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第61回AfDB・第52回AfDF年次総会 日本国総務演説(令和8年5月27日 於:コンゴ共和国・ブラザヴィル)

第61回アフリカ開発銀行・第52回アフリカ開発基金年次総会日本国総務演説
(2026年5月27日(水) 於:コンゴ共和国・ブラザヴィル)

1.はじめに

議長、総裁、各国総務、並びに御列席の皆様、

今般のアフリカ開発銀行(AfDB:African Development Bank)グループ年次総会のホスト国であるコンゴ共和国政府に対し、日本政府を代表して心より感謝申し上げます。


2.アフリカの開発課題

世界は引き続き地政学的緊張の高まりと不確実性の増大に直面しています。中東における紛争は、経済活動や金融市場に大きな影響を及ぼし、特にアフリカを含む脆弱な国・人々に対して不均衡かつ深刻な打撃を与えています。これは、アフリカに対する迅速かつ連携した対応の必要性を示します。

こうした状況の下、日本はAfDBとの緊密な連携のもと、「アフリカの民間セクター開発のための共同イニシアティブ(EPSA)」として知られている、協調融資や民間支援のための長年の二国間パートナーシップを最大限に活用し、アフリカ大陸の強靱性を高めることを決定しました。日本とAfDBは、食料安全保障、エネルギー安全保障、サプライチェーンの安定性・強靱性といった足元で浮上した課題について、同パートナーシップの案件パイプラインに共同で反映させていきます。これは、AfDBのカウンターシクリカルな役割の強化にも資するものと考えています。

さらに先を見据えて、アフリカはその莫大な成長潜在力を実現するための取組を引き続き進める必要があります。豊富な天然資源、活力ある民間セクター、そして世界で最も若く、最も急速に増加する人口を有するアフリカは、今後数十年にわたり世界経済成長の原動力となる存在です。このような文脈において、AfDBは、ター総裁のリーダーシップの下、アフリカの変革を加速させる上で極めて重要な役割を担っています。すなわち、人々に力を与え、人口動態の潜在力を引き出し、国際社会とのより深いパートナーシップを育む役割です。


3.アフリカ開発銀行グループへの期待と日本の支援

以下、日本がAfDBに対して寄せる主な期待を述べます。

第一に、日本はAfDBが質の高いインフラ整備に向けた取組を引き続き推進することを期待します。持続性のあるインフラネットワークは、取引コストを削減し、安定した経済活動を下支えするとともに、農村部の生産と都市部の市場の結び付きを強化する役割を果たします。こうした投資は、ター総裁が掲げる「地域統合型経済開発回廊」の構築や、天然資源、特に重要鉱物に付加価値をもたらす統合された生産・加工・サプライチェーンの展開を実現する上で不可欠です。大陸全体でこれらのインフラを拡大すべく、融資可能な案件の強固なパイプラインをAfDBが構築することを期待しています。
この観点から、日本はアフリカ開発基金(AfDF:African Development Fund)の戦略フレームワークを構成する二つの柱、「質の高いインフラ」と「ガバナンス、能力構築及び持続可能な債務管理」を歓迎します。フレームワークのもとにある政策コミットメントを支持し、日本はAfDF第17次増資(AfDF‑17)へ、3億7400万SDRの拠出をコミットしました。

第二に、アフリカが有する比類なき成長ポテンシャルを実現するため、AfDBが民間セクター動員を一層強化することを期待します。アフリカ域内金融機関の連携強化の重視を含め、アフリカのオーナーシップを強化しつつ民間資本・専門知見を動員するター総裁の戦略を、大いに歓迎します。同時に、日本を含めた域外国との関与を強化し、グローバル規模で知見と資本を動員するよう、AfDBに強く期待します。
この文脈において、アフリカ投資フォーラム(AIF)のようなアウトリーチのためのプラットフォームについて、引き続き支援していきます。
日本は他国に先駆けてAfDBを通じた民間セクター開発支援を行ってきました。2005年創設以来のEPSAの成功裡の実施を踏まえ、日本は第9回アフリカ開発会議(TICAD9)の機会に、EPSA第6フェーズの立ち上げを発表しました。本フェーズでは、JICAとAfDBの協力により、最大55億米ドル規模の民間セクター支援枠が実施されます。東京に所在するAfDBアジア代表事務所は、アフリカと日本の技術・人材等を結び付けるために、引き続き重要な役割を果たしていきます。

第三に、AfDBが、力強い成長と持続的繁栄の基盤としてイノベーションを一層促進することを期待します。2033年までに、アフリカの若年人口は世界全体の約3分の1を占めると見込まれています。日本は、教育、職業訓練、起業支援を通じ、若者の能力強化に向けたAfDBの取組強化を求めます。スタートアップはアフリカ開発における重要な成長ドライバーとなりつつあり、新たな金融手段やイニシアティブを通じてAfDBがエコシステム支援を行うことを促します。

AfDBに設置している日本単独信託基金である「政策・人材育成基金(PHRDG)」を通じ、人的資本開発を支援しています。また、「アフリカ民間セクター向け支援基金(FAPA)」を通じ、投資・ビジネス環境整備も支援しています。さらに、日本は、ター総裁の取組を後押しするため、AfDBに1000万米ドルの追加拠出を計画しています。

アフリカ全体の支援のためには、AfDBの業務を迅速かつ効果的に実施することが不可欠です。この観点から、日本は、案件の質と持続可能性を高めるべく、調達改革の進展を大いに期待します。また、人的資本への継続的投資や適切な職員増強に向けたター総裁の努力を、日本は支援する用意があります。AfDBとのパートナーシップを一層深化・強化するため、日本は人的貢献を通じた協力も行います。


4.結び

日本は、ター総裁がアフリカ大陸の経済的潜在力を最大限に引き出すため、リーダーシップを発揮されることを歓迎し、引き続き期待しています。アフリカを代表する国際開発機関として、AfDBがアフリカ向け資本動員の中核的役割を果たすと確信しています。アフリカの信頼できるパートナーとして、日本は今後ともAfDBと緊密に連携していきます。

以上