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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(令和3年6月25日(金曜日))

【質疑応答】

問)来週30日からオンラインで開かれますOECDの会合で国際的な最低税率やデジタル課税など国際課税ルールの導入に向けた議論が行われます。先日のG7財務相会合で合意に達した柱1と柱2をめぐるテーマについて、今回のOECDの議論ではどこまで進展することを期待されますでしょうか。

答)期待をするか、行き着くところまで。簡単に言えばそれだけですよ。今のこの会議の話をどこでスタートしたか記憶していますか。

問)フランスのG7の財務相会合ですか。

答)これはOECDでやったんだよ。グリアという当時、もう退官されましたけれども、グリアさんという人と、そのときのOECDの国際租税の委員長になりました浅川、今のアジア開発銀行の総裁になっている浅川が、当時この問題を一番詰めた当事者はその2人。したがってOECDでスタートして、OECDの中でこれをやったものですから、どれだけ期待されますかといえば、行き着くところまで行くというのを期待していますということにしかなりませんね、答えを言えば。どの程度までなんて言われたって、国際社会での議論というのはどの程度まで行き着きますかなんて、そんな漠然とした質問だったら行き着くところまでとしか言いようはないですな。

問)先日開示されたいわゆる赤木ファイルの件で、おととい遺族が起こしている裁判で遺族側がファイルの原本を示すように求めていました。大臣も先日会見でマスキングの範囲は個人のプライバシーとか情報セキュリティに限定しているとおっしゃっていましたが、遺族が求めている原本を開示することの必要性とか、そのあたりについてはどうお考えかお聞かせください。

答)私共、赤木ファイルというのの定義が難しいんです。出た紙は1枚ですわね、赤木さんから出た、たった1枚の紙ですから。あとの赤木ファイルというのは、これまで出されていた資料の中で赤木さんが言うとか、あなたが言う赤木ファイルとおぼしきものを全部書き出した、で、こういうものになったというのが赤木ファイルですから、赤木さんが書かれた紙は1枚しかないということをまず区別してもらわないと、一緒に考えて、あなたの報道の仕方だといかにも最初からこんなのは、全然違いますからね。紙は1枚、赤木さんからのはね。まずその上で、我々としては原本というものをコピーして、その上で個人のプライバシーの話とかセキュリティに関するところはマスキングしましたけれども、そのマスキングした理由について書いてありますわね。もちろん読んでいないだろうけど。書いてあるんですよ、あれは。訴訟における原告の主張ですから、訴訟において裁判所の指揮というのがありますので、訴訟指揮に従いながら国としては多くの資料の中からこの種のことに関する、関連するというものを適切に出してきたんだと思っておりますけれどもね、その点に関しては。

問)同じく訴訟について、裁判所に財務省が提出した資料の、具体的に言うと517ページというところなんですけれども、本省からのメールで国会議員の文書提出要求に対して、いわゆるメールで議員に持っていくつもりはなくですとか、出せと言われたら探しているけれどなかなかと、引き取るという方針がメールの中に書いてあって、課長が了承したというような記載がありました。これについて立法府である国会を組織的に軽視したようにも見受けられるのですが、この点について大臣はいかがお考えでしょうか。

答)事実をそのまま書いたんじゃないでしょうかね。あなたの見方によればというのが正確なのかもしれませんけれども、私共についてはあの中に書いてある事実、徹夜で全部作業をするほど大量に全質問がこれに集中したという実態、あのとき、あなた担当していたんだろう。そのときは現場にいたことはないのか。

問)そのときはいないです。

答)聞いた話を言っているだけだな、じゃあ。現場にいた人達にしてみれば、財務局としていろいろな資料の要求やら何やらで徹夜に次ぐ徹夜が続いていたというような状態であったという事実を書いたので、それが国会非難だとあなたはとるわけだね。

問)議員の提出要求に対して持っていくつもりが全くなくというところが議員を軽視しているように僕は感じました。

答)持っていけないんだよ、物理的に。事前にみんなこういう質問を、質問取りをやったりなんだりするわけですけれども、その事前の説明をするだけの、物理的にもできないという状況を説明していると。いずれにしても行政全般の信頼を損なうという結果を招いてしまっており、そういった意味では私共としては甚だ残念な結果になりましたけれども、我々としては出せるものをできるだけ当時の人間は必死こいてそれを全部やったんだと思っていますので、それに対応させられた財務局としては大変だったろうとは思いますけれども、元はといえば財務省の招いたところからスタートしていますので、私共としてはその点を真摯に反省した上で対応していかないといけないということでしょうね。

問)話題変わりますけれども、昨日、宮内庁の長官が東京オリンピック・パラリンピックについて天皇陛下が開催が感染拡大につながるのではないかと懸念されていると拝察しているというふうに会見で発言しています。大臣の受止めをお伺いします。

答)宮内庁長官が天皇陛下の言葉を、宮内庁長官の言葉じゃなくて天皇陛下の言葉として伝えたというの。そういうことを言っているんですか。

問)長官が天皇陛下からそのお言葉を直接聞いたことはありませんというふうに長官は言っています。

答)さあ、わかりませんね、そこのところは。もし仮に聞いたとしても、通常、宮内庁長官というのは天皇陛下の言葉を直々に伝えたり、代わりに伝えるなんていうことは普通はない。天皇陛下の言葉を我々聞きますけれども、こういうふうにおっしゃっていましたなんて我々が言ったことはないから。いろいろご進講やら何やらありますけれども、そのとき陛下が何とおっしゃられたかというのは、それは今上陛下の言われたお気持ちを我々が受け止めて、それに対応はしますけれども、どう言われたかというようなことを言うことはないです。だから今の話は宮内庁長官の気持ちを言われたのかもしれませんけど、陛下の言葉としては普通はないです。

問)赤木ファイルについて、遺族側が原本を出してほしいとおっしゃっている背景には今回出されたもの、あれが全部なのかということに疑いを持っているということがあるようです。ファイルはいわゆるドッチファイルというのにまとめて挟んであったということですが、あれが全部なのか、全部だと財務省は自信を持って言えるのか、また、大臣はそのあたり確認されているのでしょうか。

答)私共としては原本というものは、出されたものをそのままコピーして出していますから、そういった意味では個人のプライバシーの話とかというのは前々から申し上げているとおりなので、私共としてはきちんと出させていただいたと、そう思っていますよ。

問)赤木ファイル、詳細に読んでみますと、改ざんは当時の佐川理財局長による指示だということが財務省側から近畿財務局に送られたメールに明確に書いてあります。これは財務省が出した調査報告書の内容を超えるものだと思いますけれども、このメールをご覧になって改めて再調査というお考えはないのでしょうか。

答)調査報告書の中で出ていましたけれども、平成29年の3月20日の話だと思いますけれども、この日、理財局長を含めて改めて議論を行うということになったと書いてあるでしょう、確か。その際に理財局長の方から同年2月から3月にかけて積み重ねてきた国会答弁を踏まえた内容とするように念押しがあったと書いてあるじゃないの、確か。読んでいないだろう。

問)局長から直接の指示がありましたというメールの文章もありまして。

答)だから、踏まえた内容とするように念押しがあったんだな。そういう具合にあったと書いてあると思いますけどね。その目的についても応接録の廃棄とか決裁文書の改ざん等は国会議員において森友学園案件が大きく取り上げている中でさらなる質問につながり得る材料を極力少なくすることが主たる目的であったと認められると認定されていますので、実質的な違いはないんだと私共はそう考えています。

問)実質的な違いはないと大臣もご判断されたということですね、今回のをご覧になって。

答)はい。

(以上)