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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(令和3年10月1日(金曜日))

【質疑応答】

問)岸田新総裁の経済政策についてお伺いします。新総裁はデフレ脱却に向け、大規模な金融政策、機動的な財政政策、成長戦略というアベノミクスの3本の柱を堅持する一方で、中間層の拡大に向けて分配機能を強化し、所得を引き上げる令和版所得倍増を目指すとしています。この新総裁の経済政策について大臣のご所見をお願いします。

答)岸田新総裁のこの構想については自民党の総裁選挙の最中にいろいろな形で述べておられたんだと記憶しますので、その内容はそこそこ承知をしておるつもりなんですが、その構想をどう具体化されていくかという話で、これはちょっと政府として今の段階で、具体化の内容が見えないのに今の内容をどうこうコメントするというのは、これはちょっと控えないかんところでしょうな。少なくとも2012年12月に、実質13年みたいなものでしたけど、12年12月末に安倍政権がスタートしたときに、デフレだデフレだという話の最中だったんですが、デフレではないという状況をつくり上げたというのは間違いない事実で、そういった意味では大きな目的は確実に達成されつつあるんだと思っていますが、コロナが一つ加わっておりますので、その意味でコロナ対策等に別に支出、歳出を伴いましたので、そういった意味では今後コロナが収束した後、ウィズコロナとかいろいろな表現を使っておられますから、ああいったような状況の中で経済をうまいこと回していく、数字の上でね、かつ景気の気の部分というものを活性化させていくというようなことをやっていくのが非常に大事なことで、個人の金融資産、会社の内部留保等、銀行の持っている預金等、いずれもみんな大きくこの1年間膨らんできていますから、そういったものが需要につながっていくということは非常に大事なものだと思っていますので、新内閣の目指しておられる経済対策がそういったものにうまく資するように期待をしているというところですかね。

問)財務大臣在任中にご尽力されたテーマの一つで消費増税に関連して1点お伺いしたいんですけれども、2019年秋の10%への引き上げのタイミングで軽減税率と一緒に導入されましたインボイスの事業者登録制度が今日始まっております。法律では軽減税率導入後3年以内ですので来年の秋をメドに事業者さんの準備状況などについて検証するというふうにされているんですけれども、政府の方ではデジタル庁だとか会計ソフト会社と協議会を立ち上げるなどして中小企業の生産性向上につなげようというような取り組みも動いていると承知しているんですが、一方でやはり日本商工会議所など一部で事業者さんの負担増を懸念する声もあると承知しております。改めて大臣の現時点での事業者さんの準備状況だとか、今後どうやって理解を求めて進めていかれるか、ご所感をお伺いできればと思うんですが。

答)複数税率というものは今後とも続くと思うでしょう。だったら複数税率を今後とも続くというあなたの前提に立てば、少なくとも適正な課税というのをやっていかないかんと。複数税率ですからね。そういった状況においてはインボイスという制度というのは必ず必要なものですよと。これは最初に、複数税率を導入するときに申し上げて、それをやらせていただくということになったわけです。令和5年だったかな、確か、それで導入をさせていただくということになっているんだと思いますけれども、これはいろいろ中小零細企業等で複数税率に基づく制度のもとでインボイスというものは避けがたいというのはありますけれども、手間暇がかかるのは確かですから、面倒くさい話ですよ。だってインボイスの前の複数税率の方からして面倒くさいんだから。それはあの段階でいかがなものかと我々申し上げましたけれども、どうしても複数税率を入れろ入れろと言ったのはあなた達ですからね。その上で我々としては、これは手間暇かかる話なので、導入するにはそんなに簡単に定着しませんよと。やれ脱税しているとか、していないとか、あれやっているとか、やっていないとか、いろいろな話が起きるから、少なくとも準備期間が要りますという話をして、確かトータル10年ぐらいの時間をかけるということになったんじゃなかったかな、あれ。最初の3年で80%まで、残りの3年で確か50%までやるのか。そして完全実施が令和11年10月からだったかな、そういうように分ける、時間をかけてそれだけやっていきますので、その間いろいろな、ごたごたしたものは、それは当然こういった新しい制度を導入すれば起き得るとは思いますけれども、時間をかけてやっていかないといけませんし、計算が大変って、世界中皆、複数税率をやっておられる国は皆このインボイス制度を採用しておられるわけで、計算が大変って日本がほかの国に比べて計算能力でそんなに落ちるとも思いませんから、そういった意味で時間をかけて丁寧にやっていくということだと思っていますので、独占禁止法の話とかいろいろありましたし、下請法等もそれを併せていろいろ改善させていただいたりしましたので、今からもう、これは財務省だけの話じゃなくて関係する省庁は、中小企業庁、経済産業省をはじめ、いろいろ関係するところがいっぱい出てくるとは思いますけれども、よく連携しながら対応していかないかなければならないということでしょうね。これは時間がかかる話ですよ。それは当然です。

問)昨日みずほ銀行で8度目のシステム障害があって、顧客にも影響が出ました。先日、金融庁が業務改善命令を出したばかりですが、大臣の受け止めと金融庁での対応について教えてください。

答)あれは2月だから月1回ぐらいのペースか、これは。度々、今回も今までのシステム障害とまた別のところで発生しているということなので、現在検査によって、システム並びにガバナンスと両方の検査を継続させていただいているんですけれども、22日だったかな、みずほ銀行と、フィナンシャルグループに対して業務改善命令というのを出させていただいたところです。その上でシステムを改めるというところなどにかかる管理態勢の確保というのをきっちりやらんと駄目なんですよという話で、今回のシステム障害というのは、更改などに関わったものではないという具合に聞いちゃいますけれども、いずれにしても度重なるシステム障害というのを発生させているので、送金をする等のサービスに支障が出るという、明らかに利用者にとっては不便だし、極めて迷惑な話なので、こういったことに対して、顧客に対する丁寧な対応というものを徹底させると同時に、二度と起こしませんと言って、続けて毎月1回じゃないかという話なので、そういったことをさらに徹底して言わないかんというところなんですけれども、思い返せば最初に導入したときに、3行合併したときにそれぞれ会社の違うコンピュータを使っていたわけだから、それを3システムまとめて一つにして、システムが一つで動かせると当時言ったので、あのときは財務大臣をしていたわけじゃありませんけれども、そんなすごい機械が日本にあるのかと思っていましたよ。案の定なかなかうまくいかないで今日まで続いておるわけなので、それが今でも原因なのかどうか、よく分からん、今回は。だからそういった意味でマネロン対策のためにいろいろきちっとやらないかんというのをやったら途端にこうなったというような話になってみたり、起きる理由が度々違うので、よくわからないのですけれども、いずれにしても我々の大事なところはきちんと顧客用のサービスがまともに動いてくれるというのが大事なので、銀行のシステム、みずほ銀行というところは危ないと、システム障害が起きているというふうな話になると顧客は離れていくということになりかねんと思っていますから、銀行も一生懸命やっているんだとは思いますよ。自分の仕事に直接影響する話ですから、それはやっておられるんだと思うけれども、機械の対応がうまくいっていないと。引き続き一生懸命やってもらわないといけないところでしょうね。

問)国際課税ルールについてお伺いします。今月G20の財務大臣会合で最終合意を目指して議論が進み、9月はG7会合を2回行うなど詰めの協議が行われています。大臣は議論のきっかけとなるG7での提案をはじめ、8年にわたる議論を主導されてきました。この間にはイギリスが法人減税したり、アメリカがセーフハーバーを提案したりと、困難もあったと思うんですが、これまでの困難と合意に向けての今の思いをお聞かせください。

答)8年5カ月ぐらいで、よくここまで来たなという感じはしますね。最初この案を提案したときに、G7で乗ったのはドイツのショイブレ1人、あとはみんなよくわからない、やった方がいいけどできるかよという感じ。アメリカは全く発言なしというようなところからスタートして、今ここまで来たんですけれども、途中待ち切れなくなって、いろいろ個別にやられたりして、これはインターナショナルに全部でやらないと効果が上がりませんので、何としてもこれはまとめないといけないということで、G7で合意し、G7で合意したから全部やれというような強制をしたって140カ国ありますから、そういった意味ではG20で合意をし、それで今日百何十カ国まで、ここまでできたんですけれども、最後の詰めが今出てきているんですけれども、各国、財務大臣レベルでほぼ合意されているものがほとんどだと思いますが、議会対策上とか、今選挙で何とかとか、いろいろ事情がありますので、私共としてはこういったようなものの最後の詰めは、何となく最後の詰めは一番大事な点だと思っていますので、10月のワシントンでの会議は極めて大きいなと思っています。けれども、問題点は今までいろいろあったものがほぼ絞られてきていますから、その点で対象になっている国、日本に丸々乗っている国もいっぱいあるものですから、幾つか引っかかっているところがありますので、最終的にはきちっとまとまるものまでいきたいなと、正直思っています。けれども、最後の詰めでみんな失敗するのが多いので、そういったようなことがないようにやりたいなと思っているというところですかね。こういう国際交渉というのは、そんなまとまらないものなんですよ、なかなか。完璧なんて言ったって、完璧なものなんかできるわけがないと、はなからその程度に思っていてやらないとここまで来なかったろうと思いますね。

問)岸田新政権が近く発足すると大臣の任期も、再任がなければ9年弱で区切りを迎えるということになるかと思います。財務大臣として、あと金融担当大臣としての実績についての自己評価と、それからやり残したことだったりとか後悔しているようなことがあればお願いいたします。

答)残念ながらもう1回付き合ってもらわないといけないよな。これは最後の会見にはならないんだ、悪いけど。すいませんけどもう1回、お別れの記者会見というのがあるので最後じゃないということだけは最初に。いろいろな話がされますけれども、新聞で報道されているだけですからね。正式に発表になって新聞の言うとおりにならなかった例というのは過去何百回とありますから、それだけ自信があるのは結構ですけれども、あまり確証はないよ。それから振り返った話というのは、まだ財務大臣をやっていますので、今の段階で振り返るというような話は、新聞を早めに書いておきたいという気持ちはわからんでもないけどね、今は言えません。。

問) 財務省とは直接関係ありませんけれども、今日午後に自民党の新しい役員の決定発表があるものと承知しております。今いろいろ各種報道もありますけれども、岸田新総裁は生まれ変わった自民党の姿を国民にしっかり示すというようなお話も総裁選後の挨拶でされておられますが、大臣は新しい党役員人事の在り方についてどのような期待をされておられますでしょうか。

答)新しい報道というのはいろいろされていますけどね。直接、僕は報道というのはあんまり。このとおりにならないからね、いつも。だから、あんまり信用して読むと後でまた訂正するのは面倒くさいから、なるべく読まないようにして、決まってからしか読まないようにしているので。すみませんが全く読んでいないので、よくわからんので、今の質問は正式に決まってからの質問にしていただけると助かりますね。

(以上)