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令和3年上半期中 国際収支状況(速報)の概要

令和3年8月10日

財務省

令和3年上半期中 国際収支状況(速報)の概要

I  経常収支

経常収支の内訳
  前年同期比
貿易・サービス収支 2,234億円 +3兆1,410億円 (黒字転化)
  貿易収支 2兆3,143億円 +3兆2,877億円 (黒字転化)
  輸出 39兆2,231億円 +7兆1,276億円 (+22.2%増加)
輸入 36兆9,089億円 +3兆8,399億円 (+11.6%増加)
サービス収支 ▲2兆  909億円 ▲1,467億円 (赤字幅拡大)
第一次所得収支 11兆4,406億円 +7,116億円 (黒字幅拡大)
第二次所得収支 ▲1兆1,965億円 ▲3,506億円 (赤字幅拡大)
経常収支 10兆4,675億円 +3兆5,019億円 (黒字幅拡大)

「経常収支」は、「貿易収支」が黒字に転化したこと等から、黒字幅を拡大した。

1.貿易・サービス収支:2,234億円の黒字(前年同期比+3兆1,410億円黒字転化)

「貿易収支」が黒字に転化したことから、「貿易・サービス収支」は黒字に転化した。

(1) 貿易収支:2兆3,143億円の黒字(前年同期比+3兆2,877億円黒字転化)

輸出額の増加が輸入額の増加を上回ったことから、「貿易収支」は黒字に転化した。

  1. 出:39兆2,231億円(前年同期比+7兆1,276億円[+22.2%]増加)

  2. 入:36兆9,089億円(前年同期比+3兆8,399億円[+11.6%]増加)

[参考1]令和3年上半期分貿易統計(通関ベース:財務省関税局7月29日付公表)

(1) 輸出:39兆8,585億円(確報値:前年同期比+7兆4,988億円[+23.2%]増加、数量:同+17.8%増加、価格:同+4.5%増加)

  1. 「商品別」では、自動車(同+1兆3,615億円 [+32.8%]、数量:同+24.8%)、自動車の部分品(同+4,976億円[+38.8%]、数量:同+34.2%)、半導体等製造装置(同+3,969億円 [+34.3%]、数量:同+28.5%)等が増加。

  2. 「主要地域別」では、対アジア(同+4兆3,282億円 [+23.3%])、北米(同+1兆5,128億円 [+25.0%])等が増加。

(2) 輸入:38兆8,768億円(9桁速報値:前年同期比+4兆2,412億円[+12.2%]増加、数量:同+5.6%増加、価格:同+6.3%増加)

  1. 「商品別」では、非鉄金属(同+4,480億円[+51.7%]、数量:同+11.3%)、通信機(同+3,714億円[+29.2%])、鉄鉱石(同+2,919億円[+56.7%]、数量:同+11.3%)等が増加。

  2. 「主要地域別」では、対アジア(同+2兆2,307億円[+13.0%])等が増加。

[参考2]原油価格(石油連盟の資料により財務省で算出)

  1. ドルベース:61.11米ドル/バレル(前年同期比+18.5%)

  2. 円ベース:41,255円/キロリットル(前年同期比+17.0%)

(2) サービス収支:▲2兆909億円の赤字(前年同期比▲1,467億円赤字幅拡大)

「旅行収支」が黒字幅を縮小したことから、「サービス収支」は赤字幅を拡大した。

[参考3]訪日外国人旅行者数(令和3年上半期):96,300人(前年同期比▲97.6%)

出国日本人数(令和3年上半期):199,100人(前年同期比▲93.3%)

(出典:日本政府観光局(JNTO))

2.第一次所得収支:11兆4,406億円の黒字(前年同期比+7,116億円 黒字幅拡大)

「直接投資収益」が黒字幅を拡大したこと等から、「第一次所得収支」は黒字幅を拡大した。

経常収支の推移

II  金融収支

金融収支の内訳
 
直接投資 7兆6,205億円 5兆2,596億円
証券投資 ▲6兆6,634億円 ▲13兆8,275億円
  株式・投資ファンド持分 ▲6兆1,159億円 ▲8兆9,267億円
中長期債 ▲3兆7,812億円 8兆5,742億円
短期債 3兆2,337億円 ▲13兆4,750億円
金融派生商品 1兆9,426億円 1兆1,408億円
その他投資 2兆8,877億円 16兆6,231億円
外貨準備 1兆1,330億円 ▲3,668億円
金融収支 6兆9,204億円 8兆8,291億円

「直接投資」において純資産が増加したこと等から、「金融収支」は純資産が6兆9,204億円増加した。

1.金融収支・資産(居住者による投資)

(1) 対外直接投資:9兆9,566億円の資産増

本邦企業による海外企業の買収等がみられ、資産増(実行超)となった。

(2) 対外株式・投資ファンド持分投資:▲4兆3,899億円の資産減

信託銀行(信託勘定)が売り越しとなったことから、資産減(処分超)となった。

(3) 対外中長期債投資:1兆5,878億円の資産増

信託銀行(信託勘定)が買い越しとなったこと等から、資産増(取得超)となった。

2.金融収支・負債(非居住者からの投資)

(1) 対内直接投資:2兆3,361億円の負債増

海外親会社による本邦子会社への出資等がみられ、負債増(実行超)となった。

(2) 対内株式・投資ファンド持分投資:1兆7,261億円の負債増

電気機器等の業種において買い越しとなったことから、負債増(取得超)となった。

(3) 対内中長期債投資:5兆3,690億円の負債増

中長期国債が買い越しとなったこと等から、負債増(取得超)となった。

[参考4]ドル・円相場(インターバンク直物相場・東京市場中心値の期中平均レート)

107.81円/米ドル(前年同期:108.19円/米ドル、前年同期比0.4%の円高)

ユーロ・円相場(インターバンク直物相場・東京市場17:00現在レートの期中平均レート)

129.88円/ユーロ(前年同期:119.30円/ユーロ、前年同期比8.9%の円安)