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令和3年5月中 国際収支状況(速報)の概要

令和3年7月8日

財務省

令和3年5月中 国際収支状況(速報)の概要

I 経常収支

経常収支の内訳
  前年同月比
貿易・サービス収支 ▲2,534億円 +5,302億円 (赤字幅縮小)
  貿易収支 20億円 +5,145億円 (黒字転化)
  輸出 6兆1,832億円 +1兆9,622億円 (+46.5%増加)
輸入 6兆1,812億円 +1兆4,477億円 (+30.6%増加)
サービス収支 ▲2,555億円 +157億円 (赤字幅縮小)
第一次所得収支 2兆4,518億円 +3,876億円 (黒字幅拡大)
第二次所得収支 ▲2,187億円 ▲66億円 (赤字幅拡大)
経常収支 1兆9,797億円 +9,112億円 (黒字幅拡大)

「経常収支」は、「貿易収支」が黒字に転化したこと等から、黒字幅を拡大した。

1.貿易・サービス収支:▲2,534億円の赤字(前年同月比+5,302億円赤字幅縮小)

「貿易収支」が黒字に転化したこと等から、「貿易・サービス収支」は赤字幅を縮小した。

(1) 貿易収支:20億円の黒字(前年同月比+5,145億円黒字転化)

輸出額の増加が輸入額の増加を上回ったことから、「貿易収支」は黒字に転化した。

  1. 出:6兆1,832億円(前年同月比+1兆9,622億円[+46.5%]増加、3か月連続の増加)

  2. 入:6兆1,812億円(前年同月比+1兆4,477億円[+30.6%]増加、4か月連続の増加)

[参考1]令和3年5月分貿易統計(通関ベース:財務省関税局6月29日付公表)

(1) 輸出:6兆2,599億円(確報値:前年同月比+2兆743億円[+49.6%]増加、数量:同+38.5%増加、価格:同+8.0%増加)

  1. 「商品別」では、自動車(同+4,339億円[+135.5%]、数量:同+120.3%)、自動車の部分品(同+1,620億円[+139.2%]、数量:同+122.3%)、鉄鋼(同+855億円[+43.5%]、数量:同+10.9%)等が増加。

  2. 「主要地域別」では、対アジア(同+8,920億円[+32.5%])、北米(同+5,765億円[+94.0%])等が増加。

(2) 輸入:6兆4,492億円(9桁速報値:前年同月比+1兆4,069億円[+27.9%]増加、数量:同+6.9%増加、価格:同+19.6%増加)

  1. 「商品別」では、原粗油(同+2,716億円[+170.7%]、数量:同+1.5%)、医薬品(同+1,532億円[+61.2%]、数量:同▲11.7%)、非鉄金属(同+1,313億円[+99.5%]、数量:同+10.2%)等が増加。

  2. 「主要地域別」では、対アジア(同+3,619億円[+13.2%])、中東(同+3,188億円[+141.0%])等が増加。

[参考2]原油価格(価格は石油連盟資料による、前年同月比は財務省で算出)

  1. ドルベース:65.45米ドル/バレル(前年同月比+162.2%)

  2. 円ベース:44,808円/キロリットル(前年同月比+166.6%)

(2) サービス収支:▲2,555億円の赤字(前年同月比+157億円赤字幅縮小)

「輸送収支」が赤字幅を縮小したことから、「サービス収支」は赤字幅を縮小した。

[参考3]訪日外国人旅行者数(5月):10,000人(前年同月比+501.3%)

出国日本人数(5月):30,100人(前年同月比+443.4%)

(出典:日本政府観光局(JNTO))

2.第一次所得収支:2兆4,518億円の黒字(前年同月比+3,876億円黒字幅拡大)

「直接投資収益」が黒字幅を拡大したこと等から、「第一次所得収支」は黒字幅を拡大した。

経常収支の推移
経常収支の推移(季節調整値)

II 金融収支

金融収支の内訳
  5月
直接投資 1兆1,000億円 2兆3,444億円
証券投資 ▲6,693億円 ▲2,025億円
  株式・投資ファンド持分 1兆  614億円 ▲4兆6,878億円
中長期債 ▲2兆6,930億円 ▲3,830億円
短期債 9,622億円 4兆8,682億円
金融派生商品 3,568億円 3,604億円
その他投資 1兆6,612億円 ▲2兆7,364億円
外貨準備 2,551億円 ▲86億円
金融収支 2兆7,038億円 ▲2,427億円

「その他投資」において純資産が増加したこと等から、「金融収支」は純資産が2兆7,038億円増加した。

1.金融収支・資産(居住者による投資)

(1) 対外直接投資:1兆1,348億円の資産増

本邦企業による海外子会社の増資引き受け等がみられ、資産増(実行超)となった。

(2) 対外株式・投資ファンド持分投資:4,539億円の資産増

投資信託委託会社等が買い越しとなったこと等から、資産増(取得超)となった。

(3) 対外中長期債投資:▲9,849億円の資産減

銀行等(銀行勘定)が売り越しとなったこと等から、資産減(処分超)となった。

2.金融収支・負債(非居住者からの投資)

(1) 対内直接投資:348億円の負債増

海外親会社による本邦企業への出資等がみられ、負債増(実行超)となった。

(2) 対内株式・投資ファンド持分投資:▲6,076億円の負債減

情報・通信業等の業種において売り越しとなったことから、負債減(処分超)となった。

(3) 対内中長期債投資:1兆7,080億円の負債増

中長期国債が買い越しとなったこと等から、負債増(取得超)となった。

[参考4]ドル・円相場(インターバンク直物相場・東京市場中心値の月中平均レート)

109.19円/米ドル(前年同月:107.31円/米ドル、前年同月比1.8%の円安)

ユーロ・円相場(インターバンク直物相場・東京市場17:00現在レートの月中平均レート)

132.76円/ユーロ(前年同月:116.91円/ユーロ、前年同月比13.6%の円安)