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鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(令和5年8月8日(火曜日))

【冒頭発言】

国際金融センターの実現に向けたJapan Weeksの開催につきまして、冒頭、私からご紹介を申し上げます。
 政府といたしましては、国際金融センターの実現に向けた取組を前進させるとともに、今後の資産運用立国の実現に向けた取組を推進してまいります。
 こうした取組の一環といたしまして、本年9月25日から10月6日をJapan Weeksとして、海外の投資家や資産運用会社等を集中的に日本に招致した上で、日本の金融資本市場としての魅力や政府の取組等を発信してまいります。
 この期間には、貯蓄から投資への促進、資産運用立国、サステナブルファイナンス等に関し、例えば、国連の責任投資原則の年次会合など多くのイベントを開催する予定です。岸田総理をはじめ、金融担当大臣である私やその他政府関係者の参加も予定しております。詳細は、今後ウェブ上で順次お知らせしてまいりますが、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 イベントの詳細につきまして、必要があれば事務方にお問い合わせをいただきたいと思います。

【質疑応答】

問)神田財務官が8月2日にウクライナのキーウを訪問し、日ウクライナの財務協議の初会合を開きました。協議後の共同プレスリリースによると日本がウクライナを引き続き支援していく旨を再確認したとのことですが、今回の一連の協議を踏まえて、日本としてのウクライナ支援やG7の議論に具体的にどのように反映していくのか、お考えをお聞かせください。

答)日本とウクライナの財務協議については、戦時下の現地において包括的な対話を行うこと、それが日本の揺るぎないウクライナ支援の姿勢を強力に示すこととなること、それから現場の状況の深い認識に基づき、一層効果的な支援の実施が可能となること、さらにG7財務トラックが責任を担う財政支援等を議長国として取りまとめる責任を果たすことに寄与することから、神田財務官に対し、私から現地での交渉を指示したものであります。
 その結果、日ウクライナ財務協議の第1回会合がキーウで開かれ、ウクライナによる野心的な改革と力強い政策実施へのコミットメント、そして日本によるウクライナへの経済・財政面での支援の継続を含む包括的な内容について合意した上で、共同プレスリリースを発出いたしました。
 こうした成果を踏まえまして、今後、現地のニーズに即した歳入分野における技術支援を具体化していくとともに、G7議長国として、G7財務トラックにおいて、ウクライナ再建のための支援について、引き続き、揺るぎない姿勢で議論を主導してまいりたいと考えているところであります。

問)1点目が大手損保のカルテルの疑惑をめぐって追加報告を求める報道もありますが、大臣の見解と各社の責任とか、疑惑の範囲が広がる中での金融庁としての今後の対応の方針を教えていただければと思います。
 2点目が15日の終戦の日に合わせて靖国神社の参拝のお考えがあるかというのを、ご見解を教えていただければと思います。

答)まず2点目からでありますけれども、靖国神社への参拝、それは予定しておりません。
 それから1点目でございますけれども、保険料の調整行為につきまして、金融庁としては、6月までに、損害保険大手4社に対しまして、事実関係の詳細等について、法令に基づき報告を求めたところであります。
 その中では、独占禁止法に直ちに違反する行為だけではなく、同法の趣旨に照らして不適切な行為も含めて幅広く情報収集を行うよう求め、これまで随時報告を受領してきたところです。
 その上で、不適切な価格調整が行われていたおそれがある事案が幅広く存在する可能性が認められたことから、更に網羅的かつ深度のある調査を実施することが必要であると、そのように判断いたしました。
 そのため、8月4日金曜日に全営業部店で類似の不適切な事案が他にないか、追加的な調査等を求める報告徴求命令を発出したところであります。
 保険会社においては、独占禁止法を含む法令遵守体制を整備するとともに、保険契約者等の保護を適切に図ることが必要であることから、金融庁としては、今後、報告内容を精査した上で、問題が認められた場合には法令に基づき厳正に対処してまいりたいと考えております。

問)追加で4日に求めたものの期限といいますか、いつぐらいまででそういったものを提出していただきたいというふうにされたんでしょうか。

答)速やかに提出してもらいたいということです。

問)クレディ・スイスのAT1債について伺いたいと思います。金融庁は4月、同社のAT1債が無価値となった問題を受けて証券会社の販売実態などについて点検・フォローアップをするというように明らかにされていたかと思います。昨今、損失を被った個人投資家の方が証券会社を提訴するなど新たな動きが見られていると思いますが、ここでこちらの点検・フォローアップの最新状況について伺えますでしょうか。また、何か不適格な事案がフォローアップで見つかった場合、金融庁としてどのように対応していくのか、ご見解をお聞かせください。

答)クレディ・スイスのAT1債については、そうした無効になるというような特約が基本的にあったものと私は承知をしております。4月の段階です。
 その後、事務的に、何か新たな報告というのは受けていないわけでありまして、そのことについて今ここでお答えできかねますが、先程申し上げたような基本的な認識を持っているところです。

問)1点目が先週金曜日に東京都の倒産件数が発表されて、前年同月比1.5倍でした。増加傾向になっていますが、本日も午後、倒産件数の発表日となっています。増加すると見込まれますが、大臣の受け止めや政府としてのご対応、改めて金融機関に対して求めることなどをお願いいたします。
 2点目で、話が変わってしまうんですけれども、ジャックスが昨日ビッグモーターの自動車ローンの新規受付を停止しました。ビッグモーター離れというのが加速して販売面で痛手となる可能性もあるんですが、もし金融担当大臣として受け止めがあればお願いいたします。

答)倒産件数が増えているということでございますが、これまで3年あまり、コロナ禍の下で、特に中小・小規模企業においては、業種にもよりますけれども、大変に厳しいところを頑張ってこられてここまで来たんだと思います。そういう中で企業の倒産が増えているという、そういうことでございますが、コロナウイルスの影響で売上高が減少した事業者に対しては、そういう状況でありますので、民間融資機関が提供してきた実質無利子・無担保のゼロゼロ融資について、これは融資の返済が本格化しているものと承知をしておりまして、引き続き、企業の倒産件数の動向について注視すること、これは必要だと、ご指摘のとおりだと思います。
 政府といたしましては、官民金融機関に対し、コロナ借換保証やコロナ資本性劣後ローン等を活用しながら、事業者の実情に応じた資金繰り支援や経営改善、事業再生支援等に取り組むように促してきたところでありまして、今後とも、引き続きまして、官民金融機関においてこうした支援に取り組んでいただくことが重要であると、このように思っております。
 いずれにしても、倒産件数の動向については注視をしてまいりたいと思います。
 2点目につきまして、今朝の朝刊でその記事を拝見したところでございますが、事業会社との個別の取引でありますので、企業としての判断でそういうことをされるということであると思います。
 そういうことでありますので、監督当局としてコメントすること、これは適切ではないと思いますので、コメントは控えたいと思います。

(以上)