらっしゃるとの報道があること、これは承知をいたしております。こうした悩みに対しましては、引き続き、公正取引委員会による監視を行うなど、政府を挙げて取引環境の整備に取り組むとともに、デジタル化による経理業務等の負担軽減に資するIT導入補助金といった支援策を用意しているところです。
今般公表した支援策においても、これらの取組の充実等を盛り込んでおりまして、今後、着実に実施するとともに、引き続きまして、制度の施行状況等をフォローアップして、事業者の立場に立って1つ1つの課題に対応してまいりたいと思っております。
問)中古車販売大手ビッグモーターによる自動車保険の保険金の不正請求問題をめぐって、金融庁が損害保険ジャパンの親会社のSOMPOホールディングスへの立入検査を始めたという報道がありましたが、この点について事実関係が分かっているものがあれば教えてください。
答)昨日、SOMPOホールディングスに対しまして、今回の保険金不正請求事案に関して保険業法に基づく立入検査の実施を決定し、そして即日その旨を通知して検査を開始いたしました。
損保ジャパンに対しましては本年9月より立入検査を行っているところですが、当該検査において、損保ジャパンの経営管理態勢や内部管理態勢上の課題にも踏み込んで検証を進める過程で、子会社である損保ジャパンの経営管理等について一定の責任の立場にあるSOMPOホールディングスについても確認を行う必要が生じました。
そのため今回、保険不正請求事案に関して、SOMPOホールディングスが子会社の経営管理を適切に行っていたかについて、立入検査を通じて深みのある実態把握を進めていくことといたしました。
その上で金融庁としては、立入検査において判明した結果に応じて、法令に基づいて厳正に対処していきたいと考えています。
問)SOMPOホールディングスの立ち入りについて追加で質問させてください。今のお話ですと立入検査の決定、実行開始は昨日6日からスタートしたということで、あといつ頃まで予定されているのかというメドがあったら教えてください。あと、これによっていわゆるSOMPOホールディングスの経営陣にも今回の問題について責任があるというふうな、SOMPOホールディングスの経営陣の責任もあるということを視野に入れた検査ということでよろしいでしょうか。
答)昨日、先程申し上げましたように立入検査の実施を決定するとともに、その旨を通知し、検査を開始いたしました。そして実際に立ち入る実施日でありますが、これは金融庁及びSOMPOホールディングスの準備が整い次第、速やかに開始をするということであります。そして期限については、立入検査をして必要な実態を把握するまで行うということであります。それからSOMPOホールディングスの責任ということでありますが、これは立入検査をしたその結果によるものでありまして、これから立入検査をするわけでありますから、それを今の段階で申し上げることはできないということだと思います。
問)自賠責自動車安全特会の繰戻しの件です。大臣、1年前の会見でも同じことを聞いているんですけれども、一般会計の財政事情、これが繰戻しの額に影響することをお話しされております。一方で、大臣間合意では繰戻しを継続的にやることで繰戻額を決定していくというようなことがあります。この2つの条件なんですけれども、今回財政事情、減税ということもあって好調ではないかと思われるんですけれども、どのようにお考えでしょうか。
答)自動車安全特別会計に対する一般会計からの繰戻しにつきましては、国土交通大臣との合意によりまして、令和4年度の繰戻額の水準、54億円でありましたが、これを踏まえること、繰戻しに継続的に取り組むことなどとされております。大臣合意、これは大変重いものだと思っております。
財務省としては、財政事情が厳しい中におきましても、減税の実施の如何にかかわらず、大臣間での合意に基づいて、一般会計からの繰戻しを着実に進めていきたいと、そのように考えております。今後の予算においても引き続き、国土交通省と協議の上、真摯に対応してまいります。
問)そうすると大臣の認識としては依然として財政状況は厳しいと。なので繰戻額については厳格な対応をしていくというようなことになるんでしょうか。
答)大臣合意を基本としてやってまいりたいと思います。
(以上)