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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(令和3年9月7日(火曜日))

【質疑応答】

問)先週の自民党の役員会で菅総理が次の総裁選には立候補されないという意向を表明されました。1年前の菅内閣の発足以降、経済財政運営では新型コロナウイルス対策ですとか、あとは2050年までのカーボンニュートラルの宣言、それから携帯電話料金の引下げなどにも取り組んでこられました。菅内閣としての経済財政運営について、まだ少し早いんですけれども、大臣は現段階でどのように総括されるのか、また現在の内閣で今後取り組むべき課題についてどのようにお考えになっているのか、お聞かせください。

答)まだ早いね、総括を言うには。その上で言えば政権が発足して以来、コロナが一番この段階で経済の足を引っ張っている大きな理由の1つでもあったんですけれども、とにかくいろいろなことを考えられて、まず規制の緩和がすっかり忘れられているけれども、ハンコがなくなったなんていうのはえらいことじゃないかね。太政官布告が始まってこの方、ハンコなしに書類が出てくるようになった時代は革命的な話に近いぐらい日本ではでかかったね。これによっていろいろな意味での波及効果はありましたよ。私はそう思いますし、カーボンニュートラルの宣言についても、これはいろいろあったんだと思いますし、そういった意味では非常に大きな経済に対してこれから出てくるグリーンの話にしてもデジタルの話にしても、非常に大きな影響を与えたものだと思います。関連してデジタル庁、デジタル庁の話に比べれば今言った元の決定の方が極めて大きいと思いますし、昨日終わったオリンピック・パラリンピックの話にしても、マスコミは総じて反対だったんじゃないかね。国が全体としてオリンピックをまとめるという雰囲気を著しく阻害したことは確かだよね。そういった中できちんとまとめられた、これはいろいろな意味で経済、消費等には効果があったと思っているんですけれども、いずれにしても全体として総括するのにはまだ少々時間が必要じゃないかなとは思いますし、3日の会見で述べられたとおりコロナの感染拡大に取り組んで、昨日1,000人を切っていたっけな、東京は。何人だった、昨日。

問)すみません、正確には覚えていないです。

答)誰か覚えている人いない。誰も知らないのか。900何十人だったと思うんだけど、とにかく1,000人を切ったんですよ。そういった意味では、ついこの間まで5,000人でしたからね、随分と1週間と1,000人ずつぐらいの感じで減っている形にはなっているんだと思いますけれども、いずれにしても命と暮らしを守ることは非常に大事な課題なんだと思います。今後グリーン、デジタル、地方、少子化や子育ての話等いろいろありますので、今後予算等、こういった方面に重点化していくことを今後ともやっていかないといけないということなんだと思っていますので、予算の編成等これから検討していかないといけないところなんじゃないですかね。

問)今、大臣がご指摘されたように菅内閣、菅総理の功績はいろいろあるんだと思いますけれども、先週金曜日に総裁選に出馬しないと述べられたまでの1週間、いろいろな混乱があったと思います。党役員をめぐる混乱とか総裁選前のこうした混乱について自民党の内外からは政権の延命ではないかという批判もありました。改めて伺いますが、大臣は菅総理が総裁選に出馬しないという判断をしたことをどう評価されるか、またそのタイミングについてどういうふうにお考えになられるか、この点をお聞かせください。

答)これは菅総理の判断なので、ご自分としては安倍総理の残任期間をやるという話は最初のときにしておられましたし、ご自分はあのとき、安倍総理の離任とか辞任とかというのはあまり真剣に、私もそうですけれども、そんな状態になると思っていませんでしたから、菅総理も突然に言われて、残任期間ということで、官房長官として、いわゆる補佐をする立場ですから総理の意向を受けて、コロナ対策等を主にやっておられましたので、あの時点で総理の代わりとしてコロナをきっちりわかっている人は官房長官が一番だったと思いますから、そういった意味ではあの選択、状況で自分が引き受けざるを得ないという判断をされたんだと思って、それはそれなりに正しいと思います。その1年間の結果、今言われたようにコロナの問題等というのは甚だ自分としてはご不満なところもあって、効果もなかなかというところもありましたけれども、曲がりなりに収束して国際社会の中の評価は極めて高いと思います。そういった意味では私は判断として、自分は全うしたという思いがおありだったことは確かだと思いますから、私はそこの部分が一番大きかったんじゃないのかなとは思ってはいるんですけれども、コロナが途中だという話もありますので、これはちょっと、コロナが途中だというより、コロナが今後ゼロになるか、SARSだってMERSだってインフルエンザだって毎年ありますからね。これがゼロになるということは、お医者さんに聞くとウイルスの話でゼロになるなんていうことはないですよと。必ずありますからという話で、英語じゃウィズコロナと言うんですけれども、コロナと一緒にというのはある程度共生していかないといけないわけでしょう、我々は。そういってコントロール下において共生していかないといけないと。何のウイルスでもそうなる、今後ともいろいろなウイルスが出てくるでしょうけれども、そういった中でやっておかないといけないということだったので、コロナ対策にというのはわからないことはないですけれども、一番の思いはそっちだったんじゃないのかなと思っていましたから、そういう判断をされたのはそれなりに尊重すべき判断だったんだと私はそう思いますけれどもね。

問)大臣、冒頭に菅政権を振り返る中で評価とすべきところの第一点で規制緩和、ハンコのことを言及されました。ハンコをなくすということですね。これはある意味で河野太郎大臣が取り組んでこられたこととも重なるというか、担当だったというふうに思うんですが、金曜日来、河野大臣、たびたび大臣室に訪れておりますけれども、大臣は河野大臣をどのように評価されますか。。

答)閣僚が閣僚に対する批判をこの場で言うなんていうことは考えられんから、財研の記者クラブとしては、財研の記者会見で言うようなことはありませんね、そういうのは。

問)株価についてお伺いします。日経平均が今日5カ月ぶりに一時3万円を回復しました。新政権への経済対策、経済政策への期待という声も聞かれますが、一方でコロナ対策の財政政策ですとか金融政策による過剰流動性を助長したという声も聞かれます。現状の経済情勢を踏まえた株価水準について今、大臣はどのように考えていらっしゃるか、ご所見をお願いします。

答)株価の話について財務大臣がしゃべるなんていうことを期待しているとするなら、成長せんねと言われるから、そういった質問は控えた方がいいですな。時間の無駄になりますから。ただ、経済活動やら何やらは様々な要因で動きますからね。今、総裁選挙に菅さんが出なくなった、総理にならなくなった、出ないということになったのでということで、自民党と公明党との連立政権で政権が交代することはないなと思ったから株が上がっているんだよと、これはある証券会社の人の話でしたけれども、どれくらい上がるんですかと言ったら、連続して上がっていくよと。事実、連続して2日間で1,000円ぐらい上がっていますから、そういったものになりますので、この種の話は経済とは関係ないからね。何となく思惑とか、そういった話になっているんだと思いますから、経済動向として何となく政権がひっくり返らないというだけで上がっているのは、そんなもんなんですかね。私は株というのはよくわからないんですけれども、そういった思惑で上がったり下がったりするものであるのは、いろいろ何回もありますので、不必要に下がってみたり上がってみたりするのはあれですけれども、あまりにも急激に上がったり下がったりするのは、為替とは少し違いますけれども、少々跳ね方がすごいねと思って昨日、一昨日と見ていましたけれども、とにかく市場動向というのは常に注視しておかないといけないものですから。

問)自民党総裁選についてなんですけれども、出馬の意向を示している一部の候補者は2%の物価目標を達成するまでPBの規律を凍結するというような主張をしているようですけれども、財務大臣としてマクロ経済政策、財政健全化の観点からどういった主張の候補者が次の総裁としてふさわしいと考えていらっしゃいますでしょうか。

答)各候補者の経済政策というものを全部が全部読んでいるわけじゃないので、よくわからないんですけれども、経済を考えるときに財政と金融はうまいことバランスして、基本的には経済の再生と、PBとかいろいろなものがありますから、経済の再生と財政の健全化、これは両立させないといけないとずっと一貫して言ってきていますので、歳出と歳入両方の面を考えてしっかり取り組んでいってくれる人が一番いいのであって、片方だけに偏るのは何となく、モダン・マネタリー・セオリーって知っているでしょう、MMTなんていう話に私共は付き合うつもりはありませんから、そういった意味ではきちんとした財政の健全化をしていかないと、少なくとも日本の為替等、そういったようなものに対する信頼を失えば一挙に円安に振れたり、インフレになったりしかねませんから、そこらは非常に国民生活に影響を与えますので、そういったものは確実に安定したものでやっていく必要があるんだとは思っていますけれどもね。

問)経済対策についてお伺いしたいと思います。自民党総裁選に出馬を表明している岸田候補が昨日、規模にして30兆円超の経済対策を目指すという見解を表明されました。改めまして大臣の経済対策の在り方についてご所見をお伺いしたいと思います。

答)30兆円の補正予算を組むという話をされた候補者がおられるということですか。

問)対策の規模なので必ずしも補正そのものとは限らないかもしれないんですけれども、経済対策として30兆円超ということを述べられたようです。

答)経済対策の何を基礎に30兆円が出てきているんだか、私共としては内容がわからんと、みんな30兆円等いろいろなことを言われるんですけれども、少なくとも一律10万円で前回一斉に配ったりしたことがありましたよね、あれもその30兆円の中に入るというのであれば、とてもそんな話は乗れませんね。30兆円の内容がわからんと私共としては答えようがないんですが、公共工事なんていうのは、公共工事が今どれぐらい積み残しているんですか。 公共工事の全部が完了できなくて、年度内完了がおぼつかなくて繰り越しているのはどれくらいあるんですか、知りませんか。

問)存じません。すみません。

答)かなりの額が繰り越されているんですよ。それで公共工事を積み増して何をするの。そういう実態をよく見ながら考えてもらわないと、そういった話はなかなか簡単には乗れない話なのであって、ただただ公共工事を積み増して、それで翌年に繰り延べてもあまりという感じがしますので、具体的に今、企業は内部留保がどんどんたまっている。個人金融資産も2,000兆円と言われるほど。そして現預金だけで1,000兆円を超えるというようなものを持っている人達のお金が外に回らない限りは景気はよくなりませんな。GDPが増えることもないので、個人消費とか企業の設備投資が起きるように、しやすいためにはどんな方法が要るんですか。教えてもらいたいよ、是非。そういう案をおたく考えたらどうだね、経済やっているんだったら。そういった話を我々の方は期待したいと思っているので、ただやみくもに30兆円と言われても、何に使うんです。それがわからん話で質問されても答えようがありませんね。

(以上)