平成23年4月13日
財務大臣談話
アジア開発銀行(ADB)黒田東彦総裁は、本日、今任期満了(平成23年11月23日)後、再選に向けての意向を表明された。
黒田総裁は、2005年2月の就任以来、ADB全般にわたる徹底した改革を実施するとともに、ADBの最重要目標として貧困削減を掲げ、長期戦略(Strategy 2020)を策定し、その使命を達成するためにADBの資本を3倍とする15年ぶりの一般増資を2009年4月に成功裡に取りまとめられた。また、アフガニスタン等の域内の脆弱国への支援を積極的に実施し、先般の世界金融経済危機に際してはADBによる迅速かつ効果的な支援を実行するなど、アジア・太平洋地域の成長と貧困削減に対する支援の強化に卓越した指導力を発揮された。
アジア・太平洋地域は、先般の世界金融危機から他地域に先駆けて回復をしたが、依然として世界の2/3の貧困人口を擁しており、民間投資を促進するための様々なインフラの改善や、金融・貿易の円滑化を通じた一層の地域統合の促進など、持続可能な成長と貧困削減に向けて大きな課題が残っている。
私は、ADBが上記の課題に引き続き効果的に取組み、我が国とともに成長していくアジア・太平洋諸国の発展を一層力強く支援していくためにも、黒田総裁のこれまでの業績に鑑みて、黒田総裁にもう一期ADB総裁として務めていただきたいと考えている。