令和6年5月10日
財務省
令和5年度中 国際収支状況(速報)の概要
Ⅰ経常収支
金額 | 前年度比 | ||||
---|---|---|---|---|---|
貿易・サービス収支 | ▲6兆230億円 | +17兆1,541億円 | (赤字幅縮小) | ||
貿易収支 | ▲3兆5,725億円 | +14兆2,144億円 | (赤字幅縮小) | ||
輸出 | 101兆8,666億円 | +2兆1,281億円 | (+2.1%増加) | ||
輸入 | 105兆4,391億円 | ▲12兆863億円 | (▲10.3%減少) | ||
サービス収支 | ▲2兆4,504億円 | +2兆9,397億円 | (赤字幅縮小) | ||
第一次所得収支 | 35兆5,312億円 | +2,162億円 | (黒字幅拡大) | ||
第二次所得収支 | ▲4兆1,692億円 | ▲1兆1,099億円 | (赤字幅拡大) | ||
経常収支 | 25兆3,390億円 | +16兆2,604億円 | (黒字幅拡大) |
「経常収支」は、「貿易収支」が赤字幅を縮小したこと等から、黒字幅を拡大した。
1.貿易・サービス収支:▲6兆230億円の赤字(前年度比+17兆1,541億円赤字幅縮小)
「貿易収支」が赤字幅を縮小したこと等から、「貿易・サービス収支」は赤字幅を縮小した。
(1) 貿易収支:▲3兆5,725億円の赤字(前年度比+14兆2,144億円赤字幅縮小)
輸出額が増加し、輸入額が減少したことから、「貿易収支」は赤字幅を縮小した。
-
輸出:101兆8,666億円(前年度比+2兆1,281億円[+2.1%]増加)
-
輸入:105兆4,391億円(前年度比▲12兆863億円[▲10.3%]減少)
[参考1]令和5年度分貿易統計(通関ベース:財務省関税局4月26日付公表)
(1) 輸出:102兆8,980億円(確報値:前年度比+3兆6,749億円[+3.7%]増加、数量:同▲2.4%減少、価格:同+6.2%増加)
-
「商品別」では、自動車(同+4兆1,421億円[+30.2%]、数量:同+17.7%)、自動車の部分品(同+3,051億円[+8.2%]、数量:同+3.3%)、建設用・鉱山用機械(同+2,427億円[+13.8%])等が増加。
-
「主要地域別」では、対北米(同+2兆6,185億円[+13.2%])、中東(同+5,992億円[+19.8%])等が増加。
(2) 輸入:108兆7,745億円(9桁速報値:前年度比▲12兆5,064億円[▲10.3%]減少、数量:同▲5.2%減少、価格:同▲5.4%減少)
-
「商品別」では、石炭(同▲3兆5,015億円[▲40.8%]、数量:同▲9.2%)、液化天然ガス(同▲2兆8,137億円[▲31.7%]、数量:同▲8.0%)、原粗油(同▲2兆5,458億円[▲18.4%]、数量:同▲8.6%)等が減少。
-
「主要地域別」では、対大洋州(同▲4兆620億円[▲30.5%])、アジア(同▲3兆2,815億円[▲6.0%])等が減少。
[参考2]原油価格(石油連盟の資料により財務省で算出)
-
ドルベース:85.98米ドル/バレル(前年度比▲16.3%)
-
円ベース:77,868円/キロリットル(前年度比▲10.7%)
(2) サービス収支:▲2兆4,504億円の赤字(前年度比+2兆9,397億円赤字幅縮小)
「旅行収支」が黒字幅を拡大したこと等から、「サービス収支」は赤字幅を縮小した。
[参考3]訪日外国人旅行者数(令和5年度):28,833,885人(前年度比+238.3%)
出国日本人数(令和5年度):10,986,322人(前年度比+158.2%)
(出典:日本政府観光局(JNTO)の資料により財務省で算出)
2.第一次所得収支:35兆5,312億円の黒字(前年度比+2,162億円 黒字幅拡大)
「証券投資収益」が黒字幅を拡大したこと等から、「第一次所得収支」は黒字幅を拡大した。
Ⅱ金融収支
5年度 | 前年度 | ||
---|---|---|---|
直接投資 | 25兆2,039億円 | 18兆2,042億円 | |
証券投資 | 8兆8,837億円 | ▲8兆5,094億円 | |
株式・投資ファンド持分 | ▲10兆8,515億円 | 3兆7,632億円 | |
中長期債 | 16兆3,873億円 | ▲4,553億円 | |
短期債 | 3兆3,479億円 | ▲11兆8,173億円 | |
金融派生商品 | 7兆5,724億円 | 3兆7,271億円 | |
その他投資 | ▲24兆5,533億円 | 2兆2,121億円 | |
外貨準備 | 4兆3,465億円 | ▲6兆4,870億円 | |
金融収支 | 21兆4,532億円 | 9兆1,471億円 |
「直接投資」において純資産が増加したこと等から、「金融収支」は純資産が21兆4,532億円増加した。
1.金融収支・資産(居住者による投資)
(1) 対外直接投資:26兆8,031億円の資産増
本邦企業による海外企業の増資引受け等がみられ、資産増(実行超)となった。
(2) 対外株式・投資ファンド持分投資:▲2兆3,216億円の資産減
信託銀行(信託勘定)等が売り越しとなったこと等から、資産減(処分超)となった。
(3) 対外中長期債投資:12兆8,939億円の資産増
銀行等(銀行勘定)が買い越しとなったこと等から、資産増(取得超)となった。
2.金融収支・負債(非居住者からの投資)
(1) 対内直接投資:1兆5,992億円の負債増
海外企業による本邦企業の増資引受け等がみられ、負債増(実行超)となった。
(2) 対内株式・投資ファンド持分投資:8兆5,299億円の負債増
電気機器等の業種において買い越しとなったことから、負債増(取得超)となった。
(3) 対内中長期債投資:▲3兆4,934億円の負債減
その他債券が売り越しとなったこと等から、負債減(処分超)となった。
[参考5]ドル・円相場(インターバンク直物相場・東京市場中心値の期中平均レート)
144.55円/米ドル(前年度:135.43円/米ドル、前年度比6.7%の円安)
ユーロ・円相場(インターバンク直物相場・東京市場17:00現在レートの期中平均レート)
156.74円/ユーロ(前年度:140.97円/ユーロ、前年度比11.2%の円安)