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鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(令和4年4月1日(金曜日))

【質疑応答】

問)与党が政府に申し入れていた年金生活者への5,000円給付金案について伺います。自民党の高市政調会長がゼロベースで議論すると述べ、4月末までにまとめる緊急対策では給付の仕方や支援の在り方も焦点となる見通しですけれども、その必要性と望ましい支援の在り方について大臣の所見を伺えますでしょうか。

答)総合緊急対策につきましては、総理から指示が出たところでございまして、ウクライナ情勢に伴う原油価格や物価の高騰による国民生活や経済活動への影響に対し、緊急かつ機動的に対応していく必要があると思っております。
 この点について、お尋ねの生活困窮者への支援に関して言えば、コロナ禍において物価高騰等に直面する国民生活の不安を解消するという観点から、困窮する方々の生活を守るべくセーフティネットを強化することが重要であると考えます。今般の対策の柱の1つとなっております。そして、望ましい支援の在り方も含めまして、具体的な施策につきましては、今後、与党や関係省庁とも連携しながら、4月末を目途とする取りまとめに向けまして、しっかり検討してまいりますので、その中で必要なものをしっかり実行していくということになるんだと思います。

問)緊急経済対策の関連でお伺いさせていただきます。与党の中で、自民党の方では特に高市政調会長などは補正予算の必要性、あくまで緊急のものなので予備費の範囲でやるべきだという話がある一方で、公明党の方では主要な幹部がみんな補正予算の編成について言及されております。ただ、緊急という意味では補正予算を編成すると当然国会の審議・議決があるので時間がかかるとは思うんですが、大臣が現時点で足元の対策をするに当たって補正予算編成の必要性というものについてはどのようにお考えかお聞かせください。

答)先程申し上げましたとおり、これから各省庁と連携をしながら、この施策がだんだん詰まっていくわけでありますが、総理指示にもありますように、直面する危機に緊急かつ機動的に対応するために、新たな財源措置を伴うものについては、まずは一般予備費、それからコロナ予備費を活用した迅速な対応を優先していくことという指示でございますので、対策の中身も詰めていきますけれども、財政を伴うものについての財源措置もその総理指示の中で考えていくということになるんだと思います。これから先の話は、まだ今時点では明確に見通しを申し上げることはできないと思いますが、我々としてはあくまで一般予備費、そしてコロナ予備費で対応するということになるんだと思います。

問)日銀の黒田総裁は一昨日、記者団に対し、金融市場調節が直接的に為替に大きな影響を与えているとは考えていないと発言しました。一方で市場では日銀よる初の連続指し値オペ実施をはじめとした金融緩和の継続によって円安が加速したという見方がありますが、こうした日銀の政策の為替への影響について大臣としてはどうお考えでしょうか。

答)為替は様々な要因によって市場において決まるものでありますが、為替の安定は重要でありますし、特に急速な変動は望ましくないと考えております。政府といたしましては、特に最近の円安の進行を含め、為替市場の動向、あるいは日本経済への影響をしっかりと緊張感を持って注視をしているところでございます。その上で、為替政策につきましては、為替レートは市場において決定される、為替市場における行動に関して緊密に協議をする、過度の変動や無秩序な動きは経済や金融安定に悪影響を与え得るといった、これまでのG7等で合意された考え方に基づきまして、米国等の通貨当局と緊密な意思疎通を図りつつ、適切に対応してまいりたいと思っております。
 日銀の金融政策は物価安定を目標として行われておりまして、為替レートを直接の目標とはしていないものと承知をしております。こうした中で、黒田総裁は、金融政策が直接的に為替に大きな影響を与えているとは考えていないと発言されたものと理解をしております。日銀におかれましては、引き続き、経済、物価、金融情勢を踏まえつつ、適切に対処されることを期待しております。

問)冒頭の質問と関連するんですけれども、年金給付5,000円をめぐっては政府にも要請があって、その後、結構批判の声というのもいろいろなところから出ていたと思うんですけれども、大臣自身はそれを聞いて見てどう感じていらっしゃったんでしょうか。

答)個人的な感想は述べませんけれども、年金生活者等に対する給付金につきましては、総理も述べられているところでありますが、政府としては、今後総合緊急対策を取りまとめていく中で、その必要性も含め検討していくと申し述べておりますので、まさにその必要性も含めて検討し、結論を出していくものと考えます。

問)先程、日銀短観が発表されて、製造業が7期ぶりの悪化ということだったんですが、ちょっとスタグフレーション的なところが出てきているという指摘もあるんですけれども、足元の景況感の認識をお聞かせいただけますか。

答)短観が出たということは私も聞きましたけれども、これからの動向を注視していくということに尽きるんだと思います。政府としては、一連の対策、もう既に発表されているもの等を含めて、しっかりそれをやっていくということなんだと思います。

(以上)