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鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣記者会見の概要(令和4年3月16日(水曜日))

【冒頭発言】

本日、「ロシアの支配層、代理勢力、オリガルヒに対するタスクフォース」会合が開催され、二之湯国家公安委員長・古川法務大臣とともに出席をいたしました。このタスクフォースは、経済制裁を通じて、ロシアの支配層に一層圧力をかけるために、国内外の当局が連携・情報交換を促進する目的で立ち上げられたもので、G7各国やオーストラリアの財務大臣や法務大臣等が出席をいたしました。私からは、これまでG7各国やオーストラリアと足並みを揃えて資産凍結を実施していること、今後は、さらなる制裁に加え、その実効性確保が重要であること、その観点から、実物資産のみならず暗号資産による抜け穴も防ぐ必要があり、各国と協調した対応を図っていきたいこと、などを説明いたしました。日本といたしましては、先般のG7首脳声明も踏まえまして、国際秩序の根幹を守り抜くため、G7をはじめとする国際社会と引き続き緊密に連携しながら対応していく考えです。私からは以上でございます。

【質疑応答】

問)今大臣がおっしゃられた暗号資産による抜け穴を防ぐ必要があって、協調を図っていきたいということなんですけれども、会議の全体としては制裁の強化に向けた、今後さらなる議論というのを続けていく、今後の見通しといったものはいかがだったのでしょうか。

答)先程申し上げたことに尽きるわけでございますけれども、制裁措置の実効性を確保するということが、やはり重要であるということでありまして、G7やオーストラリアが本タスクフォースを活用して、情報交換や協力を強化していくということには意義があると考えております。いずれにしましても、強調されましたのはしっかりとした連絡を取って、そしてよく情報交換をしていこうということで、今日はそういう意味でも意義のある会合だったというふうに思います。

問)あともう一つ、世界経済に関する影響だとか、これまでの制裁の効果などについての確認というのはあったのでしょうか。

答)会合での各国の発言は詳細は控えますけれども、いろいろな発言の中で、着実に制裁は効いているという趣旨の発言がございました。経済への影響については、話題は出ませんでした。

問)今回初めて司法当局の大臣、日本ですと法務大臣ですとか国家公安委員長も出席されたということで、財務大臣とそういった司法当局の双方が一緒に会議をされる意義とその特徴は、どういったところに見られると思われますか。

答)それぞれの国で、こうしたことに対応する組織はバラバラであります。私の聞くところによりますと、他の多くの国は財務当局にこうした様々な制裁措置をするという権限があるんだそうです。また、資金情報機関(FIU)については、イギリスは独立機関がやっているということで、日本は国家公安委員会、警察の方になるものでございます。それぞれのG7、そして今回はオーストラリアもおりましたけれども、それぞれの国のそうした制裁や捜査、没収等に関わる当局が出てきたと、こういうことだと思います。

問)司法当局も入った連携ということで、恐らく制裁の効果、実効性を高めるために、資産隠し等が行われないかというところで議論があったかと思うんですけど、租税回避地(タックス・ヘイブン)とかを使った資産隠し等に対する対策については、何か一致した意見とか見解はあったでしょうか。

答)個別に一つ一つそういうことを議題にして話をしたわけじゃありませんが、例えばオリガルヒの資産というのがどこにあるのか、どこに隠されているのかよくわからないということで、もちろんおっしゃったタックス・ヘイブンの中にも紛れ込んでいるかもしれないし、そういうことをしっかり洗い出さなくては駄目ですねと、探し出さなければいけませんねという議論はありました。

問)あともう一つ、この作業部会で今後、定期的に制裁の実効性等を確認するという意味で、例えば追加制裁の話等も議論になるという場になるんでしょうか。

答)次の会合がいつ開かれるかということは、それは決まっておりません。いずれ刻一刻と状況は変わっておりますので、必ずしもこの場に限らず、様々な場でG7をはじめ協議が行われていくんじゃないかなと思います。

(以上)