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鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(令和4年6月17日(金曜日))

【冒頭発言】

皆様のお手元に配付をさせていただいておりますが、先程の閣議におきまして承認を受け、財務省及び金融庁の幹部の人事異動を行いますので発表をいたします。
 まず財務省では、矢野事務次官にはこのたび勇退していただき、後任に茶谷主計局長を就任させ、主計局長の後任には新川官房長、官房長の後任には青木主税局審議官をそれぞれ就任させます。また大鹿国税庁長官にもこのたび勇退をしていただき、後任には阪田関税局長を就任させ、関税局長の後任には諏訪園東京税関長を就任させます。続いて、角田理財局長は大臣官房付で待命させ、後任には齋藤東海財務局長を就任させます。さらに現在、官房長が兼務をしております総括審議官には奥主計局次長を就任させます。最後に栗原財務総合政策研究所長にもこのたびご勇退をいただき、後任には江島主税局審議官を就任させます。なお、神田財務官、住澤主税局長、三村国際局長は留任をさせます。
 次に金融庁では、松尾総合政策局長にはこのたび勇退をしていただき、後任には栗田監督局長を、監督局長の後任には伊藤総括審議官を、総括審議官の後任には石田監督局担当審議官をそれぞれ就任させます。また、古澤企画市場局長にもこのたび勇退していただき、後任には井藤政策立案総括審議官を、その後任の総合政策課担当には堀本監督局担当審議官を政策立案総括官として就任させます。なお、中島金融庁長官、天谷金融国際審議官、有泉国際統括官、油布証券取引等監視委員会事務局長は留任をさせます。

【質疑応答】

問)FRBが27年半ぶりに政策金利を0.75%引き上げることを決めました。さらに円安ドル高が進行してしまって生活に影響が出てきてしまうのではないかという懸念が国民の間に広がっていると思いますが、大臣の受け止めをお伺いします。

答)今ご質問にありましたとおり6月14、15日のFOMCにおいて、政策金利を0.75%引き上げることが決定をされたところでございます。政府といたしましてはこうした米国の金融政策の変更が国内外の経済に与える影響などを注視しつつ、過去最大の当初予算や補正予算を含む総合緊急対策をしっかりと実行に移してまいります。さらに総理が15日に表明されました物価・賃金・生活総合対策本部での議論を踏まえまして、物価・景気両面の状況に応じた迅速かつ総合的な対策に取り組んでまいりたいと考えております。
 その上で為替相場は、ファンダメンタルズに沿って安定的に推移することが重要でありますが、最近の為替市場では急速な円安の進行が見られ、憂慮いたしております。政府としては日本銀行と緊密に連携しつつ、為替市場の動向やその経済・物価等への影響を一層の緊張感を持って注視をしてまいりたいと思っております。

問)円安に関連してなんですけれども、今135円でかなり円安が進んでいると言われていて、日米の金融政策の差というところが影響しているのではないかというふうに言われますが、本日、日銀の金融政策決定会合があるということで、このあたりの大臣のお考えを改めてお伺いできますでしょうか。

答)今出ているのは132円ぐらいにちょっと円高に振れているようでありますが、日銀の金融政策決定会合、昨日から開催されていると承知をしております。今まだ会合が行われているところでございますので、今この段階で何か申し上げることは控えたいと思います。
 いずれにいたしましても、今後とも日銀には経済・物価・金融情勢を踏まえつつ、物価安定目標の持続的な、そして安定的な実現に向けて努力をされることを期待しているところであります。

問)先程発表がありました人事についてお伺いします。勇退される事務次官の矢野財務次官は自民党総裁選の際に月刊誌でバラマキ合戦のようだと批判するような論文を書かれたりとかありましたけれども、これまでの業績についてどういうふうに評価されているのかということと、後任の茶谷新次官についてはどういう仕事を期待するか、大臣のお考えをお聞かせください。

答)矢野さんにつきましては私、去年10月就任いたしまして、早々に寄稿の文章がいろいろ話題を呼んだわけでありますが、そのときに申し上げましたけれども、矢野さんの書かれた内容は今までの政府の方針と何ら変わることのないものであります。やはり財政再建、そうしたものは極めて重要である、そうしたことを忘れてはいけないという、そういうお立場。表現についてはいろいろ読む人によって感じ方はあったと思いますが、そういう意味では終始一貫した態度で、ぶれることなくしっかりと仕事をしていただけたと思っております。
 茶谷さんも主計局長として大変実績のある仕事をされてこられましたので、次官としては適材適所という面におきましてもふさわしい方であると、しっかり仕事をしていただけるものだと期待をいたしております。

問)先程の日銀の話に関連して重複する部分もあるんですけれども、昨今の債券市場において長期金利が日銀の許容する上限の0.25パーセントを上回るなどYCC、イールドカーブ・コントロールに関して限界説も聞かれたりします。一方、為替市場ではスイス中銀が予想外の利上げを発表したことによって日銀も金融政策の修正を迫られるとの観測から円買いが進行するなど、債券市場、為替市場、両方とも混乱が見えるようにも見えるんですけれども、大臣はそこをどう見ていらっしゃって、日銀に対してどういう議論を期待されるのか、それについて、いま一度お願いします。

答)金融政策につきましては、これは日銀にお任せをするということでございますので、日銀において政府との共同声明もありますけれども、それも岸田内閣として再確認をしたところであります。そういうようなことに沿ってしっかりと対応をしていただけるものだと思ってございます。先程ご質問にもありました金融政策決定会合は昨日、今日と引き続き議論が行われるわけでありますけれども、その中で今後とも物価安定目標の持続的・安定的な実現に向けて努力をされると思っております。諸情勢、いろいろ変化はございますが、金融政策については日銀の独立性にお任せをしなければいけないんだと、政府の立場としてそう思っております。

問)債券市場の動きについてはどのように今見ていらっしゃいますでしょうか。

答)日銀が2%の物価安定目標の実現に向けて、金融緩和の一環としてイールドカーブ・コントロールのもとで長期金利が0%程度で推移するように上限を設けず必要な金額の国債買い入れを行うこととし、長期金利の変動幅についてはプラスマイナス0.25程度と明確化しているもの、そのように思ってございます。
 いずれにいたしましても、金融政策の具体的な手法は日銀に委ねられるべきものと考えております。黒田総裁は2%目標を安定的に実現するまでにはなお時間を要すると考えられ、経済を下支えし、基調的な物価上昇率を引き上げていく観点から現在の強力な金融緩和を粘り強く続けていくことが適当であるということを述べられております。引き続き、今ご質問にありましたような経済・物価・金融情勢、債券市場の問題もそうでありますが、そういうことも踏まえつつ、物価安定目標の持続的・安定的な実現に向けて努力されることを期待しているところでございます。

(以上)