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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(令和3年9月3日(金曜日))

【質疑応答】

問)昨日の官邸の成長戦略会議で、菅総理が成長戦略の具体化策を秋に取りまとめるように指示されました。この指示は足元の経済対策のための補正予算編成を視野に入れたものだと思いますが、衆院選後の臨時国会で補正予算を成立させる必要性について財務大臣のお考えをお願いします。

答)昨日の成長戦略会議で菅総理からグリーン分野への新たな投資の促進や人への投資の強化といった課題を具体化するための議論を秋に向けて、という話が出ていましたことは承知をしております。従来この種の話は年末に出てくるのですが、それを秋に言われたということだと思いますが、経済対策や補正予算の編成等について今の時点において政府に対して検討の指示があったというようには考えていませんが、指示があるということを考えて、与党とよく連絡、連携をしながら、取りまとめに当たってはぬかりがないように我々としては議論をしていかねばならんところだとは思っています。

問)みずほ銀行の関係なんですけれども、みずほ銀行が8月に起きたシステム障害について8月31日に金融庁に銀行法に基づく報告を提出しました。報告についてどのようにご覧になっているか、どのような行政対応をとるのか、現時点での所感をお願いします。

答)8月20日と23日に発生したシステムの障害の話については、おととい31日にみずほ銀行から金融庁に対して報告書が提出をされたことは事実です。個別の案件でもありますので、報告書の内容に関わる話等々、評価、そういったものは具体的な事項についてコメントすることは差し控えさせていただきますけれども、とにかくみずほの方からの報告書を踏まえて、これからシステム障害にかかる顧客の対応とか原因究明とか、そういった再発防止策というものをフォローアップしていかないかんので、みずほの話ばっかりが出てきますけれども、大きなところでこの間アマゾンの話もありましたけれども、あれはSBIなんかも含め多くが関係していたけれどもアマゾンの話、元はそこから起きた話だったろう、あれは確か。そういった意味でいろいろなものが、こういった大きなシステムというものにちょっと故障、事故等々が、機械ですから起きるということは十分にあり得るわけですから、そういったときのバックアップシステムやら何やら検討しておかないと利用者が非常に迷惑をするということになりかねませんから、あのときは時価評価のところが確か止まったのかな、アマゾンのときは。何も我々だけのところではないですけれども、一番大きな利益の出ているところでもあるので、きちんとやってもらわんといかんというのは各行、利用しておられる各銀行、皆同じだと思いますけれども、そういうことが起こり得るということですな、そう思って我々も構えておかんといかんということだとは思います。

問)みずほの関連で、みずほは3月までに4度のシステム障害があって、6月には会社の第三者委員会が報告書をまとめているんですが、この間、金融庁の検査にちょっと時間がかかり過ぎている印象も持つんですが、一番悪いのはみずほ自身ですが、みずほに対する金融庁の対応に課題はないでしょうか。大臣のお考えをお願いします。

答)この銀行の場合はスタートから、でかいのが2回ありましたかね。あなたその頃、生まれていたかどうか知らんけれども。今年に入って4回か、そういうことだろう。やろうとするとまた出てくるという話ですので、ちょいとまとめてある時やらないかんということで、結論を出そうとするとそこにまた新しいのが出てくるというふうな形になっているというのがちょっと我々としては甚だ遺憾なところなんですけれども、しっかりフォローアップしてもらわないかんところですな、ここは。故障の種類が、いつも同じ故障ならまだわかるけれども、たびたび違うもんな。そこはちょっと、何かがどうかしているのかね、よくわからん。ここはまだよく、説明を聞いただけではあれなので、よく調べないかんところだと思っています。

問)財研の会見で大変恐縮なんですが、自民党総裁選への関心が高まっておりまして、大臣、菅首相を支持されるのでしょうか。

答)ここは財研の記者クラブなので、この種の話に答えたことはありません。財務省の話、関連の話にしてもらいたい。金融庁か財務省の話にしてもらえればと思います。

問)ちょっと先の話になるかもしれないんですけれども、今年末で公表停止となる金利指標の円LIBORについてお伺いさせていただきます。日本で4月にTORFが出たので後継指標が出そろい、金融庁としても日銀や全銀協といった関係機関や団体と連携して金融機関など円滑な移行に向けた支援を行っているところかと思います。一方で5月末に公表された利用状況調査では昨年末段階で約2,600兆円の契約残高があり、期限までの円滑な移行が進まなければ大きな混乱が生じる可能性もあります。移行計画では今月末を既存契約の顕著な削減目標時期としており、残り4カ月を切る中で移行状況に対する現状認識と今後4カ月という大詰めに向けて金融庁として取り組むべき具体策について大臣のお考えをお聞かせください。

答)円LIBORという話を聞いて、まず世間で通じる人というのはほとんどいないんだと思うんですが、ロンドンのインターバンクでオファーするレート、これをLIBORと言うんですな。円LIBORというのは銀行間取引の金利の話なんですけれども、ご存じのように4年前だったっけな、引っかかったのは。何年だった、引っかかったのは。

問)不正が相次いで判明した2012年の夏頃だと思いますが。

答)円LIBORとかが引っかかって、ロンドンで、これをやめると。LIBORというものをやめるという話になって、我々としてはこれに合わせて、銀行間取引の無担保の金利ということを意味するんですけれども、これに代わるものを作らないと事が進みませんから、したがって今年末、年末ですよ、本年末に円LIBORの公表停止を予定しておるのが今です。それに合わせて今、事をどんどん進めているのは、残された時間はかなり限られてきていますので、私共としては主要な金融機関の市場関係者に移行計画に合わせて代替金利指標というものへの移行を、準備を進めてもらっているんですが、着実に結構進んでいると思っているんですけれども、年末までまだ4カ月あるとはいえ、一応9月末までで、それまでにどれくらいできるかということをやっているんですけれども、東京のターム物リスク・フリー・レート、TORFというものがよく使われますけれども、TORFをやるとか、同じような指標でいろいろなものがあるんですけれども、東京オーバー・ナイト・アベレージ、TONAとか、いろいろそこに代わる指標を使っていただいて、大きな混乱が起きることなく年末を迎えるようにしないと、これは今、主に日本銀行等々と連携をし合って私共としては9月末の進捗の状況調査というのを実施するほか、各金融機関に対して、これは何もあれですからね、主要銀行だけやっているんじゃなくて、各地銀でもみんなこれを使っていますから、そういったものの話で対応を求めていくということにさせていただきたいと思って、円LIBORに代わるものとして、結構取扱高が、2,000兆、もうちょいあるな、2,500~2,600兆あると思いますから、そういったようなものの扱いを今順次進めていますけれども、早めに発表して早めに取りかかってもらったこともあり、死活問題ですから、これ。動かないといったらえらいことになりますから、そういった意味では今のところ報告を聞いている範囲においては順調に進みつつあるかなと思っていますけれども、年末までにきっちり終わらないと銀行にとりましてもえらい騒ぎになりかねんという感じがしますので、みんな真剣に取り組んでいただいていると思っています。

問)今後の財政運営について1点伺わせてください。足元の情勢を見てみても年末にかけて歳出圧力というのが高まっていくというふうに考えられます。ただ、いまだ予備費を見ても2兆5,000億円ありまして、2兆しかという声もありますけれども、一方で通常の予備費を考えれば毎年5,000億の5倍ほどがまだ予備費としてあります。仮に例えば大規模な予算をつけたとしても着実な執行というものがスピード感を持ってできなければ緊急性のある補正予算の使い道として役割を果たし切れないんじゃないかというような指摘もあると思うんですけれども、改めて今、麻生さんがこれまで経済再生、財政健全化、あと着実な執行というのを訴えてこられてきますけれども、改めて今どういうふうに財政運営というのをこれから考えていかれるのか、お聞かせください。

答)一番予測の難しい、普通5,000億円あったら十分なところを今年は10倍からの金を使っているので、そういった意味では常識的には回るはずです。今、予備費は半年で半分ということになっていますから、その対策のほとんどはコロナ対策に使って、残り約半分、年度も半分ということになっているんですけれども、何とか委員会とかというところの話から度々変わるので、最初は45万人亡くなるという話だったじゃないですか。実際は今1万6,000人ぐらい。だから30倍も予想を間違えられたら話にならんとは思いますけれども、そういった話の中で対応は常に準備をしておかないといけないとは思いますので、予算を組んだとき、5兆円なんてふざけるなという話が随分新聞にも書いてありましたけれども、現実問題として半年で約半分になって、足りなくなるかもしれないと。これからのコロナの患者数等がどうなってくるかよくわからないけれども、世界最高水準の人口当たり病床数を誇る日本で2,000人の重症患者、それで何で医療崩壊なのか説明してよって医師会に言っても、何だかかんだ、よくわからない話でした。私共としてはそれに税金を使いますので、しかるべき理由がないと税金を出すことはいかがなものかと思いますので、私共としてはこれがどれくらいになっていくのがというのがよくわからない。このところ新規感染者数は、先週に比べて大幅に減ってきていますから、それなりにワクチンの効果が上がってきているとか、いろいろな理由がありますので、これから後も毎月何千億円という金がずっと出ていくのか、出ていかなくて済むのかによって、ちょっと何ともわかりませんけれども、今の段階で直ちに補正予算を組まねばならん、それ用にね、9月、10月直ちに組まねばならんという状況に陥っているかというと、そんな状況ではありませんので、私共としてはもう少しよく見ていかないといかんのが1点。もう1点は今言われたように、少なくとも公共工事を繰り越している部分が非常に多くあります。例年に比べて圧倒的に多いので、消化できないんですよね。コロナで人手が集まらない等いろいろな理由もあるんだとは思いますけれども、そういった状況にある中で、公共工事等と言われても、それは消化できないでしょうがということになるんだと思います。危機対策になるような施策はどういうものなのか、民間も内部留保が増えていますし、個人も預貯金総額は絶対量が増えていますし、金融資産だけで1,000兆円を超えましたから。そういった状況の中で金がないという人と金が余っているという人と、いろいろいらっしゃいますので、対策としてきちんとしたものをやっていかないと。預金がさらに増えるだけというのでは、いわゆる消費、経済成長に一番大きな比率を占めているのは個人消費ですから、その個人消費が増えなきゃ、企業でいえば設備投資が増えなきゃということになろうかと思いますので、菅総理の言っておられるグリーンの話にしてもデジタル化の話にしても、そういったものの設備投資に回りやすいように、結果としてそれが経済成長につながっていきますから、生産性が上がることにつながるものに対する支援等というようなことは考えられるとは思いますけれども、ただただ前回みたいに一律に10万円、総額12兆円、あのときの3カ月間で預金がちょうど12兆円増えていますから、そういった意味ではあの3カ月間の預金を見ますと数字としてはたまたま12兆円ということになっていますけれども、全部が全部預金に回ったとは全然思いませんよ、必要な方、使わざるを得なかった方がいっぱいいらっしゃると思いますから。そこのところはそうですけれども、ただ、預金が増えていることは事実ですので、そういった意味では支給、支援の仕方にしてもいろいろ考えないといかんところではないかなとは思います。まだ今、これをするとか、あれをするということを決めたわけではありません。

(以上)