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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(令和3年9月10日(金曜日))

【質疑応答】

問)みずほ銀行で8日にATMのシステム障害が起きました。みずほのシステム障害が表面化するのは今回7回目になります。この状況をどのようにご覧になっているかと今回の障害がみずほ銀行に対する行政対応のスケジュールや内容に影響を与える可能性はあるのでしょうか。

答)みずほの場合は2月と3月に4回か、違ったか、そんなもんだろう。

問)今回ので7回目。

答)2月と3月で4回、8月で2回じゃないか。だから今回で7回目だな。7回目なんですけれども、少なくとも金が下ろせる、下ろせないという話は銀行は、極めて重要なインフラ、そういったものですから、たび重なる障害というのは少々、しかも何か起きるたびに故障する原因が違っているんだよね。そういった意味で徹底したものをもうちょっとやってもらわないかんということなんだと思いますけれども、今後どのようにやっていくか、これは個別の銀行の件なので今直ちにこれからこういうことをするというようなことを申し上げる段階にはありません。ただ、報告内容が上がってきますので、それを踏まえて必要な対応をやっていかないかん、そう思っています。

問)火曜日の会見で大臣はコロナは曲がりなりにも収束したという発言をされました。一方で菅総理が昨日の会見で、新型コロナは収束にはいまだ至っていないと述べていますけれども、麻生大臣としては新型コロナの感染は収束したという認識なんでしょうか。

答)収束という言葉の定義をいろいろ聞いておられるわけですか。定義を聞いておられるんですかと聞いている。

問)収束したという認識なんでしょうか。

答)私の話は9月6日に、7月19日以来でしたっけ、とにかく初めて1,000人を切ったという事実とともに、9月6日まで15日間連続で前週の感染者数から次の1週間後の曜日を見ると大体1,000人弱減っていますから、そういった意味では間違いなく、8月25日の週の、水曜日で言えば4,200人だったのが、8月29日には3,000人に減り、そして9月8日には1,800人と、大体1,000人以上減ってきているという方向に、流れがありますので、私共としては確実に減少してきていることになってきているのでそう思って、収束しつつあるというものではないかと。完全に収束したというのではなくて、そういう傾向を申し上げたのであって、コロナ対策はまだ今、さっきも田村大臣、記者会見しておられましたけれども、今対策をやっている真っ最中でもありますので、引き続き気を緩めないでやっていかないといけないものだと思っています。

問)SBIホールディングスが新生銀行に対してTOBを行うと発表しました。一方で新生銀行は事前に連絡がなかったということで敵対的なTOBに発展するのではないかという見方もございますが、この件について金融担当大臣としてのご所見をお伺いします。

答)よくわかっていて質問しているんだと思うんだけれども、知った上で質問するというのはよくある話ではありますけれども、個別のこういう話は民民の話だと知っていて聞いているの。 答えはいつものとおりです。具体的なコメントをすることはありません。

問)自民党の総裁選に向けて高市早苗さんが立候補を表明されております。その記者会見の中でプライマリーバランスについては物価2%に達するまで一時凍結するという趣旨のお話をされております。また、成長率が金利を上回ればプライマリーバランスが赤字でも財政は改善するともおっしゃっています。こうした一候補者ではありますが、プライマリーバランスを一時棚上げするというご主張について財務大臣としてどのように受け止められますでしょうか。

答)高市候補の今のPBの話について、僕はその内容を細目伺ったことがないので、そういうご意見として、お答えは差し控えますけれども、プライマリーバランスの黒字化とか債務残高のGDP比の安定については、基本的にモダン・マネタリー・セオリーという、今アメリカの下院議員が言い始めたのでよく使われる言葉がありますけれども、そういうことによって放漫財政をやっても大丈夫なんだというような、簡単に言えばそういうことが書いてあるんですけれども、そういうものの実験場に日本のマーケットをするつもりはありません。

問)先程、個別株については答えないということだったんですが、株ということではなくて政府の新生銀行に対する公的資金の注入に関連してお伺いします。政府は国民負担を回避するために新生銀行の株を売却することによって残り3,500億円を回収する必要があるというふうにしておりまして、それを1株に直すと7,500円になります。昨日の株価、終値に比べると5倍ですし、TOBの価格に比べると4倍近くという高い、市場実勢からすごく乖離した状況にあります。SBIによる出資比率の引上げですとか金融行政に深く関わってきた五味元長官が就任することによってその差は埋まるものだというふうに考えていらっしゃいますか。そうでない場合は売却価格の見直しというのも選択肢にありますでしょうか。

答)まず公開買付けの話からですが、これは国が保有している普通株式の処分に当たって、過去、新生銀行、前の長銀ですよね、あれが倒産するときの話等々で公的資金という名前の税金を投入したわけですね。そして税金を投入している以上それをきちんと、それは債権ですから、債権として保全するという観点から対応する必要があるのは確かです。間違いなくおっしゃるとおりなんですが、しかし一次的には株主ということになりますと私共は政府として約20%前後持っていると記憶しますけれども、一次的には預金保険機構とか整理回収機構において適切に検討されるべきものなんだと承知していますので、その点は債権保全の意味からも預金保険機構等々とよく話をしていかないかんところだと思っています。それから今の五味さんの話だったっけな、金融庁の長官を昔していた人なんですけれども、それに対して我々としてコメントすることはありませんけれども、一般論として銀行の取締役というような仕事は銀行の経営管理に関する知識とか経験とか、そういったものを有した人が社会的信用というものを得るために必要な人なのであって、全くの素人がやるような話ではないと思いますけれども、今の話はいずれにしても五味さんの話等々、これは個々人の話なので、それらについてコメントするということはありません。

(以上)