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EBRDで勤務する日本人スタッフからのメッセージ

吉田 佳世 氏(プライベートエクイティチーム(セルビア・ベオグラード事務所在勤)プリンシパル)

私は2014年にEBRDに入行しました。当初は数年働いて国際機関での経験を積むことができればいいなという思いだったのですが、それが8年経った今も続けられているのは、チームや職務内容に恵まれてきたこと、そして数年ごとに新しいチャレンジを与えてくれる職場環境に起因していると思います。入行直後の2年間はいわゆるヤングプロフェッショナル向けのプログラム(IPP:International Professionals Programme)を通じ半年ごとに製造業や金融の投融資チーム、エコノミスト部門、タジキスタン事務所と様々なチームを経験することで、EBRDの多岐にわたる業務に対する理解を深め、社内ネットワークを築く事ができました。その後の5年間はロンドン本部のエクイティチームに所属し、様々な国や業界への投資案件を担当することで更に経験を積みました。そして、今年1月には西バルカン地域全体のエクイティ案件責任者としてセルビア事務所に赴任し、新しい生活環境や職務内容を楽しみながら、ベオグラードでの日々を送っています。

西バルカンは日本から見ると過去の紛争のイメージが強いかもしれませんが、実際はとても安全で、豊かな自然や東欧を彷彿とさせる街並みが多く、食事もワインも美味しいとても住みやすい地域です。一方で比較的小さい地域が更に複数の国に分かれているため、法制度や規制環境などが複雑で地域全体をターゲットとしたビジネス展開が難しく、大きなプロジェクトが生まれにくいのが投資家としては難点です。地域に特化した国際金融機関であるEBRDとしては、現地事務所の規模の大きさ(ベオグラード事務所だけで50人強のスタッフがいます)や各国政府との繋がりを活かし、投資環境の改善を推進し、海外投資家との共同投資を行うのが大切な役割の一つです。

現地事務所に赴任してからは、世界情勢や各国のビジネス環境に対するEBRDとしての意見を求められる事や、検討中の案件に関しその場で物事を判断する機会が多くなりました。そうした様々な場面で、組織としての公式見解と整合性を保ちつつ、個人的な経験・知識に基づいて意見を共有したり判断を下したりできるよう、日頃から同僚たちや関係者と情報交換を怠らず、自分の引き出しを増やすよう努めています。意見や判断を求められる事はプレッシャーである反面、今までの業務で経験してきた様々な学びを活かす絶好の機会だと捉えています。

EBRDは民間セクターへの投融資がコア業務であるが故、民間企業での経験を活かしやすい国際機関ですので、民間から国際機関へのキャリアチェンジを考えていらっしゃる方々には格好の環境です。様々なバックグラウンドから集う顧客や同僚達と言語や文化の壁を乗り越え、力を合わせて業務に携われるこの唯一無二の環境で、今後より多くの日本人の皆さんに活躍して頂ければと思います。

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